ロンメルの受難   作:星野林(旧ゆっくり霊沙)

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学園祭の時間

 呼吸を教えはじめて1週間

 

 想像以上に皆の吸収力や成長力にロンメルが驚いていた頃

 

 進路相談の季節となった

 

「「「進路相談?」」」

 

「ええ、皆さんの誰かが先生を殺せた場合その後を考えなければなりません。まぁ無駄になると思いますがねぇ……進路希望の用紙に志望校、将来なりたい職業を2つ書いてください。1人1人面談を行いますのでできた人から別室に来てください」

 

 進路……進路かぁ……

 

「ロンメルさんはどうするの? もし殺せんせーを殺せて生存する方法が見つかったら」

 

「倉橋さんか……うーん、考えてなかったんだよね」

 

「以外! 色々と考えてるのだと思ってた」

 

「生存方法の模索でいっぱいいっぱいでね……将来かぁ……高校にはこの容姿だから行けないし、下手すれば国の研究施設で監禁の可能性が高いんだよねぇ……」

 

 ロンメルは悩む……正直この暗殺教室という目標を達成した後はエンドコンテンツである

 

 ……まだまだ学びたい

 

 色々な事を経験したい、感じたい、成長したい

 

 学び続けることこそが強さである

 

 成長し続けられることこそ強さであるという信念の元で行動するロンメルにとって……ふと思い返す

 

 それは劣等生としてのウマ娘としてのロンメルのことである

 

 このまま順調に行けば……エクリプスさんの話が本当であれば【次は元のウマ娘の世界にいけるハズ】である

 

 殺せんせーとの特訓と過去の経験からあの頃とは比べ物にならないほどにロンメルは強くなった

 

 しかし、肉体は世界を越える時にリセットされ、またスリーアウトの頃の様な弱者となってしまうのではないかと恐怖がある

 

 どうすべきか……どうすべきかと悩む

 

 どんなに頑張っても最盛期の肉体を得るには1年半かかる

 

 戻ったところでクラシック期の6月……スリーアウト制度故に再出走まで2ヶ月……翌年の1月までに未勝利を脱出することとトレーナーを見つけなければならないし、最盛期になるまでに重賞を勝っておかなければ大レースにすら出走できない

 

 しかも8月からは未勝利戦というレースは無くなり1勝クラスという格上で戦わなければならない

 

 これが剣術の試合や殺し合いであればいくらでも勝つ方法はあるのだが……

 

 いやいや、待て待て、この世界で何をするかだ

 

「うーん、国に交渉して自由がある程度保障してくれるなら通信制でも高校や大学の勉強学びたいな……大学が終わったら3年間は世界を旅してみようかな」

 

「良いじゃん! 良いじゃん!」

 

 ロンメルは志望校は通信制の高校を選択し、職業は動画配信者、バックパッカーと書いた

 

 殺せんせーは複雑そうな顔をしている

 

「もっと安定した職業に就いて欲しいのが本音ですが……というか本当に25で死んでしまうつもりですか?」

 

「ええ、殺せんせー亡き後の世界に私の事を満たせる人物は居ないという考えに至りました……25でこの世界では満足です」

 

「そうですか……生徒が決めたことをとやかく言うのはよしましょう……良き人生を」

 

「はい! 応援してください」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 渚君が進路に迷い、決められずに居ると、家で母親にE組から抜けるように言われてしまい、急遽3者面談をすることとなったり、烏間先生がこういう時は担任役をするのだが出張で居ないため殺せんせーが変装をしてやりとげたりという事件があったが、11月の中旬……また椚ヶ丘学園にて大きなイベントが始まる

 

 

「おほー、学園祭ねぇ」

 

「ロンメルさんは知らないかも知れないけどうちの学園祭はガチだよ。儲け分は寄付するけど収益の順位は校内にデカデカと貼り出される。ここでトップを取ったクラスは商業的実績として就活や進学で履歴書に書ける程なんだ」

 

「だから皆必死に商売するから社会人顔負けの店も多いよ」

 

 で、今回は中学だけでなく高校も合同の学園祭であり、更にE組は山の上にあるので客が山登りなかなかに不利な厳しい勝負である

 

 で、本校舎の連中はこれまで野球部との勝負から始まり、A組との勝負でどんでん返しをしてきたE組が今回も何かしでかすんじゃないかと勝手に期待されていた

 

「勝ちに行くしか無いでしょ!」

 

 殺せんせーはやる気満々である

 

「今までもA組をライバルに勝負することで君達は成長してきた。この対決暗殺と勉強以外の1つの集大成になりそうです」

 

 殺せんせーは続けて言う

 

「君達がここでやってきた事が正しければ必ず勝機は見えてきます」

 

 吉田君や狭間さんが疑問を出す

 

「つったって勝つ方法はよ」

 

「店系は300円まで、イベント系は600円までが単価の上限って決められてる。材料費300円以下のチープな飯を食べに誰が1キロの山道登って来るのかしら」

 

 更に杉野君がA組の浅野君が何でもスポンサー契約を取り付けてドリンクと軽食は無償提供するようにしたらしい

 

 五英傑の面々も金持ちであったりコンクールや大会などに出ていて顔が広い為に友人を動員して客を呼び込むつもりらしい

 

 イベント系をやるという情報もあり、今回も高い壁になりそうだ

 

「E組における価値とは例えばこれです」

 

 と殺せんせーはドングリを取り出した

 

「裏山にいくらでも落ちています。色々種類がありますが、身が大きくアクの少ないマテバシイが最適です……皆で拾ってきましょう。そしてロンメルさん、皆が拾ってきている間に供給できる食料のピックアップをお願いします」

 

「任せて」

 

 ~1時間後~

 

 皆で裏山を巡ると30Lのごみ袋10袋分のドングリが集まった

 

 これを水に漬けて浮いたものを捨てて、殻を割って渋皮を除き、中身をミキサーで粗めに砕いたら布袋に入れ換えて1週間アク抜きをする

 

 その後3日間天日干しして、臼で更に細かくドングリを引いてドングリ粉の完成

 

 アク抜きをしている間に殺せんせーが先に完成をしたドングリ粉を取り出し

 

「客を呼べる食べ物と言えばラーメン!! これを使ってラーメンを作りませんか!!」

 

 ラーメンという言葉に村松君が反応する

 

 ドングリ粉を舐めると

 

「ちょっと厳しいな。味も香りも面白ぇけど粘りが足りねぇ。滑らかな食感をドングリ粉で出すには大量のつなぎが必要だから……結局その分材料費はかかるぜ」

 

「ならばこれはどうでしょう」

 

 殺せんせーは芋を取り出す

 

「と、とろろ芋だ!」

 

「正確には自然薯です。天然物は店で買えば数千円しますが、とろろにすると香りも粘りも栽培ものとは段違い。つなぎとして申し分ないでしょう。自然の山にはどこにでも生えています。探して来ましょう」

 

 自然薯も集まり後は卵であるが

 

「それなら私の出番かな! プリン暗殺の時に培った手伝があるからそれで安く卵を仕入れられるよ!」

 

 卵は大規模な生産者かつ現在生産調整に失敗して値崩れしているので1パック10個入りが15円から20円これに輸送費だ、利益だとかで特売スーパーでも70とか80、90円になるのだが、直接仕入れれば安い

 

 茅野さんが千葉の生産者と繋がりを生かしてロンメルが台車を引いて買いに行く

 

 ドングリ粉の麺1人前を作るのに卵3つ必要なのでとりあえず1万個購入する

 

 材料費は常識の範囲内なら学校側が負担してくれるの卵は確保

 

「麺の材料費は1人前4.5円ですので残りをスープに当てることができます」

 

「……なるほど!! ならラーメンよりつけ麺の方が良い、この食材の野性的な香りは濃いつけ汁の方が相性がいいし、スープが少なく済む分利益率も高い!」

 

「ロンメルさんできましたか」

 

「はい、出せる食材のピックアップと手伝を使って仕入れられる食材及び値段です」

 

「……おお! そっか新米じゃなくて古米ならこの値段か」

 

「小麦粉が使えるなら普通のラーメンも作れるね。スープは村松君と私(原)とロンメルさんの3人で研究したのが使えるし」

 

「卵が大量にあるから味玉や卵かけご飯、チャーハンみたいなサイドメニューもたくさんできる」

 

「それ以外にもあるぜ!」

 

 皆が色々な食材を探してきてくれた

 

 川魚がプールにわんさか住み着いており、ヤマメ、イワナ、オイカワ、テナガエビなんかが獲れた

 

 山に自生する柿や栗、山葡萄、銀杏、くるみ、アケビ等々の果実やカルマ君がきのこも獲ってきてくれた

 

「フルーツ系はそのまま出すのもアリだけどドライフルーツにして持ち帰りできるようにした方が良いんじゃない?」

 

「お! ロンメルさんもやしとほうれん草大量にあるんなら使いたい!」

 

「チャーシューどうするかだよな」

 

「豚は先生に任せてください。安く仕入れてきますよ……そしてカルマ君、きのこですが半分は毒キノコですがこれなんか」

 

「「「ま、松茸」」」

 

 これらを店で買ってフルコースを作れば3000円は下らない

 

 しかし、それらがこの裏山では当たり前に手に入る

 

 奥山に隠れて誰もその威力に気がついていない

 

「隠し武器で客を攻撃か」

 

「まぁ殺し屋的な店だわな」

 

 こうして食材が決まれば動き出す

 

 ドングリや食材を集める班

 

 サイドメニューや試作品を作り研究する班

 

 広告のサイトや看板、チラシを作る班

 

 敵情を視察する班

 

 各々持てる技術をフルに使い準備を行った

 

 そして11月中旬の土曜日と日曜日

 

 学園祭戦争が幕を開けた

 

 

 

 


 

 メニュー一覧

 

 ・ドングリつけ麺 ハーフ 普通 大盛 特盛

 ・特製豚骨醤油ラーメン ハーフ 普通 大盛 特盛

 ・モンスターラーメン(特盛及び数量限定1日15人まで) 

 ・ライス 半ライス 普通 大盛

 ・TKG

 ・チャーハン ハーフ 普通

 ・山の炊き込みご飯

 ・森ピザ ハーフ 普通

 ・川魚の燻製

 ・つみれ汁

 ・銀杏と野菜のかき揚げ

 ・野菜の天ぷら

 ・おにぎり揚げ 選べる具材 チーズ 味玉 チャーシュー 各種きのこ

 

 デザート

 ・山のモンブラン

 ・山のパフェ

 ・皿まで食べれるアケビ

 ・柿とアケビのゼリー

 

 ・山葡萄のジュース

 ・レモン水 サービス(ラーメン、つけ麺注文にて切り替え)

 ・お冷 サービス

 

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