1枠 2番 7番人気 クライムハーツ
2枠 3番 6番人気 マイネルアヌビス
2枠 4番 1番人気 サクラアスラン
3枠 5番 3番人気 クライムビート
3枠 6番 5番人気 スイートソティス
4枠 7番 2番人気 カジミェーシュ
4枠 8番 14番人気 コスモシパクトリ
5枠 9番 12番人気 メイショウホルス
5枠 10番 13番人気 サウマドール
6枠 11番 9番人気 デルタフォース
6枠 12番 11番人気 アドマイヤアテン
7枠 13番 15番人気 チャクモール
7枠 14番 10番人気 ウインオルメカ
8枠 15番 16番人気 チコメコアトル
8枠 16番 8番人気 エイトガーランド
12月23日
中山レース場
年末の総決算『有馬記念』当日。
しんしんと雪が降る中山の地に、日本中から白い吐息と共に観客が押し寄せる。
船橋法典駅 事務室
『こちらは運輸指令です。武蔵野線降雪の影響で遅延発生』
「何でよりによって有馬の日に雪降るんだぁぁぁ!」
「嘆いてねぇで立番行くぞ!」
「入場規制用のロープ持ってこい!」
「遅延証明書はこちらです!」
改札口 新聞売り場
「ウマゴローいかがっすかー」
「レース見るならレースブック!有馬記念特集だよ!」
「安心と信頼のレースエイト!エイトガーランド選手単独インタビュー掲載!」
「…新聞ってどれ買えばいいのやら…(ボソッ)」
「「「そこの兄ちゃんウチの買ってかない!?」」」
中央門 待機列
「うぅ寒い。開門はまだか…」
「いやはや…最近よく会いますな、イェニチェリさん。」
「あっ!?いつぞやの浪士組!何でここに!?」
「そりゃまあホープファンの前にレースファンなわけで…
あ、私
「これはご丁寧に。
「有馬見るまで年は越せないですからな。共に見届けましょうや」
「やっぱあんたええやつやな…これ寒さしのぎに、さっき買ったあんまんです。」
「おお、ではありがたく…あんまんはやはりこしあんが至高ですな!」
「え?普通あんまんはつぶあんでは?」
「いやいやいや」
「いやいやいや」
「…ああん!?」
「おおう!?」
中山レース場 控室
「アスラン、調子はどう?」
「万全です、テイオーさん。」
控室にて手慣れた手つきで勝負服を着こみながらテイオーに返答する。
「ちゃんと睡眠はとった?この前みたいなのはボク許さないよ」
「もちろんです。自分ももうあんな思いするのは御免ですし、それに…」
チラッと目線を移す。
「ローレルさんから頂いたアロマのおかげで、よく眠れるし寝起きもすっきりするんです。」
スピカのメンバーに混じっていたサクラローレルがぴょこんと進み出る。
「アスランちゃんに渡したのはメディカルアロマって言ってね、ちゃんと専門の先生が調合した医療用のアロマなの。
フランスでは一般的なんだけど、アスランちゃんにも効果があって良かった!」
「すまんなローレル。手数をかけちまって」
「気になさらないでくださいトレーナーさん。アスランちゃんの力になれたのならとっても嬉しいです。」
トレーナーの言葉に対しローレルが喜色満面の笑みを浮かべる。
「ローレルさんありがとうございました。頼りになります。」
「フフッ、いつでも頼りにしてね!」
サクラ同士の和やかな空気が漂う。
「…ねえアスラン。ボクのこともちゃんと頼りにしてるよね?」
「何を言い出すんですかテイオーさん。」
「もしかしてテイオーちゃんジェラシーとか感じちゃうタイプ?」
「ンモー!2人そろってなんなのさー!?」
プンスコするテイオーをサクラコンビがいじり倒す。
「んな心配せずとも大丈夫ですよテイオーさん。第一休養から帰った後、ほぼマンツーマンで復帰メニューに付き合って下さったじゃないですか。
不眠について相談したら、ローレルさんにも話を共有してメディカルアロマを紹介してくださったし…
自分が最も信頼しているのはテイオーさんですから。」
これは紛れもない本心だ。
自分よがりには限界があると学んだジャパンカップから、今まで以上にトレーナーやスピカの先輩方に頼るよう心掛けてきたが、
改めてトウカイテイオーの頼りがいに感謝しっぱなしだ。
「…そっか。ならボクはそんなアスランを胸を張って送り出すよ!」
テイオーが背中をポンと叩く。
『お知らせします。中山レース場第11R出走者はパドックへお集まり下さい。』
スッと立ち上がり、立てかけてあったサーベルを帯剣し軽く息を吐く。
(…偉大な優駿から受け継いだロマンを、今日こそ昇華させる!)
「いざ!アスラン出陣!」
「行ってきます!」
同時刻 別の控室
「―準備はいいな?」
「はい、シリウス先輩」
「なら行ってこい」
シリウスシンボリに促され、スイートソティスが控室から出る。
「…あ」
「…ソティス。」
部屋の外にいたソティスの両親と思しき男女が、心配そうに声をかける。
「…」
ソティスは両親に一瞥もせず真横を通り過ぎていった。
「待ちなさいソティス!」
「おっと、そこまでだ。」
シリウスが前に出てソティスの両親を制する。
「レース前だ、集中をかき乱すような振る舞いはなしでたのむぜ。」
「しかしシリウス様…!」
「まあレースを見ればわかるはずさ。
ソティスの決意がな。」
…
『外側から最強の2人!やっぱり最後は2人だった!』
その年には、偉業があった
『ゼンノロブロイ!ゼンノロブロイがタップダンスシチーを抑えました!』
今年はどんな言葉で
後世へ語り継がれるのだろうか
G1 有馬記念
『つい先ほどから大粒の牡丹雪が降り始めました中山レース場。
その雪と寒気に負けてなるものかと言わんばかりの大歓声が響き渡ります!
待ちに待った本日のメインレース。
中山第11R 有馬記念G1
芝の2500mに選び抜かれた16人が集います!
今年のレース界を振り返りますと、やはり注目の的は史上2例目となる無敗の3冠ウマ娘、サクラアスラン。
その若獅子が堂々1番人気でもって有馬の大舞台に挑みます!
迎え撃つは昨年のダービーウマ娘、変則2冠の大王カジミェーシュ!2番人気です。
3番人気に今日がラストラン、クライムビートが続きます。
降雪によりバ場状態は重の発表。
この特殊な状況下にて力を示すのは果たして誰か!』
(急に雪が強くなってきたな、さっきまで晴れ間も見えたのに。
視界が悪いから位置取りに気を付けないと…)
ゲートに向かいながらそんなことを思う。
思えば雪どころか雨が降った状態で走るのは初めてだ。
(様子見ながら慎重にいこう)
目を開き、白くなりつつある芝を見る。
『さあ最後15番チコメコアトル収まりまして…体制完了!
スタートしました!』