芝の獅子帝―サクラアスラン奮闘記   作:シェルト

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改訂版です

前回のは忘れて下さい(土下座)


選抜レース トレセン学園 芝 1200m [改訂版]

テイオーから夢を引き継いでから早数日。

 

ついに選抜レースの日を迎えた。

 

…ここまで色々あった。

相変わらず同期達からもてはやされたり、シリウスから「スピカか…まあお前なら大丈夫だろ」と半笑いで言われたり、極めつけはスチームがリギルに入っていたり…

あんた俺よりすげーじゃねーか。

 

今日は今年の世代初の選抜レースということもあり、かなり注目度が高いようだ。

午前の座学が終わる前からレース場にはトレーナーと思しき大人達がレジャーシートで陣取りしている様子が目に入った。

…完全に競馬場の光景だわこれ。

 

午後になり着替えてアップを行なう。

俺は15:40出走だ。

 

「おーいアスランー!」

少し休憩しているとテイオーが駆け寄ってくる。

 

「テイオーさん。来てくれたんですか。」

「当然でしょー?ボクの自慢の後輩が走るんだもの!後でカイチョーも見に来るって!」

「き、緊張するな…」

 

すると後ろから「へえ?」と声がした。

 

「なんだテイオー。こいつお前のお気に入りなのか。」

「あっ、シリウス!なんだよーアスランはボクのなんだからあげないぞ!」

「奪ったりしねぇよ…お前までルドルフみたいなこと言いやがって。」

「ボクとアスランは『無敵のテイオー伝説第二弾』の途中なの!邪魔しないで!」

「分かった分かった。レースぐらいは見させてくれよな?」

 

目の前で微笑ましい光景が繰り広げられている。

 

俺が「シリウスさんも見に来てくださりありがとうございます。」と礼を言うと

「ハッ、お前はルドルフの『シルバーブレット』になり得る存在だからな」と言われた。

シリウスなりに期待してくれているのだろう。

 

『お知らせします。15:40発走の生徒は所定の位置に集合してください。』

 

校内アナウンスが響く。

 

「お二人ともありがとうございます。行ってきます!」

二人に礼を言ってから俺は集合場所へ駆けていった。

 

「よーし。ボクも応援しちゃうもんニ!シリウスいくよ!」

「わー待て待て、引っ張るなっ」

「あー見つけた!テイオーちゃん!」

「あれ?マヤノ?どうしたの。」

「先生が探してたよー提出期限が今日までの課題出してないって。」

「あ…部屋におきっぱだ。」

「早く届けにいった方がいいよ?先生カンカンだったよ。」

「ピエッ!?ど、どうしよう!?これからアスランのレースなのに!?

…い、急いで持って行けば間に合うかな…?

…し、シリウス!!!ボクの代わりに場所とっといてね!絶対だよ!!!」

 

そう言い残しテイオーは嵐の様に走って行った。

 

「…どさくさに紛れてあたしをパシってねーか?」

 

 

 

 

 

 

集合場所には自分と同じ組の子が集まっていた。

内一人は見知った顔だった。

 

「…ええと、ガーランド…さん?」

「…ガーランドでいいよ。今日はよろしく。」

 

握手を交わし、ゲートに向かう。

すると観客席が少しざわめく。

 

「あれがスピカの…」

「世代の代表筆頭だとか」

「生徒会長やシリウスが一目置くという…」

 

…ここまで言われるとムズかゆい。

 

俺を含めた出走バ10名がゲートに入る。

 

ガシャンという音と共にスタートダッシュを…っ!?

 

(あいつ出遅れやがった!)

シリウスが思わず立ち上がる。

 

…まずい

 

『観客席の声に気をとられて出遅れた』なんて情けないったらありゃしない!

 

出遅れた結果俺は後方集団。

しかも囲まれるように内側に入ってしまっている。

 

…本格的にまずい。

所謂『馬群にのまれた(囲まれた)』状態だ。

『前が壁』どころじゃない。

大外に出ようにも斜め前にガーランドがいて進めない!

 

そのまま最終直線に入る

ガーランドがスパートをかけ、ようやく前が空く。

 

が…もう時すでに遅しだった。

 

 

『1着8番 エイトガーランド

2着4番 サクラアスラン

3着3番 クラップラップ

4着…』

 

着順を告げるアナウンスが響く。

 

『負けた』

 

その事実が重くのしかかる。

 

「アスラン」

と、ガーランドが声をかける。

 

「…良い勝負だった。あなたをマークして正解だった。私でも戦えるんだって自信がついた。次も負けない!」

 

…彼女は単純にレース相手の健闘を称えているだけだ。

 

頭では分かっている。

 

だが…

 

「…アスラン?」

 

差し出された手を握ることは出来なかった。

 

俺はふらふらとした足取りでターフを去った。

 

 

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