芝の獅子帝―サクラアスラン奮闘記   作:シェルト

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『何が』悔しいのか

校舎裏にたどり着き、まだ頭が混乱している。

 

「…クソッ!!!」

 

足元の石ころを蹴り上げる。

悔しくて涙が止まらない。

 

テイオーと無敗の約束をしたのに、もう破ってしまった。

不甲斐ない自分に嫌気がさす。

 

「…その涙は何の涙だ?」

 

後ろを振り向くと腕を組んで校舎に寄りかかるシリウスがいた。

 

「負けたのが…グスッ…悔しくて…」

「それだけか?」

「え?」

「負けた事だけが悔しいのか?今日お前はどうして負けた?胸に手を当てて考えてみろ。」

 

そう言われもう一度あのレースを思い返す。

 

…やはり一番の敗因はあの包囲だろう。

2000年の有馬記念のオペラオー包囲網を思い出した。

 

「…じゃあなぜ包囲された?」

 

…スタートで出遅れたのが痛い。

 

「じゃあなぜ出遅れた?」

 

…観客席からの声に気をとられ…

 

「…お前の今回の敗因は2つある。

一つは8番のやつがお前を徹底的にマークし、やつの術中にはまったこと。

ありゃ見事だった。見るやつが見れば分かる。

そしてもう一つは」

 

そう言って俺の前に来て、頭を小突く。

 

「お前が未熟だってことだ。外野の声に左右されやがって…お前は負けたのが悔しいんじゃない、『未熟な自分』が悔しいのさ。」

 

…図星だった。

 

ここまで『サクラアスラン』として生活してきて、色んな人が俺を評価してくれた。

 

期待されているのを肌で感じ、思い上がっていた。

 

そしてそれに満足してしまい、溺れてしまっていた。

 

『負ける自分』が想像出来なかった。

 

そしてその積み重ねが今日のお粗末な結果だ。

 

「お前が未熟なのはそれだけじゃない。

どうして1着のやつの握手を拒否した。」

「それは…」

「未熟なやつほど変なプライドを持ちやすい。大方『負けたのはお前のせいだ』とでも思ってたんじゃねぇのか?」

「返す言葉もございません…」

 

シリウスがため息をつき、「テイオーやスピカのトレーナーは何やってんだか…」と愚痴をこぼす。

 

説教(これ)が終わったらすぐに1着のやつに謝ってこい。」

「はい…」

 

そしてシリウスは俺の額に人差し指を突きつけ、「これだけは覚えておけ」と前置きする。

 

「お前はもうただのウマ娘じゃない。あたし達と同じ『競技ウマ娘』だ。あたしも口は悪い方だから人のことは言えないが…競技に携わる者として、『スポーツマンシップ』だけは忘れるな。」

「はい!」

「おら早く行け。」

「失礼します!」

 

そう言って俺はガーランドのところへ駆け出した。

 

怒って無ければいいが…

あとテイオーに何と言って謝れば…

 

そんなことを思いながら走って行った。

 

 

一人残されたシリウスは少しため息をつき、口角が上がる。

「…全く手間のかかる後輩だ。」

「だからこそ指導のしがいがあるとは思わないかい?」

「……お前いつからいた。」

「『負けたことだけが悔しいのか』のところからかな。」

「ほぼ全部じゃねぇか!?悪趣味にも程があるぞおい…」

 

校舎の角から現れたルドルフに対し、驚愕と嫌味節をぶつけるシリウス。

 

「…お前はあいつに何か言わなくて良いのか?」

「ああ、私が言いたいことは全部君が言ってくれたからね。」

 

シリウスが盛大に舌打ちし、苦笑いを浮かべるルドルフ。

 

「あと…そこにいるテイオーも同じだと思うぞ?」

 

茂みの中から耳がビクッと動く。

 

「あーバレちゃったーエヘヘ」

「お前はいつからいやがった。」

「『お前の今回の敗因は2つある(キリッ)』からかなー」

「こいつら…っ」

 

テイオーが茂みから出てきて、葉っぱを払いながらシリウスに近寄る。

 

「ありがとうシリウス。アスランのこと気にかけてくれて。」

「…お前はお前で先輩としての自覚が足りないがな。」

「え?」

「ああ、それは私も思っていた。競技ウマ娘として大切な心構えを何も教えてないとは…」

「え?え?」

 

「「そこに直れ、テイオー。」」

 

…テイオーの悲痛な叫びが校舎裏にこだました。




旧曇らせルート投稿後…

急激に減るお気に入り登録!
増える低評価!
阿鼻叫喚のコメント欄!
当たらない馬券!
減る野口!
色んな意味で顔面蒼白の作者!
(オジュウ見たさに府中にいた)

「あかん、とりあえず削除して練り直さな…
後レースに集中や」

削除後
秋華賞大当たり(3連単的中)

「やっぱ二次創作は曇らせじゃなくてスポ根路線が一番という3女神のお告げやな!」←いまココ
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