アスランがスピカで円陣を組んでいる頃。
チームリギルの部室にタイキスチームの姿があった。
「ーと、言うわけで今日より我がリギルに入部したタイキスチームだ。全員先輩として目をかけてやって欲しい。」
「タイキスチームです。よろしくお願いします!」
東条トレーナーの紹介と共にスチームが頭を下げ、挨拶をする。
そんなスチームは部室に入ったときから心臓がバクバクしていた。
なにせ
「やあ、君と同じチームになれて嬉しいよ、ポニーちゃん♪」(イケメン女子その1)
「ああ、このボクと出会えた素晴らしき瞬間に祝杯を捧げよう!」(イケメン女子その2)
「ほう…新しいメンバーか。あたしの渇きを満たすのに足りるか…楽しみだな。」(イケメン女子その3)
無自覚ムーブで口説きにかかるイケメン女子のみなさま
あっという間に顔が真っ赤になるスチーム。
そこへシャトルが割って入る。
「No!スチームはワタシのカワイイ後輩デース!ナチュラルに口説かないで下サーイ!」
(助かった…)
ホッとしたのも束の間、
「君は確か…前に私に挨拶してくれたアスランと同室の子だったな。新進気鋭の若駒と聞いている。共に切磋琢磨していこう。」(イケメン女子その4)
イケメン女子の大ボスが現れる。
「ひ、ひゃい!ヨロシクオネガイシマス!」
「Boo!ルドルフ!アナタもスチームを怖がらせないで下サーイ!」
「こ、怖がらせてなど…」
「あーもう!あなた達落ち着きなさい!」
収集がつかなくなってきたため東条トレーナーがストップをかける。
改めてトレーナーが咳払いをしてスチームの紹介をする。
「さっきのやり取りで感づいた者もいるとは思うが、スチームはシャトルが見つけてきた子だ。先程の選抜レースでも1着と良い成績を残している。目標のオークスを目指すに値すると判断し、勧誘した。」
「…ほう、オークスが目標か…」
オークスという単語に反応したのはエアグルーヴだった。
「ティアラ路線は三冠路線に比べ距離が短い反面、コース取りやスタートダッシュなど、より細かな要素が勝敗を分ける。過酷な道のりだぞ。」
「覚悟の上です。幼い頃からの夢を叶え、
「…良い目標だ。タイキ…いやシャトルが気に入るのも分かる。私やトレーナーの指導は厳しいぞ。臆せずついて来い。」
「はい!」
スチームとエアグルーヴが握手を交わす。
「…待て、タイキスチーム。同室のライバルとは…アスランのことか?」
「え、ええ。」
「…そうか、
「は、はい!」
ルドルフがスチームにそう声をかけ、優しい目を向ける。
一通りリギルメンバーが挨拶をしたところで、東条トレーナーがメンバーを見渡す。
「我らはリギル!この学園で頂点に君臨する最強チームだ。
玉座を守ることは、挑むことに比べ遥かに難しい。あなた達ならその意味が分かるはずよ。
自己研鑽を怠るな!現状に満足せず、常に頂のその先を目指せ!
それが我らリギルだ。忘れるな!」
「はい!」とメンバー全員が返事をする。
(…どえらいところに来てしまった…)
スチームは東条トレーナーの言葉を聞いて戦慄した。
するとシャトルがスチームの頬をムニっとする。
「ほらスチーム、そんな難しい顔しないでスマイルスマイル!」
「
頬っぺたをムニムニしながらシャトルはスチームに優しく語りかける。
「誰だって最初から強い人なんていまセン。みんな努力をしてきたからこそ今のリギルがありマス。」
頬から手を離し、スチームの目を真っ直ぐ見つめる。
「… Never stop trying. Never stop believing. Never give up. Your day will come.」
「…あら、シャトル。良いこと言うじゃない。」
まだ中学生のスチームにはあまり理解出来なかったが、応援されているのは分かった。
(…このチームで先輩達のように強くなりたい…!)
スチームはそう強く決心した。
「東条トレーナー!先輩方!本日からよろしくお願いします!」
こうしてタイキスチームもリギルに正式加入した。
「Never stop trying. Never stop believing. Never give up. Your day will come.」
『常に努力し続けろ。信じ続けろ。絶対に諦めるな。そうすれば必ずお前の日は来る。』
Billy Cox 1941-
アフリカ系アメリカ人ロックベーシスト