「あっ、アスランーこっちこっち!」
「おせーぞアスラン!」
「すみませーん。お待たせしましたー」
取材が終わり、荷物を整えてスピカメンバーのところへ向かう。
バンタイプの車に荷物を詰め込み、席につく。
「エヘヘー合宿楽しみだねアスラン!」
ちなみに隣はテイオーだ。
「よーし、みんな揃ったな?合宿へ出発だ!」
トレーナーがドライバー席につき、エンジンを始動する。
「…あっ!」
「どうしたテイオー。」
「ごめん!一回寮に戻っていい?換えの蹄鉄忘れちゃった!」
「おいおいしっかりしてくれよ。早く取ってこい。」
10分後
「ごめーんお待たせー!」
「よし、じゃあ改めて」
「あートレーナー。俺も一回戻っていいか?」
「今度はウオッカか…どうした。」
「いやその、水筒忘れちゃって。」
「水筒ぐらい後で買ってやるぞ?」
「そうじゃなくって!ギム先輩から貰ったキーホルダーをつけた水筒を忘れたんだよー!『俺特製の木製アクセサリーだ。アタシの分まで合宿につれてってくれ』って言われてんだよー!」
「分かった分かった。早くな。」
20分後
「サンキュートレーナー!みんなもごめん!」
「ようやくか…出発するぞ」
「…トレーナー。私も戻っていい?」
「スカーレットもか…買えるものなら我慢しろ」
「そんなこと出来ないわよ!タキオンさんから貰ったサプリメント、部屋に置いてきちゃったのよ!『筋肉疲労に効果のあるサプリだ。合宿で使って感想を聞かせてくれたまえ』って手渡されたのよ!」
「なんでさっきウオッカの時に言わなかったんだ!」
「仕方ないじゃない!今気付いたんだから!」
「…早く取ってこい。」
30分後
「…もうないなお前ら。これ以上遅れたら到着が夜中になっちまう。」
「…あのートレーナーさん…」
「スペは途中でおやつ買ってやるから!」
「どうして分かったんですか!?」
「なートレーナー。アタシも…」
「ゴルシ…お前まで何忘れたんだ!?」
「いや…その…
…冒険心ってやつをな(キリッ)」
「高速乗るからシートベルト必ずつけろよー」
「…てめえ!無視すんじゃねーよ!」
「グワーッ!?シート越しに首締めんなぁぁぁ!」
…すごいでしょ?
まだトレセン学園の敷地すら出てないんだぜ?
そして繰り広げられるスピカ珍道中。
途中のサービスエリアで夕食を食べたり渋滞に巻き込まれたりして、到着したのは夜の10時だった。
(ようやく着いた…)
車から降りると、さざ波の音と潮の香りがする。
そして目の前には立派なリゾートホテルがそびえていた。
「おーいいホテルじゃないですか。さすがですね!」
「…アスラン分かってないなー」
テイオーがやれやれとコメクイテー顔する。
「どうせこのホテルの隣の古い旅館が宿泊先ってオチだよ。」
「…ああ…」
そういやそんな描写あったな…
「いや?今回はこっちだぞ?」
「「え?」」
そのままリゾートホテルの中に入る沖野トレーナー。
スピカメンバーも半信半疑のままホテルに入る。
チェックインを済ませたトレーナーに先導され、豪華な内装のホテルを進む。
「(ヒソ)ホントに今回ここに泊まるのか?」
「(ヒソ)絶対なにか裏があるわよ。」
「(ヒソ)あれだろ?ボロい離れか曰く付きの別館ってのがオチだろ?」
「(ヒソ)その話こ○亀で読みましたよ。」
「…お前ら全部聞こえてんぞー」
と、トレーナーが120号室の前で止まる。
「なートレーナー。そろそろ種明かししてくれよー」
ゴルシの言葉に全員が頷く。
「種明かしもなにも…」
トレーナーがちらりとスペとテイオーを見る。
「…スペやテイオーのおかげでチームスピカも知名度が上がり、今や人気実力共にリギルに次ぐようになったんだ。多少高くてもセキュリティがビシッとしたところにしたってわけだ。」
「トレーナー!!!アタシは信じてたぜー!!!」
ゴルシがトレーナーに突進し、そのまま押し倒される。
「分かった分かった。とりあえずカードキーはゴルシに預けるぞ。」
「おう!任された!」
ゴルシがトレーナーから離れ、トレーナーが立ち上がり全員を見渡す。
「一般のお客さんも泊まってるから暴れたりして迷惑をかけないように!明日は着替えてメシ食った状態で7時にロビー集合だ。俺は一つ上の階にいるから何かあったら連絡してくれ。」
「「「はーい」」」
「それじゃおやすみ」と言ってトレーナーはエレベーターに乗り込んだ。
残されたメンバーはニンマリと笑みを浮かべる。
「たまには良いとこあるじゃない!」
「こんな豪華なホテル初めてだぜー!」
「なんだかワクワクしますね!」
「ニシシ!みんなワガハイに感謝するぜよー」
「いよっ!日本一!」
「よーしみんなドア開けるぜー!」
ゴルシがカードキーをかざし、ドアノブに手を掛ける。
「オープン!」
「「「おおお~!!!
~おおお????」」」
翌朝
7時20分
(…あいつら誰も来ないじゃないか…)
時間になっても誰も来ないため、沖野トレーナーは早歩きで120号室へ向かい、ノックする。
「お前らー起きてっかー」
ガチャリ
「…おはようございます…」
「おお、おはようアスラン。
…ひどいクマだがちゃんと寝れたのか?」
「…こんな部屋通してよくもそんなこと言えますね…」
「え?」
「いいからこの惨状を見て下さい」
腕をムンズとつかみ、部屋に連れ込む。
「…お前ら…生きてっか…?」
トレーナーの目に飛び込んできたのは死屍累々と化したスピカメンバー…
それではここで120号室の概要を説明しよう。
・バストイレ別
・大型インチの壁掛けテレビ
・フリーWi-Fi
・プライベートビーチ直結のバルコニー
・シングルベッド2台
・簡易型シングルベッド2台
・枕6つ
「…どうしてツインルームに6人泊めるんですかっ!?」
「…いい宿選んだ反動で予算がカツカツでな…」
頭をポリポリと掻く沖野トレーナー。
「…なあトレーナー。」
ここで奥の簡易ベッドに突っ伏していたゴルシが口を開く。
「アタシたちってリギルに次ぐ人気と実力を持つチームなんだよな?」
「そ、そうだな」
「…知ってっか?リギルの連中。今回の合宿、リゾートホテルのツインルームを、シングル使用してるって話だぜ?」
「あーおハナさんがそんなこと言ってたっけな」
「しかしこのスピカではだ。
おそらくリギル並の待遇を受けてもおかしくないであろうこのアタシ達がだ。
ツインルームの6人使用と。」
「仕方ないだろ!」
「もっと良い部屋泊めろこの野郎!」
「「「そーだそーだ!」」」
沖野トレーナーが頭を抱え、ため息をつく。
「…いいからバカなこと言ってないで早く準備しろ。今
カチッ(スピカのメンバーの何かが切れた音)
「こいつカヌーの
「「「おーっ!!!」」」
「ウワーッ!やめろぉぉぉ!!!???」
…その後トレーナーから
「狭い部屋を我慢するかバイキングを我慢するかどっちか選べ」
と二者択一を迫られ、約1名の強い希望によりとりあえず部屋はこのままとなった…
ベッドの内訳
・簡易型シングルベッドA→ゴルシ
(一番体格が大きいため)
ゴルシ「おかしいなぁこのベッド。スプリングがおかしいなぁ。」
・簡易型シングルベッドB→スペ
(寝相が悪いため)
スペ「うぅ。フカフカの藁のベッドが恋しいべ…」
アスラン(ハ○ジかな?)
・シングルベッドA→ウオッカ&スカーレット
(同室のため)
ウオッカ「おいもっとそっち寄れよ」
ダスカ「何言ってんのよこれ以上寄ったら床に落ちちゃうわよ」
ウオッカ「じゃあ床で寝ればいいじゃんか」
ダスカ「なんですって!?」
シングルベッドB→テイオー&アスラン
(師弟のため)
テイオー「うーんうーん」
アスラン「うーんうーん」
ゴルシ「なんでこいつら寝相シンクロしてんだwww」(パシャパシャ)←シャッター音