1枠 2番 8番人気 ペルニカアイリス
2枠 3番 10番人気 リリーマドンナ
2枠 4番 4番人気 クランベリーレイ
3枠 5番 6番人気 スコッチシスル
3枠 6番 2番人気 ムグンファエース
4枠 7番 9番人気 パームポート
4枠 8番 7番人気 アカンサスオーダー
5枠 9番 1番人気 サクラアスラン
5枠 10番 5番人気 リバティプラム
6枠 11番 11番人気 コノキナンノキ
6枠 12番 14番人気 コクリコポピー
7枠 13番 12番人気 グランダリア
7枠 14番 13番人気 アラビカカフェ
8枠 15番 17番人気 カモミールバル
8枠 16番 15番人気 ワトルミモザ
8枠 17番 16番人気 ロータスブーケ
『今年最後の中央G1ホープフルステークス。
来年のクラシック戦線を占う正しく希望に満ちたG1レース。
注目選手はやはりこの2人でしょう!
3枠6番ムグンファエースと5枠9番サクラアスラン!
海外からやってきた韓国の新星か、日本のジュニア世代を牽引する若獅子か。
間もなく出走です!』
年の瀬とは思えないほどの熱気に満ちたスタンドから歓声が上がる。
スタンドのあちらこちらには韓国系と思しき観客が見受けられる。
その一方で「必勝!」と書かれた鉢巻きをするおっさんや、「頑張れ日本の若頭!」という横断幕を掲げる人もおり、注目の高さがうかがえる。
「アスラン大丈夫かな…」
「ジュニア期の最後に大きな試練となったな…」
テイオーと沖野トレーナーがぽつりと呟く。
「アスランちゃんなら大丈夫です!観客のみなさんに負けない気持ちで応援しましょう!」
「スペ先輩の言う通りだ!」
「あたし達が弱気になってる場合じゃないわ!」
「おおよ!盛大に応援しようぜ!」
「メガホンはおやめなさいメガホンは」
「えー折角マックちゃんの分も用意したのにー」
スペの一言をキッカケに応援モードに入る。
マックイーンも急遽駆けつけ、仲間の背中を後押しする。
(いきなり世界と戦うのは大変だと思うけど…いつも真面目に頑張ってきたアスランちゃんなら…!)
そう
返しウマを終えてスタート地点に向かうアスランを見て沖野トレーナーが何かに気付く。
(…なんであいつあんなに汗かいてるんだ…?)
「アスラン落ち着けー!自分のペースで行くんだ!」
そう声を掛けるとアスランはこくりと頷いた。
(…大丈夫か?)
沖野トレーナーは一抹の不安を抱えた。
…
(…あっぶねぇ…!着替え間に合って良かったぁ…)
…当の俺は単に着替えで手間取って焦っていただけだった。
沖野トレーナーから落ち着くよう指示が飛び、少し頷き深呼吸する。
鼓動が身体全体に響き、頭がスッと冷える
イレギュラーなことはあったが問題ない。
―さあG1の舞台だ。
…
『さあ全員ゲートに収まりまして…
枠入り完了!
スタートしました!』
ゲートが開くと同時に前へ駆け出す。
ムグンファの脚質は逃げだ。
先に行かせて様子を…?
『ハナを取ったのは9番サクラアスラン!この大舞台で逃げを選択しました!』
低いざわめきがスタンドを包む。
いや俺逃げるつもりなんてさらさら無いんだけど。
気付いたらなぜか一人旅になっている。
(あいつは…?)
『先頭サクラアスランから3馬身離れて6番ムグンファエースをはじめとした中段グループが形成されています。2位争いは―』
風切り音と共に入ってくる実況から察するにあいつは後ろだ。
…これははめられたかもしれん…
逃げウマがいないからペースをつかみにくい…
『サクラアスランが飛ばしていきます!この『大逃げ』が吉とでるか凶とでるか!?』
「まずい『掛かった』!!!」
沖野トレーナーが悲鳴を上げる。
「な、なんで大逃げ…?」
スペのこぼした疑問にテイオーが「違う」と答える。
「アスランは…逃げているなんて思ってない。自分のペースで走っているだけ。
全員アスランをマークしているから
そして芙蓉のときとは違いあの子にペースを作らされている…」
「ああ、相手の走りを見て走法を切り替えるアスランからすれば…今のあいつは一人で荒野を走っているようなもんだろう。どんなに意識しても焦りでペースは乱れる。
アスランのレース感の良さが完全に裏目に出ているな…」
「そ、そんな…」
(アスランをきっちり研究したやつじゃないとこんな作戦はとれない…
…
スタンド5階の指定席からレースを見る。
想定通りの展開だ。
9番の子はよほど自分に自信があるのだろう。
芙蓉ステークスでの早め仕掛けや、東京スポーツ杯での差し返しなど…自分と相手の力量を正確に理解し、レースを支配する。
『ジュニア世代の代表』と言われるだけのことはある。
でも…その相手が想定外のことをしたら?
前走とまるで違う走りをしたら?
私とエースはそこに着目した。
そうでもしなきゃ
さあ…舞台は整った。
「主役になってきなさい!下バ評なんざ覆せ!」
『3コーナーを過ぎてなんとムグンファエースが一気にギアを上げた!
サクラアスランを尻目に3馬身!4馬身!
どんどんどんどん差が開くっ!』
(はっ…!?)
視界の外からムグンファエースが出てきたかと思うと下り坂を使って一気に引き離された。
ここでようやく自分のペースが乱れていることに気付く。
かなり体力を消耗したか…!?
一番最後の急坂乗り切れるかっ…?
…
―オペラ先生の作戦が見事にはまった。
後は…京都同様、坂を使って加速し続け、真っ先にゴールを切る!
私は今日…
「主役になりにきたんだ!!!」
『韓国の新星ムグンファエースが後続を突き放す!
サクラアスランをはじめとした日本バは追いつけるのかっ!?』