芝の獅子帝―サクラアスラン奮闘記   作:シェルト

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ギャグ回はなんぼあってもいいですからね

3月初め

 

「お断りします。」

「そこを曲げて頼むアスラン…」

 

生徒会室で毅然とした態度で断るアスランとなぜか腰の低いルドルフがいた。

 

「なんでや!見損なったでお笑いおん!」

「だからそれやめれ!」

 

そしてアスランの横でプンスカするオーケーハーンと、ため息をつくエアグルーヴ。

 

ことの始まりは約数分前。

 

 

 

 

 

「失礼します。サクラアスランです。」

「やあアスラン。急に呼び立てて済まないね。ひとまずそこに座ってくれ。」

 

お昼休みに生徒会室から呼び出しがかかり、部屋に入る。

 

「おうお笑いおん。あんたも呼ばれたんか。」

「ハーン…頼むからその呼び方は勘弁してくれ…」

 

ソファには先に呼ばれたハーンがおり、エアグルーヴが「会長、そろいました」とルドルフに声をかける。

 

「2人とも急な呼びかけに応じてくれて感謝する。

実は折り入って頼みたいことがあってな。」

「なんでしょう?」

「オーケーハーンは転入組だから知らないと思うが…トレセン学園では毎年次年度に入学する子達向けに入学ガイダンスというものを3月(この時期)に行っている。

主に入学前の連絡事項の伝達や、寮の抽選、各教職員や施設の案内を行い、新入生の不安を払拭するのが目的だ。」

「ああ、前通ってた学校でも似たようなもんがあったな。トレセンでもやるんやな。」

「そしてそのガイダンスでは在校生によるレセプションが恒例行事となっている。

と言っても少人数での出し物がメインだがな。」

 

…ちなみに1年前(自分達の時)はマルゼンスキーによる

【ドキッ!今日から使えるナウ語講座!あなたもこれでバッチグー!】だった。

 

…俺は楽しかったで?(配慮した表現)

 

「それで…今回のレセプションをどうするかを話し合ったのだが…

今年はアスランとハーンの2人にお願いしようと考えたのだ。」

「それはまた…なぜです?」

「1つは君たちがクラシック期…つまり新入生からすれば一番年の近い先輩となるわけだ。

既にドリームトロフィーに進んだ先輩より親しみを持ってもらえるのではと思ったのだ。

幸い2人は皐月直行組ですぐ近くにレースを控えている訳では無いのも大きい。」

「なるほど…一理ありますね。」

「そして…君たちは既にお笑いの世界で武勇を轟かしたと聞いた。

是非!新入生のために2人で漫才を」

「お断りします。」

 

最初の場面に戻る。

 

 

 

 

「なんでやアスラン!それでもピン芸で観客を沸かせた豊中のお笑いおんか!」

「だからその辺は知らん言うてるやろ!?

わざわざ人前にでて恥をさらす神経が分からんわ!」

「なんやと!?」

「待ってくれ、待ってくれ2人とも。喧嘩はしないでくれ…」

 

ルドルフが頭を抱えながら仲裁に入る。

 

「アスラン…どうしても嫌か?」

「こればかりはいくらルドルフさんの頼みでも聞けません。」

「う、ううむ…」

「会長…いかがします?あまり時間もないですし、今から他の者に頼むのも…」

 

「…致し方ないここは私が一肌脱ごう。」

「会長…」

 

ルドルフは決意に満ちた目を見せ、エアグルーヴが息をのむ。

 

「【皇帝が肯定!今日から使えるシンボリルドルフのギャグ講座】を」

「喜んで漫才やらせていただきます」

 

ノータイムで引き受けた。

なおこの時エアグルーヴが心の底から安堵したことを記載しておく。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

放課後・カフェテリア

 

「…よし、ネタは大体出来上がったな。」

「せやな。

しっかし流石はお笑いおん!あっという間にネタを作り上げるとは!」

「…もうツッコむのだるいわ」

 

トレーナーに許可を取り、カフェテリアにてネタの打ち合わせを行う。

 

「時間も無いしとっとと練習しよう。

じゃ、最初のツッコミよろしく」

「いやちょいまち。ツッコミはあんたやろ?」

「いやいや。そっちがツッコミだろ?」

「いやウチ元々ボケやし…このネタツッコミが核なんやから作者のあんたがやるべきやろ」

「このネタツッコミの方が台詞多いんだからそっちがやれよ。

ほとんど俺がネタ作ったんだからそれぐらい役に立てよ」

「なんやその言い方!まるでウチがサボってたみたいな言い分やないか!?」

「事実だろう!?」

「ああん!?」

「ああ!?」

「…」

「…」

 

「「…じゃんけんぽん!!!」」

 

 

 

 

 

 

 

ガイダンス当日

 

たづな「それではここで、在校生によるレセプションを行います!

皆様ステージをご覧ください。

それではお願いします!」

 

(BGM Because We Can)

 

「「どもー!

ども!『ゲラゲラエガオ』です!よろしくお願いします-!」」

 

アスラン「あーありがとうございますーね!

今、使い捨ての鉛筆を頂きましたけれどもね!」

ハーン「こんなんなんぼあってもいいですからね」

「しまっときましょー」

「…ウチのオカンがね。好きなウマ娘がおるみたいなんやけど、その名前を忘れてもうたらしいねん」

「好きなウマ娘の名前を忘れた?

どーなってんねん!」

「色々聞くんやけどな、全然分からんのよ」

「ほならね、『オカンの好きなウマ娘の名前』?一緒に考えてあげるから。

どんな特徴なのか言ってみてよー」

「『芦毛』で『地方出身』で、『有馬記念も勝った』子らしいねん」

「ほー

『オグリキャップ』やないかい。

その特徴は完全にオグリキャップやがな」

「そうか?」

「すぐ分かったやん!」

「けど分からへんのよな」

「何が分からへんのよ」

「ウチもオグリ先輩やと思ったんやけどな?

オカンが言うには、『娘にしたいウマ娘ランキング1位』らしいねん」

「ほー

ほなオグリキャップと違うかー

確かにオグリ先輩は良いお方やけど、娘に欲しいとは思わへんのよな。

世のお母様方に学費と食費どっちが重たいか聞かれたら、十中八九食費と答えるようなお方やからな!

オグリキャップはね、娘は娘でも『義理の娘に欲しいウマ娘ランキング1位』なんよ!

オグリキャップってそういうお方やねんから。

ほなもうちょい何か言ってなかったかんー?」

「『クールと言うより、カワイイ系』らしいねん」

「オグリキャップやないかい。

その特徴は完全にオグリキャップなんよ、な!

見た目あんなクールビューティーなのに、中身ド天然なんやから!

パカプチ人気やねんけど、そのパカプチに嫉妬する様子は全人類見るべきや!

オグリキャップで決まりやがな!」

「分からへんのよ」

「なんで分からへんねん!」

「ウチもオグリ先輩やと思うねんけどな」

「そうやろ!?」

「オカンが言うには、『小食』らしいねん」

「ほなオグリキャップちゃうやないかい!

オグリキャップ!スペシャルウィーク!ライスシャワー!

この3人はトレセン学園の大食い三銃士と呼ばれて久しいんよ!

なんならここにメジロマックイーンとグラスワンダー(ドウデュースとディープボンド)も入れたろか!?

オグリキャップが食事制限ダイエットでもしようものなら、一体どれだけの生産者さんが路頭に迷うか想像もつかんわ!」

「そんなにか!?」

「そんなにや!

オグリキャップはね、今も昔も日本の経済を支えとるんよ!

オグリキャップちゃうがな!

ほなもーちょい何か言ってなかったかんー?」

「『ライバルに恵まれとる』らしいねん」

「オグリキャップや!

タマモクロス!スーパークリーク!イナリワン!ヤエノムテキ!メジロアルダン!ディクタストライカ(サッカーボーイ)!バンブーメモリー!フォークイン(ホーリックス)!メジロライアン!

パッと思いつくだけでこんなにおるねんぞ!?

伝説というのは1人では作られへん。

こすられ続けるライバルがいて初めて成立するんや!」

「あんたそれ元西○の松坂選手を振り返るVで必ずと言って良いほど豪快な三振の映像を使われて、あげく「使う前に一報よこして欲しい」ってぼやくはめになった元日○ムの片岡さんの台詞やないかい!」

「どっちも怪物なんだから似たようなもんやろ」

「ちゃうわ!」

「やっぱりオグリキャップやないか!」

「分からへんのよ」

「なにが分からへんのよ!」

「オカンが言うには、『地元嫌い』らしいねん」

「オグリキャップちゃうやないかい!

あんたただの一言でもオグリキャップが「カサマツ嫌い」なんて言ってるとこみたことあるか!?ないやろ!?

カサマツがオグリを愛してるように、オグリもまたカサマツを愛してるんよ。

この上オグリにまで愛想尽かされたら、いよいよもって終わりやねんからな笠松ぅ!」

「誰になにを言ってんねん!」

「オグリキャップちゃうがな!

他何か言ってなかったかんー!?」

「『ラストランのパドック、めちゃめちゃ気合い入ってた』らしいねん」

「ほなオグリキャップちゃうやないかい!

あのときはどちらかと言うと覇気がないように見受けられるのよ。

けれどもな、その後かの有名な「君はオグリキャップだろ?」の一言で、消えかけていた闘志にもう一度火が付くという少年漫画顔負けの展開が待ってるんよ!

オグリキャップちゃうがな!

他に!」

「そのラストラン、『誰の実況で見るかいつも迷う』らしいねん」

オグリキャップや!!!

毎度おなじみ『オグリ一着オグリ一着!』の終始掛かり気味フ○テレビの大川アナは鉄板やけどな!

対照的に冷静かつ公平な実況を心がけた『さあ頑張るぞオグリキャップ!』のラジオた○ぱ白川アナも外せへんし!

『最後のドラマを作りに行った!』と静かに興奮して最後は立って実況していたN○Kの藤井アナのも捨てがたいんよ!

ほんでどれも名実況やから、最後目頭が熱くなるんよ!

オグリキャップで決まりやがな!」

「分からへんねんて!」

「分からんことはない!

オカンの好きなウマ娘はオグリキャップや!」

「ウチもオグリキャップやと思ったんやけどな?

オカンが言うには、

オグリキャップ ではない らしいねん」

ほなオグリキャップちゃうやないかい!!!!!

オカンがオグリキャップでないと言ったらそれはオグリキャップではないのよ!先言えや!

『実況の解説』をサクラアスランでお送りしている間どんな気持ちで聞いとったんや!!」

「申し訳ないなって」

「ホンマに分からへんやないか!」

「…で、オトンが言うには」

「オトン!?」

ゴールドシップ(オマタセシマシタ)ちゃうかって」

「絶対ちゃうやろー

もうええわ」

「「どうもありがとうございましたー!」」

 

 

 




上のルビは実馬版ということで
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