1枠 2番 7番人気 リトルウィング
2枠 3番 6番人気 エイトガーランド
2枠 4番 12番人気 リバティプラム
3枠 5番 13番人気 スコッチシスル
3枠 6番 8番人気 カモミールバル
4枠 7番 9番人気 パームポート
4枠 8番 1番人気 オーケーハーン
5枠 9番 14番人気 キクイチモンジ
5枠 10番 10番人気 ナミノネイビー
6枠 11番 11番人気 リブラソニック
6枠 12番 15番人気 シルバーライス
7枠 13番 18番人気 ブシンレンザン
7枠 14番 4番人気 アイスナンバー
7枠 15番 17番人気 ストライプロック
8枠 16番 5番人気 イーストランド
8枠 17番 16番人気 リールグレイド
8枠 18番 2番人気 サクラアスラン
アスランとハーンが同時に返し馬に入ると歓声がとどろく。
スタンドを埋め尽くす観客の熱気が押し寄せる。
最前列にいるテイオー達スピカメンバーや、上階の指定席にいるルドルフと目が合う。
(…これが…G1の、クラシックレースの景色…!)
G1はいわばお祭りだ。
そして自分はこのお祭りを盛り上げる演者だ。
このお祭りを盛り上げたい。
そう改めて思った。
ゲート入りを待機していると一瞬歓声が止み、ざわめきに変わる。
どうやら煽りVが始まった様だ。
『外からテイエム!外からテイエムーッ!』
あのとき 私はそこにいた。
『ナリタタイシンが突き抜けた!ナリタタイシン差し切ってゴールイン!』
そして今 私たちはここにいる。
さあ 次の伝説は、何だ。
G1 皐月賞
『新緑香る中山の地に若き優駿が勢揃いしました。
中山第11R 皐月賞G1 間もなく出走の時刻となります。
人気バを紹介しましょう。
3番人気は先日の弥生賞を制した1番アラビカカフェ。
2番人気は休養から返ってきた『若獅子』18番サクラアスラン。
そして1番人気は朝日杯王者の『草原の王』8番オーケーハーン。
ジュニア期を牽引した実力者が中山にて激突!
サクラアスランの勝ち越しか、オーケーハーンのリベンジか!
はたまた他バが待ったを掛けるのか!
クラシックレースの1冠目となる伝統ある一戦。
最も『速い』者は誰か。2分間のドラマが始まります!』
ファンファーレが鳴り終わり、ゲート入りが進む。
大外枠のため芝生コーナーの観客が目に入る。
『係員が離れ…体勢完了!
スタートしました!』
積極的に前には行かず後方につく。
焦ったところで大外だ、体力は温存したい。
それに…
『先頭勢いよく飛び出したのは2番リトルウィング。11番リブラソニックがそれに追走。
先行早くも混戦状態、6番カモミールバルが少し抜けたか。
そして18番サクラアスランはなんと後方、8番オーケーハーンはその後ろと人気バが軒並み後ろからのレースとなりました。
ホームストレッチスタンド前を通過、大きな歓声が上がります!』
歓声に混じって困惑の声も聞こえる。
先行する子達もしきりに後方をちらちらと確認する。
「…逃げ・先行勢が混乱しているな。」
「てことは作戦成功ってわけね!」
ウオッカとスカーレットが声を上げ、テイオーがふふんと胸を張る。
「そりゃボクのアスランだもの!これぐらいは出来てとーぜん!」
「いいぞアスラン!ペースを見失うな!」
沖野トレーナーも声を出して鼓舞する。
…
年末 部室
「秘策?」
「怪我した後で言うのもなんだが。
アスラン、脚質を『差し』に持って行こうと思うんだ。」
沖野トレーナーから出てきたのは脚質変更の提案だった。
「今回のホープフルステークスにてお前の最大の弱点が分かった。
今までのレースでは逃げがいたからペースメーカーにして早めに仕掛ける『先行』が出来ていたが…
今回の様に逃げがいない、あるいは自分が逃げにさせられる展開では、比較対象がいないからペースが乱れる。
今回の件で弱点が露わになった以上、対策してくるところも出てくるだろう。
その前にこっちから手を打つ!」
「なるほどなあ…」
ウオッカがうなずきスカーレットが首を傾げる。
「?つまりどう言うことよ?」
「スカーレットお前トレーナーの話聞いてたのかよ。
脚質を差しにすれば、逃げ勢がいなくても先行勢をペースメーカーにすればいいだけの話だし、
アスランを先に行かせて混乱させる戦術も、こっちから差しにしちまえば出来なくなるし、むしろ
これで合ってるよな、トレーナー。」
「ああ、分かってるじゃないかウオッカ。」
「へっへーん。頭1番なスカーレットには分かるまい!」
「なんですって!?」
いがみ合う毎度お馴染みウオスカコンビを尻目にトレーナーが説明を続ける。
「ただし、アスランの場合足のリスクがある。だからこそ時間を掛けて走法の切り替えを確実にし、
「…3つのMというやつですね。」
3つのMとは
『ムリ・ムダ・ムラ』の頭文字からとられた言葉である。
このMが起こると怪我や事故の確率が大幅に高くなるというものだ。
学生時代のアルバイトや職場で口酸っぱく言われたもんだ。
言い換えれば、この3つのMを潰せば怪我のリスクを抑えられるということでもある。
ムリに力まず、ムダな動きをせず、ムラのない洗練させた走りをする。
これが今後の目標だろう。
「…どうだ。やれそうか?」
トレーナーがジッと目を見て聞く。
「はい!ご指導よろしくお願いいたします。」
「よし!じゃあ決定だ!
というわけだ。療養中は仕方ないが、その後はレースがないからといって―」
…
秘策とは『先行から差し』への脚質変更だ。
どうやらかなり上手くいったようだ。
先行する子達のペースは乱れ、団子状態のまま4コーナーに差し掛かる。
横に広がっているわけでもないため易々と外に出て、開けた直線が見える。
(…よし、今!)
そう足に力を入れ、走法を切り替えた瞬間、
不思議な感覚に陥った。
(…?)
あれだけ騒がしかった歓声が消え、風切り音も消え、
自分の呼吸と、大地を蹴る音だけが響く。
(これは…まさか…!?)
「と、トレーナー、アスランが、あ、あれって」
「…逸材だと思っていたがまさかこれほどとは…!」
テイオーが驚きの声を上げ、沖野トレーナーは息を呑む。
そしてルドルフもまた、すっ飛ぶ勢いで立ち上がり、アスランを見る。
(そうか…やはり君は、英俊豪傑たる後輩だ。)
そして感慨深そうに呟く。
「歓迎しようアスラン、
(これは…この感覚は間違いない!
シングレにおいて『
『固有スキル』か!)
スキルはいるかどうか迷いましたが…
スキル演出がないとウマ娘やないと思い