芝の獅子帝―サクラアスラン奮闘記   作:シェルト

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元ネタあり

道ばたでの野宿が確定した夜。

 

広いスペースに大型テントを張り、寝袋を持って中に入った。

ちなみに沖野トレーナーは車中泊だ。

 

大型テントとはいえ、8人入ると少し狭さを感じる。

 

ランタンを中心に輪の様に各自寝床を確保して寝袋に入る。

 

「なんだかこういったのも新鮮で楽しいものですわね」

「ええ、みんなと過ごせて楽しいわ」

 

マックイーンとスズカが楽しげに話す。

 

「こんな夜はなんか語ろうぜ」

「いや…語らないで寝ましょうよゴルシさん」

「なんだよアスラン、ノリがわりーぞ!」

「じゃあ言い出しっぺからやるもんじゃないんですか?」

「おっ!じゃーあたしのとっておきの話を披露してやるか!」

 

 

エピソード1 ゴールドシップ

 

 

その日、ゴールドシップは北海道にいた。

メジロの療養所にいるマックイーンに会いに行くためである。

 

マックイーンはアスランのホープフルステークスを観戦した後、再度療養所に戻り、3月の復帰に向け詰めの調整をしていた。

じいやから復帰間近だと聞いたゴルシは、サプライズで陣中見舞いに(というより遊びに)来たわけであった。

 

(メジロの療養所って遠いんだよなーいっそグアムあたりに作ってもらうか!)

 

と考えながら街中のバス停に並ぶ。

するとそこへメジロのじいやから電話がかかってくる。

 

「はいはいもしもしみんなのゴルシちゃんでーす」

『ああ!ゴールドシップ様!マックイーンお嬢様から何か連絡は来ておりますでしょうか!?』

「…何かあったのか?」

『申し訳ありません!マックイーンお嬢様が療養所から急にいなくなってしまわれたのです!』

「なんだって!?マックちゃんが!?」

『朝お部屋を確認しましたら『スパイスが待っていますわ!』との書き置きだけ残して忽然と…

一緒に滞在されていたライアンお嬢様も見当たらず、途方に暮れておりまして…』

「そりゃ大変だ!アタシも探しに―」

 

バッと探しに行く体勢に入ったところで、

目線の先の、とあるお店の、見覚えのある2人組が目に入る。

 

「あー…いや、大丈夫だぜじいや。今見つけた」

『はい?』

 

 

「―まさかマックちゃんが療養所の薄味料理に飽きたからって、ライアンと抜け出して街中のスープカレー屋にいるとはビックリだったなー」

「ちょっとゴールドシップ!なんでその話をここで暴露しますの!?」

「まあ2人ともその後メジロのばあちゃんにこってり絞られてたけどな!」

「追い討ちをかけないでくださいまし!」

 

ケタケタと笑うゴルシと顔真っ赤にして怒るマックイーン。

 

「食べ物がらみの話かーじゃあ俺も…」

 

 

エピソード2 ウオッカ

 

 

「ここが新しく出来た健康ランドかー

ワクワクするな!」

 

都内某所の健康ランドの前にウオッカはいた。

 

キッカケは、昨日タニノギムレットと話していた際、気分転換の話になり、

 

ヘパイストスの息吹(サウナのロウリュ)を受けた後のマッド・スライド(コーヒーミルク)こそ至高」

 

という話を聞き、早速影響されて体感しにきたわけである。

 

サウナに入り、軽く汗を流し整ったあと、更衣室兼休憩室にてコーヒーミルクを飲む。

 

(おっ、アイスの自販機もあるじゃん。ラッキー)

 

そのままアイスを購入し、ソファでしばらくくつろいでいると、

別のサウナ室から汗ビッショリの見覚えのある人影が出てくる。

 

「あん?なんだスカーレットか。お前も整いに来てたのか。

ここのアイス美味いぞ、食うか?」

「…

 

 

…アタシの目の前でアイスパクついてんじゃないわよ!!!

 

 

「…こいつとはつきあい長いけどあんな理不尽に怒られたのは初めてだったぜ…」

「しょうがないでしょ!?人が必死こいて汗流して太り気味解消しようとしてるのに、のんきにアイス食ってたらそりゃ怒るわよ!」

「第一太った原因はタキオン先輩に作った弁当の料理の残りを毎回食べてるからだろ?自業自得だ」

「なんですって!!!」

 

毎度おなじみウオスカコンビの取っ組み合いが始まる。

 

「おいおいこんな狭いところでケンカすんなよー」

「そうですよ!それにスカーレットさんはどうしてその余った料理を私にくれないんですかー!」

「…いや、スペさんはいい加減自重って言葉を覚えて下さいね?」

「へ?」

「へ?じゃないですよ。この前の事件を忘れたとは言わせませんよ?」

 

 

エピソード3 サクラアスラン

 

 

皐月賞が終わってしばらく経ったある日。

 

「お疲れ様でーす」

「おお、アスラン。ちょうどいい、お前に届け物だ。」

 

部室に入って早々、沖野トレーナーから紙袋を渡される。

 

「念のため中身は見させてもらったが、特に危険は無かったから渡しておくぞ。」

「これは…お菓子と…手紙?」

 

中に入っていたのは、よいとまけが3本入った詰め合わせセットと、ファンレターだった。

どうやら入院時にお世話になった理学療法士さんが贈ってくれたようだ。

胸が少し熱くなる。

 

「…ダービーも勝とうな、アスラン。」

「はい!」

「あー、ところでこのロールケーキ?はどうする?」

「折角3本味違いで入ってますからみんなで分けましょう」

 

と、机の上によいとまけの箱を置いて、紙皿を探す。

 

「失礼しまーす、アスランちゃんいますか?」

「あれ、スチーム?どうしたの?」

「あ、練習前にごめんねアスランちゃん。先生が呼んでるよ。」

「分かった、今行く」

「そうだ、俺も職員室に用が…」

 

と、2人揃って出たため、一時部室は無人となった。

 

10分後

 

職員室での用を終え、部室に向かう。

手にはカフェテリアで貰ってきたアイスコーヒー(ブラック)がある。

 

(よいとまけは甘いって話だからな、ブラック片手にコーヒーブレイクとしゃれ込むかー)

 

と、いそいそしながら部室のドアを開ける。

机の前にはとある人影が立っていた。

 

「ああ、スペさん、お疲れさ」

「あっ!アスランさんお疲れ様です!

机の上のお菓子先に頂いてます!

アスランさんもひとついかがですか?」(むっしゃむっしゃ)

 

「」

 

 

「…正直見損ないましたよスペさん!いくら卑しんぼ総大将でも人のお菓子には手を付けないと思っていたのに!」

「だ、だって机の上に置いてあったらみんなのものだって思うじゃないですかー!」

「だとしても3本中2本も独り占めしないで下さいよ!しかも期間限定のレモン味とイチゴ味から先に食べて!楽しみにしてたのに!」

「スペちゃん…うそでしょ…」

 

あまりの同室の卑しんぼうぶりに頭を抱えるスズカ。

 

「ごめんなさいねアスラン。スペちゃんにはしっかり言っておくから…」

「なしてー!」

 

スピカの賑やかな夜はまだまだ終わらない…




さあ3つ全部誰の話が元でしょうか?
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