芝の獅子帝―サクラアスラン奮闘記   作:シェルト

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アスラン「なぜ1ヶ月近く開いた!言え!」
作者「ここ最近残業祭りでアプリすら禄に出来ませんでした!」
アスラン「何か言い残すことは?」
作者「連載開始から1年、読者の皆様ありがとうございます!」
アスラン「ありがとうございます!」



ヴィクトリー!

夏合宿が終わり、2学期が始まる。

 

9月は秋レースの始まりであると同時に、トレセン生にとっては感謝祭の時期でもある。

 

今年のスピカの出し物は「自由研究」をテーマに、各メンバーが自分で記事を考え、それぞれ本にして販売するというもので、スズカの『アメリカ体験記』や、スペ&マックの『府中の飲食店100選!』、ゴルシの『全米が震撼!黄金船VS巨大イカ!』など、個性豊かな本が飛び交っていた。

 

ちなみに俺は『現役バが教える 必勝!レース予想』を売ろうとしたら、

「えー?アスラン宝塚記念と札幌記念の予想思いっきり外してるじゃーん」

とテイオーから無慈悲な現実を突きつけられたのでやめた。

 

本を売らない代わりに、空いた時間は会いに来たファンとの交流に努める。

 

まだデビュー戦しか走っていない去年と違い、今年はダービー含めて2冠を獲っているため、ひっきりなしにお客さんが来る。

 

「ホープフルから応援しています!」

「ダービーは手に汗握りました!」

「3冠期待しています!」

 

ファンから応援の言葉を頂く度に、胸の奥がアツくなる。

 

テイオーから引き継いだ俺の夢が、多くの人に夢と希望を与えているという事実が誇らしく、熱意に変わるのを感じた。

 

 

「アスランー!まだお昼食べてないでしょ?

休憩していいよ!」

「わかりました、なるべく早く戻ってきます。」

 

昼休憩の時間になり、チュロスを食べながら学園内をうろつく。

 

グラウンドから一際大きな歓声が上がり、気になって足を向ける。

 

 

 

『さあチーム対抗障害物リレー!先頭はチームナリタのナリタトップロード!そのすぐ後ろにサクラチヨノオー!チームサクラも追いすがる!』

 

グラウンドでは感謝祭恒例のイベントレースが行われていた。

どこぞの金船障害を思い出す光景だが…

 

『両チーム共にアンカーへバトンが渡った!チームナリタはナリタブライアン!後続を突き放す!チームサクラはサクラローレル!追いつくことが出来るのか!』

 

「逃がさないよ、ブライアンちゃん!」

「ローレルか…来い!」

 

目の前で模擬レースにしておくには惜しいカードが実現している。

 

『最後の障害は…借り物競走!

…え?借り物競走?

誰ですか!この障害考えたのは!?』

 

ブライアンとローレルがターフに置かれた封筒を拾い上げ、中身を確認する。

 

「「…!?」」

 

2人同時に困惑の表情をした後、キョロキョロしながら観客席へむかう。

お題はなんだったのだろうか?

 

「…おい、手伝え。」

「あっ!ブライアンさん!マヤでいいの?」

「お前でいい。行くぞ」

「アイ・コピー!」

 

ブライアンは観客席にいたマヤノトップガンを選んだようだ。

とするとローレルは誰を選ぶのk「ねえ!君!」

 

…ん?

 

「君だよ君!葉桜の耳飾りの君!」

「は、え、自分ですか!?」

「君しかいないの!ほら付いてきて!」

 

有無を言わさずローレルに引きずられながらグラウンドに出る。

 

いや、その、急展開が過ぎるんだが。第一、

 

『さあそれぞれペアが決まった模様です!ナリタブライアンはマヤノトップガンを!

そしてサクラローレルは…今年のダービーウマ娘サクラアスラン!

一体どんな勝負となるのかっ!』

 

…いくらローレルがいるとしても、あのマヤブラコンビに挑むの!?

これから!?

 

『最後の借り物競走はペアと二人三脚でゴールするのがルール!

各ペア足を結びます!』

 

「あ、あの、ローレルさん?」

「大丈夫!私に合わせて」

「は、はい!」

 

鼓動が跳ね上がる。

 

ローレルと肩を組んで、息を合わせながら前へ進む。

 

「お前が私に合わせろ、いいな」

「えー?ブライアンさんがマヤに合わせてよー」

「お前な…」

 

なんかもたついているマヤブラコンビを尻目にサクラコンビが一気に追い抜く。

 

「「1!2!(アン!デュ!)1!2!1!2!」」

 

『先頭サクラローレルとサクラアスラン!

息ぴったりでゴールイン!

 

優勝はチームサクラです!』

 

観客席から歓声と拍手が湧く。

 

「『桜と団子は竹馬の友』!コンビネーションバッチリでした!」

「お二人とも素晴らしい!バクシン的勝利です!」

 

同じチームのサクラチヨノオーとサクラバクシンオーが祝福しにやってくる。

 

「2人ともありがとう!2人の活躍があったから私も頑張れたんだよ。

それに…」

 

ローレルがこちらを向く。

 

「もう一人のサクラ君のおかげでね♪」

「き、恐縮です」

 

 

さっきからドキドキが止まらない。

 

 

「そう言えばお題はなんだったんですか?」

「あ、チヨちゃん見たい?これ!」

 

ローレルがお題の紙を見せる。

 

『自分と共通点のある後輩』

 

「ブライアンちゃんは一緒にレースを走ったマヤちゃんを選んだみたいだね。

で、この子は私達と同じ『サクラ』の子!

共通点ぴったりでしょ?」

「なるほど!流石はローレルさん!」

 

盛り上がるチームサクラ改めヴィクトリー倶楽部の皆様。

 

「君が観客席にいて良かった!私達相性バッチリだね。」

「ありがとう、ございます…」

 

 

この動悸は単に走った後とか、美人な先輩に見つめられたからとかではない。

 

 

「君一時期倶楽部に来ていた子でしょ?髪型や雰囲気が違っていたから今まで声掛けづらかったんだけど…」

「…え!?」

「前々から君とは話してみたいって思っていたの。

同じサクラの子だし、なにかこう、()()()()()()()()()()()から!」

 

 

鼓動がさらに早くなる。

 

今、一つの謎が解けた。

 

なぜテイオー産駒の俺の冠名が

『トウカイ』でも

『シンボリ』でもなく

『サクラ』なのか。

 

 

「確か菊花賞に挑戦するんだよね。私達も応援するよ!

 

君の夢を、一緒に見たいな!」

 

 

俺は

『不屈の挑戦者』サクラローレルの、

後継者なんだ。




・サクラアスラン

父 トウカイテイオー
母 シンコールビー(母父 サクラローレル)

クロス

Northern Dancer(CAN) S4×M5 
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