芝の獅子帝―サクラアスラン奮闘記   作:シェルト

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あらすじ

片方がスターなブロッサムだった
(新刊買いました)


今も昔も

模擬レースが終わった後、ローレルから

「一緒にお話しよ!」

と誘われたため、校内のベンチに腰掛ける。

 

近くの屋台で売ってた今川や…まんまる焼きを片手に一緒に頬張りながら、ローレルから過去のことを聞く。

 

とりあえず分かったことをまとめると…

 

・サクラアスランは小学5年生の夏休みにヴィクトリー倶楽部に入った

・今学園にいるメンバーとは練習メニューが違っていたため、特に交流はなかった

・ローレルとも数回話した程度だった

・在籍時はそこまで速くなかった

・冬休み前に親の転勤で倶楽部を辞めた

 

…とのことらしい。

 

「そっか…事故で記憶がないんだね。」

「ええ…思い出せず申し訳ないです。」

「謝らなくていいよ!」

 

いつぞやのハーンの時と同じように、(表向きは)事故で記憶がないことを伝える。

 

「倶楽部でもあまり話せなかったし、急な転校でお別れも出来なかったから、またいつか会えたらなって思ってたの。

そしたら今年のダービーで見覚えのある子がいたからもしかしてって思ったんだけど、髪型や雰囲気が前と全然違ってたから、中々声を掛けられなくて…

 

でもさっき一緒に走ってみて『やっぱりそうだ!』って思ったの!

 

あの時声を掛けて大正解!

私はまたこうして会えてうれしいもの!」

 

 

ローレルが目をキラキラ輝かせながら俺の手を取る。

 

テイオーやシンボリ勢とはまた違った感じで顔が良い。

 

「あの、自分ってそんなに以前とキャラが違うのですか?」

「うーん、なんて言ったらいいかな…」

 

ローレルが口に手を当てて考える。

 

「今のアスランちゃんはすごく落ち着いてて、大人びているんだけど…

 

倶楽部にいたときは、とても賑やかで気が強くて、よくみんなを笑わせていた印象が強いかな。」

「もしかして『お笑いおん』って名乗ってました?」

「そうそう!『調布のお笑いおん』って言ってた!もしかして記憶が戻ってきたの!?」

「い、いや…でもなんとなくそうじゃないかと…」

 

案の定だよまったく!

この子ハーンと出会う前から大阪因子濃すぎやろ!?

 

(そらローレルもハーンもここまでキャラが違ったら困惑するわな)

 

 

そう思ったところでふと考える。

 

(…もとの『サクラアスラン』はどうなってしまったのか…)

 

前世からこのウマ娘の世界にやって来たわけだが、俺の場合は『転生』と言うより『憑依』に近い。

 

もとの魂はやはりあの事故で亡くなってしまっているのか、あるいは心のどこかで眠っているのか。

 

ここ最近考えていなかったが、あくまで自分は『この身体を借り受けている』という事実は忘れないようにしたい。

 

「…」

 

そう自分が物思いにふけていると、ローレルは自分の目を見て、少し口角が上がる。

 

「…Une hirondelle ne fait pas le printemps.」

「…それは?」

「フランスのことわざでね、1羽のツバメで春は来ないって意味なの。

どんな物事も1つの事象だけで判断するのは良くないって教訓かな。」

 

フフッとローレルが微笑む。

 

「昔のアスランちゃんも、今のアスランちゃんも、私からすればどっちも同じアスランちゃん。大切な後輩に違いはないよ!」

 

朗らかな笑みをみせながらそう自分に伝えた。

 

『今も昔も同じ人物の一面として受け入れる』

これが出来る人物はめったにいない。

 

(これが…サクラローレル…!)

 

テイオーやルドルフとは別ベクトルで尊敬出来る御仁だ。

 

そんな方の後輩であることに誇りと気恥ずかしさを感じた。

 

「だから今のアスランちゃんのことをもーっと知りたいな!」

「分かりました!そういうことなら喜んで―」

 

そのままローレルと2人で色々なことを話した。

 

 

 

なおその後俺を探しに来たテイオーが、サクラコンビの語らいを見て

 

「ヤダヤダボクガアスランノセンパイナンダー!!!」

 

と地面に寝っ転がって駄々をこね始めたのであきれ顔でいさめたのはここだけの話である。

 

正直誰派?

  • ルドルフ
  • テイオー
  • ローレル
  • エラベナイヨー
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