「―では最後にファンの皆様へコメントをお願いします。」
「いつも応援ありがとうございます。みなさんの声援が自分を後押ししてくれます。
これからもよろしくお願い致します!」
「以上でインタビューは終了です。本日はありがとうございました。」
「こちらこそありがとうございました。記事楽しみにしています。」
菊花賞から1週間たち、秋の天皇賞へ注目が集まるなか、相変わらず3冠ウマ娘への注目は衰えず、その日も学園で取材を受けていた。
「アスラーン!取材お疲れ様!」
「テイオーさん!わざわざ迎えに来て下さったんですか?」
「とーぜんでしょー?君はボクの弟子なんだから。」
テイオーとはちみー片手に談笑しながら三女神像の前を通る。
「アスラン取材続きで疲れてない?大丈夫?」
「さすがにくたびれましたが…天皇賞が終われば大分落ち着くでしょう。」
「良かった良かった。じゃあご褒美が必要だね!」
「ご褒美?」
「うん!前一緒に行ったお茶屋さんがね、アスランの優勝祝いがしたいって。
だからアフタヌーンティーしに行かない?ケーキやスコーンが待ってるよ!」
「へぇ本場イギリスのアフタヌーンティーですか…魅力的ですね」
以前行った松濤の紅茶専門店のスコーン、確かに美味かったんだよな。
たまには自分へのご褒美ってのもいいかも。
「わかりました、ぜひ―」
「あっ!アスランちゃん、こんにちは!」
声がした方を振り向くと、綺麗な栃栗毛のウマ娘が駆け寄ってきた。
「これはローレルさん、こんにちは!」
「ローレル久しぶり!」
「久しぶりだねテイオーちゃん!」
「あれ?お二人とも面識があるんですか?」
仲良くハイタッチするテイオーとローレルに疑問をぶつける。
「うん!シリウスがね、よくローレルの話をしてくれるんだ!」
「私も!『お前もあのお子ちゃまの面倒みてやってくれ』だって。」
「ンモー!子供扱いしないでよー!」
ぷんすこするテイオーの頭をローレルが撫でる。
こうしてみると姉妹みたいだな。
「それでねアスランちゃん、この後時間ある?」
「なんですか?」
「えっとね、今日ヴィクトリー倶楽部出身のみんなと焼肉しに行くんだけど…アスランちゃんもどうかなって!」
「クラブの皆さんとですか」
「うん。バクちゃんやチヨちゃんはもちろん、OGや現役のクラブの子も参加する予定で、記憶が戻るきっかけになったらって。
クラブ初の3冠ウマ娘の話を聞きたい子はたくさんいるから…どう?」
「なるほど…いろんな方が来る予定なんですね…
そういうことなら喜んで―」
「ちょーっと待ったー!!!」
ローレルと会話していたらいきなりテイオーが割り込んできた。
「だめだよローレル!アスランはボクとこの後アフタヌーンティーしに行くところなんだから!」
「そこを曲げてお願い!」
「ぐぬぬ…」
「むむむ…」
「あ、あのーケンカは…」
さっきまでの和やかな空気から一転し、一触即発状態の2人をなだめようとすると、2人同時にバッとこっちを向く。
「アスランはボクと過ごしたいよね!?」
「アスランちゃん、正直に言って?『焼肉食べたい』って」
「え、えーとその」
「おや、ここにいたかアスラン。」
さらに後ろから声がしたので振り向くと…
「ル、ルドルフさん…!」
「あっカイチョーだ!」
「こんにちは会長さん!」
「やあテイオーにローレル、息災で何よりだ。」
毎度おなじみシンボリルドルフがいた。
「時にアスラン。この後時間はあるかな?」
「な、なんでしょう」
「いやなに、お互い忙しくてひざを突き合わせて話す時間がなかったのでな。
遅くなったが祝勝会も兼ねてコーヒーブレイクはいかがかな?」
「あーいや、えーっと。お誘いはうれしいのですが先約が…」
「む、そうなのか?」
ルドルフがテイオーとローレルを見る。
「そうだよカイチョー!割り込みはダメだよ!」
「いくら会長さんでもここは譲れません!」
「ふむ、なるほど…
…だが、私もいつでも時間を割けるわけではない故な…
ここは折れてくれないだろうか?」
「「や!」」
「…ほう…」
「ぐぬぬ…」
「むむむ…」
三つ巴の戦いと化した3人の視線が火花を散らす。
「…こうなったらアスランに決めてもらおうよ」
「賛成!」
「単純明快。いいだろう…!」
「さ、アスランちゃん!誰を選…
あれ?アスランちゃんは?」
「うん?ついさっきまでそこに…?」
「おーい、アスラーン?」
「…シリウスパイセーン!!!何でもしますから匿ってくださーい!!!」
「ええい、厄介事と一緒に来るんじゃねぇぇぇ!!!」
ソティス「あれ?誰か来てました?」
シリウス「なに…迷子の仔猫を飼い主達の下へ送り返してやったところだ」
ソティス「???」