芝の獅子帝―サクラアスラン奮闘記   作:シェルト

93 / 126
優柔不断

「―では最後にファンの皆様へコメントをお願いします。」

「いつも応援ありがとうございます。みなさんの声援が自分を後押ししてくれます。

これからもよろしくお願い致します!」

「以上でインタビューは終了です。本日はありがとうございました。」

「こちらこそありがとうございました。記事楽しみにしています。」

 

 

 

菊花賞から1週間たち、秋の天皇賞へ注目が集まるなか、相変わらず3冠ウマ娘への注目は衰えず、その日も学園で取材を受けていた。

 

「アスラーン!取材お疲れ様!」

「テイオーさん!わざわざ迎えに来て下さったんですか?」

「とーぜんでしょー?君はボクの弟子なんだから。」

 

テイオーとはちみー片手に談笑しながら三女神像の前を通る。

 

「アスラン取材続きで疲れてない?大丈夫?」

「さすがにくたびれましたが…天皇賞が終われば大分落ち着くでしょう。」

「良かった良かった。じゃあご褒美が必要だね!」

「ご褒美?」

「うん!前一緒に行ったお茶屋さんがね、アスランの優勝祝いがしたいって。

だからアフタヌーンティーしに行かない?ケーキやスコーンが待ってるよ!」

「へぇ本場イギリスのアフタヌーンティーですか…魅力的ですね」

 

以前行った松濤の紅茶専門店のスコーン、確かに美味かったんだよな。

たまには自分へのご褒美ってのもいいかも。

 

「わかりました、ぜひ―」

「あっ!アスランちゃん、こんにちは!」

 

声がした方を振り向くと、綺麗な栃栗毛のウマ娘が駆け寄ってきた。

 

「これはローレルさん、こんにちは!」

「ローレル久しぶり!」

「久しぶりだねテイオーちゃん!」

「あれ?お二人とも面識があるんですか?」

 

仲良くハイタッチするテイオーとローレルに疑問をぶつける。

 

「うん!シリウスがね、よくローレルの話をしてくれるんだ!」

「私も!『お前もあのお子ちゃまの面倒みてやってくれ』だって。」

「ンモー!子供扱いしないでよー!」

 

ぷんすこするテイオーの頭をローレルが撫でる。

こうしてみると姉妹みたいだな。

 

「それでねアスランちゃん、この後時間ある?」

「なんですか?」

「えっとね、今日ヴィクトリー倶楽部出身のみんなと焼肉しに行くんだけど…アスランちゃんもどうかなって!」

「クラブの皆さんとですか」

「うん。バクちゃんやチヨちゃんはもちろん、OGや現役のクラブの子も参加する予定で、記憶が戻るきっかけになったらって。

クラブ初の3冠ウマ娘の話を聞きたい子はたくさんいるから…どう?」

「なるほど…いろんな方が来る予定なんですね…

そういうことなら喜んで―」

「ちょーっと待ったー!!!」

 

ローレルと会話していたらいきなりテイオーが割り込んできた。

 

「だめだよローレル!アスランはボクとこの後アフタヌーンティーしに行くところなんだから!」

「そこを曲げてお願い!」

「ぐぬぬ…」

「むむむ…」

 

「あ、あのーケンカは…」

 

さっきまでの和やかな空気から一転し、一触即発状態の2人をなだめようとすると、2人同時にバッとこっちを向く。

 

「アスランはボクと過ごしたいよね!?」

「アスランちゃん、正直に言って?『焼肉食べたい』って」

「え、えーとその」

 

 

 

「おや、ここにいたかアスラン。」

 

さらに後ろから声がしたので振り向くと…

 

「ル、ルドルフさん…!」

「あっカイチョーだ!」

「こんにちは会長さん!」

「やあテイオーにローレル、息災で何よりだ。」

 

毎度おなじみシンボリルドルフがいた。

 

「時にアスラン。この後時間はあるかな?」

「な、なんでしょう」

「いやなに、お互い忙しくてひざを突き合わせて話す時間がなかったのでな。

遅くなったが祝勝会も兼ねてコーヒーブレイクはいかがかな?」

「あーいや、えーっと。お誘いはうれしいのですが先約が…」

「む、そうなのか?」

 

ルドルフがテイオーとローレルを見る。

 

「そうだよカイチョー!割り込みはダメだよ!」

「いくら会長さんでもここは譲れません!」

「ふむ、なるほど…

 

…だが、私もいつでも時間を割けるわけではない故な…

ここは折れてくれないだろうか?」

「「や!」」

 

「…ほう…」

「ぐぬぬ…」

「むむむ…」

 

三つ巴の戦いと化した3人の視線が火花を散らす。

 

「…こうなったらアスランに決めてもらおうよ」

「賛成!」

「単純明快。いいだろう…!」

 

「さ、アスランちゃん!誰を選…

あれ?アスランちゃんは?」

「うん?ついさっきまでそこに…?」

「おーい、アスラーン?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「…シリウスパイセーン!!!何でもしますから匿ってくださーい!!!」

「ええい、厄介事と一緒に来るんじゃねぇぇぇ!!!」




ソティス「あれ?誰か来てました?」
シリウス「なに…迷子の仔猫を飼い主達の下へ送り返してやったところだ」
ソティス「???」
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。