君へ送るエール   作:きゃみー 杉田

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スタートはイチについて七転八倒

出会いというものは唐突で鮮烈なモノである

 

「さぁ!追い込まれたチームディアブロス!果たしてここから逆転出来るのかー!?」

 

実況の解説か悲鳴に近いアナウンスがスタジアムに響き渡る。今にも倒れそうなチームメンバーの先頭に立つのは派手な装飾が付いた格好をした白髪の青年。膝を着きそれでも顔だけは前を向く彼の視線の先にいるのは剣を手にした騎士たち

 

それは必然か偶然か。悲劇か喜劇となるのか

 

「頂に居るのは一人で充分!それでも尚立ち向かうというのなら…喰らいついてみせろ!挑戦者(チャレンジャー)!」

 

切っ先をこちらに向け高らかに叫ぶ騎士。戦力の差は歴然。このままでは決着が着くのも時間の問題―だが

 

「…行こう!皆!」

 

彼女は―彼女達は飾りを手に声を張り上げる。チームを信じ最後まで鼓舞する。それが彼女達の役目だから。試合が終わるその瞬間まで彼女たちが諦めることは無い

 

「私のターン!ドロー!」

 

これは、カードと人が紡ぐ物語である

 

―☆―

 

「ただいま~」

 

夕方17頃帰宅。着替えて夕飯の手伝い…というのが彼女のルーティーンであるのだが。その日はいつもと勝手が違った

 

「…お客さん?」

 

いつもは両親と自分の靴しか無いのだか二足ほど多い。とてとてとリビングへ向かうと突然

 

翅瑠(ハネル)~!」

 

と、彼女―翅瑠と呼ばれた少女に抱き付く人物がひとり

 

「オッフ…お姉ちゃん!?」

 

「俺も居るぞー?」

 

そう言って出て来たのは翅瑠の兄であった

 

「二人とも帰って来てたの?」

 

「そそ、ちょいと昔のカードが必要になってね。あとたまには家に顔だそっかな~って」

 

ソッチがおまけなのは如何なものかと思うが…普段は会社員と大学生という立場から一人暮らしをしている二人ではあるが…カード?

 

「もしかしてヴァンガード?」

 

「お?良く分かってるじゃないの~マーカーとか必要でね?」

 

「久しぶりに超越したくなってな!」

 

用語は良く分からないがこの二人、昔からヴァンガードというカードゲームにゾッコンなのである

 

「好きだよねぇお兄ちゃんもお姉ちゃんも…そんなに面白いの?」

 

「ヴァンガードは面白いぞ~?」

 

「そそ、高校では部活やらないんでしょ?どうよ試しにやってみない?」

 

「カードゲームねぇ…? 」

 

テーブルの上に広げられたカードを眺める横で二人が丁度レギュレーションも変わったしとかトライアルデッキがだの話し始めているが、こちらは一言もやるとは言っていない…のだが

 

「あれ?この子…」

 

ふとあるカードが目に入った。そのカードに映っている子の姿になんだか懐かしさを覚え思わず手に取ると

 

「お?そのカードが気になるのかい?」

 

「ほぉん…翅瑠にぴったりじゃん!イイね」

 

「私…この子使ってみたい、かも」

 

その言葉に目を輝かせる二人。顔を見合せ意気揚々と

 

「よし!ならこの子が居るデッキをプレゼントしよう!」

 

「使い方もバッチリレクチャーしてあげるかんね~!」

 

少し鼻息荒めなのが怖いが二人がいそいそと準備を始めた―のだが

 

「三人とも~?遊ぶのはイイけど…まずはご飯にしましょ?運ぶの手伝ってちょうだい」

 

フンスと怒っている様な表情だが小柄なのもありたいへん可愛らしいのが彼女らの母である

 

『はーい!』

 

―次の日―

 

「むー…なんで一回もお兄ちゃんやお姉ちゃんに勝てない!?」

 

場所は変わり学校。授業も終わり、彼女は人の少ない教室で机に突っ伏していた

 

「確かに始めたばっかりだけど…にしても一回も勝てないのはなぁ」

 

先生が居ないことを確認しカバンの奥に偲ばせていたデッキケースを取り出す。姉から貰った青色の革製のデッキケース(けっこう値段がするらしい)に入っている

兄から貰ったデッキ。トライアルデッキにブースターのカードを足したものと聞いた。今のところ出来る改造はしてあるとのこと

 

「カードを足そうにも今出てる分はもう貰ったし…」

 

昨日の夕飯後、二人からルールやカードの説明をびっちり聞かされ試しにファイトしようということで日付が変わるまで対戦した後、デッキケースと共に今発売されているカードを4枚ずつ貰ったのだ。至れり尽くせりとはこのことである

 

「経験が足りないんだろうな~…でもお姉ちゃんやお兄ちゃん相手だけやってるのも…ん?」

 

そう言えばそんなに離れてない場所にカードショップがあるとか久しぶりに顔を出そうとか二人が言っていた気がする。試しにGoogle先生で調べて見ると丁度学校と家間に一軒「キッシー」という名前の店があった…名前ぇ。しかし色んな人と対戦すれば経験値を積めるかもしれない

 

「…行ってみるか」

 

丁度一駅分。ダメでもともと翅瑠はそのショップに向かうのであった

 

~少女移動中~「桂ァ!今何キロォ!?」「桂じゃねーしなんでお前と2人乗りしなきゃなんねーんダァ!?」「…愛?」「そうか滅びろ」

 

 

 

「ここか…」

 

駅から数分と立地は上々。下には喫茶店上がカードショップというどこぞの探偵事務所の様な出で立ちのカードショップ「キッシー」の前に翅瑠は立っていた。のだが

 

「そういやカードショップなんて入ったことないや…」

 

カードショップを調べた時に関連として「臭い」だの「怖い」「殿堂解除選手権」「イメージしろ!」諸々…未知なる空間に来てみたはいいもののすっかりヘタレてしまったのだ。スイッチ式の自動ドアの前で押すかどうか散々迷ったあげく彼女は―

 

「…ヨシ!お兄ちゃん達と来よう!」

 

ヨシじゃないのだが。ヨシ!と頷きながらくるりと帰ろうとした翅瑠だったのだが

 

もにゅん

 

「おっふぅ…」

 

「あらん?」

 

突然顔全面に柔らかな感触とほんのり湿っぽい質感を感じ思わず思考停止してしまう。これは…胸部装甲?

 

「oh…verygood…!」

 

まるで母親に抱き締めて貰ったかのような包容力に思わず感嘆の声が出てしまう…拍手!

 

「じゃないよすすすすいませんぶつかってしまっ」

 

慌てて離れてナイスバディの持ち主―の背後に立っている人…目付きが鋭過ぎる男性?と目が合った。あらやだ彼氏さんかなー怖いなー

 

「ぶぉぉわぁー!?ごごごごめんなさい彼女さんにセクハラとかそんなんじゃなくてわたすの不注意でっ」

 

思わず後ずさり…した拍子に背中でボタンを押してしまい自動ドアがopen!からのばたんきゅー!突然バック転など出来ないのだ!

 

「でっっぅぁいったァい!?」

 

「だ、大丈夫かいお客さん?」

 

エプロン姿の男性と女性が慌てて駆け寄ってきたのと同時に、先程の包容力さん?と彼氏さん?も駆け寄ってくる。まさかの初対面の人達の前で色々やらかしたあげく盛大にスッ転んでしまった訳である

 

「…あ」

 

『あ?』

 

「穴があったら入りたいぃぃ~…」

 

「…カードショップにも穴はあるんだよな」

 

「ねーよ」

 

 

 

 

 

―とまぁこれが物語のはじまりはじまり。ここから先はどうなるか。それはまた次のお話にて―

 

 




ヴァンガードの二次創作少ない…なら自分で書けばいいじゃないの雑なイメージからの見切り発車。アクセルクランなので息切れが酷いですがお付き合い頂けると幸いです

あ、ちなみにアクセルクラン使ったことは無いです「どっちなぁんだい!!?(某笑顔が素敵な筋肉くん)」

次回!君へ送るエール第2話!
「チュートリアルは席についてお辞儀から」

スタンドアップ!ヴァンガード!
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