艦これ×ガンダム ガンダムビルド艦隊これくしょん -敗者達の栄光-   作:星龜

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敗者達の栄光(9)


 

【艦これ×ガンダム ガンダムビルド艦隊これくしょん】

EP37『黄金の神盾と白不死鳥』より

https://syosetu.org/novel/170259/40.html

 


 

信濃(シナノ) 輝楽(キラ)は、この日、県立体育館に来ていた。

 

今日は、第30回ガンプラバトル全国大会小学生の部の県予選の初日で、輝楽(キラ)は息子の応援に来たのだ。

 

観客席から、館内に据えられているバトルステージを見た輝楽(キラ)

(そうか…。

あれから、もう、16年になるのね…。)

と、16年前の…

 

第14回大会の事を思い出す―。

 

 

16年前―。

 

東京・国立ガンプラバトル競技場では、第14回ガンプラバトル全国大会2日目の試合が行われていた―。

 

 

大会2日目の第1試合は、月光華高校ガンプラバトル部と大舞(おおぶ)高校ガンプラバトル部との対戦だった。

 

大舞高校も、大会の常連校だ。

 

試合開始前、大舞高校の控室では、作戦会議が行われていた。

 

「私達の対戦相手の月光華高校だけど…

赤井(アカ)。」

と、大舞高校ガンプラバトル部の部長の山都(ヤマト) 輝楽(キラ)

 

【挿絵表示】

 

が、部員の赤井(アカ)に指示を出す。

 

「ヤヴェ学校ですね…★

【月華団】というチーム名を掲げてるんですが…

こいつら全員、元睦月型駆逐艦娘なんですよ…。」

と、タブレットを見ながら言う赤井(アカ)

 

身長155センチほどの、小柄な男だ。

 

「【月華団】?

【鉄華団】のパクリか?」

と言うのは、もう1人の部員の青井(アオ)

 

身長170センチほどの、眼鏡をかけた男だ。

 

「実際、オルフェンズ系のガンプラを使っていますね…。

ただ、県予選で無改造のガンプラを使っていますから、それほど手強い相手ではなさそうですね。」

と、タブレットを見ながら言う赤井(アカ)

 

「バカッ!!

無改造のガンプラで全国に出てきたってことは、メチャメチャ強い

じゃないッ!!」

と、赤井(アカ)を叱る輝楽《キラ》。

 

そして

「ウチにも艦娘がいたらなぁ…。」

とつぶやく…。

 

 

いまや、全国大会に出場するガンプラバトル部の部員のほとんどが元艦娘であるのに対し、大舞高校ガンプラバトル部の部員は人間である。

 

深海棲艦との戦闘経験をそのままガンプラバトルに反映させる元艦娘に比べて、人間…ましてや学生に軍務経験など無いため、人間のガンプラバトルの実力は、どうしても元艦娘に劣るのだ。

 

それでも、こうして大舞高校が全国大会に出場できるのは、それだけの実力を持っているからだ―。 

 

 

試合開始時間になった。

 

バトルステージ前で、輝楽(キラ)と月光華高校ガンプラバトル部―通称【月華団】の団長の瑞鳳が握手をする。

 

そして、試合に出場する【月華団】のメンバー

三日月

睦月

文月

が操縦スペースへと向かうのを見た輝楽(キラ)は、三日月達の背の低さに驚いた。

 

3人とも、身長が150センチに満たないため、傍から見れば高校生には見えず、小学生っぽく見える。

 

(あんなのに負けたら、笑いもんだろうな…。)

と思いつつ、輝楽(キラ)達も操縦スペースに向かった―。

 

 

『Gun-pla Battel, Stand up.

Model damege level set to A.』

 

バトルシステムが立ち上がり、ダメージレベルが設定される。

 

 

『Please set your GP base.』

 

スロットにGPベースをセットする。

 

 

『Begining Plavsky particle dispersal.

Field 01, Space.』

 

プラフスキー粒子が舞い散り、バトルフィールドが形成される。

 

形成されたバトルフィールドは、スペースコロニー周辺の宇宙空間だった。

 

 

『Please set your Gun-pla.』

 

台座にガンプラをセットし、システムがそれぞれのガンプラを読み込み、ガンプラのメインカメラが発光する。

 

プラフスキー粒子で形成されたカタパルトがガンプラの周囲を覆い、ガンプラが発進体制に入る。

 

そして―

 

『Battle Start!』

 

試合開始(バトルスタート)の合図が鳴り響く―!!

 

 

「赤井 太陽ッ!!

M1アストレイ、行くぞッ!!」

 

「青井 大洋(まさひろ)!!

ウィンダム、出ます!!」

 

「山都 輝楽(キラ)ッ!!

フリーダムガンダム、出るぞッ!!」

 

 

「三日月。

ガンダムバルバトスルプスレイト、出撃します!!」

 

「睦月!!

睦月号、いざ参りますよー☆」

 

「文月。

文月・スペシャルマンロディ、出撃ですぅ☆」

 

 

両チームのガンプラが発進した―。

 

 

宇宙空間を進む

赤井(アカ)のM1アストレイ

青井(アオ)のウィンダム

輝楽(キラ)のフリーダムガンダム

 

3人とも、無改造のガンプラで、輝楽(キラ)のフリーダムガンダムは、濃淡2色の紫色で塗られている。

 

まもなく、輝楽(キラ)のフリーダムガンダムのレーダーが、接近してくる【月華団】の機体(ガンプラ)を捉えた。

 

正面モニターに、【月華団】の機体(ガンプラ)の姿が映し出されたが…

 

「なによッ!!

メチャクチャ改造されてるじゃないッ!!」

と、赤井(アカ)に怒鳴る輝楽(キラ)

 

『そ…そんなこと、ボクに言われても…!?』

と叫ぶ赤井(アカ)

 

輝楽(キラ)がふと、左方向を向くと、暗礁地帯(アステロイド)があった。

 

「ちょうどいい!!

そこの暗礁地帯(アステロイド)で迎え撃つよ!!」

『了解!!』

『了解!!』

と、輝楽(キラ)達は暗礁地帯(アステロイド)に入っていった―。

 

 

宇宙空間を進む

三日月のガンダムバルバトスルプスレイト

睦月の睦月号

文月の文月・スペシャルマンロディ

 

 

三日月の愛機(ガンプラ)・ガンダムバルバトスルプスレイトは、ガンダムバルバトス第6形態をベースに、バックパックに中央に、ガンダムバルバトスルプスレクスのような大型テイルブレードを備えた、黒と白のツートンカラーで塗られた機体(ガンプラ)だ。

 

両肩側面には月華団のマークと、右肩正面には、三日月のパーソナルマークである、左曲がりの三日月が描かれている。

 

 

睦月の愛機(ガンプラ)・睦月号は、獅電改をベースに、睦月と如月が協力して組み上げた機体(ガンプラ)だ。

 

左肩アーマーは、グレイズ改で使用されていたマウントラッチになっており、様々な武装を搭載可能となっている。

 

また、腰部にはガンダムバルバトス第6形態で使われていたスラスターが装備されている。

 

機体色は全身柳色で塗装されており、側頭部には、睦月のパーソナルマークである、上を向いて曲がっている黄色の三日月が描かれている。

 

 

文月の愛機(ガンプラ)・文月・スペシャルマンロディは、ランドマンロディをベースに、射撃武装のみでカスタマイズされた機体(ガンプラ)だ。

 

武装は

頭部の2門のバルカン砲

両肩に可動式の機関砲

腰の両サイドに迫撃砲

両手にサブマシンガン

を装備している。

 

接近戦は基本的に想定しておらず、接近してくる敵を振り切るよう、装甲を削って、防御力と引き換えに機動力を向上させている。

 

機体色は白と黄色のツートンで、左肩に右上を向いて曲がった三日月と、その上を流れ星がクロスしている、文月のパーソナルマークが描かれている。

 

 

大舞の機体(ガンプラ)暗礁地帯(アステロイド)に入っていったのを見た三日月のガンダムバルバトスルプスレイトが先行する。

 

睦月と文月に

『睦月ちゃん、文月ちゃん。

ミカが突っ込むから援護を!!』

と、瑞鳳からの通信が入る。

 

三日月は、前線での仲間への指示が苦手なため、【月華団】の団長の瑞鳳が指示を出すのだ。

 

「睦月に任せるにゃしぃ☆

文月ちゃん、行っくよー☆」

 

『はーい☆

援護するねぇ~☆』

と、睦月(睦月)号と文月(文月)・スペシャルマンロディは、ガンダ([三日月])ムバルバトスルプスレイトの後に続いた―。

 

 

文月([文月])・スペシャルマンロディが

両手に持つサブマシンガン

両肩に装備された機関砲

腰の両サイドの迫撃砲

を発射し、それに合わせて睦月([睦月])号が、右手に持つライフルと、左肩に装着されているバズーカを発射してくる。

 

「くそ…!!」

と、文月([文月])・スペシャルマンロディと睦月([睦月])号からの攻撃を回避しながら迎撃するM1([赤井])アストレイ。

 

その時、無数の岩石群の中を、一筋の青い閃光が駆けた。

 

「何だ!?」

 

青い閃光の正体は、ガンダ([三日月])ムバルバトスルプスレイトだった。

 

ガンダ([三日月])ムバルバトスルプスレイトは、両手にツインメイスを持ち、M1([赤井])アストレイに迫る。

 

「やらせるかぁ!!」

と、M1([赤井])アストレイはビームサーベルを抜いて振り下ろすが、ガンダ([三日月])ムバルバトスルプスレイトは後方宙返りして回避した。

 

そして、そのまま一気に距離を詰めた。

 

えっ…!?

 

ビームサーベルを振り下ろした体勢のままのM1([赤井])アストレイに、ガンダ([三日月])ムバルバトスルプスレイトは右手に持つツインメイスをM1([赤井])アストレイの頭頂部目掛けて振り下ろし、左手に持つツインメイスをコックピットに突き刺した。

 

M1([赤井])アストレイの頭とコクピットを破壊したガンダ([三日月])ムバルバトスルプスレイトは、コクピットに突き刺したツインメイスを引き抜くようにM1([赤井])アストレイを蹴り飛ばし、その後方でM1([赤井])アストレイを援護していたウィ([青井])ンダムにぶつけた。

 

 

「うわっ!?」

 

戦闘不能になったM1([赤井])アストレイをぶつけられて、一瞬、動きが止まったウィ([青井])ンダムに、ガンダ([三日月])ムバルバトスルプスレイトはすかさず大型テイルブレードを射出した。

 

うがぁっ!?

 

ガンダ([三日月])ムバルバトスルプスレイトが射出した大型テイルブレードは、をM1([赤井])アストレイごとウィ([青井])ンダムのコックピットを貫いてた。

 

そこに、文月([文月])・スペシャルマンロディと睦月([睦月])号が集中砲火を浴びせる。

 

文月([文月])・スペシャルマンロディと睦月([睦月])号の集中砲火をうけたM1([赤井])アストレイとウィ([青井])ンダムは爆発四散した…。

 

 

「よくも…仲間を…!!」

と、フリ([輝楽])ーダムガンダムはビームライフルを撃ちながら後退する。

 

赤井と青井を瞬殺するようなガンダ([三日月])ムバルバトスルプスレイトに、正面から挑んでも勝てないと判断したからだ。

 

ガンダ([三日月])ムバルバトスルプスレイトは、フリ([輝楽])ーダムガンダムからの攻撃を回避しながら、腕部の200ミリ砲で牽制射撃しながら接近する。

 

「こうなったら、フルバーストでぶっ飛ばしてやる!!」

と、フリ([輝楽])ーダムガンダムは

腰の両サイドのMMI-M15 レール砲(クスィフィアス)

背中のM100 プラズマ収束ビーム砲(バラエーナ)

を一斉発射した。

 

しかし、ガンダ([三日月])ムバルバトスルプスレイトは仰向けに寝て回避した。

 

「なんて動きなんだよ!?」

と、ガンダ([三日月])ムバルバトスルプスレイトが異様な姿勢でフルバーストを回避したのを見た輝楽(キラ)が叫ぶ。

 

「この!!」

と、ビームサーベルを抜き放ったフリ([輝楽])ーダムガンダムは、ガンダ([三日月])ムバルバトスルプスレイトに斬りかかる。

 

しかし、ガンダ([三日月])ムバルバトスルプスレイトは回避しながら後退し、フリ([輝楽])ーダムガンダムの隙を伺っていた。

 

そして、フリ([輝楽])ーダムガンダムがビームサーベルを上段から斬り降ろしたのを回避したガンダ([三日月])ムバルバトスルプスレイトは、フリ([輝楽])ーダムガンダムを近くの岩石に向けて蹴り飛ばした。

 

そして、岩石に倒れるフリ([輝楽])ーダムガンダムを足で踏みつける。

 

[結構痛いですよ。]

という、三日月からの通信が入った。

 

(は?)

と、通信の内容の意味がわからず、首を傾げる、輝楽(キラ)だったが…

 

ガンダ([三日月])ムバルバトスルプスレイトが手にしたツインメイスを振り上げたのを見て、その意味がわかった。

 

ガンダ([三日月])ムバルバトスルプスレイトは、手にしたツインメイスを次々とフリ([輝楽])ーダムガンダムに叩きつけていった。

 

「クソ…まだ…

ぐわぁっ!?

 

どんどん壊れていくフリーダムガンダム…。

 

もはや、フリーダムガンダムは動けないが、それでも、ガンダムバルバトスルプスレイトはツインメイスでフリーダムガンダムを叩き続ける。

 

「降参だ…降参する!!」

と、輝楽(キラ)は降参した…。

 

 

大舞高校は、初戦で姿を消した…。

 

 

そして、大会終了後…

 

プラフスキー粒子製造工場の事故*1により、プラフスキー粒子の供給が止まったため、ガンプラバトルができなくなった。

 

それにより、ガンプラバトル部は休部となった。

 

その後、ガンプラバトルができるようになったが…

 

しかし、ガンプラバトル部休部とともに、元艦娘と人間との実力差を思い知った輝楽(キラ)は、ガンプラバトル部を退部した。

 

その後、輝楽(キラ)は完全にガンプラバトルから手を引いた…。

 

 

高校卒業から3年後―。

 

輝楽(キラ)は結婚し、名字も山都(ヤマト)から信濃(シナノ)に変わった。

 

子供も生まれ、幸せな生活を送っていた―。

 

そして、13年の月日が流れた…。

 

 

輝楽(キラ)は、この日、県立体育館に来ていた。

 

今日は、第30回ガンプラバトル全国大会小学の部の県予選の初日で、輝楽(キラ)は息子の応援に来たのだ。

 

観客席からバトルステージを見た輝楽(キラ)は、かつて、自分もあの場にいたことを思い出していた。

 

そして、今…

 

自分の息子が、あの場にいる―。

 

何の因果か、息子の愛機(ガンプラ)は、フリーダムガンダムだった。

 

輝楽(キラ)は苦笑すると、大声で息子に声援を贈るのだった―。

 

*1
実際は『深海吹雪事件』によるものだが、公には、このように発表されている。

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