艦これ×ガンダム ガンダムビルド艦隊これくしょん -敗者達の栄光-   作:星龜

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敗者達の栄光(5-2)

 

【艦これ×ガンダム ガンダムビルド艦隊これくしょん】

EP19 【もう一人の…】より

 


 

「時雨って、おっそーい☆」

と、ガンダムレインバレットに向けて、ビームライフルを撃つウィンドガンダム。

 

しかし、ガンダムレインバレットはバイポットシールドをかまえながら後退する。

 

「それで逃げてるつもりー!?」

と、ウィンドガンダムはそのまま、ガンダムレインバレットに突撃し、バイポットシールドをかまえているガンダムレインバレットに体当たりした。

 

吹き飛んだガンダムレインバレットに追撃しようと、ウィンドガンダムはビームライフルをかまえたが…

 

(!?)

 

弧を描きながら飛んできたビームブーメランを回避するウィンドガンダム。

 

ビームブーメランが飛んできた方向を見れば、ユニコーンガンダムナイトメアが、両手にビームブーメランを持っていた。

 

そして、投げた。

 

しかし…

 

「へん☆

止まって見えるよー☆」

と、ウィンドガンダムは両手に持つビームライフルで、ビームブーメランを撃ち落とした。

 

「へっへーん☆

私より遅いと、こうなっちゃうんだよー☆」

と、夕立の悔しがっている顔を思い浮かべながら、ドヤ顔をする島風。

 

しかし―!!

 

そこに、上からウィンドガンダムめがけて、ビームサーベルを持ったイナヅマガンダムが現れたのだ―!!

 

きゃあ!?

 

完全に油断していたウィンドガンダムは、イナヅマガンダムの奇襲に対応できず、右肘から下を斬り落とされてしまった。

 

イナヅマガンダムは高速降下から反転し、再度、ウィンドガンダムに迫った。

 

「くっ!!」

 

危険を感じた島風は、ウィンドガンダムを180度反転させ逃走を開始した。

 

イナヅマガンダムは、逃げるウィンドガンダムにビームライフルを撃ちながら追撃した。

 

「くっそー…★

私が被弾するなんて…

でも…☆」

と、逃げながらも、ほくそ笑む島風…。

 

(電ちゃんも…

完全に忘れてるね…☆)

 

 

「逃がさないのです!」

と、逃げるウィンドガンダムを追うイナヅマガンダム―。

 

 

「電、深追いは危険だ!!

戻って―」

と、時雨が言い終わる前に、ガンダムレインバレットの前を赤い影が通り過ぎた。

 

時雨は正面モニターを見るが、赤い影は、すでに去ったあとだった…。

 

「しまった…!!

電、逃げるんだ…!!」

と、時雨は叫ぶが…

 

時すでに遅かった…。

 

ウィンドガンダムを追っていたイナヅマガンダムの頭部に、赤い拳が命中した―。

 

 

赤い拳を放ったのは、金剛のビルドバーニングラブガンダムだった。

 

ビルドバーニングラブガンダムのパンチをモロにくらったイナヅマガンダムは激しく飛ばされた…。

 

「ぜかましぃは、やらせませーん☆」

と、ビルドバーニングラブガンダムは、各部スラスターを噴かし、イナヅマガンダムに鉄拳を叩き込む―!!

 

イナヅマガンダムの救助に向かおうとするガンダムレインバレットとユニコーンガンダムナイトメアの前に、ウィンドガンダムが立ちはだかる。

 

「ここは通せんぼだよ!」

と、左手に持つビームライフルで攻撃するウィンドガンダム―。

 

 

(まさか…

これほどとは…!!)

と、後悔する時雨…。

 

時雨の予想以上に、ビルドバーニングラブガンダムとウィンドガンダムの機動性は高かった。

 

敵を引き付けて迎撃するために、暗礁宙域の障害物をなくしての『受け身の作戦』は、あきらかに失敗だった…。

 

(何か…

何か策はないのか…!?)

と考えるも、ガンダムレインバレットもユニコーンガンダムナイトメアも、ウィンドガンダム1機に翻弄されている有様だ…。

 

(くそっ…

詰み(ここまで)か…!!)

と、時雨は観念した…。

 

 

一方、ビルドバーニングラブガンダムの攻撃は、止まることなく続けられていた。

 

イナヅマガンダムのベースキットはインパルスガンダムであるため、物理攻撃に絶対の防御力を発揮するヴァリアブルフェイズシフト装甲を装備している。

 

そのため、ビルドバーニングラブガンダムのパンチによるダメージは、一切無い。

 

しかし、物理攻撃に絶対の防御力を発揮するヴァリアブルフェイズシフト装甲を装備しているとはいえ、被弾すればエネルギーを消費する。

 

当然だが、エネルギーが尽きれば、ヴァリアブルフェイズシフト装甲も機能しない。

 

ダメージが無いからといって、攻撃をくらい続けるわけにもいかないのだ。

 

それよりも、殴られ続けるというのも、嫌な気分になる…。

 

 

「ああぁぁ!」 

 

操縦スペースに電の悲鳴がこだまする。

 

機体の操縦もままならず、ただ、攻撃をくらい続けるイナヅマガンダム…。

 

 

そして…

 

ついに、ビルドバーニングラブガンダムが、止めの一発を放とうとしていた―。

 

 

ビルドバーニングラブガンダムの右拳が赤く輝き、腰を落とす。

 

バァァァニングラブッ フィンッガァァァァァッ!!

という金剛の叫びとともに、ビルドバーニングラブガンダムは右手を前へ突き出し、スラスター全開でイナヅマガンダムに迫った―!!

 

 

正面モニターへ顔を向けた電…。

 

赤く輝くバーニングラブフィンガーは、すぐそこまで迫っていた…。

 

「あ…ああ…。」

 

電は涙を流した…。

 

敗北を受け入れることが辛かった…。

 

悔しかった。

 

しかし…

 

それでも…

 

(負けたくない…負けたくないよ…!!)

と思っていた。

 

 

その時―

 

電の身に、不思議な事が起こった―!!

 

 

イナヅマガンダムが、ビルドバーニングラブガンダムのバーニングラブフィンガーを零距離で回避したのだ―!!

 

 

操縦スペースの電が、ニッと笑った―。

 

そして、素早い手捌きで武装スロットを操作し、ビームサーベルを選択した。

 

そして、そのビームサーベルを―

 

「消えちゃえなのです…ッ☆」

と、ビルドバーニングラブガンダムに投げつけた。

 

至近距離から投擲されたため、ビルドバーニングラブガンダムは、飛んでくるビームサーベルを回避することができなかった…。

 

イナヅマガンダムが投げたビームサーベルは、ビルドバーニングラブガンダムの胴体中央部に刺さった。

 

さらに電は、武装スロットを操作し、今度はビームライフルを選択した。

 

そして、イナヅマガンダムはビームライフルを乱射する…。

 

あはははははははッ☆

消えろ、消えろ、消えろ、消えろぉッ☆

と、狂喜する電…。

 

正確無比な連続射撃は、次々ビルドバーニングラブガンダムに命中した…。

 

 

その光景を見た時雨と夕立…

 

そして、島風は言葉を失っていた…。

 

 

「終わりなのです…☆」

と、イナヅマガンダムは、ビームライフルの銃口を、ビルドバーニングラブガンダムの首元に当て、引き金を引いた。

 

緑色のビームが、ビルドバーニングラブガンダムの頭を貫通した…。

 

そして、胴体に刺さったビームサーベルを勢いのまま引き抜き、横一文字に切り払う。

 

胴体が真っ二つになったビルドバーニングラブガンダムは炎に包まれ、爆発した…。

 

 

ビルドバーニングラブガンダムを撃墜した電は、操縦スペースで操縦桿を握りしめながら俯いていたが…

 

突然、大声で笑いだした―!!

 

「…フフフ…

アーハッハッハッハッハッハッハッハッハッ!!

 

笑い終わった電は顔を上げ、正面モニターに目を向けた。

 

その顔は、まるで獲物を見つけた悪魔の様に、口角を大きく上げていた。

 

そして、その瞳は金色ではなく―

 

 

深紅に輝いていた―!!

 

 

「次はお前なのです…☆」

と、ウィンドガンダムを睨みつけた電は、イナヅマガンダムをウィンドガンダムに向け突撃させた。

 

青白いスラスターの尾を引いて、イナヅマガンダムがウィンドガンダムに迫る―。

 

 

迫りくるイナヅマガンダムを迎撃しようとするウィンドガンダム。

 

しかし…

 

[島風、降参するんだ!!]

と、通信機から、時雨の叫び声が聞こえた。

 

「えっ?

時雨ちゃん、何を!?」

 

まさかの降伏勧告に、驚く島風…。

 

[早く!!

じゃないと、島風のガンプラまで、金剛さんみたいになっちゃうよ!?」

 

[そうだよ!!

島風ちゃん、お願いっぽい!!」

と、時雨と夕立も、降伏を促してくる。

 

『島風!!

私からもお願い!!』

 

(!?)

 

天津風からも、降伏するように言われた…。

 

島風の脳裏に、ビルドバーニングラブガンダムが破壊された光景がフラッシュバックした…。

 

島風の額に汗が流れ、ゴクリと唾を飲み込む…。

 

「・・・・・・。」

 

島風は、コンソールの降伏ボタンを押した。

 

すると、ウィンドガンダムは武器を捨て、左腕を上げた…。

 

 

『Battle Ended.』

 

システムがシャットダウンされ、プラフスキー粒子が消滅し、スラスター全開で動いていたイナヅマガンダムは、その勢いのまま、バトルステージの外へと転がっていった。

 

操縦スペースが消えていく中、電は顔を上げ、再びニヤリと笑った。

 

「フン…。

こんなんじゃ、つまらないのです…。」

 

そう言った電の瞳から赤みが消え、元の金色の瞳に戻ると、電は、その場に崩れるように倒れた…。

 

 

倒れた電は、時雨と夕立によって、医務室へと運ばれた。

 

金剛達も、医務室に向かったが、そこで

 

電が二重人格

 

であったという、衝撃の事実を知ったのである―。

 

 

選手の控室に戻った金剛達は、反省会を行っていた…。

 

「まず、金剛さん!!

落ち着いて、冷静に戦ってください!!」

と、金剛に、イナヅマガンダムにパンチの嵐を叩き込むも、ヴァリアブルフェイズシフト装甲のせいで、ダメージをあたえられなかった件について指摘する天津風。

 

「I'm sorry…★」

と、頭を掻く金剛…。

 

「それと、島風も!!

ちょっと、油断しすぎ!!

ほんの小さな油断でも、続けば大きな失敗になるのよ!!」

と、ウィンドガンダムがイナヅマガンダムの奇襲で右腕を斬り落とされた件を天津風に指摘された島風は

 

「は〜い…。」

と、やや、不貞腐れた返事をした。

 

「でも、まぁ、戦術的には悪くなかったわ☆

あんな、イレギュラーなこと(電の暴走)さえなければ、私達は勝っていたわけだし…☆」

と、総括する天津風。

 

たしかに、天津風の言う通り、イレギュラーなこと(電の暴走)が起きるまでは、暁学園チームを翻弄していたのだ。

 

ビルドバーニングラブガンダムも、イナヅマガンダムがフェイズシフト装甲でなければ勝っていたし、ウィンドガンダムも、左腕1本でガンダムレインバレットとユニコーンガンダムナイトメアを抑え込んでいた。

 

戦術に間違いがないのなら、勝つために必要なのは、ファイターのスキルアップだ。

 

ファイターの腕が上がれば、戦術も広がる―。

 

 

風天学園ガンプラバトル部―。

 

来年は、今年以上に厄介になるだろう―。

 

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