ダックスフンドの首輪 作:転音
今回はあとがきでやりたいことがあるので前書きに失礼します。読み飛ばしていただいても大丈夫です。
百合百合させるのって難しい・・・本編とどの程度絡ませるかも難しい。前回はガッツリアニメに寄せましたが、今回はアニメの裏側的なところもかきました。そろそろね、主人公が働いてるところも見せないとね。
次話は多分二話くらいに分かれると思うし、最終話あたりでも結構文字数必要だと思っているので予定では20話前後で完結の予定です。もうちょっとですね。
それとエーリカファンに謝罪。『スースーするの』はスキップだ。原作と流れ変わらないし、原作より面白くできる自信もない・・・すまんかった。
今回は久しぶりに主人公とエーリカがちょっとだけ絡むし、次回はもっとガッツリ絡むと思われるので、お許しください。
それでは本編どうぞ
「貴方が噂に聞くクライン少佐ですか・・・!いや、お会いできて光栄です」
「いえ、私の方こそお会いできて嬉しいです。杉田大佐」
夜勤明け、寝ていたところを叩き起こされて何かと思えば、何と赤城の艦長で扶桑海軍遣欧艦隊司令官の杉田大佐が宮藤軍曹へのお礼をしに、直接基地まで足を運んで下さったとのこと。
大佐直々にお礼となると、宮藤軍曹はただ飛んだだけでなくてそれなり以上に活躍したらしい。一体初飛行で何をやったら艦隊を助けるようなことが出来るのか、全く天才というのは訳がわからない。
暫くすれば宮藤軍曹も到着。お礼の品を渡されていた。あの大きさだと人形とかだろうか。高そうだなぁ・・・触らないでおこう。
「反攻作戦の前哨として、我々も出撃が決まりました」
「ついに、ですか」
「反攻作戦・・・?」
そんなものがあるのか。どんな作戦なんだ?艦隊がいくらあったところで役に立つとは思えないが。戦艦の砲は強力だが、滅多に当たるものではない。装填も長いし、たまに当たっても次の弾が命中する前にはネウロイの再生が追いつくことが多いだろう。
それでもないよりはあったほうがマシだが・・・戦艦やら空母やらは高い。下手すれば国が傾く。対ネウロイに使う兵器としてはコスパが悪すぎるし、国民へ向けたアピールとかの面が強そうだ。
「ええ。今日はその途中で寄らせて頂いたのです。明日には出港なので、是非船にも来て下さい。皆が喜びます」
「ぇ、はい!」
「残念ですが、明日は出撃予定がありますので」
「そうですか。残念です」
そんな予定は聞いてない。まあミーナ中佐の作った規則が理由だろうな。
ウィッチーズと整備員を始めとしたそれ以外の人員との交流を禁ずる規則。作った理由は知らないが、私としては割と賛成である。
色恋沙汰とか、めんどくさいんだよなー・・・ウィッチであり続けるためには純潔を保つ必要もあるし、トラブル起こして隊の空気が悪くなったりするし。
ちょっとしたことが命に関わる最前線では、そういうトラブルの芽を摘んでおくのは良いことだ。と、私は指揮官としての立場で考えられるが、宮藤軍曹は不満そうだ。
フォローすべきか?でもあの夜の一件以降、彼女は私に対して不信感を抱いている。私が直接言ってみたところで不満を募らせるだけだろう。誰が誰に対してどのように言うのか。言葉はいくらでも意味が変わるのだ。
将を射んと欲すれば先ず馬を射よ。今度時間があるときにリーネあたりにでも吹き込んでおくか・・・今はちょっと眠い。最近寝不足気味なのだ。
ついこの間も、せっかく寝ていたところを警報に叩き起こされ、急いでバンカーに向かってみれば実は誤報で、その場の流れでそのままエーリカの受勲式をすることになって大いに睡眠時間を削られた。
しかも騒動の発端がエーリカだった。キレた。
埃っぽいとか酒臭いとかシンプルに汚いとか全力で罵った気がする。あんまり詳しく覚えてないが、気づいたらバルクホルンに羽交締めにされていた。エーリカは部屋の隅で怯えて丸くなっていた。
あの時はメチャクチャスッキリしたなーとか考えながら、私は部屋に戻って安眠を享受するのだった。
*****
翌日
基地に警報が鳴り響き、皆んながブリーフィングルームに集まるとミーナ中佐が状況を説明する。
「ガリアから敵が侵攻中とのことです」
「今回は珍しく予測が当たったな」
「ええ、現在の高度は15000。進路は真っ直ぐこの基地を目指しているわ」
「よし。ルーチンの迎撃パターンで行けるな。今日の搭乗割は、バルクホルンハルトマンが前衛。ペリーヌとリーネが後衛。宮藤は私とミーナの直掩。シャーリーとルッキーニ、エイラとサーニャ、クライン少佐は基地待機だ」
坂本少佐がテキパキと指示を出す。ここ最近は予測が全然当たらないのでいちいち臨時で編成を組んでいたが、ちゃんと備えていれば相応の態勢で迎え撃つことができる。少なくとも訓練初めて一ヶ月の新人を出撃させるようなことにはならない。
さて、シャーリーはストライカーをいじるみたいだけど・・・私はオシゴト、するとしますかな。みんなの出撃を見送った後、私は執務室へ向かうのだった。
ふんふん。思った通り、サーニャの歌を真似たネウロイについて、なんだか色々調べているらしい。ついでに日ごろ上層部相手に喧嘩しているのだろう予算関係の書類とか、人員配置の書類とかもでてきた。
マロニー大将、流石に大将まで上り詰めるだけあって有能と言えば有能なんだろうな。ずいぶん張り切って妨害工作してただけあって効果覿面のようだ。あんまりやりすぎると普通に501が壊滅しかねないので釘刺しておいたのだが・・・その辺の塩梅もうまいことやってるように見える。
対するミーナも頑張ってるようだ。少なくとも私よりは政治が出来そう。とはいえなんだかんだ彼女もまだ18歳、海千山千の大将相手では分が悪い。メンバーが度々問題を起こすこともあって、さぞ頭の痛い毎日を送っていることだろう。
肝心のネウロイのことだが、今のところ大した情報は掴んでなさそうである。掴んでなさそうだが、あまり探られても都合が悪い。こっちは叩かれれば幾らでも埃が出る。流石にミーナ相手に早々バレるようなヘマはしないだろうけど・・・念には念を。大将に報告しておくとしよう。
一通り漁り終わった私は、しっかり書類を元のように直して執務室を立ち去った。
出撃から戻ってきたミーナは何があったのか考えを変えたようで、美緒の赤城を見送りたいと言う申し出を許可。ミーナ自身も歌を歌いたいと言い出した。もちろんみんなも反対することなく、現在はそのための準備中。
私も道具を運んだりして手伝っていたのだが、何故かミーナに呼ばれた。え、バレた?いやいやまさか。普段通りの調子をなんとか保ちながら執務室に入ると・・・
「昼勤?」
「ええ、今回の戦闘に向けて生活リズムを直したでしょう?良い機会だし、しばらくは昼勤にして訓練したらどうかと思って」
「ずいぶんいきなりだね。それに訓練って、言われなくてもしてるよ?」
「みんなと一緒だからこそできる訓練もあるでしょう?貴方も出撃機会が少ないし、模擬戦なんかもしておいた方がいいんじゃないかと思って」
理由はまあ、一応通ってるかな。この間出撃したとは言え、最近出撃が減ってるのは事実だし、模擬戦とかは夜には出来ないのも事実。
「・・・ふーん?ま、分かったよ。夜の方はどうするの?」
「また暫くはネウロイの攻撃もないはずだし、そんなに長い間昼勤してもらう訳じゃないから心配しなくても良いわ」
「そっか。なら良いよ」
「ありがとう。戻って良いわよ」
「了解。あっそうだ、ついでにエーリカと一緒に休みもらって良い?」
「そう言えばもうずいぶん休んでなかったわね・・・分かったわ」
「ありがと!」
久しぶりの休みだー!何しよっかな。せっかくだしどこかに遊びに行っても良いけど、私もエーリカも有名人だし・・・話し合って決めればいっか。今から楽しみでテンション上がってきた。
けどその前に、嘘ついてる悪い子から本心聞き出さないとね?私相手に嘘つくなんて、暴いて下さいって言ってるようなものだよ、ミーナ。
「お酒あったかなぁ、無かったらエーリカから
「・・・あげないよ」
「あっ・・・よっ、カールスラント1の美女!」
「だーれが」
独り言は程々にだな。
*****
「でも失うのは今でも恐ろしいわ。それなら、失わない努力をするべきなの」
「なんだ?随分と物騒だな」
「約束して、もうストライカーは履かないって」
「それは命令か?」
大当たりである。いやむしろドボンか?ババ抜きでジョーカーを引いた気分だ。
大雑把だが心を読めるわたしには、いかに理由が尤もだろうとポーカーフェイスが上手かろうと関係ない。ミーナの嘘を見破って話を聞きに部屋の前まできてみれば・・・なんと美緒に銃を向けているではないか。
話の内容から理由も大体わかるが、とにかく銃はまずい。ドアをノックしたりすれば驚いた拍子に引き金を引いてしまって・・・みたいな事故に繋がりかねないし・・・
よし。足音と鼻歌。これで遠くから人が近づいていることを知らせよう。
忍足で一旦ドアから離れ、普段より少し大きく足音を鳴らし鼻歌を歌いながら再びドアへ。静かな夜の廊下にはよく響く、これなら上手くいくだろう。
「ミーナー入るよー」
ノックして、ドアを開けた。
*****
部屋の中は異様な緊張感に包まれていた。
月明かりに照らされた窓際で、赤い髪によく似合う赤いドレスを着た女性が、白い軍服に身を包んだもう1人の女性に銃を向けている。
「そんな格好で命令されても、説得力が無いな」
「私は本気・・・何?」
突然廊下から響いてきたコツコツという足音に時折聞こえる鼻歌。ドレスを着た女性・・・ミーナ・ディートリンデ・ヴィルケは途中で言葉を切り、音を聞くことに集中する。
コンコンとノックの音。間髪入れずに少女の声。入るよーと言う言葉と共に現れたのは
「クライン・・・」
「あー良かった。こんなに緊張したのは久しぶりだよ」
「あ、貴方いつから」
少女、メラニー・クラインの言葉に全て知られていることを悟ったミーナ。クラインは最初からと返してミーナにゆっくり歩み寄る。
「盗み聞きは良くないわよ」
「私とミーナ、どっちの方が良くないことをしてるかな?」
「・・・分かってるわよ」
「分かってないよ」
クラインはミーナのすぐ目の前まで近づき、真っ直ぐ目を見て話し出した。
「取り敢えず、この銃は貰うよ。それから・・・人を撃つのはやめた方がいい。私が言うんだから間違いない」
「それってどういう」
「それから美緒」
「なんだ」
「肝が据わってるのはいいけど、言葉足らずというか口下手というか・・・人と人とが意思疎通をするのは難しいんだ。特にこういう・・・普通じゃない状態の時はね」
「そうか。クラインが言うなら間違いないな」
「でしょ?」
「それにしても、私が昼勤になった理由はそういうことか・・・」
「っ!気づいてたの?」
「ま、年齢もあるしね。ミーナがこんなことを、何の理由もなく突然するとは思えないし」
ちょっと考えればわかる事、そう言ってクラインは右手に持ったワインボトルを掲げた。
「さて議論なら冷静にすべきだけど、不安は感情的に吐き出すべきだ。2人ともケンカしたいわけじゃあるまいし、正直に話すのもいいと思わない?」
「・・・そうかもしれないわね」
「美緒は、まずはまあミーナの不安を聞いてやって、その後は美緒も飲んじゃえばいいよ。私が見とくからさ」
「分かった。ありがとう」
「どういたしまして。さて、乾杯の用意をしよう」
*****
何とかなってよかった。
あの後ミーナによる感情ぶちまけが始まり、それが終わり次第今度は美緒に飲ませ・・・酔いが回ってきたあたりで抜け出した。
多分美緒は考えを変えないだろうし、ただでさえ戦力として不安になってる以上夜勤に回すのも危険。結局ミーナが折れることになるんだろうな。まあ、ミーナの思いを聞いて美緒も少しは自重するようになるだろうし、改善はしただろう。
というわけで休日である。私がエーリカの部屋まで起こしに行ったんだけど、ちょっと汚すぎて我慢ならないので無理やり自分の部屋まで引っ張ってきた。
今はベッドに座って今にも寝そうなエーリカを後ろから抱きしめてお話し中だ。
「それでメラニー?何すんの」
「ん~なにがしたくて休み貰ったわけじゃないしなあ」
「じゃあ私寝るね・・・」
「ちょっと、勿体ないじゃん。どうせいつも寝てるんだしさ」
「膝枕」
「えー。あれ意外と疲れるんだよ?・・・エーリカが膝枕してよ」
「え?」
エーリカが何か言う前に、私は太ももに頭を預ける。
おおっ?本物の枕ほど寝やすくないが、何というか安心感がある感じだ。小さい頃お母さんがしてくれたのを思い出すような・・・やばい。ちょっと泣きそうだ。
なぜか感動している私に追い討ちをかけるように、エーリカが頭を撫で始めた。
「あー・・・寝ちゃいそう・・・」
「寝てもいいよ?」
「やめとく。寝顔見られんのなんかやだし」
窓から注がれる暖かな日差し、撫でられる感触、エーリカの体温。
「ああ・・・いつかさ」
「ん?」
「こんなゆっくりした日が毎日続くようになってほしいな」
「そうだねー」
「私たちが戦わなくて良いように・・・」
「戦争が終わったら幾らでものんびりできるでしょ」
「もう、5年か・・・まだまだ長そうだなぁ」
「案外、クリスマスまでに終わるかもよ?」
「・・・そうしたいな」
あるいは、戦争が終わる前に戦わなくてもいいように。少し後ろめたさはあれど、守るための決意を新たにするのだった。
「いくつものきらびやかな勲章。英雄と呼ばれ、称賛され・・・光があれば、影もある」
「次回、ストライクウィッチーズ。『英雄の素質』」
百合要素ほしい?
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ほしい!(何人かと)
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ほしい!(エーリカと)
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これまで通りで十分
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あってもなくても気にしない
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何でもいいから早く書けよ! オラぁ!