知多娘。半田酔子役の荒川風音さんが歌う「リコリス」の想像ストーリーです、あくまでも想像なので本来のリコリスとは関係ありませんʘ⁠‿⁠ʘ

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半田酔子 リコリス

「はぁ、、」

通いなれたいつもの道を歩きながら、私は溜息を吐いた。

私には夢がある、幼い頃好きだったキラキラ輝くアニメの中のお姫様。

たくさんの夢や希望、元気を貰った。

 

成長していくに連れて、声優さんという職業があり、お姫様に声を吹き込んでいると知った。

 

声優さん、、、無理だ無理だ、私なんかじゃなれるはずがない、どうせ馬鹿にされて笑われるんだ、、

 

「はぁ、、、」さらに深く溜息を吐き、公園のベンチに座った、ふと視線を送った先の公園の掲示板に見慣れないポスターが貼ってあった。

「知多娘。アイドル声優オーディション??あこがれてるだけじゃ始まらない、」

 

何だろう?アイドル?声優?知多半島をPR?オーディション締め切り日、、「え?今日っ?!」

 

私は急いでスマホを取り出し、ポスターのQRコードからLIVE映像を見てみた。

夢に向かって走れ、心を見透かされ、心が震えた。

 

「私にも出来るかな、、」

私は急いで知多娘。オーディションに応募し1次審査を受けた、

 

1次審査合格の連絡は私のもとには来なかった。

 

桜が満開を迎える季節だった、一緒にオーディションを受けたあの子、まさにさくらのように華のある子だった。

 

私なんか、あの子のようになれない、さくらのように、みんなが集まってきて、たくさんの笑顔を見せてくれるような、私なんか、どうせだめだから頑張る意味がない、、

 

悩んだときに訪れる、矢勝川のででむし広場、キツネをモチーフにした滑り台、石造りで壁面が高く、頂上に登り座り込むと、周りからは私は見えない、お気に入りの居場所。

 

暗くなり始め、夜の暗闇と夕焼けがせめぎ合っている。

見上げた空には、煉瓦色に染まった景色にまじり、いちばん星が煌めいていた。

「あれ、、なんで??」

視界がぼやけ、星が揺れている。

 

どうせ夢なんか叶わない、私が頑張ったところで何もかわらない、いつも自分を否定して、頑張らなくていい理由を探してた、

本気をだすのが恥ずかしく、どこかいつも冷めていて、私の気持ちを知る人は世界に私だけ。

 

「私なんか、、」

 

涙が溢れた、悔しかった、悲しかった、誰かにわかってほしかった、認めてほしかった、こんなに苦しいなら、もう夢を追うのはやめよう。

 

「お嬢さん?お嬢さん?」

 

「はっ!はいっ!?」

 

不意に滑り台の下から声をかけられ驚いた、涙を拭い、壁面から覗き込むと、そこには立派なヒゲをたくわえ、シルクハットに燕尾服を着て、絵に描いたような、まさに紳士のイメージにピッタリなおじさんが立っていた。

 

「何があったのか聞かせてくれるかい?」

 

私は滑り台から降りて、ででむし広場のでんでん虫のモニュメントにもたれかかり、想いの全てを話していた。

 

「お嬢さんはさくらになりたかったんだね」

 

「そう、なのかな、でも私なんて、」

 

「さくらにはなれない?」

 

小さく頷いた。

 

「お嬢さんはこの矢勝川沿いの河川敷に咲く花を知ってるかい?」

 

「たしか、リコリス??」

 

「そう、桜が咲くこの季節、リコリスは枯れて地上から姿を消すんだ、だけど地面のなかでしっかりと強く生き続け、さくらや他の花とは違い、肌寒くなる秋に河川敷を美しく赤く染めるんだ、

赤いリコリスの花言葉はね、情熱、再開。なんだよ。」

 

「情熱、、再開、、」

 

「咲いている期間は短いけれど、美しい花を咲かせる情熱的な花、その時のために人知れず今も地中でがんばってるんだよ、咲いた時にはみんなが、感動し、笑顔になれるんだ。」

 

「知らなかったです。」

 

「お嬢さんの悲しみや苦しみは誰にもわからない、だけどね、それはみんな同じなのさ、乗り越えて行くのも、前を向いて進むのも、認めてあげるのも、自分次第。」

 

「あなたも悲しみや苦しみを抱えているの?」

 

「そうだね、昔色々とあって、ある人を悲しませてしまったことがあってね、、だからお嬢さんの泣く声をほっておけなかったのかな。」

 

「、、ごめんなさい心配かけて、でも安心できました、私は自分を表現するのが苦手で、否定的で、さくらにはなれない、でもリコリスはさくらになれないなんてきっと考えてもいない、人知れず、でもしっかりと咲き誇るために生きている。」

 

たくさんの夢を希望、元気をくれた、そんな声優さんになりたい、なりたいはずなのに自分に自身がなく、人に笑われ、馬鹿にされるのが怖い、でも諦めたくない、自分を信じて、未来を信じて。

 

「おじさん、ありがとうございました!リコリスの花言葉、情熱に再開、がんばってみようと思います!」

 

おじさんは微笑んで私を見送ってくれた、さくらに憧れていた、さくらにはなれない、それでいいんだ、地面の中からだ、まずは自分を信じて。

 

「絶対なれるよ!声優アイドル!一緒に頑張ろう!一緒に声優になろう!!」

 

あのこは何の疑いもなく、純粋に私の夢を笑わずに、一緒に声優になろうと言ってくれた、約束したんだ。

 

「私はきっとリコリス!!」

 

花咲くため、もう泣かない。

 

 

「元気をだしてくれましたね」

 

「そうだね、化けて出たかいがあったよ、弱音を全く吐かない強い子だったから色々話をして、しっかりと弱さを認識して、自分の意思がハッキリしたみたいだね。」

 

「手はキツネのままでしたよ?」

 

「え?本当ですか??」

 

「冗談ですよ(笑)」

 

「良かった、またひとつ、悲しみがあることがわかったね、でんでん虫さん」

 

「そうですね、誰もが心のどこかで悲しい思いを隠してる、そんな思いを抱きながら乗り越えていかなくてはなりません、あのイタズラ好きなゴン君もかわりましたね。」

 

「もう撃たれたくはありませんからね、(苦笑)、それにしても、あの子がさくらだと言ってた子とは正反対ですね。」

 

「あの子は早朝ここに来ては、毎回毎回石像の私に対して嘆いて、弱音ばかりはいていますからね。見かねたゴン君が化けてでたら2時間も弱音を聞かされていたね(笑)」

 

「誰もいない早朝にここに来ては発声練習やダンス練習を繰り返した後は、決まってでんでん虫さんに寄り掛って、しっかりしなきゃー、なんばらなきゃー、私はだめだー、って呪文のよう嘆いてましたね。」

 

「あの子もあれからがんばっているかな?」

 

 

 

 

「うぅ〜、あぁぁ〜、だめだぁぁ⤵どうしたらいいのでんでん虫さん、先輩達においつけないよ、、あぁぁぁ、、、」

 

「お嬢さんお嬢さん、おはようございます、こんな朝早くに頭を抱えてどうしたんだい??」

 

「おっ、おはようございます!私頭かかえてましたか??」

 

「あーだこーだと唸り声をだしながらね、何か悩み事でもあるのかい?」

 

私は立派なヒゲをたくわえた、シルクハットの燕尾服のおじさんになぜだかわからないけれど、これでもか!!というくらい悩みや弱音、たくさんたくさん話した。

 

「あー!なんだかスッキリした!ねぇねぇ、おじさんはリコリスを知ってる? 小学生の頃、矢勝川沿いに球根を植える体験があってね、秋になると河川敷を真っ赤に染めるんだよ!花言葉に情熱や再開ってのもあって、私は1年間頑張った成果をリコリスに報告しにくるんだ!強く、凛として咲き誇って、カッコ良くって私の理想なの、目指せ リコリス!

なんだけどさー⤵」

 

「ポジティブになったかと思ったら、不安なことがあるのかい?」

 

「今ね、知多娘。ってアイドル声優グループに入って頑張ってるんだけど、オーディションの時一緒になった子がいてね、凄く綺麗で、素敵な声をしてたんだ、思わず舞い上がって、絶対声優になれるから一緒に頑張ろう!一緒に声優になろう!って言ってオーディション前にプレッシャーをかけちゃったかな、、って後悔してるの」

 

「ということはその子は不合格だったわけかい?」

 

「きっと私のせいなんだよ、私なんかが声かけて、無責任に絶対声優になれる!なんて言ったから、、」

 

「本心を伝えたのならばそれを嘆くことはないよ、偽りのない言葉はきっと心に届いているはず、リコリスになるのでしょう?元気なくしおれたリコリスなのかな??」

 

「それも風情があっていいかもだけど、凛と咲いたリコリスがいい!!おじさん私決めたよ!あの子にも届くように私頑張る!嘆いてなんかいられないね!!」

 

 

 

「あの子達が再開できるといいねゴン君」

 

「あれ以来泣いてる姿も見ないし、嘆いてもこないからね、少し寂しいんじゃない?」

 

「それもひとつの悲しみなのかな?またからの中に増えてしまったね。」

 

「嬉しそうですねでんでん虫さん。二人がどうなるか、楽しみですね。」

 

 

 

 

 

 

        「私はもう、泣かない!」

 

        「私はもう、嘆かない!」

 

       「私はきっと」「私はきっと」

 

           『リコリス』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


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