激エロ架空競走馬伝説【イッテンコウセイ】   作:蒼井魚

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カワイイの極み

 続きだぜ!

 やっぱり年末年始は人間の休みが重なるから少しだけ第二の故郷(メジロ牧場)に行って、またドーベルさん褒められまくり絶賛しまくり牝馬フェロモンで『うまだっち』しまくり。で大変だったぜ! でも、またお母さんと話せたしよかったかな?

 そんな時、オレのお母さんがドーベルさんの一個上ってのを言ったのが不味かった!

 

『へぇ、コウセイくんは若い牝馬が好きなんだー』

『え!? ち、違いますよ! じ、自分! お母さんって若いと思って……』

『レディの年齢を詮索するなんて最低! もしコウセイくんと『ウマぴょい』することがあったら……ち○こもいじゃうから☆』

『ひっ! ごめんなさいなりぃ~!!』

 

 こんな感じにドーベルさんにもてあそばれちゃったぜ! やっぱり牝馬さんってチョーS(セクシー)でM(ミステリアス)だよな!

 で、美浦に帰還したんだけど……やっぱり牝馬さんは他の場所に連れて行かれていた……。

 悲しむ余裕もないぜ! オレ、超淫乱競走馬だから出会いと別れに涙は流さないぜ!!

 

「アレ? コウセイが隣か」

「ウッス! 短距離専門の先輩じゃないっすか!?」

「ああ、昔はオレの方が速かったのに今じゃなぁ……最近はレオとばっかり併走してるし、本当に久々の顔合わせってところだな」

「ウッス!」

 

 この先輩は短距離を全力で駆け抜けるプロ級マニア先輩だ! 昔は併走の相手をしてもらってたんだけど、その時は一度も追い抜かせて貰えなかったぜ! でも、すぐに体力が無くなって次の先輩と交代してたんだけどね。(笑)

 でも、スプリンターの先輩って凄いよね、オレみたいなステイヤー気質の馬には真似できない軽やかな足使い? 本当に地面を蹴る為だけに足を動かしてるような走り方をするから激エロ! オレもスプリンターの先輩みたいな走りをしたいなりねぇ……。

 

「でも、コウセイが三冠馬……それも無敗ってのはスゲーな、美浦って栗東に比べるとランクが下がるって印象を持たれてるが、おまえのお陰で見返せたような気がするよ」

「ウッス、うーん? 自分はそういう格差とか感じたことが無いっすからねぇ……そんなに違いがあるんですか……?」

「俺も噂でしか聞いたことがねぇんだが……水が美味いらしい……」

「水? 水なんてどれも同じでしょ」

 

 なんて美浦と栗東の違いをゲラゲラと上手な会話に当てはめていく。

 そして二つの話題が消えかけたところでレオの話題が出てくる。

 スプリンター先輩の話しによるとレオもオレと同じようにクラシック路線? とかいうのに出るみたいだから少し長い放牧、帰ってきてから最終調整をするみたいだ! まあ、レオにはオレの技術を教えられるだけ教えてるからビリッ尻になることはないだろとガタイで分析。

 レオのお父さんは無敗の二冠馬だったって聞いたから才能は絶対にある筈だぜ! それにオレの拷問調教を先輩達以上にこなしているのが証拠なりねぇ。

 

「そういえば、次のレースは何を走るんだ? 長距離はおまえの十八番だからな、春の天皇賞とかいうのに出るんじゃねぇのか」

「ウッス! 天皇賞ってのは牧場に帰った時に聞いたっす! でも、最近はその春の天皇賞ってのには競走馬が出たがらないっていうか、人間が出したがらないみたいですね」

「俺も噂には聞いたことがあるんだが、最近の競走馬のトレンドは短距離とマイルみたいだ。だから人間側はその天皇賞ってのに出したがらない。その代わりに短距離とマイルは大人気みたいだぜ」

「うーん? 自分はお父さんがステイヤーだったみたいだから不思議っす! 長い距離の方がドラマが生まれると思いまッス」

「ははっ、おまえって二歳の時にしか短距離走ってねぇからな……古馬の短距離はスゲーぞ?」

「え!? 知りたいっす!」

 

 スプリンター先輩は自分が駆け抜けてきたレースを走っているように語ってくれる。

 毎回競争相手の作戦に差しが無いのは当たり前、しかも逃げは先行の延長線みたいなもの。最終直線なんて逃げ馬や先行馬が追い込み馬並みの末脚を使ってスパート! 長距離で走るなら三分間くらいは絶対にかかるのにスプリンター先輩の話しだと大体70秒で勝負が終わるらしい。短距離レースは奥深いなりねぇ……。

 でも、スプリンター先輩のフットワークは本当に芸術的というか、見様見真似で出来る走り方じゃねーよ! 本当に足を高速回転させてガタイが壊れるくらいにスパートするんだから凄いなりねぇ……。

 

「そういえば、スプリンター先輩のお父さんもスプリンターなんすか?」

「ん? ああ、俺の親父はサクラバクシンオーって言うらしい。会ったことはないが」

「語呂は良いっすけど、長い名前ですね」

「ああ、だから人間達はバクシンオーって縮めてる。お袋も戦績は良くねぇが、一応は芝で走ってて、これまた短距離ばっかり」

「じゃあ、先輩の両親ってどっちもスプリンターなんすね! 凄いっす!!」

「よせよせ、確かに親父の成績は抜群だが……オレみたいな一応重賞で掲示板に入っただけの競走馬じゃおまえに勝てねぇよ……」

 

 短距離レースは奥深い、本当に最近? いや、クラシック路線とか言うのに挑戦してからはオルフェーヴルくんとの最初の対戦(京王杯で戦ってます)以外は2000m以下のレースは走ってないなりねぇ……。

 だったら次のレースは必然的に中距離になるのかなぁ?

 うーん、なんか人間の人達が言ってたような気がするなり……確か……。

 

「今思い出したっす! 自分、次のレースは阪急杯とかいうレースみたいっす」

「はぁ!? おまえ……それ短距離レースだぞ……?」

「え!? オレの次のレース短距離なんすか!」

「ああ、オレも去年は高松宮記念とかいうのに出ようと出走したが、やっぱり駄目だった……」

 

 スプリンター先輩は少しだけ考えて、オレに短距離の極意を教えてくれた。

 まず最初に絶対に前で走ること、

 次に逃げを逃げと思わないこと、

 その次にどの場所でもスパートのタイミングみたいに全力で走ること、

 最後に足を限界まで回すこと、

 うーん、抽象的な表現だから難しいなりねぇ……でも、どの場所でも全開で走ることが大切ってのは理解したぜ!

 

「ウッス! 先輩のアドバイスでビジョンがガタライズされたっす!」

「おまえ、難しい言葉使ってるな……ガタライズってなんだ……?」

 

 スプリンター先輩のおかげで短距離レースの奥深さ、中距離や長距離とは違う心構えを理解したぜ!

 そして、俺の二段加速ではスプリンター先輩のアドバイス的に勝つことは難しいぜ! それならもっと激エロな走法……

 

『エロいぜ! 速いぜ! 駆け抜けるぜ!』

 

 走法を完成させるしかねぇーよ! 絶対にオレだけのスプリンター走法を見つけ出してやるぜ!!

 

 

 

 

【調教開始!】

 

 イナリさんから教えてもらった大跳び走法はトップスピードに到達するのは早いけど、その後の伸び方がパッとしない。

 逆にピッチ? とかいう走法はトップスピードに到達するのは遅いけど、その後の伸び方はガッとしてるぜ!

 つまり、この二つの走法をガタイで分析していくと……四つの可能性が見えてくるなりねぇ……。

 

『1:大跳び走法の回転数を大幅に上げた【舞空術走法】』

『2:大跳び走法の後にピッチ走法を組み合わせた【淫乱スイッチ走法】』

『3:ピッチ走法の回転数を上げた王道を征く【スプリンター走法】』

『4:ピッチ走法の歩幅を少しだけ広げてホップの量を上げる【ガンギマリ走法】』

 

 うーん、悩ましいなりねぇ……。

 どれもメリットが多すぎるぜ!? 舞空術走法は大跳び走法の新しい可能性が見えるし、淫乱スイッチ走法は有馬記念でやってるし、スプリンター走法はありきたり過ぎるぜ!

 じゃあ、ガンギマリ走法はどうなりね? ピッチ走法ってのはどう考えても回転数を上げてスピードを上げていくから、トップスピードに到達するまで時間がかかるぜ! でも、それの歩幅を少し広げて少しでも大跳び走法に近いトップスピード到達を狙う……! いいぜ! このガンギマリ走法を開発するぜ!!

 

「本当に……オーナーは何を考えてるんだ……? コウセイの可能性を知りたいとか言って短距離なんて……」

 

 今日も背中の上にはジャニ系を通り越して福○雅治系イケメンの騎手さん! 今日も首をナデナデで淫乱になるぅ♡ 騎手さんの手には人参の成分が含まれてるのかもね♪

 いいぜ、楽しみにしてるぜ~! 今日はどんな奴かな~今日の併走も楽勝だな♪

 なんて思っていたら……。

 

「コウセイが短距離に出るって聞いたからな! 今日は俺達が拷問併走してやるぜ!!」

「短距離の恐ろしさ、無敗の三冠馬に教えてあげるよ……」

「ボス馬候補筆頭のコウセイを抜いたって噂が広がれば俺だって!」

「すっげー!? 美浦のスプリンター先輩が大集合じゃん!!」

 

 今日の併走はスプリンター先輩が大集合でマジ狂い! 全員が最終直線のスパートみたいな速度で足がイッちゃってる! やっぱり短距離のプロ級マニアはスゲーぜ!!

 そして、あのガンギマリ走法が完成に近づいてくる……!

 オレ、足はあんまり柔らかくないから最高の歩幅っていうの手探りだけど……先輩達の足の回し方を見たら閃いたぜ……!

 言うならばオレよりデカイ競走馬と同じくらいの歩幅! お父さんと同じくらいの歩幅なら絶妙にオレの考えるガンギマリ走法と重なるぜ!!

 

「「「もう無理! ステイヤーには勝てないよぉ~!!」」」

 

 新テク(新技)ガンギマリ走法習得だぜ!!

 これでスプリンターとしての自分の理想が完成したぜ……これから先はレースでしか表現できねぇぜ……!

 

 

 

 

【阪急杯】

 

 今まで走ったどの距離よりも短い芝1200mに殴り込み! 俺の溢れる超淫乱競走馬魂はホンダ並みのスピリットだぜ!!

 パドックにイン!

 だけど、今回もおかしいぜ!? なんか、オレのことを見てくるんだけど……他のレースと違って嘲笑しているみたいだ……。

 今回はガタライズ機能が初手から使える! レッツガタライズ!!

 

『うっわ、無敗の三冠馬が負けに来たよ(笑)』

『え? 俺達って無敗の三冠馬を倒せるのやったー(笑)』

『無敗の三冠馬だろうと、俺達スプリンターに勝てるわけないのにね(笑)』

 

 ……なんだろう? オレって博愛主義馬なんだけど、ここにいる全員をボコボコにしたい気持ちで溢れちゃうなりねぇ……。

 でも、レースは足の速さで勝負する場所だぜ! ここにいる全員をレースでボコボコにするなりねぇ……!

 

『あ! もしかして俺が勝ったら三冠馬になれるかな! 俺ってアレより親の成績いいし(笑)』

 

 ――プッツン、

 俺、馬鹿でチャランポランの競走馬だけど……両親を悪く言われるのは納得いかねぇな……。

 絶対にこいつらの心をへし折るしかないな、絶対に二度と競走馬として日陰を歩けないレベルの大敗をさせてやるよ……。

 何が親の成績だよ、俺は大切な両親のおかげで生まれてきたんだよ! 絶対に許さねぇ……おまえら競走馬じゃねぇ!!

 

『無敗の三冠馬は短距離でも強かった! 圧倒的大差で今、今ゴールです! 親の文句は俺に言え――』

 

 

 

【レオ帰還】

 

 ウッス!

 なんかいつもの自分らしくない言動をしてたなりねぇ? でも、お父さんとお母さんを馬鹿にしたら殺される覚悟があると思うじゃん! オレって恥ずかしいけどファザコンでマザコンなりねぇ……。

 そんなこんなで若干標準馬語を使ってた時期があるけどオレは元気だぜ!

 

「コウセイ様! ただいまです!!」

「おお、レオ! 少し太った? それとも成長期なりか」

「うーん、自分ではわかんないっすけど……お父さんと同じくらいだって牧場では言われました」

「まあ、体が大き過ぎると怪我可能性が上がるらしいし、普通が小さいくらいが一番なりねぇ」

 

 少し長めの放牧に里帰りしていたレオ、成長期なのかわかんねぇけど、少しだけガタイが良くなった気がするぜ!

 さて、今日からレオとの拷問調教が再開なんだけど……オレって高松宮記念ってレースに出ねぇといけねぇからレオのクラシック調教の邪魔にならないか少し不安。

 

「そういえば、コウセイ様が短距離に挑戦してるって隣の先輩に聞いたんですけど本当ですか?」

「うーん、実はそうなんだよー」

「コウセイ様が短距離で走る姿を想像出来ませんよ。だって、クラシック三冠って全部が中距離以上じゃないっすか? 勝算とかってあるんですかね」

「うーん、一応は前のレースで大差勝ちしたからわからないなりねぇ。ただ、相手が油断してたからかもしれないし、次はG1だし」

 

 実はこの時、普通に併走しながら喋ってるんだぜ! レオも併走しながら雑談できるくらい成長したんだと感激! オレのポルシェ並みのエンジンには劣るけど、BMW並みのエンジンだぜ!!

 それにしても、レオの足の柔らかさは驚愕なりねぇ……本当に跳ねるように地面を蹴るから大跳び以上ピッチ以下? のスピードが出てるぜ! これは淫乱スイッチ方法を教えたらまた化けるかもしれないなりねぇ……。

 でも、淫乱スイッチ走法はレースじゃないと使えないし、調教じゃあ言葉だけでしか伝えられないからどうなんだろう? まあ、レオは天才肌だから大丈夫か! 皐月賞辺りで教えてやるぜ!!

 

「自分、コウセイ様が出た朝日杯には間に合わなかったから……後輩として恥ずかしいですよ……」

「いや、オレはお父さんとお母さんにG1を届けたいって気持ちが強かったし、二歳で大逃げ戦法をとる馬が少ないって言ってたなりねぇ」

「自分も大逃げ試してみようかな?」

「やめた方がいいぜ! オレは新馬戦で逃げで走ったから認められただけで、レオみたいに先行で今まで走ってるなら騎手さんが驚いて止めるかもしれないぜ! だったら末脚に磨きをかけた方がいいと思うなりねぇ」

 

 レオも納得してくれたみたいで第三ラウンドが始まる。

 あれ? そういえばレオのお父さんって無敗の二冠馬って言ってたな……えっと、クラシック三冠? とかいうのの順番ってどんな感じだったかなぁ(一応三冠馬)。

 

「そういえば、レオのお父さんってクラシック三冠のどれだけ勝ててないなりねぇ?」

「そうですね、確か……菊花賞ってのだけ怪我しちゃって出れなくなったみたいです!」

「うーん、怪我は怖いなりねぇ……オレはお母さんが丈夫だから今のところはしてないなりけど……」

「多分、自分もコウセイ様から大跳び走法を教わらなかったら怪我してたかもしれません! 本当にコウセイ様とは運命の出会いを感じますよ」

「照れるぜ!」

 

 後輩を育てるのが先輩の役目なのに淫乱になるぅ♡

 でも、最初の頃のレオとは見違えるくらいには性格も走りも変わってるから成長を実感! 人間にはできない馬目線の考え方もあるなりねぇ。

 そんな感じでレオとの会話をしてたら人間にストップをかけられて今日の併走は終了。

 

「レオ、お父さんが勝ててない菊花賞に勝ったらオレのこと普通にコウセイって呼んでいいなりよ」

「え!? コウセイ様を呼び捨てなんてできませんよ!! 色々教わりましたし……」

「うーん、じゃあ、様以外でいいなりよ」

「じゃあ、菊花賞に勝ったらコウセイさんって呼びますね! でも、今はコウセイ様で」

「ウッス」

 

 馬房に帰ってスプリンター先輩にまた短距離の極意を教わるぜ!

 

 

 

【高松宮記念】

 

 ウッス! 短距離G1初挑戦!!

 今回のレースはG1だから前のレースとは比べ物にならない競走馬さん達が来るんだろうなぁ! どんな競走馬さんが来るのか楽しみだぜ!!

 そしてパドックにイン! おーっす! すげー、人間のみんながオレのガタイにスゲー視線を向けてくるぜ!!

 ハメられたぜ! 無敗の三冠馬は人間の注目の対象になるんだな!? こうなれば水没調教をギン目でおねだりすればよかったなりねぇ……。

 それにしても、スプリンター先輩が言ってたようにスプリンター競走馬さん達って小柄だけど信じられないくらいのガタイをしてるぜ! お尻なんてプリ尻を通り越してプリプリ尻だぜ! オレも無敗の三冠馬ガタイで威圧してみるけど……効果は無いみたいだ……。

 

「君が無敗の三冠馬くん?」

「う、うっす!」

「うふふ、噂には聞いてたけど本当に可愛らしいね♪ これで速かったらズルを疑っちゃうなぁ~」

「ち、違いますよ! 自分!! お父さんとお母さんの誇りにかけてズルはしてないと約束しまッス!!」

「もー、わたし素直な子大好きだからもっとイジりたくなっちゃった♪」

 

 やっべー! 芦毛のチョーS(セクシー)な牝馬さんからアプローチされちゃってる!? この牝馬さんもドーベルさんと同じくらいモロ牝馬フェロモンがムンムンだ!

 どうしよう……オレって無敗の三冠馬で売ってる超淫乱競走馬なのに弱点がバレちゃうぜ!? ハメられた! 古馬G1には美しい牝馬さんが沢山出てくるんだな!! オレ、牝馬さんがいると調子が出ねーよ! お願い騎手さん……ナデナデしてぇ……!

 あ、騎手さんが気付いてくれてナデナデ……あぁ! 淫乱になるぅ♡

 

「わたしカレンチャン! 人間みたいな名前だけどちゃーんと競走馬だからね☆」

「ウッス! 自分はイッテンコウセイっていいます!!」

 

 そのままカレンチャンさんとの上手な会話にハマっていく。

 それにしても、このカレンチャンさんってスゲーよ! 牝馬さんなのに栗東のボスやってて、他の競走馬さんは頭を下げて歩くらしいぜ!?

 カレンチャンさんの前で喧嘩なんてしようものなら二日間くらいごはんが食べられないくらい論破されるらしいぜ! オレみたいな頭チャランポランの超淫乱競走馬には論破なんて無理だぜ!? オレなんて……。

 美浦での生活が走馬灯してくる……。

 

【後輩】

『コウセイさん! 自分のフットワークどう思いますか?』

『うーん、もう少し足の角度を変えた方がいいなりねぇ。多分、そっちの方が末脚が伸びるぜ!』

『スゲー! コウセイさんの言うように走ったら騎手さんから褒められました!!』

『よかったぜ! でも、レースだともっと凄い競走馬さんが来るから過信しちゃ駄目なりよぉー』

『ウッス!』

 

【先輩】

『コウセイ、長距離ってどんな風なペース配分なんだ? オレって最長が2000mだから興味あるんだよな』

『ウッス! なんというか? ……序盤は中距離の二倍以上三倍以下? くらい気持ちいい場所を探して最後の末脚を最大限に活かす感じっす!!』

『わかりやすいな……でも、俺はどんな距離でも全力だからなぁ。俺じゃあ長距離は掲示板にも載れないぜ』

『努力っすよ!』

 

【喧嘩】

『俺はおまえより速いんだよ! おまえが格下だ!!』

『はぁ!? おまえレースで俺に負けてたじゃねぇか!!』

『君達? 喧嘩は良くないなりよぉー』

『『コウセイさん!? す、すいません……』』

『でも、喧嘩できるっていいなりねぇ……オレ、ライバルは栗東にしかいないからズルいと思っちゃうぜ』

『そうか、コウセイさんは喧嘩する相手もいないのか……』

『俺達って恵まれてるんだな……』

『『コウセイさんありがとうございます! 目が覚めました!!』』

『ん?』

 

【牝馬】

『コウセイさんカッコイイわ~ん』

『今日はガタイのパンプが足りないなりねぇ……』

 

 やっぱり、オレって競走馬の間でも便利な超淫乱競走馬としか見てもらえてないからボスなんて程遠いぜ! (実質ボス馬)

 それにしてもカレンチャンさんって本当に明るい性格で慕われてるんだぁな、オレは結構嫌われてるからなぁ……歩いてたら怖がられちゃうし……。

 もしかして三冠馬って称号は後輩を萎縮させちゃうのかな? でも、お母さんはG1取ったら喜んでくれるし、ドーベルさんは褒めてくれるから悩ましいなりぃ……。

 

「……カレンチャンを取るなよ! 零細野郎!!」

「う、うおーっす!? なんなりね」

「カレンチャンはオレのフィアンセなんだ! おまえみたいな種牡馬になれるかもわからない奴が喋っていい牝馬じゃないんだよ!!」

「た、確かにオレって零細だけど……頑張って走ってるなり……」

 

 カレンチャンさんと楽しい会話をしてたら目がイッちゃってるジャニ系牡馬がギン目で睨んでくる! なんなりねぇ……オレ、ただカレンチャンさんと楽しい会話してただけなのに……。

 それにしても、このジャニ系鹿毛競走馬さんはスゲーガタイしてるし、一番人気なのかなぁ? オレ、無敗の三冠馬だけど短距離はまだまだ未知数なりねぇ……。

 

「カナロアくん! それは酷い言い方だよ!?」

「カレンチャンは黙ってて! こんなヤツには真実を伝えないといけないんだ……!」

「なんでこうS入ってるなりか……」

 

 カナロアさんが呼吸を整えて何か言おうとしてる。どうせ短距離じゃあ勝てないとか言うんだろうなぁ?

 

「短距離に挑戦して無敗を終わらせるとは、とんだ低脳じゃのうイッテンコウセイ。まあ、両親が両親……それも仕方ねェか……! “平成三強”は所詮……先の時代の“敗北者”じゃけェ……!!」

「ハァハァ……敗北者……?」

「ふっ?」

「取り消せよ! 今の言葉!!」

「取り消せぇ? 断じて取り消さん」

「あいつ――お父さんとお母さんを馬鹿にしやがった!」

「お前の父親はSSに阻まれ「種牡馬の王」になれず終いの永遠の敗北者が“平成三強”じゃァ! どこに間違いがある!! 名馬、名馬と人間共に慕われて……大種牡馬まがいの茶番劇で種牡馬としてのさばり」

「――やめろ……!!」

「……何十年もの間、種牡馬をするも「強い父」にはなれず……何も得ず……! 終いにゃあ地方で113回負けた牝馬と子供を作る……!! それの息子が三冠馬でもラッキーでしかない!!」

「カナロアくん……今日おかしいよ……」

「実に空虚な種牡馬じゃあありゃあせんか?」

「やめろ……!!」

「コウセイくん! 冷静になって!!」

「お父さんとお母さんはオレに命をくれたんだ!! お前に両親の偉大さの何がわかる!?」

「競走馬は良血じゃなけりゃあ、走る価値なし!! お前ら零細に走る場所はいらん!! “平成三強”は敗北者として忘れられる! 当て馬の大将にゃあ、誂え向きじゃろうが」

「“平成三強”はこの時代を作った競走馬だ!! この時代の礎が!! “平成三強”だァ!! レジェンドをバカにすんじゃねェ!!」

「二人ともやめて! 両親は大切な存在だよ!!」

 

 カレンチャンさんの言葉でどうにか理性を取り戻せたけど、今は怒りに震えて標準馬語しか喋れねぇ……。

 こいつ――お父さんとお母さんを馬鹿にしやがった! 確かに零細血統だけど、大切なお父さんとお母さんのおかげで競走馬として走れてる! それを馬鹿にされるなんて許せねぇ!! 絶対に……こいつだけは許さねぇ――!!

 お父さん、お母さん……ごめん、俺、今日だけは超淫乱競走馬から普通の競走馬に戻るよ……!

 でも、考えてた作戦なんてもう捨てる……こいつを謝らせる走り方で勝ってやる――!

 こんな奴に負けたらオルフェーヴルくんにも笑われる! だから、全力の横綱相撲で勝ってやる!!

 

 

 

【ゲート】

 

 騎手さんのナデナデも今日に限っては気持ち良くもなんともない……。

 ああ、怒りで体中の力が精神に集中してるんだ……! 俺の両親、レジェンドを馬鹿にしたアイツを絶対に許せねぇって!!

 競走馬はレースですべてを解決する。絶対に! 俺は――勝つ!!

 

『一番人気はロードカナロア、二番人気にカレンチャン、三番人気には無敗の三冠馬イッテンコウセイときています。イッテンコウセイ初の短距離G1、その足はスプリンターにどこまで通用するか期待が集まります』

 

 俺を馬鹿にするのはいい……だけど! 両親を馬鹿にするのは許さねぇ!!

 

『今スタートしました! ロードカナロア、イッテンコウセイ好スタート! イッテンコウセイ得意の大逃げの体制に入るか? いえ、ロードカナロアの外側隣にピッタリと張り付いています!?』

 

 おまえを本気でぶっ倒すには自分が負けた理由を俺の大逃げにはさせねぇ! おまえの隣でおまえが絶対に抜けない走りをして懺悔させてやるよ……!

 そう、徹底的に、おまえの心を徹底的にへし折ってやる!!

 

『順位はロードカナロアからイッテンコウセイ、カレンチャン――』

 

「どうせ三冠馬だとしても短距離なんてにわか知識しかねぇんだ! 牡馬最強のスプリンターは俺だ!!」

「これだから男の子は……でも、コウセイくんの走り……」

「ああ……もう無理だ……! こんな奴の隣を走るなんてもう無理だ!!」

 

『コーナーを抜けてイッテンコウセイ抜け出した!! 後方からはカレンチャン! ロードカナロアも追いすがる!!』

 

 ごめんなさい、お父さん、お母さん……俺は二人の息子だから喧嘩は大嫌いだけど!

 ――世界で一番負けたくない相手には勝ちたい!!

 

『イッテンコウセイ凄まじい末脚だ! 他馬を寄せ付けない!! 必死に追うが誰も届かない!!』

 

「あんな奴に!! 俺は絶対に負けたくない!! 届け! 届け! とどけー!!」

「あはは、コウセイくんはカワイイけどカッコイイな……」

 

 お父さん、お母さん……オグリさん、イナリさん、タマモさん。貴方達は本物のレジェンドだ。だから、俺は勝つよ、だって……。

 ――全員が大好きだから!!

 

『今、約二馬身のリードでイッテンコウセイがゴール! 無敗の三冠馬はやはり強かった!! スプリンターを跳ね除けて高松宮記念を勝利! 場内からは歓声が上がっています!! ……今、情報が入りました。今回――イッテンコウセイが世界記録を樹立!? 推定時速86km、これは世界記録の84kmを大幅に更新しています!』

 

 一着のことなんて忘れてロードカナロアを睨みつける。

 おまえが馬鹿にした両親から生まれた競走馬に負けた気分はどうだ!? おまえは良血なんだろうが!! 良血なら零細を倒してみせろ!! 倒せなかったんだろうが!! 消えろ!!

 ロードカナロアは悔しそうに目を合わせず去っていった。

 

「コウセイくん凄い! 本当に凄いなぁ……わたし勝てる自信あったのに」

「う、ウッス! 絶対に負けたくない理由が出来ちゃったから……」

「わたし、コウセイくんみたいな男の子好きだよ。だ・か・ら!」

 

 カレンチャンが俺のことをペロリと舐めて、

 

「カレンがコウセイくんの赤ちゃん産んであげる! でも、コウセイくんの方が年下だから待たせないでよねー」

「う、うひゅっす!」

 

 なんだろう、カレンチャンさんはカワイイ……でも、それは奥深いとかそういうのじゃなくて……。

 カワイイの極みだぜ!

 そして、カレンチャンさんのペロペロでオレのデカマラが……。

 

燃え上がる程ヒート! そそり立つぜバベルの塔!!

 

 恥ずかしいよぉ~

 

 

 

【次回予告】

 高松宮記念を走りきったオレはロードカルーアミルクくんに激怒したことに少し反省。

 でも世界新記録? なんかよくわかんねー称号まで貰えてマジ狂い! 世界ってあの世界だよな! スゲーぜ!! レジェンドパワーで世界のトップになっちゃったぜ!?

 そんなことを考えていたら……そういえば、次のレースは長距離の天皇賞春だ!? 寒暖差激しいと思うなりねぇ……。

 今の競馬は短距離とマイルが大人気だからすんなりシード通過で出走決定!

 でも、高松宮記念で閃いた技があるんだ! それは――

 

次回予告【新テク(新技)溜め逃げ開発】




 ウッス! 短距離レースって本当に短くてドラマあるレースを書けなかったっす!! ごめんなさい……。

 そして、【敗北者?】を取り入れたらなんかギャグじゃなくて本当の怒りになっちゃいました!? うーん、アンチ・ヘイトを付けててよかったぜ!

 進捗状況を掲載してますので、サボリがもう二度と出来ないね!(白目)

 あと、なんか掲示板回を書いてたら〇〇連合VSメジロ軍の戦争が始まってますね()

 ヨーグルトと麦茶と読者様の感想だけが俺の養分だぜ!

敗北について

  • 出来る限り早く負けて♡
  • 最高にカッコイイ負け方して♡
  • 生涯無敗! それしか認めん!!
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