ルンルン気分で草をムシャムシャ、ヤブ医者と大レースのコンボでマジ狂い! 美浦に帰ってからは牛さんになる勢いでガタイを休めねぇと。
なんて思っていたら調教は突然だ!? 全然ガタイ休めてねぇのに人間ってチョーSだよな! 俺だって古馬戦線に入ったから若干の衰えを感じてるぜ(大嘘)
それにしても、最近は人間の視線が情熱的でガタイが燃えちゃうような感覚! ゲイ能人? とかいう人達もいっぱい来てマジ狂い! なんか厩務員さんに質問攻めしてくるけど……。
「いやぁ……父親のスピードとスタミナ、母親の頑丈さが見事に遺伝したとしか……」
これで19回目のお父さんとお母さん自慢! やっぱりお父さんとお母さんは名馬なりねぇ♪
なんか人参の入ってある箱を食べたことがありそうなゲイ能人さんの相方みたいな人がオレとのツーショットをご所望だぜ!? イイぜ! オレの激エロ超淫乱ガタイを全国区にしてくれよな!!
【調教】
そしていつものようにレオとの拷問調教、調教師さんと厩務員さんがレオが菊花賞を勝ったとか言ってたから多分勝ったんだろうね! それにしても帰国して初のレオとの顔合わせ! テンション上がるぜ!!
なんて思ってたら気持ち悪いステップで現れたレオにドン引き! まるでこの世界で一番早い競走馬は自分だ! ……みたいな態度でSHOCK!
「あ! コウセイさぁーん♪ 俺! お父さんが勝ってない菊花賞に勝ったんですよ~」
「どうしたんだよレオ! おまえスゲー軟派な競走馬になってるぜ!?」
「そうですかぁ~? あ! 俺がお父さんを超えたから迫力が増したのかも(笑)」
「もうなんなりねぇ……」
レオのヒリついたいつもの競走馬魂は久々の再開で消えていた……。
そんなのねぇーよ! レオは勝利に飢えた獰猛な競走馬のハズだ! それなのに今のレオはデカ人参を食べる幼駒みたいにナヨナヨしてるぜ!?
去年の菊花賞はオレが勝って、その次は有馬記念とかいうレースに出たからさぁ……レオも有馬記念に絶対出るじゃん!?
うーん……こんな状態のレオじゃぁ、オレの満足できるレースができねぇーよ! これはレオの淫乱競走馬スイッチを倍プッシュするなりねぇ……!
「ふふふーん! お父さんを超えた俺はコウセイさんと同じど――はっや!?」
併走? 知らねーよ、そんなの。
こんな腑抜けたレオなんて後ろに付き纏うだけの影でしかないゼ! オレってば逃げで売ってる超淫乱競走馬だから併走=抜かせないなんだよねぇ♪
一本目の併走、それは一方的なオレのガン掘りだった(逃げ切り)
「やっぱりコウセイさんはスゲーや! でも、オレだってお父さんを超えた――後ろから!?」
二本目の併走はレオの得意なマーク戦術で徹底的に、軟派なレオを徹底的にガン掘る! おまえの得意な戦術はこんなに走りにくいんだぞ!
レオは後ろから徹底的にマークされる恐怖でスピードがダウン! その瞬間を見逃さず、ドーベルさんから教えてもらった差しの極意その二(前がダレたら一気に行け)を使ってまた大差で終わらせる。
そのコンビネーションを何度も繰り返していたらレオもスイッチが入ったのかギン目で睨んでくる!
「……古馬だからって調子にのるんじゃねぇよ! シャイニングレオは菊花賞馬だ!!」
「……いや、オレも菊花賞馬」
レオが得意のマーク戦術でオレのことをガン掘りしようとするけど、一度腑抜けた競走馬に負けるわけねぇよ! レオはもっともっと燃え盛る業火のようなエンジンを搭載してる筈だぜ!!
「しぬぅ~おじひぃ~」
「レオ? なんで慢心したんだ」
「お父さんの勝ててない菊花賞に勝てたから……」
「レオ、オレ……おまえのお父さんが勝ってないレース結構勝ってるぜ」
レオの表情がシナシナのデカマラみたいになって、そして一気に暴発! レオのお父さんコンプレックスが解消されたと同時にイッテンコウセイコンプレックスが発症だぜ!!
その後のレオはオレが知っている鬼気迫る怒涛のマーク、オレが後ろに付けようとしても絶対に、絶対に前を走らせてくる!
イイゼ! これでこそレオのマークだぜ!!
「このお父さんより凄い競走馬をねじ伏せて絶対に――いじめてやる!!」
「レオ……聞こえてるなりよ……」
「俺はコウセイさんをいじめたい! 徹底的に、コウセイさんを徹底的にいじめたい!」
「今更だけど……レオ? おまえって性格悪いよな!」
目標を見失った後輩の根性を叩き直すのは先輩の役目なりね♪
もうオレのこといじめることしか考えられないね♡
実力差がどの程度か理解したね☆
死ぬまで負けねぇ
【レース決定】
「なあ、コウセイって本当に馬なのか? 調教師になって短いけど……異常だよ」
「今更ですか? 厩務員になって短いですけど……異常だよ」
なんか二人してオレの屈強ガタイを異常だって言ってるぜ!? 酷いぜ! オレはお父さんとお母さんから貰ったガタイを超馬力ピストンでフル回転させてるのにSHOCK!
あーあ、結局人間って超淫乱競走馬のことを普通の競走馬には真似できない走りをする。その程度にしか見てないんだなってネムネムの顔で白け気味。
なんて言いながら厩務員さんが食べさせてくれるデカ人参で機嫌はいいんだけどね♪ しかもお父さんカットじゃん!? お父さんってカットされた人参しか食べなかったって噂で聞いたけど本当なのかなぁ?
『……無限人参って皮がなぁ』
『皮に栄養があるんや! 好き嫌いすな!!』
『……だって、泥臭いじゃ――ゴハッ!?』
『クリークとは言えど、食べ物を粗末にするなら許さない』
なんか天国のお父さんがオグリさんに蹴飛ばされてるような気がするけど……気にしないぜ!
「凱旋門賞後、即天皇賞秋……トライアスロンも裸足で逃げ出すハードローテ……」
「それを平然と無敗で走り抜ける……」
((引退したら海外に売り飛ばされそう))
二人がオレのガタイを見てコウセイはコウセイとブツブツ言いながら目がイっちゃってる!? やっぱり無敗の三冠馬ガタイは人間を魅了しちゃうのかもね♪
それにしても、次のレースはどんなレースなのかな? メジロの証である天皇賞ってのは二つとも布かけられたし、次はどんな淫乱なレースが待ってるのか楽しみだぜ! 出来ればジャスタウェイくんが言ってたゴルシ? とかいう気性難くんにも会ってみたいぜ! レオも一時期ゴルシゴルシゴルシとか言って目がイッちゃってたし(笑)
「それにしても、ジャパンカップに海外の競走馬が出なくなったよな」
「そうですね、香港G1がグローバルスタンダード? みたいになってますからね」
「噂によると……栗東が出来てから日本競馬のレベルが上がって走っても賞金が稼げないらしい……」
「どっちが本当かわからないですけど、今のコウセイに勝てたら大種牡馬確定ですよ」
オレの淫乱イヤーが察知! 次のレースはジャパンカップって名前か……激エロだぜ!
ジャパンってのは人間が朝に食べてる茶色と白の香ばしいヤツだろ? カップってのは人間が水を飲む時の道具だぜ!! つまり……必需品を称えるレース!? 馬で言うところの人参杯!! 親近感あるなりねぇ♪
「コウセイ? おまえは海外からの刺客を倒せるか」
ウッス! オレ、海外のレースを荒らしたことありまッス!! (凱旋門賞)
【ジャパンカップ:2012年】
レオのナヨナヨ魂をガンギマリ魂に昇華させてたらレースだぜ!? レース出走は突然だ!
なんて言いながら馬運車が来るのを待ってたのは内緒なりねぇ♪
それにしてもレース場はいいな! 人間がオレのガタイに熱烈な視線を向けてくるし、競走馬はオレのことを徹底的に、無敗の三冠馬を徹底的に倒そうとギン目を向けてくるぜ!!
そしていつものパドックグルグル! 今日のレースもG1だ!? 知り合いは来てるかなぁ♪
「……あ、負けた」
「オルフェーヴルくん! ウッス!! 帰国したんだね!!」
「うわー……無邪気に再会を喜ばれてキレるにキレられねぇ……」
凱旋門賞以来のオルフェーヴルくんとの再会! 今日もジャニ系栗毛ガタイを輝かせてオレの逃げを弾丸追い込みで差し切る算段みたいだ!
「やあ、コウセイくん」
「エイシンフラッシュ先輩! ウッス! 天皇賞以来ッス!!」
「うーん、コウセイくんは本当にブレないねぇ……G1って凄いレースなんだよ?」
「ウッス! 自分を曲げないし、G1が凄いレースだって知ってマッス!!」
「ハハッ(乾いた笑い)」
エイシンフラッシュ先輩は今日もジャニ系漆黒ガタイを輝かせて闘志MAX! でも、オレの姿を見て目が遠くなってるようなりねぇ? お腹が痛いのかな(笑)
「おっ! コウセイくんを見たらG1だって思えてくるよ」
「トーセンジョーダン先輩! ウッス!! オレも先輩の姿を見るとG1に出てるって感じがするッス!!」
「ふふっ、君は本当に素直で利口だ。アイツに蹄の土でも食わせてやりたいよ……ゴルシィ……」
やっべー!? トーセンジョーダン先輩の目がイっちゃってる! これはゴルシ? とかいう気性難くんのことを思い出しているとガタイで分析。
それにしてもG1はやっぱりいいな! 速い競走馬がいっぱい来てオレのガタイがヒートだぜ!!
なんて思っていたら――やっべー!? スゲー可愛い牝馬ちゃんがオレのこと見てるぜ!!
「あら、貴方が無敗し続けてドン引きされてる系競走馬のイッテンコウセイ? 見た目は普通より貧相ね」
「ファッ!? オレ! ガタイだけは一流だと思ってるッス!!」
「そうやって反論する時点で自分の体に欠点があると自覚している証拠よ、普通に考えて年下の私に反論するなんて大人げない」
「うーん……確かに完璧なガタイだとは思ってないかも……」
「男の子ならシャキッとしなさい!」
「ウッス!」
スゲー可愛い牝馬ちゃんは超毒舌系牝馬だぜ!? でも、ここにいる牡馬はこの牝馬ちゃんに視線を向けてるぜ! チョーS(セクシー)だよな!!
「ウッス! 自分はイッテンコウセイっていいます!!」
「あら、最初の会話を覚えていないのかしら? 私、貴方のことを認知しているわよ。そうね、一点で攻勢って名前を知ってるわ。普通に私の辞書に掲載されてるわ」
「ウッス! ありがとナス!」
「褒めてないことを褒めてると自覚してる辺り、普通にドン引きね。ドン引きを通り越してドンドンドン引きね、あら? これだと綱引きになっちゃうわね」
「ウッス! 牝馬ちゃんの名前を教えて欲しいッス!!」
「嫌よ。私の名前を教えたら色々な意味で穢れる。知ってる? 名前って大切なモノなのよ、それを堂々と公言している辺り普通じゃないわね」
「ウッス……ごめんなさい……」
「ジェンティルドンナよ、そのウッスという鳴き声で耳が孕みそうだから特別に教えてあげるわ。ピュアピュアな脳みそにインプットしておきなさい」
牝馬ちゃん改めジェンティルドンナちゃんは面白いオモチャを見るような笑みを見せながら鼻歌まじりにパドックをグルグル! 多分だけどさぁ! オレががレオを見る時の目だぜ!!
でも、ブエナビスタ先輩やドーベルさん、カレンチャンさんは艷やかでセクシーな言葉遣いなんだけど、ジェンティルドンナちゃんはMなオレのM心を刺激する知的な言い回しだぜ!? はじめての体験にマジ狂い!!
そしてゲート入り前の最終調整! もう慣れちゃったけどさぁ、凱旋門賞とかいう芝がヌルヌルのローションレースに出てから黒い棒がウネウネしててキッショ! もう動くな! そして死ね!! って感じでテンサゲ↓↓
他の競走馬くん達も若干気にしてて……。
「カメラ動かすなって!」
G1レースには絶対にいる「あの」ハードS紳士もご立腹だぜ! 黒い棒ってチョーSだよな!!
なんて思っているとジェンティルドンナちゃんが不機嫌そうにムカムカの顔でご立腹気味!? やべーよ! ここで怪我なんてされたらレースにならねぇよ!
「気にしない方がいいなりよ」
「わかっているのよ、そう、完璧に理解しているのよ、あの黒い棒が私達をパシャパシャする機械の亜種だってことは、でもね? 普段見慣れない物が気持ち悪く動いているとどうしても警戒心ってのが出てくるわけけよね? 常識的に考えてアレの動きは異常よ、私も結構な数のG1レースに出てきたけど配慮という美しい言葉でアレは動いていなかったわ。それなのに今日に限って舌のようにベロベロベロベロ……」
「ウッス! 冷静になってよジェンティルドンナちゃん」
「……貴方のアホ面を見たら冷静さと自分の貞操の危機を感じて冷静を通り越して絶対零度に到達してしまったわ。この場合、ありがとう? それとも気持ち悪いから消えてちょうだい? どちらの方が正しいのかしら」
「ウッス! ありがとうの方が嬉しいっす!!」
「じゃあ、気持ち悪いから視線の中から消えてちょうだい。追加して記憶の中からも消えてちょうだい」
「ウッス! オルフェーヴルくん慰めてほしいなりぃ~!」
ジェンティルドンナちゃんのS入った言葉ピンタで消耗したメンタルをオルフェーヴルくんに慰めてもらおうと思ったら……。
「しらねーよ、そんなの」
普通に無視された。
【ゲート】
ジェンティルドンナちゃんの刺激的な毒舌以上? 誹謗中傷以下? の言葉責めは体感三十分以上にワタリ……メンタルがボロボロだぜ!? こんなんでロケットスタートできるのかよー(涙)
なんて思いながら騎手さんの淫乱になるナデナデで超淫乱競走馬イッテンコウセイ復活! もうロケットを通り越してレールガンスタートしちゃうかもね♪
『東京競馬場、天候は晴れ、良馬場でのレースとなります。一番人気はレースの独裁者イッテンコウセイ、日本に凱旋門賞制覇をもたらし即座に秋古馬三冠に挑戦するタフネス、二番人気には同じく凱旋門賞に挑戦したオルフェーヴル、その弾丸のような末脚は独裁者に届くのか? 三番人気には牝馬三冠のジェンティルドンナ、牡馬三冠のイッテンコウセイ、牝馬三冠のジェンティルドンナ、牡馬牝馬の三冠馬対決に注目が集まります』
それにしても、春の天皇賞以来長距離レースに出てないよなぁ~? オレってお父さんのステイヤー遺伝子を搭載した最高の長距離MASCHINEなのに中距離ばっかりでお父さんに顔向けできないなりねぇ……。
アレ? オレって長距離レースってどのくらい出てたかなぁー……菊花賞と春の天皇賞くらいなりぃ!?
なんて思いながらゲートイン! 今日はオルフェーヴルくんの殺気がムンムンでトーセンジョーダン先輩も先輩パワー全開! エイシンフラッシュ先輩は若干下降気味なのかステップの確認が長かったぜ! そして、何よりも警戒しないといけないのは……。
『ふふっ、牝馬三冠の私が牡馬三冠をねじ伏せたら……牡馬より牝馬が強いってことが証明されるわね、それはもう照明に照らされた状態で証明されるでしょうね!』
ジェンティルドンナちゃんはこのレースで一番不気味だぜ!? 海外からの挑戦馬さん達はオレのガタイやトーセンジョーダン先輩の風格、オルフェーヴルくんのS入ったジャニ系ギン目で萎縮しちゃって勝負したくないって泣き入ってる……すげーかわいい♡ じゃなかったぜ!?
そんな中でジェンティルドンナちゃんは自分の平常心っていうのかなぁ? それをキッチリ保ってるぜ! 先輩競走馬で牡馬なオレ達に囲まれても動じない鋼メンタル見習いたいなりねぇ。
「コウセイ……秋の天皇賞はすまなかった……」
騎手さんが追い込みのナデナデでエンジン着火! ポルシェ並のエンジンがゲートで!? できらぁ!!
ドクンドクンとオグリさんから継承した勝利の鼓動が視界を広げていき、時間の流れを遅らせる……だろうね……!
呼吸一つが二倍以上? 三倍以下? の体感で繰り返され――気づいた時にはレールガンスタートしてた!
『各馬綺麗なスタート! 一際目を引くのは秋古馬三冠は自分の物だと主張するように先陣を切るイッテンコウセイ、内側からはビートブラックが続く! その後ろからはトーセンジョーダン、牝馬三冠は伊達じゃないジェンティルドンナも主張していきます。そして二番人気のオルフェーヴルはスッと下げて得意の後方からの競馬』
オッ!? このエイシンフラッシュ先輩と同じくらい綺麗な漆黒ガタイの競走馬さんは春の天皇賞の時に競り合った競走馬さんじゃん!? やっぱり逃げ馬さんがいるとオレのS(スピードスター)心に火がつくぜ!
……でも、ジェンティルドンナちゃんとトーセンジョーダン先輩がスゲー不気味な位置で構えてるな! ガタイで分析する限り、漆黒バタイの逃げ馬さんは調子が出てねぇーよ! 多分、このまま先頭を譲ったらペースメーカーとしてヤリ捨てられてオレの末脚が後方の末脚自慢に破れる! そんなのあり得ない!!
『イッテンコウセイ、ビートブラックを突き放し得意の逃げの形でハナを奪います! イッテンコウセイ、約一馬身後ろにビートブラック、その後方にまた二馬身でトーセンジョーダン、その隣にはジェンテルドンナが体半分差、馬群の中程にはエイシンフラッシュ不気味に先頭を見つめて、外側後方にはオルフェーヴル、イッテンコウセイを捉える為に普段より前に着けているか? その後に――』
コーナーで差をつけてオルフェーヴルくん……いや! ジェンテルドンナちゃんも追加で警戒だぜ! この体を焦がすようなレーザーギン目はオルフェーヴルくんとジェンテルドンナちゃんから向けられてる! いいぜ! オレの大逃げをガン掘りしてみろよ!!
「チッ、最悪の形で逃げられちまった。溜め逃げで走ると山張りしてたが……あの牝馬が不気味な場所に構えてコウセイの判断をワンテンポ早めたな!」
「コウセイくんの走りに衰えは無いな、はじめて会った宝塚記念……あの時にはまだまだムラがあった。でも、今はそれすら感じさせない! 僕……俺も古馬になってから色々と走りを学んだ。クラシックを超えて走れるヤツと走れないヤツは見てきてる! コウセイくんは確実に後者、俺と同じくらい長々と走りそうだ……!」
「ハハッ、僕って早熟だったのかな? 自分の足には絶対の自信を持ってるけど……コウセイくんと張り合えるかと聞かれたら……」
「ふーん? この程度なんだ。もうすこし頭おかしく逃げるのかと思ってたけど、普通に届きそうね。牡馬三冠が牝馬三冠に破れる……歴史的でいいじゃない!」
コーナーを抜けて直線、漆黒ガタイの逃げ馬さんは自分の逃げを貫いてるけどこのままじゃ足りないぜ! オレがペースを作ってるのに全然後方から疲れの声が響かねぇ!? 末脚用の人参スタミナをギリギリまで削って自分のペースに誘導してるのに強い競走馬達は睨みつけてくるだけ! スタミナ十分ってことかよ!
いいぜ! 二個目のコーナーでもっと差を広げてオルフェーヴルくんに備える!!
「決めるぜ――ライバル! おまえからは絶対に一勝しておきたいからな!」
「オルフェーヴルくんが行ったか!? チッ! この馬群を縫うのは骨が折れるな……」
「コウセイくんは下りが得意だからな、限界まで喰らいつく! そして……走る!!」
「ふーん、確かに三冠馬だけのことはあるわね。でも、この私に勝てるかしら!!」
(――コウセイ! 秋の分までの全力全開だ!!)パシンッッッッ!!
騎手さんの情熱的な鞭入れで――ポルシェ並みのエンジンだぜ!!
二個目のコーナーを抜けて漆黒ガタイの逃げ馬さんは末脚を使えず逆噴射! そしてオルフェーヴルくんが弾丸のように上がってきたのが見えたぜ!! そのまま並んで競り合いだ――ッ!?
『最終コーナーを抜けて先頭はイッテンコウセイ! ビートブラック!! 後方からオルフェーヴル!! トーセンジョーダンとジェンティルドンナもいい加速だ!! レース独裁者を追い落とす者は現れるのか!!』
「やっべ! 近づき過ぎた!?」
「ふっ、小さい体で体当たりなんて笑わせるわ!」
「クソッ! 体制が!? 加速が鈍りやがった!!」
オルフェーヴルくんと並んだジェンティルドンナちゃん、双方が漆黒ガタイの逃げ馬さんを避ける為に外側に出たのが不味かった! オルフェーヴルくんが加速を鈍らせないように本当に彼女とギリギリの場所を抜けたから必然的に接触したみたいだ!? でも、これでオルフェーヴルくんの加速が鈍って――やっべー!? オルフェーヴルくんのことを気にし過ぎて末脚が鈍っちゃったぜ!?
「ふふっ、貴方の無敗もこれまでね……まあ、私のような良い牝馬に負けられてよかったんじゃ――」
「――追加の鞭でフルスロットルだぜ!!」
「――えっ」
騎手さんが前を見ろとS(勝負)入った追加の鞭で末脚が爆発! 確かにジェンティルドンナちゃんの末脚はスゲーよ! でも……オレって七割以上? 八割以下? オルフェーヴルくんとG1レースで競り合ってきたなりねぇ……。
オルフェーヴルくんの末脚はさぁ……世界最強なんだよ!
オルフェーヴルくんが減速して競り合う馬は……いない! そういうことかよ!!
『ジェンティルドンナ! イッテンコウセイを捉えたか!? いや! イッテンコウセイまだまだ伸びる! ジェンティルドンナ必死に追いすがる!! オルフェーヴルも喰らいつくがイッテンコウセイに届かない!! 今、今ゴールです! 一着はイッテンコウセイ、二着は微妙です!!』
オルフェーヴルくんとの競り合いが出来ないと踏んでいつも通りの末脚でゴール! 後ろからジェンティルドンナちゃんがギン目で睨んでくるけど……それより怖い猛獣が一頭! まさか!? あの約束が!!
「おう、コウセイ? おまえ本気で走ってねぇな……」
「ウッス! 本気で走ったっす!!」
「本気度で言ったらどのくらいだ?」
「人参くらいです!」
「じゃあ、おまえの一番の好物は?」
「ウッス! 世界で一番バナナが好きッス!!」
「本気じゃねぇじゃねぇか!? 漫才やってんじゃねーんだぞ!!」
オルフェーヴルくんが蹴るフリだけしていつものようにジャニ系スマイルを見せながら去っていった。うーん、やっぱりオルフェーヴルくんは最高に超激エロ競走馬だぜ!
なんて思っていたら涙目のジェンティルドンナちゃんがギン目でオレを睨んでくる!?
「……くやしくないもん! かてるとおもったもん!!」
「え、えぇ? どうしたんだよジェンティルドンナちゃん」
「ドンナ……強いもん! 男の子よりつよいもん!!」
「う、うん」
「ぜったいぜったい勝つんだから! 女の子の方が男の子より強いんだから!!」
「うっす?」
「うえーん!!」
知的な言い回しが特徴的だったジェンティルドンナちゃんが凄く幼い言動で逃げるように去っていった。
うーん、裏表が激しいって言うのかなぁ? 調子の波が激しいっていうのかなぁ?
『イッテンコウセイまだまだ無敗! 独裁競馬は現在進行系!! 親の文句は俺に言え!! 秋古馬三冠に王手となりました!! イッテンコウセイ一着!!』
まあ! 気持ちいいレースだからオールOK♪
【次回予告】
オレってよく考えるとレースに出てから一度も負けたことねぇな? これが無敗って言うのかなぁ? なんて思ってたら今年最後のレース! 有馬記念だぜ!!
今回のレースにはオレが育てたレオが出走! レオは徹底的に、オレの逃げを徹底的にマークするつもりだ!? それって先行策じゃなくてほとんど逃げじゃねぇか! なんて思ってたら、言動はアレだけど気品は高貴なロックンローラーな競走馬登場!? 名前はあの「ゴールドシップ」! みんなが噂してた競走馬くんじゃん!
そんなゴールドシップくんがまさかの――
次回『虐待先輩(淫乱)競走馬』
皆さんおまたせしましたっす! 申し訳ナス!
次回は「あの」白いヤツがコウセイの前に!? 楽しみにしてくれよな!!
評価の時に「ナス」が入ってたら嬉しいなぁ♪
ヨーグルトと麦茶と読者様の感想だけが俺の養分だぜ!!
【時語り】
ジェンティルドンナは戦場ヶ原ひたぎをイメージしました。そして負けたら幼児退行も面白そうだったから付け加えました!
敗北について
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出来る限り早く負けて♡
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最高にカッコイイ負け方して♡
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生涯無敗! それしか認めん!!