激エロ架空競走馬伝説【イッテンコウセイ】   作:蒼井魚

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虐待先輩(淫乱)競走馬 『注意! 一部ハジケてます!!』

 ウッス! 今日も一日元気に頑張るゾイ! 競争ゾイ!!

 なんて言いながら冬の寒さにサムサムの顔で凍え気味、やっぱり冬ってチョーSだよな!

 

「流石の最強三冠馬でも冬は寒いか? 好物のバナナ持ってきたぞぉ」

 

 ウッス! S(サービス)入った厩務員さんがテンサゲ↓↓してるオレの為にバナナの差し入れだ! このねっとり甘い食感が堪らなく淫乱だぜ! 皮も渋みがあって最高なんだよね♪

 一本のバナナをペロペロと口の中で転がしていると淫乱な厩務員さんが棒を取り出してきた!? これは歯ブラシじゃん!? バナナの次は歯磨きとか最高のご褒美じゃん! あの歯がカシャカシャされる感じが最高なりねぇ♪

 

「コウセイは歯磨き好きだよなぁ……」

 

 気持ちいい歯磨き終了で休憩の時間、調教まで時間があるみたいだからゴロ寝でガタイ休めねぇと! 一分一秒も無駄にしない競走馬だからG1無双できるのかもね♪

 なんて思ってたら不思議な生き物が登場!? これは……猫だな?

 

「にゃーにゃー」

「おお、にゃんにゃんにゃん!」

「にゃーにゃー」

 

 よくわかんねーけど、寒いみたいだぜ! しかたねぇな! オレが温めてやるかぁー

 猫がゴロ寝しているオレの胸の中に……ちょっと待てよ? えっ――!?

 

「や! ら、らめぇ~♡ そこ『カルパス』だから! オレ牡馬だからお乳でないからぁ~♡」

「にゃーにゃーこわれるぅ^~」

「おっおっおっ♡」

 

 これは使えない猫だぜ!

 

 

 

【調教】

 

 調教の時間が来たんだけど、レオの姿は無い。

 多分だけど、この時期のレース、次のレースは確実に有馬記念だぜ! レオも有馬記念に出てくるだろうから、ライバルの一頭であるオレを意識して他の競走馬さんと調教してるのかなぁ?

 でも、同じ美浦でオレと同じくらい強い競走馬ってレオくらいだし、後輩の牡馬と戦うのもはじめてだ! 普通だったらジャパンカップで戦ってそうだけど、そこはジェンティルドンナちゃんに出会えたからよかったのかなぁ? チョーS(セクシー)だったし(笑)

 ――まだまだ世代交代させねぇからな!

 

『レオ・サイド』

 

 コウセイさんを倒す為にはコウセイさんとの関わりを限定的でもいい、断たないと勝てない! オレはコウセイさんを尊敬してる。尊敬してるから調教では最高のパフォーマンスを出せる。でも、レースになったら? G1レースの大舞台は美浦の競走馬は全然いない。居たとしても数合わせみたいな競走馬が大半だ。

 そんな中でコウセイさん、美浦のレジェンドが出てくるレース……それ以外にも先輩競走馬がいっぱい……。

 調教とレースは違う! だから1%でもコウセイさんに勝てるように――魂の整備だ!!

 

『ゴルシ・サイド』

 

「おいゴラッ!? 誰の許可で背中に乗ってんだよ!!」

「アベシッ!?」

「「平常運転だなぁ……」」

 

 

 

【天界】

 

 スーパークリークがいつものように外界を眺めているが少しだけ違和感がある。怪我やスランプなんかではない、ただ仕上がり過ぎて慢心しているような……。

 幾多のレースに出て無敗、そして調教は他馬の二倍以上? 三倍以下? くらい真面目に取り組むコウセイだが、無敗ゆえの慢心が感じられない部分に広がっているような気がする。

 実は彼も一種のゾーン、無敵とも表現できる状態に抜ける時……不思議と慢心しているような……。

 

「……これはマズイな」

「どうしたんです? 息子さんを見る時はお釈迦様のように優しい目をしていますのに」

「ああ、マックイーンか……そういえば、オルフェーヴルくんは君の孫だったね」

「ええ……あの黒い奴の一番頭おかしい息子の……ですが」

 

 名優メジロマックイーンがクリークの隣に立つ。

 黄金の旅人、ステイゴールド。SS産駒の中では非常に小柄で大柄なマックイーン産駒の牝馬と掛け合わせると爆発的な子が生まれる。

 ――ステマ配合。

 ドリームジャーニー、ナカヤマフェスタ、オルフェーヴル、そしてゴールドシップ……。

 数々の名馬を世の中に送り出している。

 

「……ゴルシの方が出るのですか、オルフェにも出てもらいたかったのですが」

「どうしたんだ? コウセイが出るから不安なのかい」

「……怒らないでくれますか?」

「ああ、聞かせてくれ」

「クリークさんの息子さんは確実に調子を落としています。この状態なら――オルフェなら勝てます。ですが、回避……ゴルシでは調子を落とした程度では……」

 

 クリークの見立てはマックイーンにも筒抜けだった。

 コウセイは度重なるレース、放牧にも出されずに調子を落としている。母親譲りの丈夫さで目に見えないが、少しづつ蓄積された疲労は隠すことができない。イッテンコウセイは疲れている。

 だが、この最大の機会にオルフェーヴルは回避……。

 

「こうなると……ルドルフさんのお孫さんが一番の脅威ですね……」

「ワシの孫のことを話してるのか?」

「ルドルフさんは唐突に現れますね……」

「それが差し馬じゃろうて? でも、ワシの孫はまだまだ成長段階じゃな、クリークの息子が調子を落としても勝てるかどうかわからん。天が味方したらってところじゃろうか?」

 

 ここにいる全馬が子孫の実力不足を感じている。

 確かにイッテンコウセイは強い、だが……大きな調子の波を経験していない。それが影響しなければいいのだが、そうクリークが呟く。

 

「ウララさん……コウセイを応援してください……」

「偶にクリークがウララ言うが……綺麗なんか?」

「私も見てみたいですね」

「ちょ! やめてください!!」

 

 マックイーンが面白半分でニコニコメジロ牧場にいるハルウララを映し出す。

 

「「……ロリコン」」

「相思相愛です!!」

 

 クリークに不名誉なあだ名が出来たのは言うまでもない。

 

 

 

【有馬記念2012年】

 

 なんか天国のお父さんがいじめられてるような気がするけど……平成三強だから大丈夫だよね?

 そんなこんなで今年最後の大レース! 有馬記念だぜ!!

 今年はあんまり放牧に帰れてないけど……このレースに勝ったら無敗の六冠馬! お母さんに最高のお年玉プレゼントになりよね! なんて言いながらレオの不気味な表情にブルっちゃうよぉ~……。

 

「コウセイさんとのはじめての対決……負けませんよ!」

「おう、オレと一緒にパドックって新鮮だぜ! オレも負けるつもり無いからな!!」

 

 メラメラに魂燃やしてるレオは徹底的に、オレのことを徹底的に倒すことしか考えてないぜ!

 先輩としての威厳、そして六冠馬への切符、これって前馬未到の境地じゃん!? 確かにレオはオレの最高傑作だけどさぁ……まだ経験不足だぜ! オレは先輩競走馬が卒倒するレベルの激エロローテをこなしてきたんだ! レオの柔らかローテの経験じゃ出来ない経験いっぱいだぜ!!

 なんて思っていたら「あの」漆黒ガタイは!?

 

「エイシンフラッシュ先輩! ウッス!!」

「コウセイくん! うーん、君のことを見ると……いや、少し疲れが出てるようだね……」

「えっ!? オレ元気ムンムンッス!!」

「……体は気持ちだけで左右できないからね、怪我だけはしないように!」

「ウッス!」

 

 エイシンフラッシュ先輩の光り輝く漆黒ガタイ、オレのガタイ……確かに艶の差で負けてるかも……。

 でも、気分は悪くねぇし、ご飯もいっぱい食べたし、調子が悪いって感じはしねぇーよ! でも、先輩の言葉って大切なりねぇ……。

 オレ、ずっと好調で維持してきたけど……冬の寒さで調子が落ちてるのかなぁ……?

 なんて思ってたらレオに絡んでくる芦毛の競走馬くん! 新顔だぜ!?

 

「ん? おお! アンタが三冠馬のイッテンコウセイか? クソ兄貴がアレと戦えるのは俺だけとか息巻いてたけど……見た目通りにやべーな!」

「ウッス! オレ、無敗の三冠で売ってる超淫乱競走馬っす!」

「やっべw 兄貴の言ってた通りの能天気じゃんww うけるーwww」

「コウセイさんをバカにするな! コウセイさんは美浦のボスなんだからな!!」

「えっ? オレって美浦のボスだったの!?」

 

 オレのことを笑ってる芦毛くんに威嚇しながらレオが闘争心ムンムンだ! やべーよ!? 戦いはレースだけでいいのに!! オレの為に争わないで!!

 なんて思ってたら芦毛くんが勝負を仕掛けてきた! それもラップ? ラップだ!

 

「アンタもボス馬なんだな? 栗東ではラップでボス馬を決めるんだ! 知ってるか? ジョーダンってスゲーラップうめぇんだぜ!!」

「マジ!? ラップやってみるぜ!!」

「受けて立つぜ!!」

 

【馬ラップ】

 

「YO! そこの道行く三冠馬の兄ちゃん鹿毛の兄ちゃん♪」

 

「この時代突き進むスタイル確立! 独立♪ 時代の反響♪ 一頭の絶頂♪」

 

「この馬社会に生まれたオレ達優駿♪ それでも追い抜くオレのスピリットデメリット♪

 

 これって友情? 愛情? 名馬参上♪ EYA-♪

 

 このレースの中で生きている僕たちの苛立ち♪ 許せなく! やるせなく! 駆け抜ける馬生♪

 

 さあ! 駆け抜けるなら今♪ G1制覇するなら今♪

 

 これって純情? 正常? 名馬参上♪ EYA-♪」

 

(なにやってんだこいつら……コウセイさんなんで理解してるの……?)

 

「理不尽な 気性難な 末脚な状態全開♪」

 

「なんで馬ラップなの? なんで馬ラップなの?!」

 

「なんでかな~~?」

「なんでだろーー?」

 

「それはね☆」

「それは?」

「それはね♡」

「それは?」

 

「パカパカパカパカパカパカパカパカパカパカパカパカパカパカパカパカパカパカパカパカパカパカパカパカパカパカパカパカパカパカ」

 

「ん――――! マジで―――――!? ん――――! マジで―――――!?」

 

「うそうそ! うそ♪ うそうそ! うそ♪ うそうそ~ 本当はね! 本当はね♪」

 

「本当はッ? 本当はッ?」

 

「ニョーーーーー!! ニョーーーーー!!」

 

「パカッポーーーン!!!」

 

「ニョー ニョー ニョー ニョー

 ニョーーーーー!! ニョーーーーー!!

 ニョー……ニョー……

 

 走れゴルシ!!!」

 

 

アーーーー! パカパカリーーーーー! タタタタタタタタ!! (淫乱フェロモン発射)

 

(なにやってんだこいつら……)

 

「ポポポポッ!? ミラクル速いっちゃ♪」

 

「ぱかーーー ぱかーーー」

 

「かっけぬぅけろ~~~! かっけぬぅけろ~~~!」

 

 

「ぱか……ぱか……ぱあっぷ!!! スキ有り!!!!!」 (何もしてない)

 

イヤアアアアア!!!!」 (何もされてない)

 

ちゅっちゅっ ちゅっちゅっ

 

 ⚠メイバ発見⚠ ⚠メイバ発見⚠

 

 このへんにメイバが来なかったでちゅか?」

 

「来なかったでちゅ~」

 

「シャーーーーー シャーーーーー」

 

「ありがとうっス! 自信でるっス!!」

 

「ボーーーーースパンキング!? ゴォッ! ――おひらき!」

 

「やっだもーーーん☆ やっだもーーーん☆」

 

「ん~~~~~ しょうがない子ねーーーーー♡

 

じゃあ最後までつきあってあげるっちゃ☆ 特別っちゃよ♪」

 

 

「うれしいでございまーす!! うれしいでございまーす!!!」

 

「「パラレルやっちゃってーーー!!!! パラレルやっちゃってーーー!!!!」」

 

 

 

「「ああああああああああ〜」」

 

 

 

「「コウッ」――ゴルシ!!!」」

 

「――クソっ! 最後の自分の名前が四文字だから負けちまった!!」(涙)

 

(何に負けたんだ……!?)

 

 うーん、オレってラップ? とかいうの苦手だぜ!

 それにしても芦毛くんは色々と頭がイッちゃってる!? デカ人参でもキメてるのかなぁ? でも、これくらいぶっ飛んでたら有馬記念に出てるのも納得できるなりねぇ!

 

「アハハハ! アンタおもしれぇ! ジョーダンの百倍おもしれぇわ!!」

「ちょ! トーセンジョーダン先輩を呼び捨てはいけないなり! あんなカッコイイ先輩いないぜ!!」

「はぁ? あんな偉そうにしてるバカ野郎を尊敬とかw 俺は見つけ次第ケリ入れてるぜww」

 

 スッと血の気が引いていくのがわかる。

 あの最高にカッコイイ……トーセンジョーダン先輩に蹴り? それで怪我したらどうすんだよ!?

 俺、先輩達をスゲーリスペクトしてここまで来た競走馬なんだけど……こんな無礼な奴見たことねぇよ!

 

「トーセンジョーダン先輩は凄く優しい先輩だぜ!?」

「俺ってさぁ? 支配とか威厳とか大嫌いでさ! ああいう規律みたいなの重要視する奴だいきらーい」

「……ごめん、君とは仲良くできないかな」

「はぁ!? さっきまで仲良くしてたじゃん! どうしたんだよー」

 

 スッと楽しい気持ちが無くなって、この芦毛くんに走りという名のお説教をしないといけない。

 こんな生意気なのは出会いたてのレオみたいだ! オレ、不器用な競走馬だからさ、叱ったり、説教したりするのは苦手なんだよね? だから、走りで証明する。

 ――先輩達をリスペクトすることの大切さを!

 

「あ? もしかしてクソ兄貴よりデカくて速そうとか思ったw まあ、クソ兄貴より速い自信あるぜ!!」

「……じゃあ、その兄貴と同じ走り方してやるよ、オレはその兄貴のライバルだ」

「はぁ? アンタ逃げ馬だろ!」

「……ならよかったな? 兄貴より先にオレを倒せる」

 

 いつもは熱い魂を剥き出しにして走る超淫乱競走馬なんだけど、今日に限っては雪みたいに冷たい冷酷な競走馬……極悪競走馬になってやる! こんなナマ入った後輩くんを! オルフェーヴルくんをバカにする後輩くんを! 徹底的に、後輩くんを徹底的に拷問調教レースしてやんよ!!

 

「なあ? アレっておまえの先輩だろ、どうして怒ってんのさー」

「……あんなコウセイさんは見たことがない。おまえ、このレースで終わるかもな」

「はぁ!? 事実を言っただけだろ! これが事実陳列罪ってやつー」

「しらねーよ、そんなの」

 

 

 

【ゲート・ゴルシ視点】

 

 ほんと、最初のラップバトルは楽しかったのにさぁ? ジョーダンと兄貴のことをネタにしたら怒りやがって、テンション下がるなぁー……でも、見た目は普通より鍛えてるくらいだし、本当に警戒しないといけないのはレオだけだろ。

 にしても、このゲートってやつは薄暗くて嫌いだ! 入りたくねぇなぁ……。

 

『今年最後の大レース有馬記念! 天候は晴れ、良馬場でのレースになります。一番人気は秋古馬三冠に王手、レースの独裁者イッテンコウセイ、無敗のクラシック三冠に加え無敗の秋古馬三冠にも手が届く距離です! 二番人気はゴールドシップ、脅威の末脚はイッテンコウセイに通用するのか? 三番人気に菊花賞馬シャイニングレオ! トウカイテイオーの息子が有馬記念にやってきた! 父の果たせなかった菊花賞を駆け抜けライオンハートを見せつけたその走りに注目が集まっています』

 

 うっわ、薄暗い……気持ち悪い……。

 まあ、ジョーダンがイッテンコウセイに負けてこいとか言ってたし、ジャスタウェイもスゲーとか言ってたなぁ? どの程度なのやら。

 ――はーい! すたーと!!

 

『各馬綺麗なスタート! 好スタートを決めたイッテンコウセイ得意の――ッ!? イッテンコウセイ スッと下げていきます!? 後方からの競馬を選択! 場内から悲鳴が!!』

 

 んな? 三冠馬が前から下って来やがった。

 ははーん? 兄貴をバカにしたから兄貴と同じ追い込みで走ろうとか考えてるわけ! うっわー、これG1とかいうレースじゃねぇの? 俺みたいな後輩にムキになってるわけww

 まあ、兄貴が勝てなかった奴に勝って兄貴を煽る材料に――ッ!?

 

『シャイニングレオも下げた!? 場内の悲鳴が更に大きくなります!! 先頭から――そして最後方にゴールドシップ、イッテンコウセイ、最後尾にシャイニングレオ!』

 

 なんだこれ!? レオは逃げ馬をマークする作戦の筈だろが! なんで最後尾で三冠馬をマークしてんだよ!!

 

(コウセイくん……そこまで……! 本当に先輩思いだな……)

 

 ああ、調子狂う! こんなバカばっかだとは思わなかった!! どうせ追い込みの経験なんて無いだろ? 俺は気持ちよく相手を笑えるからコレで走ってるが、お前達は前を走ってなんぼの足、俺は後ろを走ってなんぼの足なんだよ!

 まあ、俺に負ける屈辱感でも味わえや!

 

『第一コーナーを抜けて順位の変動はありません、一番人気イッテンコウセイ、三番人気シャイニングレオ、どちらも最後尾からの競馬! 上位人気の競走馬が後方に固まっています!!』

 

 オイオイ! お前達の騎手が焦ってるぞー? なんで今日に限って後ろからみたいな顔でさー!!

 ハハハハ! こりゃお笑い草だな、どんな草かわかんねぇが! 俺以外は馬群に呑み込まれるんじゃねぇーの? まあ、兄貴を煽る話し――ッ!?

 

『第二コーナーに迫りイッテンコウセイがゴールドシップの隣にスッと付けました! これはどういう作戦か!? 場内からはまだまだ悲鳴が轟いています!!』

 

 なんだ? なんだよ……なんでそんな目してんだ! おまえは負けに来たんだろうが!! 負けたいから俺と同じ走り方してるんだろうが!! わけわかんねぇ!! 終わったら蹴り入れてやる!!

 

『各馬綺麗なコーナリング! 直線に入りまして――イッテンコウセイ仕掛けた! イッテンコウセイの仕掛けをみてシャイニングレオも続くぞ!!』

 

 はぁ!? なんでここで仕掛けるんだよ!! グッ! 俺も仕掛ける!!

 

『ゴールドシップも仕掛けに入った! グングンと一番二番三番人気が順位を上げていくぞ!? コーナーを抜けて直線に――ゴールドシップが頭を下げた!?』

 

 こんな奴らに負けられねぇ! 頭なんて下げるかっていつも思ってた……だげどよぉ!! ナメた野郎共に負けるくれぇなら下げてやるよ! 頭くらいな!!

 ぜってー!! 負けねぇ――!!

 

『イッテンコウセイ抜け出した!! シャイニングレオ並ぶ!! エイシンフラッシュも良い位置にいるぞ!! ゴールドシップも脅威の末脚だ!!』

 

 

 

【ゲート・レオ】

 

 コウセイさんの気迫が異常だ……。

 調教で一緒の時……その柔らかい雰囲気が一切無い……。

 レースの時だけの戦闘態勢……違う、仲良さげに語ってた黒い競走馬さんが怒ったコウセイさんを見て肝を冷やしていた。

 ――本気で怒ってる。

 そうだよな、コウセイさんって自分のことを笑われても怒らないけど、両親や先輩、俺みたいな後輩を笑う奴が出てきたら本気で怒る。俺のお父さんを笑った先輩に凄く怒ったのを今でも覚えてる……。

 正しく……その時のコウセイさんだ……!

 

『今年最後の大レース有馬記念! 天候は晴れ、良馬場でのレースになります。一番人気は秋古馬三冠に王手、レースの独裁者イッテンコウセイ、無敗のクラシック三冠に加え無敗の秋古馬三冠にも手が届く距離です! 二番人気はゴールドシップ、脅威の末脚はイッテンコウセイに通用するのか? 三番人気に菊花賞馬シャイニングレオ! トウカイテイオーの息子が有馬記念にやってきた! 父の果たせなかった菊花賞を駆け抜けライオンハートを見せつけたその走りに注目が集まっています』

 

 コウセイさんとのレース、最初は全力を出して勝ちに行くと決めてた……だけど、このゾクゾクとした重圧、一匹の怪物を相手に戦うという恐怖、調教で走るのとは違う!

 ……お父さんを超えるには、コウセイさんを倒さないといけない。

 お父さん以上の存在になるには、コウセイさんを倒さないといけない!

 ――俺はシャイニングレオ! トウカイテイオーを超える競走馬だ!!

 

『各馬綺麗なスタート! 好スタートを決めたイッテンコウセイ得意の――ッ!? イッテンコウセイ スッと下げていきます!? 後方からの競馬を選択! 場内から悲鳴が!!』

 

 やっぱりコウセイさんは下げてきたな……多分、このまま前に残っても意味がない。コウセイさんの仕掛けに合わせないと意味もなく――負ける!

 ……負けるとしても! 負けるとしても!! 意味のある負け方を選ぶ!!

 

『シャイニングレオも下げた!? 場内の悲鳴が更に大きくなります!! 先頭から――そして最後方にゴールドシップ、イッテンコウセイ、最後尾にシャイニングレオ!』

 

(コウセイくん……そこまで……! 本当に先輩思いだな……)

 

 コウセイさんの走りを見てたらわかる。こんな軽快なフットワーク、皐月、ダービー、菊花……どのレースにもこんなに美しい足捌きで走る競走馬は居なかった……! まるで芝を滑るように最低限の力で駆け抜けて――ゴルシの野郎をマークしてる!

 ……ハハッ、ゴルシをマークしてるコウセイさんをマークしてる俺? 笑えてくるな!

 でも、このレース……コウセイさんの後ろに居られればいい! コウセイさんとの勝負はこれからも続く!! コウセイさんがそう簡単に引退するわけねーよ!! こんな図太い競走馬が日本にどれだけいるよ!!

 戦いに負けていい……勝負に勝てばいい!! コウセイさん――アンタは凄い競走馬だよ!!

 

『第一コーナーを抜けて順位の変動はありません、一番人気イッテンコウセイ、三番人気シャイニングレオ、どちらも最後尾からの競馬! 上位人気の競走馬が後方に固まっています!!』

 

 コウセイさんならどこで仕掛ける? ゴルシの野郎は確実にコーナーで持っていく腹積もり、俺は追い込みで走ったことがない……仕掛けるだからこそ、寸分違わずコウセイさんの仕掛けに合わせる! そうしないと――勝負に勝てない!!

 ……俺は、コウセイさんの背中を一秒でも長く見ていたい。そして、最初の戦い、それで並べればいい!! 併走と同じように!! 隣で走れたらいい!! 戦いに負ける! それはただ順位で負けるだけだ!! 勝負は隣で走っているかどうかだ!!

 

『第二コーナーに迫りイッテンコウセイがゴールドシップの隣にスッと付けました! これはどういう作戦か!? 場内からはまだまだ悲鳴が轟いています!!』

 

 大丈夫、スタミナはまだある……コウセイさんの走りに精神力のすべてを注げ……!

 コウセイさんの隣で走る資格は絶対にある!!

 まだか……まだか……まだか……!

 

『各馬綺麗なコーナリング! 直線に入りまして――イッテンコウセイ仕掛けた! イッテンコウセイの仕掛けをみてシャイニングレオも続くぞ!!』

 

 ――今か!

 流石はコウセイさん……そしてコウセイさんの騎手さんだ! 仕掛けのタイミングが早すぎる! でも、これはコウセイさんのスタミナ、それを完璧に信頼しての自由行動! 多分、ゴルシより自由に走ってやがるぜ!!

 スタミナはコウセイさんをマークするだけで全然減ってない。さあ、さあ! コウセイさんの隣に立ってやるぜ!!

 

『ゴールドシップも仕掛けに入った! グングンと一番二番三番人気が順位を上げていくぞ!? コーナーを抜けて直線に――ゴールドシップが頭を下げた!?』

 

 直線に入ってゴルシの野郎……似合わねぇ走り方してやがる! でも、俺がコウセイさんの隣だ!!

 

『イッテンコウセイ抜け出した!! シャイニングレオ並ぶ!! エイシンフラッシュも良い位置にいるぞ!! ゴールドシップ脅威の末脚だ!!』

 

 ――隣で走るんだ!!

 

 

 

【ゲート】

 

 いつも思ってた、速く走る為に何が必要か?

 それは、他の何かを真似すること……悪く言えばパクリなりねぇ……。

 でも、真似することが強くなることの最大の近道で、短い競走馬の道のりじゃあ、自分の我を通すのは難しいなりねぇ……。

 だから、オレはリードホースのお姉さんにレースの走り方を小さい頃から聞いてた。お母さんからもいっぱい聞いた! だから、レースにスゲー憧れを抱いてたなり……。

 他の子達は両親の自慢ばっかりして、お父さんやお母さんの戦績ばっかり語ってた。

 でもさ? 自分が走る段階になってお父さんやお母さんの自慢って必要だった? 必要ない、オレはそう思うぜ! だから、全然勝てなかったリードホースのお姉さん、一回も勝てなかったお母さん、その全ての言葉が反動になってオレの走りの根幹にいるぜ!!

 

『各馬綺麗なスタート! 好スタートを決めたイッテンコウセイ得意の――ッ!? イッテンコウセイ スッと下げていきます!? 後方からの競馬を選択! 場内から悲鳴が!!』

 

 相手を理解する。それは凄く難しいことだぜ……でも、理解しないってのは駄目! 全部意味のある言葉だって思わないと勝てるレースにも勝てねぇよ!

 他をバカにするとかじゃなく、その意味を理解するのが強くなることの一歩だと思うぜ!

 トーセンジョーダン先輩、ブエナビスタ先輩、エイシンフラッシュ先輩、オルフェーヴルくん……全員が色々なことを教えてくれた! 言葉じゃないことでもレースの中で教えてくれた!

 

(コウセイ……本当におまえは気分屋だな、これで気性難じゃないって信じる奴がいるのか……?)

 

 レオだって最初は理解や学びを拒んでお父さんを超えられないと泣いてた! でも、オレの走りを理解した瞬間にお父さんの背中を追いかけてるって実感を持って胸を張って走ってる! 今この場でも走ってる!! G1レースで走ってる!!

 

『シャイニングレオも下げた!? 場内の悲鳴が更に大きくなります!! 先頭から――そして最後方にゴールドシップ、イッテンコウセイ、最後尾にシャイニングレオ!』

 

「コウセイくん……そこまで……! 本当に先輩思いだな……」

 

 もし、この全身全霊の追い込みで芦毛くんに負けたら……オレの考え方が全部間違えてるって! 今までの偉業はすべて才能だって言い捨ててやる! でもね? 今日に限って負ける気がしねぇ……。

 ――オレって三年間走ってるベテランなり!!

 

『第一コーナーを抜けて順位の変動はありません、一番人気イッテンコウセイ、三番人気シャイニングレオ、どちらも最後尾からの競馬! 上位人気の競走馬が後方に固まっています!!』

 

 体中から燃え上がる闘志、経験や知識、そのすべてが原動力になって体に最高の力みを与えてるぜ!

 だからこそ、教えられる。先輩としての威厳や凄さ、そのすべてを――才能だと思ってる芦毛くんに!

 さあ、レオ? おまえはオレの最初の弟子だ! オレの走りについて来いよな!!

 

『第二コーナーに迫りイッテンコウセイがゴールドシップの隣にスッと付けました! これはどういう作戦か!? 場内からはまだまだ悲鳴が轟いています!!』

 

 さあ、芦毛くん……その涼しい顔はどこまで続くかなぁ……?

 オレ、無敗の三冠馬で売ってる超淫乱競走馬なんだけど、後輩の躾けは厳しいなりよぉ!!

 

『各馬綺麗なコーナリング! 直線に入りまして――イッテンコウセイ仕掛けた! イッテンコウセイの仕掛けをみてシャイニングレオも続くぞ!!』

 

 流石だぜレオ! オレの仕掛けを見抜いたようなスゲー仕掛け方だぜ!!

 芦毛くんはワンテンポ遅れてるなりねぇ……もう、これは届かないぜ! レオ! ちゃんとオレの隣で走れよな!! 走れないとお父さんに顔向けできねーぞ!!

 

『ゴールドシップも仕掛けに入った! グングンと一番二番三番人気が順位を上げていくぞ!? コーナーを抜けて直線に――ゴールドシップが頭を下げた!?』

 

 芦毛くん、君には切磋琢磨する先輩が少なかったんだろうね……。

 もし、同じ美浦だったらレオと一緒に拷問調教してあげたのにさ! その才能、レオと同じくらいだぜ!!

 ……だから、オレとのレースで花を咲かせろよな! オレは栗東の馬じゃねーよ!!

 

『イッテンコウセイ抜け出した!! シャイニングレオ並ぶ!! エイシンフラッシュも良い位置にいるぞ!! ゴールドシップ脅威の末脚だ!!』

 

 レオ、成長したな! 調教より綺麗な足捌きじゃねーか!!

 

(コウセイ! 無敗の六冠馬になれ!!)パシンッッッ!

 

 騎手さんの鞭で――ポルシェ並みのエンジンだぜ!!

 ずっと隣で駆け抜けるレオ、ごめんなレオ……レースは一番速い奴が勝つ! 今日はオレが一番速かったんだ!!

 

『イッテンコウセイ抜けた! シャイニングレオ届かない!! 半馬身差でイッテンコウセイ躱しました!! 二着にシャイニングレオ!! 三着にゴールドシップ!!』

 

 久しぶりの追い込み競馬でマジ狂い! オルフェーヴルくんはこんな競馬を毎回してるのかよ!? チョーS(スロースターター)だよな!

 なんて思いながらオルフェーヴルくんが出走してたら負けてたなんて考えたり。

 

「おい! なんでオメー!! 逃げ馬なんだろうが!!」

「……芦毛くん、君には足りないモノがある」

「はぁ!?」

「リスペクトする心なりよ」

 

 芦毛くんが絡んできたからリスペクトの心を説いてみた。

 

「しらねーよ、そんなの! 気に食わねぇ!! 蹴ってやる!!」

 

 芦毛くんが蹴りを入れようと寄ってくるけど、蹴りたいなら蹴ればいい。

 怪我をしてもいい、この後輩を正しい方向に持っていくには怪我の一つなんでもないぜ!!

 

「こ、こわくねぇーのかよ? 蹴られるんだぞ!?」

「……蹴られると痛いって知ってるじゃん? じゃあ、蹴るなんてしねぇーよ普通」

「えっ」

「知ってるか、やったことあることは……やられたことあることだけなんだ……」

 

 芦毛くんは心底驚いた表情で固まった。

 そうなんだよね? やったことあることは、やられたことがあることだけ……蹴ることが出来るのは蹴られたことがあるから……。

 オレはただ堂々と先輩として芦毛くんに凛々しい姿を見せるだけでいい。

 

「……俺、ゴールドシップっていいます」

「ウッス! オレはイッテンコウセイだぜ!!」

「……俺、おれ……コウセイ様! おれ!! もっとほんきではしりましゅ!!」

「おう! 次のレースで待ってるぜ!!」

 

 ゴールドシップくんは感銘を受けた表情でその場を後にした。

 

「コウセイさん……次は前を走りますからね……!」

「レオ、オレの走りに付き合わせてすまなかったな」

「ふっ、俺は一番になる馬の後ろを走るんですよ……!」

「ギャンブルし過ぎだぜ!?」

 

 レオも静かに去っていく。

 無敗の六冠馬、なんか言いにくいなりねぇ……無敗の三冠馬の方が語呂が良いぜ!

 でも、オレの駆け抜けたロード、その一ページなり♪

 

『三年間の無敗、どんな距離でも駆け抜ける! 変幻自在、逃げれば抜かれず、追いかければごぼう抜き、走る姿は正しくレースの支配者! 独裁者!! 歴史的名馬の誕生!! その名はイッテンコウセイ!! もう両親を笑うものはいない!! 両親に感謝する者しかいない!! イッテンコウセイ一着!! 史上三頭目、テイエムオペラオー、ゼンノロブロイに続く秋古馬三冠を無敗で駆け抜けました!!』

 

 

 

【シナリオクリア】

 

称号『みんなの超淫乱競走馬☆』

 

17戦17勝

 

【クラシック三冠】

【凱旋門制覇】

【秋古馬三冠】

 

短距離A マイルA 中距離A 長距離A

ダートA 芝A

逃げA 先行A 差しB 追い込みA

 

スピード:1500

スタミナ:1800

パワー :1200

根性  :1500

賢さ  :300

 

【因子】

 

『スタミナ』     ☆☆☆

『逃げ』       ☆☆☆

『最高の競争MASCHINE』☆☆☆

『地固め』      ☆☆

つづく




 めちゃくちゃ悩んだけど、ウマ娘を題材にしてるからウマ娘編を書かないと(使命感)

 ウマ娘編も激エロに仕上げますからよろしくオナシャス!!

 評価の時に「ナス」が入ってたら嬉しいなぁ♪

 ヨーグルトと麦茶と読者様の感想だけが俺の養分だぜ!!

敗北について

  • 出来る限り早く負けて♡
  • 最高にカッコイイ負け方して♡
  • 生涯無敗! それしか認めん!!
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