人妻シンボリルドルフNTR概念先進技術実証機   作:おお友よそのカップリングではないのだ…

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第1話

「シンボリルドルフさんっ!僕とお付き合いをして下さい!」

 

「はっはぁ…?」

 

私、シンボリルドルフは目の前の青年の告白に素っ頓狂な声をあげる。

まさか、20代も後半戦となってこんなベタな告白を受けるとは思っていなかった。

告白の主は私のよく知る青年…というより部下である。

トレセン卒業後、私がURAの職員となって4年目に入公してきた後輩だ。

後輩と言ってもトゥインクルシリーズ終了後そのまま出来レースでURAに就職した私と違い、彼は普通に四年生大学を経て就職している。

だから、少し不思議な話だが年齢は私と同じなのだ。

同年代なので先輩後輩という間柄ではあるものの、仕事だけでなくプライベートでも交友があった。

顔つきは端正だし、性格は実直。

人当たりも良い好青年。

しかも、弊公は生涯収入が高い。

だから、本来ならこんな優良物件からの告白を断る女性などまずいない。

 

「キミ、からかうのはよしてくれないか?」

 

しかし、私は「はい喜んで」と言うわけにはいかないのだ。

 

「僕は本気です!駄目でしょうか…?」

 

真剣な青年の眼差し。

そこに嘘偽りなどない。

彼の目からそれが嫌というほど理解できた。

 

…だけれども

 

「気持ちは嬉しいがねぇ、キミ、私はこの通り既婚者だよ?」

 

そう言って私は指にはまっている白銀のリングを見せつける。

私が愛しの人から送られた指輪。

それをつける女性がどんな身分なのかは今時、小学生でも知っていた。

 

「それでも…僕は貴女を諦めるつもりは毛頭ありませんっ!」

 

しかし、青年は喰い下がる。

本気の目だった。

私が既婚者であるということも勘定に入れてしまっている。

 

どうしよう。

 

…初めての部下だったから、優しくし過ぎてしまったのだろうか?

 

───

 

「どうしたんだ?ルドルフ?」

 

「…いや、なんでもないよ。トレーナー君。」

 

あんな事があった数時間後。

あの場をなんとか切りぬけた私は愛する我が家にて、いつもの様にトレーナー君と夕食を共にしていた。

もう籍を入れて5年が経とうとしているけれど、未だに彼の事をトレーナー君と呼んでしまう。

最初の三年間で定着してしまったこの呼び名。

それはこの関係となっても変える事はできなかった。

…因みに我が家の食卓事情は、互いに帰りが遅いので夕食を作るのは当番制である。

今日はトレーナー君の番だ。

彼が作ってくれたのは私の好みに合わせた野菜中心の洋風メニュー。

これがあるだけで彼と結婚して良かったと感じる。

淡白な白身魚のトマト煮がなんとも優しい味わいだった。

 

「はぁ…」

 

しかし、そんな手料理を前にしても今日の私は落ち着かない。

それはそうだ、あんな不意打ちを食らったのだから。

あの後も青年君はしつこかった。

何度、指輪を誇示しても引き下がろうとはしなかたっのだ。

まだ私の耳には彼の言葉がこびりついたままである。

 

「本当にどうしたんだ?職場で何かあった?」

 

心配そうに此方を見つめるトレーナー君。

 

「うん、ちょっと…ね」

 

だけど私は苦笑してごまかす。

まさか、言える訳がない。

キミの愛バが職場の後輩に告白されたのだとは。

 

打ち明けたらキミはどんな反応をしてくれるだろう。

 

冗談と思い笑い飛ばすのか?

 

少し拗ねてしまうのか?

 

興味ありげに深堀するのか?

 

…案外、嫉妬してくれたりすのかな?

 

───貴女を諦めるつもりは毛頭ありません!

 

先程の後輩君の言葉を思い出した。

 

───キミを手放す気は毛頭ないよ。

 

そう言えば昔、私も眼前の彼に似たような事を言っていた。

私も若かった物だ。

あれが事実上私の初めての告白だ。

そこから私とトレーナー君は段々と今の関係へと発展した。

そう、つまり始まりは私からのアプローチなのである。

さっきみたいに異性に告白された事は何度かあるが、肝心のトレーナー君から告白された事はない。

というか、プロポーズも私から…だった。

卒業後、ダラダラと教え子と元トレーナーとの関係を続けるのが嫌で私の方から動いた。

形の上では求婚したのはトレーナー君からの方からだが、そうさせる様に仕向けたのは私、シンボリルドルフ。

絶対に断れない雰囲気を作り出し、彼を絡め取り、入籍させた。

 

…もしかして私は彼から一度も自発的に求められた事がないのか?

 

急にそんな不安が頭の中に噴出してしまった。

 

───

 

「すまない、トレーナー君。今すぐ私を安心させてくれ。」

 

就寝前の寝台上で私はトレーナー君に肌を擦り寄せた。

まるで動物が触れ合いを求めてじゃれつく様に。

そしてそのまま彼の体に腕を絡めると、体重をかけて押し倒す。

ボブンと白いシーツに私と彼の体は沈み込んだ。

 

私の視界にはもはや彼の顔しか映らないし、鼻腔はトレーナー君の体臭で一杯になる。

 

なんて事はない。

私が彼を純白の布地の上へと組み伏したのだ。

私達夫婦が夜の営みをする時のお約束。

感情が昂った時に相手を組み伏す様に押し倒す。

それが自然に決まっていた合図だった。

両者とも大抵は拒まず受け入れる。

そうすることが、夫婦円満の秘訣であろう。

聞けばシリウスの所も似たような感じらしい。

兎も角、夕飯時から急に寂しくなった私は彼との繋がりを激しく、深く…感じたくなってしまったのだ。

それに、あまり最近そういう事もしてなかったしね。

 

「トレーナー君、断ってはくれるなよ?」

 

私がそう言って彼のパジャマのボタンを外そうとしたその時。

 

「ごめん、ルドルフ。その…今日はそういう気分じゃないんだ。」

 

それを聞いて私の指の動きが止まる。

 

「…こちらこそ、すまない。トレーナー君。」

 

口ではそう言って彼を解放してみたが、その夜はずっと釈然としなかった。

 

普通、妻から求められれば無条件に喜ぶのが世の男性の常ではないのか?

これでは私が只の欲求不満みたいではないか…。

 

何だか、身体の芯が冷えていく様な気がした。

 

───

 

「ルドルフさん!お願いします!必ず幸せにしてみせます!」

 

「キミもしつこい男だね。私は今でも十二分に幸せなんだがなぁ…。」

 

あれから一週間。

件の男は懲りずに毎日その思いの丈を私へとぶつけていた。

直接の部下なので顔を合わせないという事もいかず。

上司に相談し配置換えをしてもらう事も躊躇われた。

私がもし人事を動かしたと思われる行動をしてしまえば、あのシンボリルドルフが力を使ったと解釈されてしまう。

コネや公内政治の文化が色濃く残るURAで、できればそんな事をしたくない。

自分で言うのもあれだが若手といえどシンボリルドルフは有名人。

無いとは思うがここで変に上へお願いすると、後々面倒な事になりかねない。

 

例えばあの時口を聞いてあげただろう?だから少し皆の前で話して欲しい事があるんだがいいね?

 

とかだ。

私はそういったパワーゲームとは極力無関係でありたかった。

 

…しかし

 

「お話だけでも!」

 

目の前の青年に目を移す。

こう何日も続くと何だか感覚が慣れてしまったらしい。

初日程、衝撃は感じなくなっていた。

というか愚かにも私にその無謀な思いをぶつけ続ける彼を可愛いと思ってしまう。

若気の至りというやつだろう。

齢は私と変わらないが…。

なんだかんだ異性にここまでに実直に求められる事自体には、悪い気はしないのだ。

 

だから、少し…ほんのちょっとだけ…何か与えてやってもいいかもしれない。

 

無論、健全な関係でである。

そう例えば上司と部下の関係で、一杯お酒の席に付き合ってあげるとかだ。

こんな人妻に愛の告白をしてしまう程、眼前の青年はストレスが溜まってしまっているのかも…。

そうだ、悩み位は聞いてあげよう。

それこそが上司の努めでもある。

 

「…ハァ、解ったから。」

 

「では…!?」

 

私の返答に彼は目を期待の色へと変えた。

 

「話を聞くだけだぞ後輩君。」

 

そう言って私は駅前の居酒屋の店名を伝えた。

 

───

 

数時間後。

業務が終わり、後輩君と居酒屋へ行き座敷席に対面で腰を降ろす。

私はすぐに出されたお通しに箸をつけつつ、飲み物を注文する。

店内は華金という事もありいつもより賑わいが感じられた。

どこもかしこも私達と似たようなスーツ姿で溢れている。

 

「じゃあ、まぁ取り敢えず…乾杯。」

 

「はいっ!いただきます!」

 

うん、美味しい。

運ばれてきた飲み物を喉に通してそう思う。

やはり労働の対価はこうでなくては。

見ると後輩君も似たような感じで、グビグビと麦由来のソレを胃の中へ押し流している。

 

「…それで、どうして急にあんな事を?」

 

グラスの琥珀色の液体が半分程度になった所で私は徐ろに話題を切り出した。

私の配下に来て数年。

あんな素振りは居間まで見せなかった。

原因を解明し、諦めさせる。

それが現下の最優先事項だ。

 

「急になんかではありませんっ!」

 

私の言葉を受け、顔を赤らめた後輩君が熱弁を始めた。

 

曰く、学生時代から私のファンであった事。

 

曰く、私を一目見ようとURAに就職した事。

 

曰く、初めての配属先が私の下となって運命を感じた事。

 

曰く、出会って数年経ち人妻だと知っていながらも自分の気持ちに嘘がつけなかった事。

 

曰く、もう自分で自分を止められそうもないという事…。

 

お酒が入っているせいか、次から次へと私への想い、憧れ、好意、賛辞が飛び出した。

 

そんな彼の言葉のラッシュにを受け、鬱陶しさを感じる自分の中に…少し嬉しさを感じる自分がいる事に気づいてしまった。

 

異性にここまで…それも可愛がっていた部下に肯定の言葉を受けてしまえば嫌でもそうなってしまうだろう。

押しに弱い女では無かった筈だ私は。

そして、何より私の事を熱く語る彼の姿は…

 

似ていた。若い頃のトレーナー君に。

 

たまに思う。

若い頃のトレーナー君ともっと一緒にいたかったと。

私達夫婦は歳の差カップルだ。

元が指導者と教え子なのだから当たり前だが…。

愛する彼は私より8つも歳上なのだ。

無論、それ以上の歳の差婚がある事も承知はしている。

だが、世間一般的に見れば珍しい部類に入ってしまう事も承知していた。

だから悲しかった。

私より速く老けていく彼を見るのが…。

彼もアスリートを指導する立場。

自身の肉体にも気を使っているからか、同年代の人間に比べれば引き締まっているし若く見える。

しかし、それも歳よりは若く見えるレベルに過ぎない。

出会った頃に比べれば贅肉も増えたし、白髪も増えて、皺も付きいた。

思えばこの前、彼に夜の営みを拒まれたのも新婚の時の様な体力がトレーナー君には残っていない事を示していた。

 

あぁ、彼と一緒に歳を取りたかった。

 

現役時代、彼は私と同じ景色を見てくれていたのに、夫婦となった今、私は彼の壮年期に入る景色を臨む事ができないのだ。

 

私達が同い年だったら…。

 

そんな事をずっとここ最近、想像せずにはいられない。

でもそうだったら私達のあの運命的な出会いはありえなかった。

 

あくまでトレーナーとウマ娘だから

 

私があの日選抜レースで走ったから

 

彼が答えとしてあの写真を差し出したから

 

だからこそであえたのである。

 

しかし、歯がゆい。

思わずには居られない。

 

私がもっと歳を取っていたら。

 

いや、彼がもっと若かったら…。

 

「ルドルフさん…?」

 

そう、眼の前の後輩君の様に。

 

──

───

 

「うぅ…?」

 

微かな頭痛と倦怠感で目が醒めた。

典型的な二日酔い。

昨日、相当飲んでしまった様だ。

全く情けない。

 

これでも三冠ウマ娘。

きっぱりと身体を起こさなければいけまい。

 

そう思い上半身をむくりと上げる。

それと同時に、ベッドに組み込まれたスプリングがギシっと反発した。

 

「…ギシリ?」

 

…おかしい。

 

私とトレーナー君の寝室にあるベッドは一般家庭にあるなんの変哲も無い只のベッドだ。

 

だから、こんな"ホテル"みたいにスプリングは内蔵されていない筈である。

こんなに高反発な寝具は私とトレーナー君の趣味ではないからだ。

それに四方を囲む淡桃色の壁紙も見覚えがないし、目の前に見えるシースルーのガラス張りのシャワールーム。

これは絶対ありえない。

私達の寝室は決して、風呂場には直結していない。

 

こんないかがわしいホテルみたいな構造…我が家は絶対にしていない!!

 

それになによりこの倦怠感。

 

下腹部の違和感と共に感じるこの心地よい違和感は…本当に飲酒由来のものなのだろうか?

 

この段になって私はようやく今の状況が掴めてきた。

 

恐る恐る自分の身体を確認する。

 

案の定とでも言うべきか、私の身体は服を着ていない一糸まとわぬ裸体であった。

そして、自分の白い肌。

その所々に、まるで蛭が吸い付いたかの様な朱い斑点が染み付いている。

更に私の横で気持ちよさそうな寝息を立てている"青年"がいるという事も。

気づいてしまったのだ。

 

驚天動地。

 

サァーッと自身の血の気が引いていくのが解った。

比喩表現ではなく本当に。

 

「んんっん…」

 

顔を青くする私の隣。

同衾している男がのそりと動く。

どうやら私が動いた事で、彼も目覚めてしまったらしい。

眼球だけを動かして声の主へと視線を移した。

隣に寝ている人物が私の愛しい人であるという最後の希望を信じて…。

 

「…おはようございます。ルドルフさん。」

 

だけど、私の望みを打ち砕く様に後輩君は笑ってくれた。

 

念願成就。

 

そんな笑顔で…。

 

 

 

 

 

 

ナリタトップロードは…

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