大惨事スーパーロボット大戦α   作:猫者

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漆黒の霊機

806:名無しのハズレ転生者

 

おそらく、旧型だけど新型バッタがいても

ディストーションフィールドはビーム兵器に強い

でも実弾の掃射抜ける可能性はかなり高い

レーザー砲、バルカン、ミサイルが主武装で足は速い。

線では面で制圧しろ。

 

 

807:学生兵 LIVE

 

街への被害は避けられないか……

分かった、それじゃあな

 

 

 

 

 

 

『状況は?』

 

 

「ジャンパーと思われるもの数名の回収を完了。チューリップの護衛を継続します。しかし、イゼルカント様。本当に護衛が必要でしたか?」

 

 

『何も起こらず”資源”を根こそぎ回収できるなら構わん。

 それに護衛を頼んだのは奴らだ。まぁ、単なる実験だろうがな。

 だが、ゼハード。お前は必ず帰還するのだ。部下を随伴させなかったのだからな」

 

 

「理論だけの兵器で同胞を危険に晒す訳にも行きませんでした。

 杞憂で済んだとはいえ、それは結果論です。曲げる訳には行きません」

 

『お前が無事に戻ればすべては許す。

 制限時間を守れ。メインゲートがまだ封印されている以上、長くはもたん」

 

 

「はっ、了解しまし……」

 

 

 ……ドクン

 

 

「訂正です。努力はします。敵が来たようです」

 

 

 静かにビームライフルを数発撃ち、ミサイルを破壊する。

 しかし、彼以外の回避できなかった。あるいは迎撃に失敗したバッタが

 一気に自分のモニターから消えたのをゼハードは確認した。

 

 Xラウンダーの超感覚は今もなお、敵意を捉えている。

 カメラを望遠に切り替える攻撃の行われた場所を探す。

 左右に開いたグラウンドに昇降機が立ち上がり、

 今、まさに何かが上がってきた所であった。

 

 

『何!? アーガマもほかの部隊もここにはいないぞ!」

 

 

「スレイプニールが1機残っていた様です。ただ、宇宙任務についていたデシルの件もあります。

 油断はしません。それでは……」

 

 

■■■■■

 

 

「……この急に通信と共に送られてきたデータ。この町のマップに着色されてる。

 突貫工事みたいだが、多分。青が疎開済み。

 黄色は居残り、赤は……ここまでの相手の攻撃で推定死亡か。10割として4:3:3。送ってきたのは相良か?」

 

 

『肯定だ。もはや、避難の時間はない。黄色い場所を避けて

 青の施設を遮蔽物として戦え。特に大型のものだ。いいな。合流は急ぐ』

 

 

「なるべく頼む。俺も覚悟はしたが死にたくはない」

 

『……了解だ。交信終了』

 

 

「行くぞぉ!!!」

 

 

 踏み込み、一気に脚部の車輪を回転させ、肩部のエンジンを吹かせた。

 

 通常より一回り大きい姿に成長したその機体は

 スレイプニール用オプション装備を纏ったもの。

 『武器運搬用』コンフォーマルパワーアシストユニット。

 またの名を「侵攻作戦用弾薬輸送補助大型外骨格機」

 戦うための装備ではない、前線への火器弾薬の運搬用。つまり、後方部隊用のカタフラクトの装備である。

 積載能力とそれを補助するため与えられたた機動力。

 つまりは、本来は戦うための装備ではない。

 

 

「体中武器庫の荷物運びマシン。

 その上、機動力はピーキー。かつ方向転換は肩部エンジンとワイヤーアンカー。

 いい所は硬い……そして、こいつはそれに大型の移動用脚部車輪と副腕を追加した、

 演習のノリで作られた世界で1つのワンオフ機。武器の多さぐらいで能力はかわらねぇけどな……」

 

 

 シンは武器を見た。

 ミサイル残弾0。

 

 75mmサブマシンガン

 120mmライフル

 75mm狙撃砲 

 75mmハンドガン

 コンバットナイフ

 サブマシンガン装着用グレネードランチャーおよび弾頭

 

 

 体に怒りが満ちるのを感じた。あの赤い、何かを守るかのように直立したMS。

 それを見つめるたびに黒い感情が心の中を満たしていく。

 抵抗はできない……否。

 

 

「抵抗は……しない!!!」

 

 

 宇宙で自分が敵を倒したというなら、もはや縋るものはそれしかない。

 ただ、一つ。敵を強く、強く瞳で射貫く。

 憎悪が、守るものまで火に変えぬように願いながら……そして、シンは手放す。

 

 

 ……ドクン

 

 

 

「ヴェイガン……殲滅だ」

 

 

「これは……私を。いや、ラウンダー能力を写し取っている!? 

 

 ふざけた真似を日野真! 所詮、出来損ないのミラー。真のラウンダーには及ばない!」

 

 

 主腕と副腕。合計8本の腕が武器を構える。

 そして、その腕が一斉に攻撃を放つ……殺意と共に。

 

 

 

「その通り。だが、何も問題ない。ここで、死ね。ゼハート・ガレットぉおおおおおお!」

 

 

 

 

■■■■■

 

 

「街中であれだけの火器を……大丈夫なの!?」

 

 

「いや、町の残った者たちの家や施設には辛うじて着弾していない。

 時間の問題かもしれんがな。何より……

 それ以外は悲惨な状況だ。最初のミサイルですでにかなりの建物が吹き飛んだ」

 

「ちょ、ちょっ!?  いいの!?」

 

「分からん。だがあの小型の兵器も3分の2は吹き飛んだ。

 機動力を生かす前につぶすためのミサイル攻撃だったのだろう。仕方ない」

 

 

「仕方ないって! あんた、不味いでしょ! 

 ……って言ってられる場合でもないかぁ! それはわかってんのよぉ!」

 

 

「その通りだ。同じように奴らのミサイル攻撃で生き残りがすでに3分の1近く殺された。

 なぜか人間を回収してる様子も見られた。そして……こちらにも数体はりついた。飛ばすぞ」

 

■■■■■

 

 

 

 撃つ、撃つ、撃つ! そして、逃げる。

 

 あるだけ打ち続ける。両手の銃で。

 副腕は使わない。基本的にリロードの為にある。

 無論、電子制御を経由して一応の射撃はできるが精度はお粗末だ。

 これに関しては見事に落第評価を受けている。だが、それでいい。

 そんなことは向こうには分からないのだ。

 最初に副腕を使って一斉射撃を行ったのは、パイロットに対して脅威としての印象付け。

 

 シンは考える。バッタは無人機だ。”高性能”の無人機である。

 カメラだけではない。レーダーやセンサーのデータを複合して敵を見つける。

 人間の様に視界を遮れば言い訳ではない。強敵である。

 

 

「でも、お前らは群れる!! なら、的がでかいのと同じだ

 だからこれがお前らに対してのみは有効だ!!」

 

  

 二度目の一斉掃射。逃げながら引き付けた敵にすべてを打ち込む。

 爆発炎上するそれにまきこまれるように玉突き事故の如く消えていくバッタ。

 

 しかし、敵の軌道パターンも一つではない。

 

 

「……横!?」

 

 爆発でシンの意識から自分たちを隠し、左右からバッタが迫る。

 

「身を切る!!」

 

 

 バルカンの掃射を両手を纏うように装着された巨大な腕。

 アシストユニットを盾にして防御。その下に隠された本来の腕で

 ハンドガンを打ちこみ敵を撃破する。同時に穴だらけになったそれを排除。

 取り出しが間に合わなかった武器をいくつか巻き込みながら爆発した

 

 

「こっちも弾切れか!」

 

 

「落ちろ!!」

 

 

「くっ!!」

 

 

 脚部ユニットに収納されたコンバットナイフを2本残してすべて射出する。

 教官に曲芸と称されたそれも、極限状態の威嚇攻撃としては十分だった。

 

「こんなもの!」

 

 敵意に敏感に反応するその先読み能力は、

 きわめて反射的に攻撃を迎撃する。

 シンのコピーし劣化した偽物のそれと違う、極められた能力故に発生する弊害だ。

 

 

 そのタイミングでワイヤーアンカーをビルに射出。

 左右の肩部ブースターを緩急つけて点火し回転をつける。遠心力を利用し機体を遠くに投げ飛ばした。

 高性能なバーニアを持たない陸戦ユニット故の荒業で機動力を得るしかない。

 動きに耐えきれず、機体からちぎれとぶワイヤーを尻目に残っている副腕で取り出していた狙撃砲を撃つ。

 

 

 体勢とスピードから先ず当たることはあり得ない。これでいい。接近させないためなのだから。

 だが、それでもしっかりと狙う。一撃の威力が違うこれをほかの場所に打ち込む気はない。

 

 地面が近づいていく。同時に別のビルが見えた。左腕にコンバットナイフを持ち、ビルに差し込む。

 減速と体制を整える方法をとっさに思いつけなかった。

 その衝撃を一身に引き受けた左腕をずたずたにしながらビルを引き裂き機体が静止する。

 

 すぐにスモークを射出した後に、グレネードを装填して構えた。しかし

 

 

「……いない!?」

 

 敵を感じ取れない。

 

 

「Xラウンダーの力を自分の奥底に封じ込めた、一時的に!

 全くこちらの感応に反応しない男がそれを利用して兄弟を倒したのを思い出したのだ!」

 

 

 ―――そして、お前は写し取るものがなければ何もできない!!

 

 

「くっ!!」

 

 

 背後に回っていた敵には間に合わない。

 ビルにグレネードを放つ。

 

 

 

 

 

 

 崩れる瓦礫を縫うように進んでくる敵。

 一方、シンはただ落下するだけだ。もはや、無鉄砲にサブマシンガンを放つしかない。

 弾切れ。すぐに背部のパラシュートユニットを前方にマウント。

 強引に溶接されて張り付いた最後のライフルをちぎるように取り外し撃つ。

 それは一応は敵への威嚇にはなった。

 だが、機体の能力もはるかに相手が上だ。

 その弾幕すら敵はすり抜けるように迫る。

 

 

「まだだ!」

 

 弾切れの銃を投げ捨てコンバットナイフを右腕に装備しようとする。

 

 

「なるほど、電磁装甲を読んで残していたか! だが無駄だ!」

 

 

 しかし、両掌から放たれるビームバルカンはナイフごと腕を破壊した。

 

 

「ならせめて、組み付いて……アラート!?」

 

 

 突如、発生した熱源反応が肩部のエンジンを吹き飛ばした。

 

 

「バッタをすべて破壊したと思っていたようだが……

 最初の爆撃で生き残った数体をスリープモードにしていたのだ。作戦だよ」

 

 

 

―――付け焼刃にしてはよくやったが、本物には勝てない。後ろに目をつけておけ

 

 

 

 75mmサブマシンガン 

 120mmライフル

 75mm狙撃砲 

 75mmハンドガン

 コンバットナイフ

 サブマシンガン装着用グレネードランチャーおよび弾頭

 

 

 

「ない、もう。武器も……くそぉおおおおおお!!」

 

 

 スレイプニールとシンは全てを失い、地面に叩きつけられた。

 

 

 

■■■■■

 

 

 

「私の力、その一部とはいえ写し取った能力。

 気にはなるがここで始末させて貰う……さらばだ、日野真

 我がゼイドラに挑む存在として、お前には荷が勝っていた」

 

 

 仰向けのスレイプニールに向けて

 ゼイドラの胸部にエネルギが集まれ、ビームバスターが放たれる。その瞬間。

 ゼイドラは、弾き飛ばされた。

 

 

「な……パラシュート!?」

 

 

「うぅぅおおおおおおおおお!」

 

 

 ガアアアアアアアアアアアアアアアン!!!

 

 

 脚部の車輪を回転させながらどてっぱらに蹴りを打ち込み。

 ゼイドラの胸部が損傷を受ける。しかし、そこまでだ。

 

 

 empty

 

 

 アシストユニットはエネルギーの消耗が凄い。だからこそ前線に使えない。

 いくつかの機能を追加しただけで継戦時間はさらに削られて3分。

 何より、コックピット周りの装甲が薄いカタクラフトが落下時にシンに与えたダメージは大きい。だが、その意識だけは今も、自分を射貫いている。

 

 

「なんという執念。そこまで憎いか……なぜ」

 

 

「なぜ、なぜだと! 理由なんていくらでもある! 俺の家族を奪った、俺の第2の故郷を奪った! いくらでもだ! だが、いい。俺は許した、許したんだよ!!」

 

「な、なに……?」

 

 

 ゼハードは聞き返した。

 理由をしり、理解し、家族を奪われ。そのうえで”許した”といったその考えもしない言葉に。

 

 

「お前らにも理由があるって、知ったから!! 分かり合おうとしている奴も、いたから」

 

 

 

でも、お前らは……殺した

 

 

 

「ユリン・ルシェルを殺しただろ!! 自分の仲間を殺しただろぉ!!

 

 俺の友達の愛する人を。俺の友達を愛する人を奪っただろ!!!

 

 切り刻んで、実験道具にして蝕んで! 殺しただろ!!!」

 

 

 

 コックピットを開く、震える腕で銃を構え引き金を引く。

 乾いた銃声だけが響く。当然だ、そんなものでMSを倒せるわけはない。

 だが、銃声と共に。憎悪が、憎悪だけがゼハードに伝わる。

 

 

「きっと、憎しみだって越えられた。平和だって作れたかもしれない。

 なのにそんな、そんな事をするお前らは人間ですらない、化け物だ。

 だから殺す、殲滅する。お前らは……生かしておかない!!」

 

 

 

「う、うわあああああああああああああああ!!!」

 

 

 

 ゼハードはゼイドラの腕を振り上げる。

 その行動は本能からくる、圧倒的な殺意に対する行動だった。

 

 

 だが、その攻撃は止められた。

 

 

「な、なっ、なんだ……この機体は」

 

 

 2対の翼の様なものを持つ黒い、黒い機体だった。

 

「どこから……いや、まさかクロスゲートから……はっ!」

 

 

 背後に飛びのく。そして、銃撃で陥没する地面。

 

 何かに銃撃された。だが、その居場所が分からない。

 

 

「この黒い奴だけじゃない、援軍か……

 イレギュラーが多すぎる。此処は……退かねばならないようだ……」

 

 

「待て、待て、ヴェイガン!!! まてえええええ!!!」

 

 手を伸ばす、その命を摘み取ろうと、心臓を握りつぶそうと。

 

 黒いロボットがそれに呼応するかのように同じ動作をした。

 

 

「目的は半分は完了した。所属もバレた以上、これ以上いらぬ情報を与えたくない」

 

 

 チューリップと呼称していた装置の内部にゼハードの機体と残ったバッタが収まるとそれは口を閉じ、沈んて行く。そして、その巨大な蕾が沈み切ったと同時に構造物も消えた。

 

 

 

「待て、行くな! 戻れ、戻れぇえええええええええええ!!!」

 

 

 ただ、無力で空しい男の叫びだけを残して。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

  

 




誤字脱字の報告ありがとうございます。

ただ、ちょうど直してる時に書かれたりしたら
なんか気まずいな。と返信してないだけです(1回ありました)


報告ありがとごうざいます。
今回も誤字あります。見つけました。でももう寝ないとまずいので明日、直します
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