大惨事スーパーロボット大戦α   作:猫者

22 / 58
幕間 インターミッション6 『穏やかな生活』

 

~東京湾 Gアイランドシティ~

 

 

 

「おほー、とんでもない骨董品じゃのうこいつは!」

 

 

 

独特な真横に伸びる白髭を蓄え髪を鬣の様に整えた老人、

獅子王麗雄はライブレードの解析結果を見ながら、嬉しそうに叫んだ。

表面的には宇宙開発公団顧問という事になっているが彼の本当の姿は

このGGGのエグゼブティブスーパーバイザー兼研究開発部部長。

多数の博士号を持つ世界十大頭脳の一人である彼は機体の全体図を表示しながら言う。

 

 

 

「機体の表面からは分からんかったが吹き飛んだ腕部と脚部内部の

 スキャン結果で一部のパーツが数千年と出た。しかし、技術としては今に近しい」

 

 

「爺さん、つまりどういう事なんだよ?」

 

 ゴジラの背びれモヒカンとマッチョがトレードマークの参謀、火麻激は、

 自慢のモヒカンに櫛を入れながら結論を急かした。

 

 

「完全な異世界由来の機動兵器である、という事じゃよ。

 プラーナコンバータについてもサイバスターのものに近い。

 だが、ラ・ギアスの物かといえば違う。だが面白い事にこの右腕部……

 間違いなくサイバスターの物であるのじゃよ」

 

 

「? どういう事だよ? ラ・ギアスの物じゃないのにサイバスターの腕だ?」

 

 

「疑問はごもっともです」

 

 どこか温厚な顔なふくよかな男性、整備部オペレータ牛山一男は振り返る。

 

 

「これを決定づけたのは内部の動力炉です。

 ライブレードはメインとサブ。2つの動力を有しています。

 メインがプラーナコンバータ。

 そして、サブが名称不明の動力炉。搭乗者によれば負念を力にする……」

 

 

 

「負念。負念ってことは、あれか。悪意とか……」

 

 

「死者の念が発する波動、あるいは死者そのもの。ともかくとしていいエネルギーではない。反面、莫大なエネルギーでもある。との事です

 でも個人的に驚いたのはサブコントロールシステムですねぇ」

 

ぼさぼさの髪に鼻頭の髭を生え放題に放置したまま。

そんな不衛生な風貌の猿頭寺耕助は頭をがさがさと搔きながら言った。

 

 

「数日の解析でライブレードは本来、パイロット2人のエネルギーの相乗効果により超常的な力を発現する機体であると判明しました。

 同時に、その能力故に単体では出力が足りず操作ができません。このシステムはそれを可能にする高度なプログラムと技術の結晶です。解析できないほどに」

 

 

「相乗効果?」

 

 

 

「プラーナというものが生命力そのものである+のエネルギーと仮定して、命が燃え上がる瞬間というのはなんでしょうか?」

 

 

「あん?」

 

 

 火麻激は腕を組み、顎をなでて少し考えながら……

 

 

「戦闘、だな!」

 

 

「NO!! ラブでぇす!!」

 

 

 金髪の長髪と豊満な肉体を揺らしながらスワン・ホワイトが拳を突き上げる。

 

 

「おいおい、んな馬鹿な……」

 

 

「いえ、2つの感情が正の方向でシンクロする現象としては友情愛情は至極まともです。ただ、ライブレードはエネルギーの消費の問題なのか。より強い結びつき、つまり愛情を使い。プラーナを高め、それを糧とするというシステムの様です。よくできています」

 

「各艦とライブレードのデータの提供により解明にいたってシステムですが

 安定性は極めて低く、それゆえのサブシステムだと思われます……最も、パイロット単体での消耗は日野真さんのバイタルデータを見る限り、最悪です」

 

 

 猿頭寺耕助の技術的な賞賛にウサギ耳のような独特のヘアースタイルの卯都木命がそういって苦言を発する。

 

 

「体重推移は2週間で7キロ。

 運動レベルと食事レベルに変化がほぼない中でこれは異常です」

 

 

 

「まさに敵を倒すためにすべてを犠牲にする兵器ってことか……」

 

 

「では、諸君。関係情報がそろった中で決を取る」

 

 

 色黒で彫の深い顔の男、GGG長官。大河幸太郎の声に全員が振り向いた。

 

 

「ライブレードは善と悪を併せ持つ不安定な機体だ。その危険な機体にGSライドを与えるべきか、私は悩んでいる……各員、手元のボタンを押してくれ」

 

 

 

■■■■■

 

 

 

 食堂に集まって食事をしているのはシン、いなほ、スレイン。

 並んだシンプルな和食をもくもくと食べていく2人の横で、

 端末のテレビにかじりついているスレインがいた。

 

 

 

『幼馴染のレイン君の存在に揺れるセーラ姫の未来は!?

 果たして、姫は正義のティータくんの腕を取れるか!』

 

 

 

「なんでだぁああああ!!! どうみても負ける雰囲気じゃないか!

 姫、頑張ってください!! 同じ火星人のレインくんを信じて!!!」

 

 

「スレイン、ソースと取ってくれる?」

 

 

「あぁ、すまない。はい」

 

 

「ありがとう」

 

 

「……じゃなくて、これ酷くないですか!

 火星が完全に悪者ですよ!!!!!!」

 

 

 狂ったようにその場で震えるスレインを横目にシンははぁーー……とため息を吐き出して指をさした。

 

 

「お前、そらこれはティターンズのプロパガンダ用アニメなんだぞ。当たり前だ。

 なんなら、ロンド・ベルっぽいヴィラン集団もいるし、コロニーは敵だし……てか、もっと推しを信用しろ推しを。お前の姫は正しい事を見れるだろ」

 

 

「ハウワァ!? そうだ、姫は幼馴染の手を取る筈。 姫、私は信じています!!」

 

 

 スレインは手をあわせ祈るように天を向いた。

 

 

「アニメでここまで盛り上がれるんだね」

 

 

「あんまり言ってやるな。自分と重なる部分があるんだろ。それにしても……マクロスとロンド・ベルの3艦に先駆けてきて5日ぐらいか? 久々に穏やかだな」

 

 

 

 軌道上で一戦あったとか聞いたような気もするが、正直。昨日まで寝込んでたので気にする余裕もなかった。最も、緊張感から解放されて睡眠と休息をしっかり取れて久々に万全な状態を味わっていて目をそらしていたのも事実ではある。

 

 

「飯が美味い、寝るのも気持ちい。一生このままでいい……いや、だめか」

 

 

 平和の良さを堪能していた。

 

 

■■■■■

 

 

701:学生兵

ライブレードの修繕の名目で居残り

飯もあるしよく眠れる。もう一生このままでいい

 

702:名無しのハズレ転生者

過酷な生活を強いられすぎて

日常のぬるま湯から逃げられなくなってて草

 

703:名無しのハズレ転生者

平和を……強いられているんだ!!!

 

704:名無しのハズレ転生者

ところで姫様何してんの

 

705:学生兵

宮殿が吹き飛ばされて、生存は100%ありえないって事で

暫定王女なので、ルートは違ったけどそれを利用して外交ルートに入ってる。

クルーテオのおっちゃんがまず、先陣を切って揚陸城で来た。

 

706:名無しのハズレ転生者

あぁ、放送で実際にドライブ停止させて~からの

騎士は姫に忠誠を誓っています。で、もう抑止力になんのか

 

707:学生兵

その影響でいくつか、おっちゃんに続け!してきた奴と

とりあえず中立で軌道に戻った奴。敵陣に向かった奴で別れた

一先ずは地球上に今、火星勢力はいない

 

708:名無しのハズレ転生者

出鼻をくじかれて、あまり行動がなかったな

まぁ、大義名分の真偽が不明の状態じゃ何もできん

 

709:名無しのハズレ転生者

そういう意味では初手正解だったな

 

710:学生兵

アイスうっま

 

711:名無しのハズレ転生者

こいつ、本当にあのヴェイガン絶対殺すマン……?

 

 

■■■■■

 

 

「うーん、うっま……」

 

 

 アイスを口に運びながらシンは釣り竿を見つめている。

 海の真ん中にあるメガフロートということで、なら釣りをしようとやってきた。

 道中、寝ている間の火星で起きた出来事を確認していたがサラ基地が事件が起きたとか、ダイターン3が出たとか大まかな事情の確認だけで「もう、いいか」と端末の電源を落としてしまった。

 

 

(なんつーか、当事者のようで部外者のような。

 大筋に関わってはいないけど不足すると不便な……微妙な立場だな俺)

 

 

 ふと、空を見上げた。宇宙はずっと冷たい場所で、魂が漂う地獄の様な印象だった。

 だが、あの時。アセイラム姫とエデルリッゾ以外で力を貸してくれたのもまた、宇宙を漂う魂だった。

 

 

(まぁ、わからん事はひと先ずおいとこ……

 機体がぶっ壊れる度に乗り換えが発生する謎システムが健在なら乗り換えか強化が起きるかも)

 

 

 個人的には強化がいい。まぁ、没収もありうるのだが……

 それならそれであの鳥にでも乗るから別にいい。

 

 

 

「あ、シャアが能力使って同調したおかげで未来見えて回避できたんだよな、多分。お礼言っとくか」

 

 300円ぐらいのアイス1個でいいかな。

 高いものは食いなれてるだろうし庶民ランクでちょっといいもの、ぐらいがいいだろ。

 

 

(どれがいいかは食って選ぼう)

 

 

 体重を戻せと言われてるのである程度好き勝手食べる。

 戦時中の中でだいぶ贅沢な暮らし方をしているかもしれない、などと思ったが、

 シンは療養中という建前シールドでやり過ごす事にした。

 

 

「来たよ」

 

 

「すまない、初めての経験で悩んでしまった」

 

 

 短く到着の報告だけをした、いなほ。バッグにいろいろなものをつめたスレイン。

 対照的な2人はどこか足りない部分を補っている兄弟の様に見えた。

 

 

「おま、スレイン。これだいぶ詰めたな」

 

 

「僕はお昼と飲み物だけでいいといったんだけど……」

 

 

「日が沈んで寒くなってきたら羽織るものがいるだろ! 今日は晴天だし帽子も数種類ある!」

 

 

「むぎわら帽子とむぎわら帽子でダブってる。非効率的だ」

 

 

「違う! リボンがついてるだろ!」

 

 

 そんな2人の口論を眺めながら、そこまで推しなのかとむぎわら帽子をかぶった。

 汽笛がなり、振り向くと一先ずお勤めが終わったのか姫様と侍女の姿が見えた。

 

 

「おかえり」

 

 

 声が届かない距離なのは承知で笑顔を向けてシンはそういった。

 

 

 




今月でおわるかと思ったけど今月で終わるには毎日3話ずつみたいな
キチガイにならないといけないのがわかり、無理だと悟ったので
10月中を目途に頑張りま、すぅ……
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。