大惨事スーパーロボット大戦α   作:猫者

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シン

 

「大作、覚えておくといい。

 正義の在り方とは悪に対してのみ存在するのではない。

 それならば、我ら悪人は全て、世界を滅ぼす事になる」

 

 

「違うのですか!」

 

 

 ジャイアントロボの破壊された頭部に、配線を収めて自分を必死に固定する大作。

 

 

「違う! わしは、十傑集は! その願い、一つ! そうであろう、孔明!」

 

 

「無論ですとも」

 

 

 大怪球の中から出てきた孔明が、ジャイアントロボの肩の衝撃のアルベルトの隣に並んだ。それに続くように続々と十傑集集合する。

 

 

「世界の運命はお前という小僧と、その球ごとにきに左右されていいものではないぞ! ゆくぞぉ、皆!」

 

 

「われら!」

 

 

「十傑集が集まれば!」

 

 

「「「「「「「「「「大怪球の一つや二つ」」」」」」」」」」

 

 

 

■■■■■

 

 

 

 

 遮熱用フィルムを投げ捨て、空で機体を翻した。

 直上で宇宙に広がる線と線が繋がり、イージスが形成されていく。

 グラン・ガラン隊、ラー・カイラム隊、ゴラオン隊が戦闘中なのは調べがついている。マクロスとナデシコは宇宙。これで邪魔されることはない。

 彼らはこれからに必要な戦力だ。

 実際の所、協力は欲しかった。だが万全であるナデシコは企業所属で民間人同然だし、それに続くマクロスは民間人をいまだにおろせないでいる。

 バルキリーで荷が勝ちすぎているし、そうなるとやはり単独で動くしかない。

 だが、気持ちは楽だなとシンは思った。自分は前座。あの超人軍団の到着までまてばいい。

 

 機体に一人だけなのは久しぶりだ。

 ライブレードとのつながりを強く感じる。

 喜んでいるような、悲しんでいるような。不思議な感覚だった。

 

 

 座標は受け取っている。GRシリーズと共に進行した量産型グレートとドラゴンによって、バベルの塔の防衛を突破したバベル2世が念を感じる。

 地球最強の最強の念動者の2人のうち1人と聞いていたが、うなずける。

 情報だけとはいえ、地球の裏からこうもはっきりと念を飛ばせるのだ。

 

 変形した機体がぐんぐんと飛んでいく。

 目標は徐々に海上から浮上し始めていた。

 海中で昨日の完全復帰を待っていたが見つかった事で先んじて攻撃を開始しようとしているのかもしれない。一気に速度をあげて突入し、ぎこちなく変形する。

 

 着地するとすぐに巨大な建造物が目に入る。

 

 

「バベルの塔!? 教科書で見たことある!

 バラルの塔なのか? あれを複製したのがバベルの塔だとして、これが巨大な念の増幅装置のパーツなのか!」

 

 

 突如、塔から放たれる砲撃が宇宙を攻撃する。

 だが、星を覆う様に展開されたイージスシールドがそれを遮蔽する。

 

 

 意を決する。目覚めた。ならば、戦うしかない。

 

 

「無駄だ、ガンエデン! 今、宇宙は人は、部分的にだが心をつなげ始めた。彼らは今、地球ではなく心をつなげた一つの種族になる。それでも、排除するのか!」

 

 返答は言葉でなく、実力であった。

 サメ、鳥、豹をもしたロボットが続々と出現する。

 そして、それを称えるかのように大きな翼を複数持つ巨大なロボットが舞い降りる。最古にして最強のサイコドライバー用決戦兵器、ガンエデン。

 

 

 

(なんて、プレッシャーだ……だが、これは同時に俺にとってのチャンスでもある!」

 

 シンの同調能力は相手の能力を写しとる。多少劣化するとしても、最強のサイコドライバーが相手ならば、格が落ちたところで領域自体は変わらない。

 たとえ、自身の自壊が早まるとしても。

 

 

「うおおおおおおおお! いくぞぉ、ガンエデン!」

 

 

 生き残る道がここにしかないのなら、やることは決まっているのだ。

 

 

■■■■■

 

 

 

 

「フリット艦長、なぜ我らの妨害をしたのかね?

 彼を一人で行かせる必要はなかっただろう」

 

 

 グローバル艦長が拘束されたフリットにそう声をかけた。

 

 

「今、この世界にはどれだけの潜在的な敵がいるだろうか」

 

 

「何?」

 

 

「分かるだけでもまだ宇宙にはザ・データベス。エアロゲイター。まだみぬ連合を結んでいる異星人もいるかもしれない。

 ミケーネの様な地下勢力はまだいるだろうし、ハイパーゲートの爆発で破壊され斬らなかった月も妙だ。もしかすれば別の勢力がいるかもしれない……」

 

 

 フリット・アスノの言葉にグローバル艦長がむぅと、唸った。

 

 

「それが理由だ。ロンド・ベルを失わせるわけにはいかない。

 危ういバランスの天秤は今、かろうじて均衡しているだけ。だからこそ、兄さんは行った。かつてなせなかった事を成すために」

 

 

「成すこととは?」

 

 

 アセイラム姫が口を開く。

 

 

「自分の大事なものを護る。そのためだ……だから、一つだけ頼めるかね。兄さんが勝利するためにあと一つだけ、マクロスから送ってほしい」

 

 

■■■■■

 

 

 

 

「おおおおおおおおおおお!!!」

 

 

 回転する拳を放ち、それが襲い掛かってくる多数のロボ。

 ガンエデンの眷属、クストースを打ち抜いた。

 

 人間工学的設計を全身の各部分に施されているガオガイガー。

 そのパーツは同じく、人型として設計されたライブレードと相性がよかった。これは、ライブレードが大型化された事により等身が限りなく近づいたという理由もある。『ステルスガオー』のエンジン部でもあるその腕部は小型のGSライドを備え付けられている。故に、エネルギーに於いては無尽蔵であり回転と共にブロークンエネルギーの発生により十分な破壊力を持つ。

 また、ゾンダーロボのバリアシステムをも強引に破壊し、プラズマを封じ込める磁場形成することでバリアフィールドを阻害する効果は念動バリアに対しても有効であった。

 

 バリアを阻害され、海のクストース。サメ型のケレンは空間潜行により離脱しようとするも、それを限りなく薄くバリアとしてではなく空間を阻害するそれとして広げたプロテクトシェードにより阻害し膝のドリルーで砕いて破壊した。

 そして、それを土台にして飛び上がりはぎ取った頭部を近くの同型のケレンに投擲し、地面に叩き落とす。

 

 着地の隙を狙って空のクストース。ワシのカナフが5体の群で接近する。

 翼を銃口として向けて、チャージの終わっていたゼイフォニック・ブラドラーでそれを打ち抜く。推力か武装かのどちらかしか使えない武器であり、使い勝手は悪いが威力は通常時のライブレードの中で最高である。

 

 陸のクストース、ザナブが背後からとびかかる。

 ライブレードは腰部の増設スラスターで機体を回転させると、大剣でそれを横なぎに払って破壊した。

 

 

 

「はぁ……はぁ……はぁ……」

 

 

 ビシィ……と心に皹がはいるかのような感覚を感じる。

 ピルケースを取り出しそれをそのままに口に入れてかみ砕き、ケースの破片だけを吐き出した。少し口は切れたが問題はない。

 もたもたと薬を取り出す時間を使うよりマシだ。

 

 

 シンはあと何体残っているかは考えない事にした。

 むしろ、鎮座し動かないガンエデンを不気味に感じる。

 彼、いや、彼女の能力に同調しその先読みを拝借しているがいまだに感情がうかがい知れない。ただ、何かを観察するかのように感じる。

 

 

「何、図ってやがる……」

 

 

「剣として、使えるかどうか……」

 

 

「剣とはなんだ!」

 

 

「地球の守護者だ……」

 

 

「地球だけの守護者だろ、気に食わねぇーーーー!」

 

 

 左右から押し寄せるザナブに向けて、ドリルニーを放ち破壊する。

 脚部パーツを外し一時的に外し、腕部で振り回して攻撃したのだ。

 翼の推力だけで浮き上がった形になったライブレードに空間跳躍でケレンが襲い掛かる。脚部を地面に投げ捨て、剣を投擲する。そこにぶつかり両断したケレンが剣を巻き込んで爆発した。

 精神ポイントはすでに100を切った。

 十数分の半全力戦闘だけでここまで息切れに近づくライブレードは世界一燃費の悪いマシンだと、シンは内心毒づいた。

 半と、つけたのは前回の強化形態を使っていないから。

 おそらく、あれは一度切り。たった一度の機会。

 そして、それを使えるのは……

 

 

「今じゃない!」

 

 

 走ってきたザナブを投げ捨てた時に、ドリルガオーとして

 地面にドリルで潜っていた脚部が地面の下から破壊する。

 変形させ、足を再び装着し後ろに飛び下がる。

 

(まだか……まだか!)

 

 

 十傑集の到着を待っている。これだけ待っても到着しない。

 しかし、視界をあげて嫌な事に気づいた。

 

 

(到着は……していたか!)

 

 

 到着はしている。しかしバラルの園を覆うフィールドを破れないでいる。

 ライブレードはガンエデンに品定めされているために通れたのかもしれない。

 

 

「く、くそが……!」

 

 

 一か八か、死霊憑依を使うしかないか。

 その時だった、空のかなたより回転する何かがフィールドを突き抜けてバラルの園に突き刺さった。

 

 

「……プライヤーズ!!」

 

 

 プライヤーズに張り付くようにして

 十結集がバラルの園に侵入した。外円ギリギリだがすぐに合流するだろう。

 

 

「よぉし!!!」

 

 

 全ての力を機体に注ぎ込み、決戦の時は来た。

 死霊憑依により機体のカラーリングが変化した。

 

 

(この、一撃でいい。俺は所詮前座。だから……すべてをかけろ!)

 

 

 

「ゲム・ギル・ガン・ゴー・グフォ……ふぅん!」

 

 

 攻撃エネルギーと防御エネルギーを融合した膨大な融合エネルギーを叩きこむその必殺技はガオガイガーだからこそできる技でもある。

 緑の星のテクノロジーを部分的にしか使いきれないライブレードにできることは……”融合エネルギーを機体内部で解放する”自爆である。故に

 

 

「ヘル・アンド・ヘル!! おおおおおおおおおおおおおおお!!!」

 

 

 全てのエネルギーを突進力にかえて突撃する。

 ガンエデンの僕、クストースがとびかかって来るがその端から破壊された。

 余波により機体の各部が傷ついていくが、関係ない。

 その先で、ガンエデンが王座で待ち構える頂点者として静座し、フィールドを展開した。

 

 

 

「させるかぁ!!」

 

 

 十傑集のエネルギーを終結させた衝撃のアルベルトの攻撃がフィールドを相殺する。そのエネルギーはライブレードをはるかに凌駕するがガンエデンという存在が相手であればそこまでが限界だった。だが、それでいい。

 融合エネルギーを両腕に宿したライブレードが突撃する。

 そして、突き入れた腕の融合エネルギーを解放する。

 

 

「精神コマンドにすれば自爆、って所か……自爆に始まり自爆に終わる。いいね、悪くない……!!」

 

 

 

 心に広がる皹を感じた。それがもうすぐ自分の意識全てを飲み込むことも。

 後悔は、何一つない。

 

 

 

「……何一つないわけ、ないか」

 

 

 ライブレードが吹き飛んだ。

 両腕、両足、頭部に原型はない。爆発から残った上半身と腰部は原型をたもったが、その衝撃が内部までが無事かは不明だった。

 

 

 しかし、そこまでしてもガンエデンは撃墜されていない。

 フィールドの完全消失と一時的な行動不能にとどまっている。

 だが、それもすぐに修復が追いつくであろう。だが……十分だった。

 ガンエデンの前に少年が舞い降りた。

 

 

 

『ナシム、もういいんだ』

 

 

『バビル……』

 

 

『皆、すまない……この日が来ないことを願ってもいた』

 

 

 

「滅相もございません。我ら、視点は違えど忠義。一片の曇りなく」

 

 

「「「「「「「「「「すべては、ビッグ・ファイア様へ」」」」」」」」」」

 

 

 十傑集がバビル2世に吸い込まれていく。

 

 

『新たな地球の、いや、宇宙の守護者たちよ……わずかだが、君たちの時間は僕が稼ぐ……』

 

 

 ガンエデンより抜き取られた意思が少女の姿となり、どこかへと消えていった。

 そして、バビル2世の意識と一つとなり、ここに地球圏の守護者。

 バビル・ガンエデンが誕生した。こうして、一人の少年はひっそりと舞台から降りたのであった……。

 

 

 

 

 

■■■■■

 

 

 

 

 それから、いくつかの戦いを超えて人類はひとまずの平和を取り戻した。

 宇宙怪獣撃退の為のエクセリオン自爆、それに伴うイージスシールドの強化。

 コロニーをその範囲内に移動する計画。

 ジオン残党と共に消えた、一部のヴァース貴族。

 沈黙を保つザ・データベース。様々な問題は残ったが……

 それでも、人々は平和を手に入れた。

 

 アムロ議員の誕生を始めとした、様々な歴史の変化はどういう歴史を紡いでいくのか。その答えは、サイコ・フレームしか知らないのかもしれない。

 だが、決して楽な道ではない。いや、本来の歴史より過酷な道だろう。

 それでも、人類はなんとか生き延びた。まだ、生きているのだ……。

 

 

 

■■■■■

 

 

 

 

「見てください、はがきが届きました。街に多くの人が戻ってきたそうですよ。相良さんも学校が再開したと、喜んでいるそうです……帰りたいですか?」

 

 

 ヴァース帝国、その片隅で車いすを押していたのはエデルリッゾ。

 そのことばに車いすに乗った少年は答えるわけでもなく、反応すらない。

 ただ、暗い瞳が遠い場所を見つめている。

 

 

 

「そうですね、やるべき事は……終わったのですから、もうあなたは戦うべきではないのでしょう」

 

 

 助けてと、声をかければ目覚めるかもしれない。だが、それはあまりにも残酷なことだと彼女は思った。だから、このままにしておくべきだ。

 幸せではないかもしれない、だが苦しみもしない。なら、このままでいいのだ。

 

 

 その時、扉が開いた。

 白いドレスではなく、白と黒のツートンからのドレスを身にまとった少女はアセイラム姫だ。

 彼女は、抱えていた毛布を車いすの少年の膝にかける。

 

 

「帰りは……私が押してよろしいでしょうか?」

 

 

「姫様……いえ、王女様。もちろんです。彼も喜ぶと思います」

 

 

「さぁ、それはどうでしょう……でもそうだったらいいのですが」

 

 

 少年は答えない、砕けた心と魂はまだそこにあるのか。

 少なくとも、この1年。なんの変化もなかった。回復の兆しすらも。

 ただ、息をして吐き出す。単純な声掛けに従う、機械の様に。それだけだ。

 

 

「おやすみなさい、シンさん……」

 

 

 

 

 

 

■■■■■

 

 

 

 

999:学生兵

 

.$E#$'H

 

 

 

 

 

1000:システム

バッドエンドまであとライブレード1回撃墜だにょ~☆

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 





それは平和の立役者でもないが黒子の様であり
しかし、自分の舞台の上で主役であった

世界の歩みを進めるものであるが、
自身は過去に囚われた囚人であった。

同時に心壊れて解放されてもなお、
世界を案じる優しきものでもあった、って感じです、かねぇ……


読者さん、貴方たちのおかげで私はまた楽しさを見つけられた。
本当にありがとうございます
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