大惨事スーパーロボット大戦α   作:猫者

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ガバSF考察&考察

猫と話しながら2秒で考えました。許し亭許して


幕間 インターミッション3 『先行く道』

 

 トゥアハー・デ・ダナンから連絡が来たのは県境の基地についてすぐだった。

 というよりも、基地に潜り込んでいるものがおり彼を通じて連絡が来たのだ。 

 シンたちは、避難民を基地に預けると連邦の補給戦艦にカモフラージュして

 降下してきたデューカリオンへ搭乗し、それがバレる前にその場を後にした。

 道中、アーバレストのAIブロックを回収しメリダ島の座標に向かった。

 シンたちはそこで合流し、今後の戦略会議を行う事になった。

 

 

「ハガネ、クロガネ、ヒリュウ改。スペースノア級万能戦闘母艦か……」

 

 

「と、いうのはなんなのですか?」

 

 

 調整を協力していたエデルリッゾが後部席から乗り出して問いかける。

 シンは俺も聞きかじりだから、と前振りをしてから3つの母艦の画像を表示してから。

 そのホログラムを背後に流して、エデルリッゾの前に表示した。

 

 

「EOTを用いて建造された万能戦艦。

 外宇宙航行だけでなく大気圏内の飛行、水中潜行を可能とする。

 いわば、小型のマクロスって所だな。これれでどれだけのものかイメージはつくだろ」

 

 

「わぁ……デューカリオンが見落とりしてしまいます……」

 

 

 まぁ、戦闘指揮所が存在しない所も似てるしデューカリオンを建造したデータを流用してると思う。

 ともかく、すげぇ戦艦が3つあり。そこに駐留する部隊も到着してるって所だな。

 

 

「なるほど、無敵ですね」

 

「あー、まぁ、そうだな。実際、奪われかけたメリダ島を防衛してくれたともいってるし、

 アマルガムに対抗できるならそうとも言えるかもしれない……よし、調整完了。データは」

 

 

『クロスプラーナにより、消費効率は6分の1に低下。コスモなんちゃら~!を

 使っても十分な戦闘能力は発揮できそうよ。でも、今回は休息を薦めるわ」

 

 

「だな、流石にな……戦闘後から休んでない。

 俺もかーーー!寝てねぇわ!の時代は終わったわ。素直に疲れてしんどい」

 

 

 動力とシステムを落として立ち上がる。エデルリッゾがあわててかけより、

 からだを支える様にした。シンがなんとも倒れているのでトラウマがあるのだろう。

 まぁ、今となってはそれはないのだろうが疲れているのは確かなので少し体重を預けて立ち上がった。

 

 整備用リフトに乗り、2人で地面に降りたと、男性が敬礼をして待ち構えている。

 

「テツヤ・オノデラ大尉だ。マサキ・ヒノか?」

 

 

「違います! マコト・ゼファー・ヒノ侯爵です!」

 

 

「こ、こうしゃ……?」

 

 

「あ、いえいえいえ!! あってますあってます! なんでありましょうか、大尉殿!」

 

 

「いや、敬語はいい。これより作戦会議がある。すまないが出頭をしてもらいたい。

 のだが、君は作戦指揮の範疇に組み込まれてないので命令権がない。君が決めてくれ」

 

 

「いえ、参加します。参加者は?」

 

 

「各艦長、テスタロッサ大佐、彼女の友人、基地から数名……

 それから、アドバイザーとしてシュウ・シラカワ博士だ。

 内容については各員にストリーミング配信される。太陽フレアによる障害も回復しているからな」

 

 

「分かりました。では、この子も同席させてください。パートナーでして」

 

 

「ほう……?」

 

 

「あ、そういうわけではなく!!」

 

 

「いえ、そういうわけです!!」

 

 

「誤解されるでしょ!!!」

 

 

■■■■■

 

 

 

「アイツは時空振動弾を完成させる、と言っていたわ」

 

 

「時空振動弾……?」

 

 

「マコトさん、私たちと共振してください。それで情報を共有できる筈です

 カナメさんの許可は取り付けてあります。」

 

 

「あ、はい」

 

 

 男や敵だったら、ホイホイ勝手にするのだが女性相手だと申し訳なさが先に来る。

 同調能力というのは、便利なものではない。使えば相手にバレるし煽りにもなる。 

 能力質は劣化するし、上回る事はない。だから、結局は自分次第になる。

 チートの様で便利能力という枠組みでしかないそれは、輝くは時と場合によるとしかいえない。

 非常に不安定なものな上に勝手に作動する時もある。

 

「…………あ、なるほど」

 

 

「すまない。早速だが説明をしてもらえるか?」

 

 

 髭を蓄えた歴戦の風貌を漂わせるダイテツ・ミナセが口を開く。

 テッサに目配りをした後に、カナメはうなずいた。

 

 

「あらゆる物を別の時空へ飛ばすことで消滅させる兵器。

 ABCに次ぐ、D。ディメンジョン。つまり次元干渉兵器よ」

 

 

「あ、あの……全く予想ができないのですが」

 

 遠慮がちにヒリュウ改のレフィーナ・エンフィールドがそう口をはさむ。

 といってもおそらく、多くの人間の代弁でもあるのは間違いない。

 

 

「シンさん、私はかみ砕いて説明するのが苦手です。

 補強はするのでお願いできませんか。今は理解できている筈です」

 

 

「ん? あぁ、分かった……そうだな」

 

 

 パンと手を叩き開くと、球体が出現した。

 空間モニターに浮かんだそれに地という文字を書く。

 

 

「俺たちの世界は3次元空間だ。じゃあ、3次元ってのはなんだって話だよな。

 3次元は4次元という箱に収まった、あるいは4次元という紙に描かれた存在なんだな。

 まぁ、いうなれば時空振動弾は消しゴムか」

 

 

「えぇ、4次元という箱に干渉し、削り取る。

 それによって3次元を部分的に消し去る。防ぐことができない兵器です」

 

 

 シュウ・シラカワがほう、と興味深そうにうなずく。

 

 

「グランゾンですら対抗できないでしょうねぇ……興味深い」

 

 

 その言葉に レーツェル・ファインシュメッカーが動揺をサングラスの下に浮かばせる。

 

 

「シラカワ博士でも、ですか?」

 

「えぇ、グランゾンは時空を移動できます。最大出力なら平行世界移動も可能かもしれません。

 ですが、これはいわば……過ぎ去った過去という時間も含めて平行世界、3次元だからです」

 

 

 シュウ・シラカワが指で線を引く。

 

 

 

「時空というのはかつて、連続体として考えられていましたし、SF作品でもそういう扱いが多かった」

 

 

 4番目の次元である「時間」という箱と3次元とかかれた紙を一まとめにして、

 4次元という箱をホログラムで作り出すシュウ。

 しかしかれはそれをバン!と破壊する。

 

 

「しかし、そうなるとグランゾンの存在も、その能力も成立しないのです。

 量子力学が語る世界像は重なり合う様に、複数の過去と未来が成立している。

 つまり、世界の構造という意味ではこちらの方が正しいといえるでしょう」

 

 

「えーと、なんだろな。俺も理解はしてるけど頭が微妙だから解説が……

 ストップモーションをかんがえるとわかりやすかもしれない。

 あれは動画だけど実際は1コマ1コマが切り取られた写真だろ」

 

 

「なんとなくイメージができた。つまり、時間という存在は我の主観としてでしか存在せず、

 常に我らは別の世界へ動き続けている、という解釈でいいのだろうか?」

 

 

「あ、うん。多分その認識であっていると思う。えーと」

 

 

「クルーゾだ。では、我らを導いているのはなんなのだ?」

 

 

「んー……多分、動画でいえば編集者。この場合でいえば因果律。

 というものだと思う。ただ、俺らには考えがあって意思がある。だから、ある程度道が歪む」

 

 

「だからこそ」

 

 

 シュウ・シラカワは引いていて線に上下させて波の様にする。

 

 

「我らの世界はある程度の余裕、たわみがあるという訳です。

 ですが同時にその余裕を作るためにエネルギーは消費され、

 やがて宇宙は終焉を迎える。まぁ、この辺はいいでしょう。今回、大事な事は一つ。彼の目的」

 

 

 

「……兄は、世界全てを破壊する気なのだと思います。

 3次元、つまり平行世界を含めて。そういう人です。寂しがりやなのですよ」

 

 

「世界そのものを巻き込まれても困るのだがな……」

 

 

「でも、そう思うような生き方を与えてしまったのもこの世界なのではないでしょうか?」

 

 

 レーツェルの呟きに、レフィーナがそう返した。

 そういわれては何も言えないと、思ったのかレーツェルは「そうかもしれない」とだけ口に出した。

 

 

「壮大な自殺か。理解はできん。だが、否定もできんよ。

 我らは今、こうして脅威に晒されながらも人類で争っているのだからな。だが……未来はある」

 

 

 ダイテツの瞳にははっきりとした意思がある。

 本当に未来を信じているのだろう。

 

 

「夢想家と言われようと私は人類を信じる。

 だからこそ、我らはこの苦境を打破せねばならぬ。そうだろう?」

 

 

 その言葉に一同はうなずいた。しかしその中でシンだけが別の事を考えていた。

 

 

(なら、オムニスフィアに干渉して4次元という箱を部分的に弄れないか?)

 

 

 消せるのではないだろうか、この力に災いを振り舞く。

 無限の力、それ自体を…………

 

 

 

 だが、世界のすべてをかけた博打になりかねないそれを、

 行えるかというとシンには自信がなかった。

 

 脳裏に浮かぶのは仲間たちやいなほたち、フリットたちの様な友人。

 そして、二人の少女の姿。

 

 

 

(だが、決定打はこれしかない気がする。

 くそ、何か他にあればな……何か……)

 

 

 選択の時は徐々に近づいていた……

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