大惨事スーパーロボット大戦α   作:猫者

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まともに睡眠取れる日がなくて結構間が開いたような……
いや、すいません。睡眠時間取れないと本当、ぽんこつで……


あと、大きな戦闘か動きがない時はインターミッション表記にさせていただきます。
ずらっと並ぶと手抜きにみえるの所が問題だけど仕方ないね



誤字は明日か明後日確認します。
誤字報告いつもありがとうございました


幕間 インターミッション5 『狭間にあるもの』

 

「無限力を破壊する、ですか……」

 

 シュウ・シラカワは考え込んで黙り込む。

 10数分ほどの静かな静寂の後に、結論を出した。

 

 

「あれが間違いなくそういう兵器ならば可能なのでしょう。

 ですが、それは危険だと私は思います」

 

 

「それは……正と負がバランスを取っているのが世界だからですか?」

 

 

「そうです。相克ともいいます。相反がバランスを生む。

 相克が存在する故にそれは世界続く限り永遠のものであり、同時に

 そのは狭間ともいうべき場所にバランスを取ろうとする無限の力、循環を生む」

 

 

「負が消えれば、正も途絶える。循環もなくなる。

 それは結果的にエントロピーの消失を早め、宇宙を終焉に導くか……」

 

 

 やはり、馬鹿が適当なことなど考えるべきではなかったか。

 と、肩を落とす所にシュウはフフッと妖美な笑顔を浮かべた。

 

 

「いえ、発想自体はあり得ない角度からでした。

 ですが、私自身も人間というものを闘争に駆り立てるのは、

 人間の本能だけでないと思っているのです。検討の余地はあるでしょう」

 

 

 ヴォルクルス教団。そして、暗黒の神に深くかかわり一度は囚われ死と共に解放された彼には、

 それがよくわかっていた。この世界には、目を凝らすだけではつかめない闇も、

 あるいは、サイバスターがかつて宿していたサイフィスの様な光も存在するのだ。

 だからこそ、シュウはライブレードが興味深い存在でもあった。

 

 魔装機に近いながら、それ自身ではない。

 むしろ、精霊を生み出した。まさに『創精機』ともいうべき異質の存在。

 そして、それに宿るのは人工的であり、負念を糧として成長しながらも、

 闇であり光でもある存在として誕生している。

 

 

 理解しきれぬ存在だ。だからこそ、シュウはライブレードをよみがえらせるのに手を貸した。

 リチュオルコンバーターを与えることで、かつての光霊機の様な現象を、

 あるいはもっと異質のそれを発現させるかもしれない。

 ライブレードは彼にとっては知的好奇心の対象だ。

 そして、それは無論。その主操縦手のシンも含めてである。

 

 

「まぁ、過程とするならどんなものにも入り口と出口がある。

 人の手に届かぬ、まさに無限と称する力も高次元の通路を通っている筈。

 それがどこか別れば……その入り口を閉ざす。あるいは破壊することができれば」

 

 

 シンが何か覚えがあるように、頭を少しこんこんと叩く。

 そして、すぐにはっとした顔をしてシュウに詰め寄る。

 

 

「オムニ・スフィアか! そうか、シラカワ博士。

 オムニ・スフィアを破壊するんだ! それだよ、流石天才だ!!」

 

「オムニ・スフィア……? それは?」

 

 

「ウィスパード、念能力。ニュータイプ。この世で発現する超常的な力は

 そこを通るとある存在は言いました。それは多分、ゲッター線や

 ムートロン……だけじゃないか。そう、宇宙怪獣も負の無限力の代行なら

 その意思もそこから伝わっているのじゃないか……と、俺は思います。個人的にですが」

 

 

「魂の観測すら可能なニュータイプ。

 彼らのような力が関わるのなら、そこは霊界……のような場所。ふむ……

 なるほど、興味深い話です。そして、それが高次元への通路であるなら

 3次元側の通路を破壊できれば……可能でしょう。しかし、いくつも問題がある」

 

 

 検討してみましょう。一区切りついたら連絡します。その言葉と共に、

 どこか、ウキウキという擬音が飛び出してきそうな、

 かろやかな足取りのままシンを追い出し、シュウとの話し合いは一方的に終わった。

 

 

 ■■■■■

 

 

「さて、もろもろの和やかな騒動が終わった所で情報の交換と行きたいのですが、

 よろしいでしょうか、キョウスケ・ナンブ中尉殿」

 

 

「えぇ、艦長殿もいいガス抜きができた様子でしたからね」

 

 

「うぅん! まぁ……そうですね、楽しかったです」

 

 

「お立場もありますが、ああやって率先して空気を換えてくれるものが環境にいるのは、

 個人的に良い事だと思います。では……聞いてくださいガイアセイバーズの歴史を」

 

 会議室で淡々と彼がテレサ・テスタロッサに語ったのは、バルマー戦役の裏。

 ゲストとの戦い。そして、その中で現れたアインストという存在の話であった。

 エアロゲイターという敵をロンド・ベルが戦い続けている中で、

 DC特務隊はガイアセイバーズと名を変え活動していたのだった。

 

 

「ゲスト、つまりインスペクターという星間連合の1つですが、

 彼らはすでに倒しました。しかし、同時期に出現したアインストの存在が

 情報として混ざってしまい、それがゲストとして呼称されていました」

 

 

 連邦に加わっていない組織のため、訂正ができず。

 と頭を下げるキョウスケ・ナンブに、テレサはいえいえ、と手を振った。

 そういう部分に関しては仕方ないのだ。自分も、そして、ここにいる

 ロンド・ベルの残党ともいうべきものたちもそういう立場である。

 

 

「では、最近のゲスト発見ありとの知らせは……」

 

 

「南極遺跡の付近で発見されたのは、間違いなくアインストと思われます。

 ただ、我ら3つの戦艦とPT部隊で構成されるガイアセイバーズも

 連邦に追われる身でしたので、その情報を得るまでが限界でした」

 

 

「遺跡を主な研究対象とし、その場から発掘。あるいは解析、再利用を目ざす科学者集団。

 リ・テクノロジスト。通称「リ・テク」。歴史的価値を見出せない

 南極遺跡を長年調査の対象としてる事で最近は規模を縮小でしたね」

 

「LTR機構(Lost Technology Research Organization)

 と違い、DC管轄でない為、資金は回せませんでしたが、スポンサー探しの協力等

 ビアン・ゾルダーク博士は高く評価していた様で連絡を取り合っていたそうです」

 

 

「いた、ですか」

 

 

「えぇ、ゲスト……つまり、アインストの目撃情報は南極付近。その後、

 謎の発光現象の後に連絡が一切ありません。つまり、そういう事だと判断します」

 

「なるほど……」

 

 

 キョウスケの用意した拡大図を見つめる。

 そこには連邦がゲストと認識していたアインスト。

 どこか脳を思わせるような異形の存在。いくつかの機動兵器。そして……

 

 巨大な一つの機体を指さすテレサ。

 

 

「この衛星画像と直前までフェリオ・ラドクリフ氏によって送られていたその場の音声。

 どうやら、共通する通信規格を持たなかったようでオープンスピーカーを使用し、

 会話していたようで、それによると……オメガ・ヴァルザカード。そうです。

 この部分にライブレードが交戦した機体が組み込まれていると予想されます」

 

 

「では、これはザ・データベース」

 

 

「えぇ、そして彼らはこの出現を予期しているかのように表れた様です。

 つまり、デュナミス……音声に残っていた脳の様なものの呼称。そして、同時に

 新たに現れたこちらの機体はメリオルエッセ。これらは協力関係にある可能性が高い」

 

 

 だが、表立って行動は見られないと、締める。

 テレサは写真を見比べている途中で、キョウスケが何かを考えているのに気づいた。

 その表情はどこか険しい様子だったからだ。

 

 

「想像の範疇でも構いません。お話ください」

 

 

「……では。南極で彼らが出現した時、観測された次元の歪みともいうべきもの。

 それと同質のものが観測されたのは2回。1回は我らが対応したアインスト。

 その中でもアインストレジセイアと呼称する巨大存在が次元ゲートを行使した時です」

 

「残りの1回は?」

 

 

「ライブレードが出現した時。つまり、これらは同質のゲートから現れ。

 しかし、別の世界から来たと思われるという事です……ならば」

 

「……これから先も敵は増える可能性は高い、という事ですね?」

 

 

 キョウスケは静かに頷く。

 

 

「味方が現れる可能性もある、とライブレードの例から思いたいのは確かですが、

 そちらの方が可能性としては高い。それが俺と、ビアン・ゾルダーク博士の結論です」

 

 否定できぬ問題の前にテレサは緊張のあまり止めていた息を、深く吐きだした。

 

 

 ■■■■■

 

 

 

「そういやさ、イングラムってどうなったの?

 てか、よく情報吐かせたよね。アイツ、痛みには強そうだけど」

 

 

「情報を吐かせる手段は一つではない。

 ……カリーニン少佐の裏切りで多くの人員を喪ったが

 当時、生きていた担当官は優秀だったそうだ。

 なんでも、裏切者のくそ野郎は自分のくそも食いやがれと肛門部と……」

 

「あ、ごめん、もういい……」

 

 

「む、そうか? まぁ、食事前にする話でもないかもしれん……終わったぞ」

 

 

 そういって、パタンと端末を閉じて、小型のプリンターから紙をちぎり取る宗介。

 

 

「どうだった?」

 

 

 シンの言葉に宗介はあごをなでて瞼を閉じて少し考えた後、、向き直る。

 

 

「とどめを刺しにいかなかったのは直感的な行動だったのだな」

 

 

「レナードにとどめを刺しにいく気はちょっとだけあった。

 ただ、なんつうんだろ……今は逃げた方が良い気がしたというか」

 

 

「運と勘に救われたな。見ろ」

 

 

 そういって宗介の渡してきた紙を見ると、シンはぎょっとした。

 

 

「うげぇ……」

 

 

「お前の機体の全データを入力した結果、ダナンのコンピュータの計算によれば……

 メモリ、CPUを始めハードウェアの負荷率が瞬間的にシャットダウンギリギリになる」

 

「でも、アイツは平気そうだった気がするんだよな……」

 

 

「確証はないが本人も意識していないのだろう。

 そもそも、あのライブレードの意思。いや、AIが発現するまでは

 このような状況にはならなかっただろう。おそらく、スペックは足りていた筈だ」

 

 

「なるほどな。しかし、まさかこういう問題が出てくるとはな……」

 

 

 もともとの操縦席にあるコンパネとモニターの操作で機体状況は把握できるが、

 流石にこの状況は予想外なのかハードウェアの監視装置などはついていない。

 おそらく、キャロルの補助によりライブレードは機能停止まで不自由なく動ける。

 逆に言えば、過負荷状態で不自由なく動けてしまう故に状態を把握できない。

 レナードを始末しにいけば、最後の一撃の瞬間に機体はフリーズ。

 その場で撃墜の可能性もあったわけだと、シンは最悪を考えて渋い顔をした。

 

 

「警報装置みたいのつけておきたいな……」

 

「おう、じゃあ俺がやっとくよ。簡易的なもんでいいよな」

 

 

「うわ、びっくりした! なんでいんだよ、カーム!?」

 

 

 横から、ぬっと自然に出てきたカーム・クラフトマンの登場にシンが後ずさる。

 

 

「いや、人手不足ってことでミスリルにお呼びがかかったんだよ。皆もな。

 言っておくが、今回もちゃんと拒否権はあったぜ? まぁ、装置は俺に任せとけ。

 それにしても……カタクラフトならともかく、シンが特機か……ふーん……」

 

 

 カーム・クラフトマンはライブレードを見上げ、独りでうんうんと頷いている。

 

 

「……な、なんだよ?」

 

 

「未完成だな、こいつ」

 

 

「はっ!?」

 

 

 ライブレードの修復―――いや、もはや新造なのだが

 それはGGGが請け負っていたという。それが未完成などと……

 あっけらかんと、しかし確信をもっていいはなぅたカーム・クラフトマンを

 シンは疑ってしまった。

 

 

「じゃあ、どうやったら完成すんだよ?」

 

 

「いや、それは餅屋は餅屋だろ。ちらっと見たけど、

 意味不明なシステムも多いし、その開発元の協力がいるんじゃね。

 あのサイバスターとかいうのに似てるし、そっちの? まぁ、補助コンは積んどくわ」」

 

 そういって勝手にライブレードの整備をカームは始めた。

 

「シン、シュウ・シラカワに力を借りるしかないだろうな」

 

 

「まぁ、そうだな……(でもなら、あの時博士は何も言わなかったんだ?)」

 

 

 

 カームの言葉が事実なら、それをシュウ・シラカワも理解している筈だ。

 そうなると、彼はあえて欠陥をそのままにしている事になる。

 

 

(あの人なりに、何か理由があるのかもしれない。

 そうなると、むしろ……あの人の視点では未完成な理由は俺にあるのか……?)

 

 

 思い当たる節は山ほどある。だが、直せと言われても100年かかる自信があった。

 

 

 

 ■■■■■

 

 

 

 

『巨大兵器規模ではなく、むしろ人間規模の問題も多く起きている……』

 

 

 

「地球に直接的なワープを阻害する念の波動。その副作用と呼ぶべきものか……」

 

 

 ミリアルド・ピースクラフトの言葉に、ギリアム・イェーガーは悩んだ。

 テスラ研を脱出し、運命のいたずらかミスリルに一足早くたどり着いていた彼は、

 単独で世界情勢の確認に走り回っていた。

 その時、同時にまた生存を隠しながら世界を見舞っていたミリアルドを見つけ、

 彼らは頻繁に情報交換をしていた。

 プリペンターから距離を取り、その存在をひた隠し。闇に徹していたのだ。

 モニターごしのミリアルドが口を開く。

 

 

『ギリアム、やはりあれが必要なのではないか?』

 

 

「……パーソナル転送システム。そして、パワードスーツか」

 

 

『バルキリーの補助として設計を始めたのは聞いている。

 だが、君はあれをダウングレードだといっていた……つまり、ゲシュペンストは

 本来そういうものなのであり、君ならばそれが可能なのではないか?』

 

 

「……そうだな」

 

 

 苦い過去を思い浮かべる。かつて、世界の敵であった自分に。

 そして、そんな自分にすら手を差し伸べ続けた仲間たちに。

 帰りたいと思って、次元転送システムを組み立てた。

 罰として、因果の漂流者となった今。二度とXNガイストを汲み上げるつもりはないが。

 

 

「シャドウミラーの出現。新たな敵の登場。

 世界はすでに我らだけでは守れぬ、か……」

 

 

『トレーズは弱者の世界を望んだ。だが、それは守られる事ではない。

 敗北から学び、強き者になれる世界を望んだ……一般人もまた

 今こそみずからの足で立ち上がるべき時がきた、そう私は思う……』

 

 

「……ミリアルド、不思議に思わないか。

 おかしいとは思わないか?モビルスーツ、サイボーグ、様々な特機。AS

 更には異星人までも一つの世界に存在しているんだ、この世界は……」

 

 

『SFの様に、何者かがこの世界を人工的に造りあげ、

 我々を競わせる。この世界は実験室のフラスコだとでも?』

 

 

「そうなのだろう。だが、我らに意思がある限りそれは越えられる!」

 

 

 ギリアムは拳を握って、そう宣言した。

 二度と未来を疑わぬと決めたのだ、あの時に……

 

 

『……ネルガルにコンタクトを取ってみるとしよう』

 

「あぁ、頼む。連絡がきしだい、開発を開始する(俺はもう疑わない。

 そうだろう、君たちが教えてくれたのだ……アムロ、ダン、光太郎……)」

 

 

 ―――そして、この世界で戦い続ける者たちが今も、私に教え続けてくれる。

 

 

 ギリアムの予知の未来は今だ、暗黒に包まれていた。

 しかし、その中でも儚くもまばゆい光が懸命に輝いている。

 

(人が心に持つ、希望を俺は信じる……俺はもうアポロンにはならん)

 

 

 決意と共に、ギリアムは自分の中でもその光が芽生えるのを感じていた。

 この輝きこそ、エルピス。希望は常に等しく存在しているのだ……

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