大惨事スーパーロボット大戦α 作:猫者
そこに負傷と猫の脱走+捕獲がさらに重なりまして
他にも色々と重なりまして。ふざけてるのか。
すいません、心休まる日もなく恐ろしいほど、間が空いて申し訳ありません。
それにしてもかかってた時期より、そこからの後遺症の回復までが時間かかった
まじでゆるさねぇからなぁ、コロナてめぇ
■前々■
夕日が差し込む教室で独り、読書に耽っていた。
耽っていると言っても実際は夢中になっているわけでもなく。
ただ、これは放課後の時間を潰す習慣。
平和な世界で何をすればいいかわからず、しかし気楽に生きることもできず。
時間を潰す行為を、ルーティン化して生活の一部とすることで自分に言い訳を立てた。
ただ、平和に過ぎていく時間に違和感を覚え、
諸々の説明はあれど、最終的に長々と悩む所作にいら立った相手に
急に「ほれ、行ってこい」とばかりに落とされた世界で何かに備える日々。
何に備えているのか、分からない。
ただ、生まれ変わった世界で普通に生き、普通に学校に通い、
こうして十数年。そろそろ、自分の時間を考えるべきなのかもしれない。
そう、アイツも恋人ができたらしいし……
「違う、違う、それが羨ましい訳じゃ……羨ましいわい!!!」
そうだよ。それが原因だよ。なーにが、世界平和だバランスだ。
フォースだって雑なバランス調整じゃないし、俺も雑でいいだろ。
あの謎パワーなんて「強すぎたからナーフしますね!」の繰り返しで、
毎度、強かった側の力が産廃になり追い込まれてみたいなくそ調整。
いや、世界なんてそんなもんだ。経済も戦争も人の間で巻き起こる、
コミュニケーションさえもわりとそんなんだ。
ア ホ ク サ
俺も中学生というか学生らしく色恋に精を出すわ。
宇宙暦だとか、コロニーだとか、就職の話はあとでいい。
読み終わった本のしおりを先頭に戻す。
明日もまた一から読み始める。十年それを繰り返し。
それでも暗唱なんてできないのだから、自分がアホなのは理解している。まぁ、前世の過ち。間違っても自分が優れてるなんて思い込まない様に前世の今頃の時期の失敗(廚二行動)を繰り返さないためでもあるので、そういう意味では成功している。だが、残念ながら廚二は永続バステなので気を抜けない。
実際、この本も痴愚神礼讃とかいう溢れる廚二感にひかれて読んだら哲学書みたいなものだった時は、がっくりきたが、賢くあるために愚かであることを知れ、みたいな事はどこか納得できる部分がある。
あと、何度も読んでると痴愚の女神モリアはなんか萌えキャラに見えてくる。
俺の想像の中ではしかも巨乳だ。ロングヘア―の。
常に、「全て私のおかげよ!」と自慢ばかりしているちょっとダメそうなお姉さん。
実にいい。まだ使える(意味深)
「真」
「ん、あぁ」
そうか、アイツも部活が終わったか。
今日は彼女さんが友達と遊びに行くから帰ろうって話だったか。
すっかり忘れてたが、口に出すと俺の周囲の評価がさらに下がりそうだ。
黙っておいて、いかにも待ってましたとばかりに帰るとしよう。
「帰ろうぜ、
…………綾人?
疑問と共にぐるっと世界が回り、意識が別のどこかに落ちていく。
いや、そうか。戻るのだ。今の”自分”に、マコト・ヒノに。
帰るのだ、戦乱の世界に。
あぁ、平和な夢が終わるのだと理解して、
目覚めと共に忘れてしまう事を突き付けられて、
抑えつけても流れ出し、堪え切れない思いが波打つ様に閉じた瞼から涙からあふれ出した。
■壱■
「シンさ……またお休み中でしたか」
コックピットで眠っているシンはエデルリッゾとアセイラム姫には見慣れた光景だ。
本人曰く「家の安っぽい布団と違い寝心地良すぎてよく眠れない」との事だが、それが分かりやすい嘘であることを彼女たちは理解していた。
『安全な場所では眠れない』 それが真実だ。
戦艦の個室がある階層は当然、頑丈に出来ている。
リラクゼーションの為に宇宙が見える様な構造でも、厚いバリアがあったりするし、
休憩中の乗務員は安全かつ確実に保護されている。
ロボットは当然、高価かつ重要なものだからそれ以外に、パイロットやオペレーターを始めとした戦艦の操縦員は替えが簡単には効かない。その様な扱いを受けるのも理解はできる。
彼らは能力で選ばれた一流の人材なのだから。
だが、それがシンという人間に絶妙に不安を抱かせることが多かった。
命の取り合いがいつ始まっても不思議ではない世界の中、まるでそこから第三者の様なその場所は、彼の神経を休ませることがない。むしろ無力感を際限なく湧き出させる性根……精神的病とすらも言えるそれを増悪させるには十分だった。
(彼もまたこの世界の犠牲者なのですね、姫様……)
遠ざけても戻ってくる。突き放そうとしても離れる事はない。
世界という線引きの中では、加害者であることを自覚し内に抱える葛藤や苦痛から逃げられない。
多くの兵士が戦いの中で”しょうがない”と自分の心を護るために抱く諦観すらできず、彼は死ぬまで心に傷を増やしていく。心が壊れず、耐えられる。この世界ではそう生まれたのは不幸としか言えない。
彼が戦い、救い続けるのは単なる優しさだけでなない。
それによって満たされる事を求める偽善ならまだ良かった。それは彼を救ったろう。
エゴというには衝動的で、意識する前に戦うべき時に考えながらも剣を取るそれは、無意識の向こうにある『彼が彼として存在する』ものに関わる。言葉にするなら”誰かを傷つける、あるいは傷つけた間違いを許せない”というもの。ヴェイガンは堂々と地雷を踏んだ形になるのもうなずける。
また後にしよう、彼女がそう考えた所で瞼が開く。
もしかすると、自分の声で起きてしまったのかもしれないと悩みながらも、下手に謝ると逆に気にしそうな気もした。なら、あまりそういう素振りを見せない方がいい。いつもの調子で声をかけようとエデルリッゾは決めた。
「おはようございます。いい夢は見られましたか?」
「……ん、そうだな。多分……平和な夢だったと思う。多分」
「平和な夢、ですか?」
「あぁ、よく覚えてないけどそんな感じでさ……夢、そう。夢なんだ」
この世界にそんなものがあるわけない。
自嘲気味に備え付けのダッシュボードを開いてみる。
でも、そこには当然。何もなかった。何を探しているのかと考えて、それは多分本だとシンはそう思った。タイトルもわからない本を探して開き直しても、そこには当然何もなかった。
「……所詮、夢なんだ」
此処は現実なのだからと、自分で自分の言葉を染み込ませるようにシンは独り言ちた。
久しぶりなので、上中下というスマホコミックの如き分割を許しちくり~
安定した状況に戻ったので大分早い筈