大惨事スーパーロボット大戦α   作:猫者

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 煮詰まっちゃった時にAAが組み込めるのを知ったので

 利用しつつあれやこれやでまた再開していこうと思います

 ただ、最近。
 朝早くて夜はものすごく眠いので頑張りますがやっぱり不定期になりそうです。

 週1~週2で1話ぐらいのペースは頑張ってみます


幕間 月のウサギ

 

 

■間■

 

 

「博士、成功ですよ!」

 

 

「結果だけを見れば、だ……しかし、目標を考えれば成功とは言えんな……」

 

 

「結果だけを見れば、ですか?」

 

 

 早乙女博士と助手の会話に作業着をきた神隼人が口をはさむ。

 その表情はやはり、喜ぶ助手たちと違ってどこか不満げであった。

 

 

「ドラゴン……君たちが使っているものではなく、こちらはプロトタイプだ。プロトドラゴンとでも言おうか。万が一を想定して保存しておいたこれを増幅器に使っても、真・ゲッターにエネルギーを50までしか注げなかった……目標は80だった」

 

 

「真・ゲッターは降り注ぐゲッター線をエネルギーに変えられるのでは?」

 

 

「そうだな、その通り。だが自動吸収ではフルパワーまで3年……」

 

 

「だからこそのドラゴン増幅器、という事ですね」

 

 

「うむ……」

 

 

 加齢か戦いの心労か白髪が見え始めた頭髪を掻きながら、早乙女博士はため息をついた。

 

 

 

「あの時、真・ゲッターの出力は10分の1に抑えていた……」

 

 

「あの時……もしや、エヴァ3号機……そして、ライブレードと戦った時の?」

 

 

 うむ、と神妙な面持ちでうなずくと早乙女博士は真・ゲッターを見上げた。

 

 

 

「そもそも完成した後の起動実験の時も、世界の危険を感じるようにゲッターは出力を上げた。その時……眼だ」

 

 

「眼?」

 

 

「そう、眼が浮かび上がった。それを見て理解したのだ。これには意思があり、そして、私のゲッターの開発はここへ向かうためにあったのだと……そして、ゲッターはライブレードにまるで試練を与える様に自らのリミッターを解除し出力を上げた。だがあれでも全開ではない筈だ」

 

 

 

「あ、あれでまだ全開ではないのですか……」

 

 

 ごくりと唾を飲み込む大きな音が響く。隼人の顔は落ち着いた表情だが、内心の興奮を隠せない様に息が少し荒い。

 

 

「その後もゲッターは戦い抜いた。力を抑えたまま……この先はもしかすると、100%が必要やもしれない……だからこそその時に備えて整備をしている。マジンガーの様に、この機体もまた地球の守護者なのだから」

 

 

「博士、俺はそうは思えません」

 

 

「リョウ……」

 

 

 2人の後ろにやってきたのは流竜馬。ゲッターチームのリーダー。竜馬は彼らに近づき、その一歩手前で止まると真・ゲッターを見上げた。

 

 

 

「やはり……あの時、あれを見たのは俺だけなのか……」

 

 

「竜馬くん、何を見たのだ?」

 

 

「ライブレードとぶつかりあったあの日の夜。夢の中で見たんです。黒いサイバスター……いや、あれはライブレードに近い。そして、マジンガーZのようで……いえ、それだけではない。ゲッター。そう、ゲッターだ。大きい。そう、とても、とても大きなゲッターを……いや、違う。あれは……」

 

 

 

 

 

 

チェーーンジ! ゲッターエンペラー1!!

 

 

「(俺だった。あのゲッターは俺だったんだ……)思えば、俺たちはゲッターを使っていたようで、使わされていたのでは……そんな疑問をあの瞬間、感じました」

 

 

 額にびっしりと浮かんだ汗を袖で拭うと、竜馬はどこか怯える様な表情を隠す様に後ろを向いた。隼人はその言葉に納得がいかない様に唇を尖らせる。

 

 

 

「俺はどっちかというとみてみたいね、ゲッターの行きつく先を」

 

 

「だが、ハヤト!!」

 

 

「落ち着け、2人。ともかく、真・ゲッターはオーバーホール。それに出力の安定しないのもその通りだ。ドラゴンも改良されているし、そちらを使えばいい」

 

 

「……はい」

 

 

 それを少し離れた場所で遅れてきた弁慶と武蔵は見ていた。

 

 

「ムサシ先輩、いいんですか? 揉めてますよ、リョウとハヤトの奴……」

 

 

 

「今は何を言っても逆効果さ。オイラには分かる……」

 

 ゲッターに憧れた、適性がないといわれても必死でしがみ付いてきた。

 それほどまでゲッターを愛した武蔵にも真・ゲッターという存在はゲッターの恐ろしさを感じさせた。

 だから、武蔵は言えなかった。真・ゲッターに乗せてくれと。

 弁慶に気を使った訳でもない。ただ、分からなくなったのだ。ゲッターという存在が。

 

 

(リョウ、お前は何かを見たんだな。いや、それだけじゃねぇ。あの信じられない力を発揮した真・ゲッターにも恐れを覚えたんだ。そうさ、この絶大な力がもし奪われて敵になったら……

 そう感じちまったんだよな。分かるよ、オイラだって震えてくるよ……でも)

 

 

 そう、でも自分はゲッターを嫌うことはできない。

 だからこそ、弁慶のようにゲッターを使いこなせない自分の使命とは、

 竜馬と、ゲッターを結ぶ何かになることなのではないか、と武蔵は思った。

 

 しかし、その思いは叶うことはなかった。

 

 

 スーパーロボット軍団の行動不能の時期を狙って最後の決戦を仕掛けてきた恐竜帝国に対して出撃した、武蔵を乗せたゲッタープロトドラゴンのメルトダウンにより真・ゲッターは封印される……

 

 

 

■壱■

 

 

 

「シャアに送られた資料ですか……わざわざ印刷を?」

 

 

「端末とか空間ディスプレイはどうしたって疲れるからな。

 大量の情報を整理するならやっぱこっちが楽。で、どうだ?」

 

 

 恐ろしい速さで書類を黙読するクーラルデュッセは数十枚の紙束を数分で読み終えると、

 それをトントンと綺麗に揃えて机に置いてから、赤い髪をしばるヘアゴムを外して髪を手櫛で流す。

 

 

「光武、地球防衛組、グランベルム……いずれもこちらでは見かけた事はない情報です。

 もしかしたら、政府で秘匿保護されているプラントなら可能性あります。

 彼らの始祖、ジョージ・グレンは天才的技術者であり科学者でもある。情報を持つ可能性はあります。

 最も……農業プラントに偽装されているコーディネーターの方々の居場所は私たちでも」

 

 

 遺伝子改良による新人類、という名目で生まれたコーディネイター。

 彼らの居住地である特殊なコロニー、通称プラントは秘匿されている。

 存在は多くのものが知っているのに、ここまで情報がないのは不思議なものだと思うが、

 都合が悪いことは隠ぺいするというのが古来からの政治なのだ。いろいろ薄暗いものがあるのだろう。

 

 シンは背もたれにのしかかりくるくるとその場で椅子を回転させた。

 

 

 

「行儀が悪いですよ」

 

 

「良いんだよ。お前だけしか居ないんだし……

 だが、何かがあったのはわかってもその詳細がわからねぇんじゃなぁ……」

 

 

 一つ、生じた疑問があった。だからこそ、その答え合わせのために情報が欲しかった。

 

 疑問、状況を進めるため悩む時間がなかった。

 だからこそ、心の奥に閉じ込めていたこの世界は”どうにもおかしい”という感情。

 

 

(スパロボαにしては……そこに近しいながらも単独した状況が連なり、似た状況を生み出している。

 さすがに、さすがに馬鹿の俺でもなんとなく理解してきた。自分の思っていた世界じゃないことを)

 

 

 ―――だから、もしかして……過去に俺以外にも……

 

 

     あるいは、他のものが戦う世界でもその前に別の人がいたんじゃねぇかな

 

 

 

 そして、戦いの果てに世界の不条理に打ち勝った。だから今の世界がある。

 

 そうであってほしい。それなら、復讐につき動かされてきた自分の戦いにも意味がある。

 

 次の正しい心を持つものにバトンをつなぐ。そのために戦える。

 

 

 

「おやおや……」

 

 

「うお!?」

 

 

 椅子にもたれ掛かるシンの頭の下に老人がいる。

 

 帽子をかぶった小柄な白髪、背丈より大きい帽子。

 どれをとっても目立つ特徴だ。しかし、そんな目立つ老人が入ってきたのに気づかなかった。

 というのが異常だった。シンもクーラルデュッセに気付くことなく、部屋に……

 いや、扉は開いていないのだ。ならば、今、ここに突然現れたという他ない。

 

 

 

「とてつもない魔動力だねぇ。いや、ここの言い方だとプラーナというのだったかね……あぁ、お嬢ちゃん。大丈夫。怪しいけど怪しいものじゃないのさ。それにその銃はもう撃てないよ。ほれ、この通りさ」

 

 

 そういうと老人は銃の弾丸を片手でジャグリングする。

 いや、ジャグリングというよりはそれは宙に浮いているように見える。

 

 

 

「だ、弾丸が抜かれて……」

 

 

「さーて、坊や。あんたの話は聞いてるよ。あたしはV-メイ。

 ここに来たのはあんたを見極めるためにさ。邪悪なものの手助けをするわけにはいかないからね」

 

 

 

「は、はぁ……まぁ、俺はどっちかっていうと邪悪な者なんだけど」

 

 

 

 その返答にプハ、と吹き出すとV-メイはシンの背中を軽くたたく。

 

 

「正直ものだね。確かに心の中の消せぬ復讐心は感じる。

 でもまぁ、あんたはそれだけじゃない。ぎりぎりだけどさ合格さ。それじゃあ、いくとしようかね」

 

 

 ―――ヤロレパパ

 

 

 

 そういってV-メイが指を鳴らすと部屋からシンと老人の姿は消えた。

 

 後には目の前で起きた異常な光景に驚き、

 美少女に似合わぬ顔で口をあんぐりとあけたまま固まるクーラルデュッセだけだった。

 

 

 

 

 

 

 

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