大惨事スーパーロボット大戦α 作:猫者
参考にしてたサイト消えて萎えたとか、いろいろあった。本当に申し訳ない
ちょっとわからない。来月には全部おわるかもしれないし、7月までかかるかも……
■間■
「やっぱ、似てるよな……」
ライブレードを見上げてそう呟いたのは、マサキ・アンド―。
サイバスターのパイロットである彼は、ライブレードと己の機体を見比べて、
そう独り言ちた。
「まぁな。実際、前に引っ付いてた腕は間違いなくサイバスターのものだったみたいだぞ」
「うお、いたのか!?」
コックピットからスッと顔を出したシンに驚き後ずさるマサキ。
シンの頭にはサイコミュ調整用のメットの様なもの―――実際、それを改良したものだが、
それを被っている。といっても、改良したという通り、役割は大分違う。
アムロのサイコミュは敵の脳波を受信することで攻撃の先読みをする為と、
ファンネルの操作の補助のために備え付けられている。つまり、間接的なものだが
シンの機体はいわゆる、プラーナコンバータなどにより、機体自身と繋がり、
自分事態をその機体にする。つまり、直接的もの。
腕でカバーできるものでは到底ない為、調整が義務付けられている。
もっとも、ラ・ギアス系列のロボットにはそういったものはさほど必要ない。
これは、もともと。技術不足でサイバスターの複製に近いライブレードを生み出した事と、
そこに地球、ラ・ギアスの技術でそれを補った事。つまり、ツギハギなライブレードが安定性と引き換えに失った整備性の悪さがパイロットにも降りかかっているとも言える。
「いたよ。大体、同列の機体を同時に整備するためにまとめて並べてるんだから、普通はいるだろ」
「そうか? 俺は基本的にアストナージさんに全部おまかせでくつろいでるぜ」
「適当だなぁ。まぁ、自然体が崩れないってのは良い事かもな」
シンはスロープを伝って地面に降りると、軽く肩を回す。
ライブレードの調整は1から10までやると時間がかかる。そして、1から10まで常にその間、コックピットに缶詰であった彼は豪快にゴキゴキ!と体を鳴らす。
それを見たマサキは手に持っていた飲み物を投げ渡す。
シンはやや驚いてそれを受け取る。
「いいのか?」
「俺よかお前の方が必要そうだ。すげぇ疲れた顔してるぜ。ありがたく受け取りな」
「……疲れてる。実際の所、まじで。貰っとくわ」
プルタプをあけたそれを一気に口の中に入れると、恐ろしい速さでぐびぐびという音が繰り返される。
「でも、っかしいな。そこまで疲労するシステムじゃねぇけどな」
「まじ? 戦うたびに死にかけてたよ前まで」
「いやさ、確かに危険な部分もあるぜ。怒りとかで解放されたプラーナを
一気に使っちまうとかさ。でも、それにしたって変だぜ。お前の先輩として言うけどよ」
―――それ、ライブレード以外に別に理由があるんじゃねえか?
■壱■
「混沌(MX)の果てに始まり(α)あり。一つの終焉(Z)にたどり着きし宇宙は
交差(X-Ω)し(スパロボ30)30番目の宇宙にて終わる。まぁ、ある男が語った次元の結末だよ」
「その言い方だとこの宇宙は終わるみてぇじゃん」
「終わるのさね。遠い先か、あるいは目前に迫る危機か。
宇宙の終わりは一つの摂理。人が産まれて死ぬのと同じなのさ。そして、ここは混沌の果て」
「まてまて、婆ちゃん。混沌の果ての始まりの宇宙ってことか?」
「そう、30繰り返しようやく戦いを終える。
その途中の宇宙がここなのさ。いや、”だった” 多くの何かに手を加えられたこの宇宙は今、過程を失い滅びつつあるんだよ」
「難しい……とりあえず、それを防ぐためこんな大掛かりな工場をこさえたのか?」
シンがそういって見下ろした先には数台のロボットが並んでいる。
ただ、ロボットといっても少し等身の低い……いわゆる、SDといわれるガンプラの部類を脳内に想像させる大きさのロボットたちがくみ上げられてる。目の前の老人と同じ、ウサミミの人間たちに。
「戦いの後、耳長族族も邪動族も手を取り合い一つの目的をもって力を備えているのさ。
といっても、あたしらだけじゃダメだったよ。フューリーの協力が大きい所さ」
「フューリー? F、F……あ、怒り」
「なんで単語帳なんて持ってるんだい」
「へへ、友人に作ってもらいましてね……
アルファベット順で結構な数を持ち歩いてるぜ。まぁ、もう学校いけないんだけどね」
最終学歴中卒の重みと高校への未練をひしひしと感じつつ、シンは涙を流した。
Vーメイもそれをなんともいえない表情で見つめながら、とりあえず話を続ける事にした様で、
軽く背中をさすってやってから、ゆっくりとそのあとに細長い部分で一角を指した。
「別の集落にいるのがフューリー。異星人だよ。ここにもいるけどね」
「ほー、その程度には仲が良いんだな」
「ハイパーゲートが暴走した件、地上人も知っているね? 月に重なる異世界のこっちも影響を受けた。
でも、一番ダメージを受けたのは彼らさ。なんせ、彼らは月面にいたんだからね。
地球の征服と交渉かで割れるほどの勢力がなくなったのはあんたらにとっては朗報じゃないかい?」
「異星人でも人の死を朗報って……あ、でもヴェイガンだったらな……
言っちゃうだろうなぁ……というか積極的に刈ってたしなぁ……うん」
殺す対象は選ぶといっても、狂人の部類なのは間違いない。
それを自認しているというのもなんとも変な話だが、それも狂人といえる部分かもしれない。
人は狂えば人である事を失う。前世の記憶。数十年前の記憶。今の時代の記憶。
重なり合い、形成された今の自我は奇跡的な安定性を見せた。
怒り、狂いながらもそれを冷静に閉じ込め。優先するべきを見失わぬ。
そうして出来た冷酷な殺人鬼はフリット・アスノが知る彼より強大な力を得た。
「冷静に考えて、敵が1つ減ったのは良いことだ。そう思っちまった。
最低な人間なんだよなぁ……誰かが死んで、たくさん悲しんだはずなのに。
結果を見て、仲間や大事な人間への脅威が減った。それを安堵に感じてる」
「そうだねぇ。それは一般的な善悪の価値観でいえば最悪なものさ」
「はっきりいうね、おばあちゃん。でもその通りだぜ」
そういって、話を切る。小難しい善悪論をしていてもしょうがない。
結局、この手の話は立ち位置次第で投げてと受け手が同じ場所にいなければ、
憎悪と憎悪がぶつかり合う。あるいは理想と現実のすれ違い。水掛け論にしかならない。
相手を救い、自分たちも救う。そんなやり方を目指すのは良い。
しかし、今日救った命が明日自分の友人を殺すかもしれない。
それを許せる狂人だけが本当の意味で理想を語れる。
最も、多くの場合は世界を脅かす敵としてなのだが……
(フェザール・イゼルカント……)
かつて、葬ったヴェイガンたちやその基地に残っていた彼らを鼓舞する演説の映像。
ヴェイガンを統べる男である彼はまさしく、その部類に属する。
地球人種を一掃するのを目的としながら、
それらに対して猶予ある……といっても、奴隷のような立場としての生存だが、
与えるような話し方をしていた人物。
あの時、プラズマダイバーミサイルで死んでいればいいのだが……
生き残っているならば―――
「だが、俺はそれでいい。変えるつもりもない……というわけで本題だ」
ふつふつと燃える感情を押し込め。腰を落として老人に詰め寄る。
「あんたの剣は直してやったよ。でもね、このままじゃあまた折れるよ」
「そらぁ、形あるもの……」
「そういう話じゃないのさ。
あんたがプラーナを上手く使いこなせていないからさ」
「上手くったて言われてもな……」
基本的に絞るだけ搾り取られながら気合で戦うのがライブレード。
今は大分楽になったとはいえ、そういうものだと思っている。
ただ、必死で戦ってきた。それで動いた。だから深く考えた事はない。
「もうちょい分かりやすく……」
「原油を精製してレギュラーとかにする感じかねぇ」
「なるほど、それが魔動力……」
「だから、必死になれるようにちゃちゃっとアンタが使い方を覚えないと、
ガンガン機体の動きが悪くなる様に剣に別の魔法も組み込んでおいたからね」
「一手の失敗が生死を分ける戦場でそれは致命的すぎるダルゥォ!
最近はそもそも動きが悪いから必死なんだぞ! 鬼か!」
「いやいや、この頭のものは角じゃなくて耳さね。ウサギだからね」
「たとえだよ! 口の上手いばあちゃんだな……」
■弐■
『はぁあああああ!』
迫る鉄の腕を受け止める。避けるという選択肢はない。
相手が驚異的なスピードだったのではなく、ライブレードという機体が余りにも重い―――否。
「ぐっ……! わかってる! 悪いのは俺だ」
『何やってるの! 馬鹿なの!』
「うるさい! 耳元でどなるな!」
『耳元じゃないわよ!! スピーカー!』
「狭い機体内部を反響してんだ。かわんねぇよ!! オラァ!」
自称、機体の精霊に一喝しながら、気合を込めた一閃。しかし、鈍重な腰の入ってもいない一撃が相手に入る訳もない。
赤いカラーリングで塗装されたその機体は、やすやすと一撃を受け止めた。
動きが鈍い。数段鈍い。重りを背負わせられたというより、水の中を移動するようだ。
そして、その体で振るう剣は重みに負け、かつての力強い剣閃は錆び付き見る影もない。
『僕の時は結構、普通に習得できたんですけどね……うーん』
「もしかすると、親族にもともと素養があったのかもな。そういう話聞いたことある?」
『あ、そういえば大河爺ちゃんが月のうさぎにそんな事言われたって……冗談だと思ってたんだけど』
「なるほどね……」
数々の能力のように、大地少年は魔導力。つまり、かつて失われた魔法の素養を持っていたという事だ。
封印しているはずのそれがなぜ、彼に現れたかは分からないが、
長期的なものにエラーが出るのは当然だ。自分もある意味、そうであると言えるとシンは納得した。
「……俺には無理なのか?」
必要ない、と響く自分の心の声。
だが、そんなものは虚勢でしかない。
必要である。敵陣の真ん中でガス欠の心配がある機体など、誰が乗れるか。
「必要だ……」
ライブレードは一人の力ではない。そう思いなおした。
『わぁ!? わっ!?』
「大地くん!? どうした!」
『わ、わかりません。なんか黒い渦が―――』
グランゾートを飲み込む黒い渦。そして、その場所から入れ替わるように現れるのは……
『必死さが足りませんね。それに尽きる』
「お、お前は!」
『少し、レクチャーをして差し上げましょうか』
台風の目、シュウ・シラカワはネオ・グランゾンと共にその場に姿を見せた