前回のあらすじ
アグネスタキオンとマンハッタンカフェが仲間になった!
最近、某三角マークな動画サイトのショート動画の影響で実はカフェは銃マニアなんじゃないかと考えてしまいます。助けてください()
タキオンさんとカフェ姉さんが、チームシリウスに所属してもう2か月。
すでに夏の暑さがじわじわと迫る7月となり、上半期の主要なG1レースはすべて終わってしまった。
「ファイトー!」
「「「シリウス!」」」
マックイーンさんの掛け声を筆頭に、ブラストちゃんとリリスちゃんパンプキンちゃんはランニングを続け
「ぐぬぬぬっ…これ、ほんと、意味あるのかぁ!?ただの苦行だろこれぇ!?」
「た、大切な、研究データには、時に、こういう、データも、必要、なの、だよッ!」
ゴルシとタキオンさんは超大型トラックのタイヤをロープで引きずりながら少しずつ歩き…
「……参りました。」
「中盤あたりで、飛車を前に出しすぎたのが敗因だ。後は思い切りも足りん。」
「…なるほど、奥が深いですね。」
カフェ姉さんは、(指示の合間だけど)酉川トレーナーと将棋を打っていた。
マックイーンさんたちやゴルシたちはともかく、カフェ姉さんのトレーニングは意味がないのでは、と思うのだが…意外と酉川トレーナーが力説してくれたおかげで、将棋の展開を読むことによりレースで何が起こるかを予測しやすくするということが分かった。
…そんな中、私はゴルシとタキオンさんのシューズの点検を行っており…過負荷により歪んでしまった蹄鉄を少しずつ慎重に調整しながら直していた。
「…そろそろだな、いったん休憩だ!全員、軽く体をほぐしてから休憩するように!」
「「「「「「はーい!」」」」」」
おっと、休憩時間みたいだ。
私は、シューズを点検する手を一度止めて日陰に置いてあった荷物からかなり大きいレジャーシートを広げる。
「ふぅ…さすがにこうも暑いと、ランニングでも一苦労ですわ。」
「最近なんて特に暑いですもんねー…」
「暑すぎて溶けちゃうのぉ…」
「なんとでもならないのが気温なんだよねぇ…」
「ぅぇ…で、タキオン。何かつかんだのか?ちなみにアタシはきれいな花畑が見える。」
「はぁ…はぁ……そうだねぇ、なんだか涼しそうな川が見えるよ。」
「むー…まさか4連敗するだなんて。」
みんながそれぞれ軽く体をほぐした後、私のいる木陰へと集まりだす。
疲れてヘロヘロなみんなにスポーツドリンクを手渡し、ついでに酉川トレーナーにも渡しておく。
酉川トレーナーも炎天下の中、カフェ姉さんと将棋を指していたからかかなり汗をかいている。
……ちなみにブラストさんたちがそれを見て顔を赤くしてる。
「みなさーん!お待たせしましたー!」
「あ、ナラクさーん!こっちこっちー!」
そんな事をしていると、最近私のお手伝いをしているナラクさんが冷凍バックを持って駆け寄ってきた。
…なぜ、ナラクさんが最近私の手伝いをしているのかというと、本人がそう望んだからだ。
私のせいでケガをさせてしまって申し訳なく、それを謝ったらむしろやめてください。とまで言われてしまったぐらいで、本人曰く巻き込まれに行ったのは自分からだから気にしないでほしい。とのことだ。
そして、シリウスでの私の作業内容を聞いてその量の多さから酉川トレーナーに怒りつつ、サポートウマ娘として参加した。
「はい、朝にメグルさんが丹精込めて作ってたお弁当ですよー!」
「わぁ、美味しそうな卵焼きですわ!」
「こっちは、たこさんウィンナー…それに、ポテトサラダもあるよ!」
「しかもこの白飯を見てみろよ!このツヤ…きれいすぎるだろ!」
「ふぅん、これはとてもおいしそうだねぇ…どれさっそく、あいたー!」
「ダメですよ、タキオンさん。この前、お昼の時はみんなで一斉にって決めましたよね?」
「カフェ姉さん…何も、(おともだちを使ってまで)叩かなくても…」
「…俺の分は?」
「あ、いたんですね…トレーナー。これです。」
「ナラクが冷たい……」
先ほどまでの元気のなさはどこへやら、お弁当(2段重箱)を見るなりみんな耳を嬉しそうにパタパタさせている。
そしてナラクさん…いくらトレーナーさんが嫌いでもずさんに扱ってはダメだよ?一応、トレーナーなんだから。
「「「「「「「いただきます!」」」」」」
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「ん~!この卵焼きとっても甘くておいしいですわ~!もう手が止まりませんの~、パクパクですわ~!!」
「この唐揚げも美味しいよ!味がしみ込んでて…それにとってもジューシー!!」
「ポテトサラダも美味しいのぉ…」
どうやら、みんなの口に合ったようでそれぞれの重箱からおかずとご飯が次々消えていく。
私も、お弁当をゆっくり食べながらみんなを眺めている。
うん…作る苦労も、美味しいって言ってくれながら食べてくれる姿を見るとまた頑張れるなぁ~。
「午後は全員、プールでトレーニングだからそんなに食いすぎるなよー?」
酉川トレーナーはそういいながら、酉川トレーナー用の小さな弁当を食べている。
ちなみにあのお弁当箱は酉川トレーナーの私物らしく、私に渡してきた。その理由は、あまりものでもいいから詰めといてくれ。とのこと…
さすがにそんなことを言われても、困るので普通に作って(少しだけ作りすぎたものも)お弁当にして渡しているのだ。
ナラクさんには微妙な顔をされたが、それでも作る側としてあまりものを出すわけにはいきません!
「あ”ー?アタシらからメグメグの弁当を食う権利を取るのかー!?」
「なんですってー!?許しませんわ酉川トレーナー!!」
「ひどいじゃないかトレーナー君!私なんてカ〇リーメ〇ト以来固形物を食べてないんだぞー!?」
「「!?」」
「タキオンさんの一言で、メグルさんとナラクさんが硬直しました……」
「さすがにちゃんと晩御飯はきちんと食べてるから安心してくれたまえ?」
「…タキオンの冗談はともかく、それで泳いでる途中で気持ち悪くなっても俺は知らんぞ?」
そういえば午後にプールトレーニングがあることを忘れていた。
どうしよう、ちょっと作りすぎちゃったかなぁ~…
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side:シリウスのウマ娘たち(第3者視点)
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お弁当を大量に作ったメグリメグルが少しだけシュンとした表情と共に、ウマミミがすこしさみしそうに動く。
それを見たマックイーンたちは(ここから先は目線で会話しています)
(どうしますの!?このままでは、メグルさんに申し訳が立ちませんわ!!)
(で、でも午後はプールトレーニングですよ?!お、乙女の尊厳が危ういんですよ!?)
(きゅ、究極の二択なのぉ。)
(お、オノーレー!)
(…こ、この私が間違ったとでもいうのかい!?このアグネスタキオンが!?)
(ど、どうしましょう…いっそのことコーヒーで……いや、それはなおさら悪手…)
(お弁当をコーヒーで無理やり流し込んでるって誤解されるかもね)
全員が、乙女の尊厳と(せっかく美味しく作ってくれた)メグリメグルの悲しい表情を天秤にかけて悩みだす。
この時…全員忘れているが、ナラクシンドロームに押し付けることもできる!その方が一番確実である!!
しかし、ナラクシンドローム(左耳リボン)はメグリメグルの熱狂的なファン!もしそんなことをすればナラクシンドロームからなんて言われるかわからない!
詰み!圧倒的究極の二択!!
マックイーンたちはここまでか―!?
(ふっ、みんな甘いな…)
そんななか、ゴールドシップは『なんか切り開きそうな覚悟』を決める。
心なしか、画風が変わってゴゴゴゴというオノマトペが似合いそうになっている!!
(ご、ゴールドシップ!?あなた何を!?)
(『メグメグの弁当を完食する』、『乙女の尊厳も守る』…両方やらなくちゃいけないってのが、『メグメグの親友』のつらいところだな…覚悟はいいか、アタシはできてる。)
そう目線で伝えると、ゴールドシップは迷いなく一気に弁当の中身を食べつくした!
しかも、目元は黒く塗りつぶされたかのように見ることはできない!!
(いっ、行ったぁっ!何の迷いもなく、メグルさんのお弁当を食べつくしたぁっ!!)
(おかずやご飯を残さず食べつくした!)
(そこに痺れるぅ、憧れるのぉ!)
(あ、あなた…本当にやる気なんですの!?)
(む、無茶だゴールドシップ!いくら君でも…)
ゴルシを心配するマックイーンたち…
だがしかし!
(あなたの覚悟は見届けました……ならば、私も全力でお姉ちゃんを執行します。)
(カフェ!?まて、やめろ!?落ち着くんだカフェ―!!)
ゴルシに続くようにカフェがメグリメグルのお弁当を食べつくす。
(わ…わたくしも、わたくしだってやってやろうじゃねぇですのぉ!!)
(マックイーン!お前もか!!)
カフェの姿を見届け、マックイーンも続き…全員覚悟を決めて、メグリメグルのお弁当を食べつくす。
全員完食するのを見届けると、メグメグはとてもうれしそうな表情を浮かべて、ピコピコとウマミミを動かしている。
「あ、ちなみにプールでのトレーニングは1時からな。1時間30分ぐらい自由時間d――――――」
「「「「「「このトレーナーがッ!!」」」」」」
「結局こんなオチかよ!!」
「いきなりどうした!?」
「…あ、あはは。」
「メグルさんのお弁当、美味しい…今度レシピ教えてもらおう…」
結局、酉川トレーナーのせいでシリウスの乙女たちの覚悟は無駄になるのでした。
なお、自由時間はみんなでのんびりと過ごし、いつの間にかお昼寝してました。
ちなみに、この時…メグリメグルが適当な鼻歌を歌い、みんなそれを子守唄にしたとか。