前回のあらすじ
秋に向けたトレーニング!
午後のプールトレーニングも無事に終わり、シリウスのトレーナー室。
全員のスタミナ不足を懸念して念入りに酉川トレーナーが指導したおかげで、私とナラクさんを除いたみんながダウンしている。
…あと、デジタルさんもついでにシリウスのトレーナー室でダウンしている。
「すみません、酉川先輩。自分たちまでお邪魔させてもらって…」
「いいっていいって、元々はこっちが割り込んだんだ。少しぐらいゆっくりしていきな」
そう、今日の午後はデジタルさんとそのトレーナーさんが予約していたのだが、手違いがあったらしくシリウスの予約も入ってしまったらしい。
それでちょうどバッタリ会ってしまい、危うくデジタルさんが鼻血を噴き出しそうになったのだが私が声をかけた途端、勇者となりついでに合同トレーニングをすることになったのだ。
「はい、どうぞ!デジタルさんのトレーナーさん!」
「あ、ありがとうございます。」
「…ナラクさん?俺のは?」
「……こちらです。」
「わかってはいたが、視線が冷たい()」
「先輩、あの子に何かしたんですか?」
「4割誤解、6割自業自得だ…気にしないでくれ。」
「はーい、みなさーん!デザートできましたよ!!机を開けてくださーい!」
「「「「「「「!!」」」」」」」
私がそう声をかけると、デジタルさんを含めた全員が目を輝かせて飛び起きる。
今回は疲労回復によく効くお菓子(はちみつレモンチーズケーキ)をメインに作っており、用意した紅茶もお菓子に合わせた少し渋めな紅茶にもしてある。
丁寧に置いて、お菓子を並べるとみんながまだかまだかと耳をピコピコ動かしながら私をちらちらとみている。
「はい、どうぞ!」
「「「「「「「いただきまーす!」」」」」」
「おいしいですわ~!疲れた体に即効届くこの糖分!体の節々まで優しい味わいが響きますわ!パクパクですの、手が止まりませんわ~!」
「わかってるな、マックちゃん!メグメグの作るものは全部やさしさでできてるんだ!残さず食わないと罰が当たるぜ!!」
「…この美味しさ、手が止まりません。」
「かふぇ~ほんなにほおはらなふへもいいひゃないか~(カフェ~、そんなに頬張らなくてもいいじゃないか~)」
「乙女の疲れに甘ーいスイーツを一つ。次回のレースでお会いしましょう、レアチーズケーキ。」
「いつも皆さん、こんなにおいしいものを食べてたんですね!しかもこれ、あのメグルさんの手作りですもんね!尊死してる場合じゃねぇっ!!(勇者の側面)」
マックイーンさんの食レポにうなづく、他のみんな。
そこまで、大急ぎで食べても変わらないと思うんだけど…
「み、みんな?そんなに急いで食べられるとおかわりが間に合わなくなるから…」
「ふむ、やはり…メグルさんのスイーツはに優雅に食べるのが一番ですわ。(優雅の使命を果たすべく)」
「そうですね、マックイーンさん!」
「紅茶がすすむのぉ~。」
「落ち着いて食べるのがちょうどいいんだよね~」
「やっぱり、メグメグのお菓子は美味しいよな!」
「ふぅん…やはり、メグル君の淹れる紅茶は一番だ。そうは思わないかね?カァフェ~?」
「ふふっ、甘いですねタキオンさん。メグルはコーヒーを淹れるのも上手なんですよ?(姉マウント)」
「先ほどまでの爆食いと正反対のゆっくりな乙女たち。なんだこの手のひら返し()」
「あぁ、この空間にいるだけでも疲れが消えていくようですぅ~……シュキ。」
私がそう言った途端に、先ほどまでの大慌てな食べ方はどこへやら全員ゆっくりと女の子らしい食べ方を始める。
みんななかったようにしてるけど、ごまかせてないからね?特にマックイーンさん、口元に食べかすがこびりついてますよ。
あとゴルシ、貴方どうやったらチーズケーキを頬に張り付けられるの?それお弁当どころか、一種の異能だよね?
「すごい統率力ですね、彼女。」
「統率力、というよりかは彼女の人柄だろうな。」
「人柄…ですか?」
「あぁ、メグルは良くも悪くも目立つ。んで、そのうえで他人に対して親身になる。仲間や友達のためなら苦を苦と思わないようなそんな優しい子さ。正直、俺でも感謝しきれねぇぐらいにな」
…酉川トレーナーのうれしい評価を聞きつつ、私は次のお菓子の用意をする。
ループの元凶かもしれないだけで酉川トレーナーも根はまじめで、どれだけ多忙で苦しくとも個人個人別々に扱ってくれる人だ。
…きっと、この調子なら酉川トレーナーもこのループで、止まってくれるだろう。そんなささやかな希望を持ちつつ私はみんながいるところに次のお菓子を運ぶ。
(あぁ、楽しいな!今が一番、充実している気がする!)
「…楽しそうですね、メグル。」
「へっ、そう見えた?」
「はい、メグルさんの笑顔!かわいかったですよ!!」
「やっぱり、メグルさんは笑ってる時の顔が絵になるのぉ~。」
「リリスちゃんの言うとおり、メグルさんは笑っているのが一番似合うよ!」
「そうですね…特に、美人なメグルさんの笑顔なんて百点満点です!」
カフェ姉さんに続くように、ブラストちゃん、リリスちゃん、パンプキンちゃん…そしてデジタルさんもそう言ってくれる。
「ふぅん…カフェ。キミも笑ったらいいんじゃないか?」
「そうですね、タキオンさんが面白いことを言ってくれたら、嗤ってあげますよ。」
「…なんだか言葉のニュアンスが違ったような気がするねぇ」
「最近カフェが私に似てるんじゃないかと心配になってきた。」
「せっかくなら、写真の一枚でも撮るべきでしたわ。」
「おっとそうは問屋が卸さないぜマックちゃん!メグメグの写真は有料だ。きちんとお代をアタシに払ってもらおうか!
「あら、では…わたくしは問題ないですわね。何せ、メグルさんはわたくしの(大切な仲間的な意味合い)ですし。」
「あぁん?このゴルシ様、売られた喧嘩はごまんと転売してきたんだぜぇ?メグメグはア・タ・シの(親友+α的な意味合いで)だ!」
「…それを言うのならば、メグルは私の(姉妹的な意味合いで)ですけれど?」
「「すみませんでした。」」
私とカフェ姉さんが姉妹ということをからかうタキオンさんと、私をめぐって争いかけカフェ姉さんになぜか敗北しているマックイーンさんとゴルシ。
…それが、どうしてもおかしくて
「ふふっ…もう、笑わせないでくださいよぉ~。」
どうしても、笑顔がこぼれてしまう。
「…いい場所ですね、シリウスは」
「ちなみに手伝いを探してるんだが、どうだ?」
「…トレーナーがトレーナーをウマ娘ごとスカウトするのってどうなんです?」
「チーム勧誘だから問題はないな。」
「…お受けしますよ、そのお話。デジタルの成長にもつながりそうですし。」
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…そして、マックイーンさんが帰る直前
「ああ、そういえば酉川トレーナーさん。おばあさまが個人所有の島を夏合宿に使っていいとのお話が」
そんな言葉を言い残して帰っていった。
「「えぇ?」」
唐突なことに、目を丸くして驚くトレーナー二人。
そしてこの後、トレーナー二人は頭を抱えて徹夜し泣きながら書類作成とスケジュール調整を頑張ったという。
アグネスデジタルとそのトレーナー”
ついに作者が追加する最後のシリウス加盟ウマ娘であるデジたんが加入しました。
これ以上の作者独自の追加ウマ娘は(モブウマ娘を除いて)いません!
トレーナーもです!!
ちなみに小鳥遊トレーナー。
実は…酉川トレーナーの後輩で、小鳥遊トレーナーが卒業時は主席卒業だった天才だったりします。