前回のあらすじ
黒服登場
あれから大体3時間ほど、外が夕方になり始めたころに私は無事に無罪を証明し、トレーナーさんが身元引受人として迎えに来てくれた。
「任意同行でお時間を取らせてしまい、申し訳ありませんでした。」
私を警察署に連れてきたウマ娘の刑事さんとその部下の何人かの刑事さんがきれいな直角を作りながら頭を下げる。
私もトレーナーさんも気にしていないので目を合わせるが、気にしないでほしいのですぐに頭をあげてらった。
「それにしても、どうしてメグルに容疑が?」
「細かいことは秘匿情報ですので、お答えはできません。しかし、タレコミ…『そういう情報があった』としか言えないですね。」
「…なるほど、今回ばかりはどうもきな臭いな……なら、それなら『エヴィルクロー』という中央トレセンの生徒を調べてみてください、刑事ドラマでよく見る動機は彼女は確かに持っています」
「『エヴィルクロー』さん、ですね。情報提供、感謝いたします。では、お気をつけておかえりください!」
私とトレーナーさんは刑事さんたちに見送られながら、トレーナーさんの車でトレセン学園に帰り始めた。
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「それにしても、『捜査五課』とは……」
酉川トレーナーが小さい声でそうつぶやく。
もちろん、助手席に座る私はそんな言葉を逃さずにすこしだけ気になった。
もしかして、酉川トレーナーには、警察関係者がいるのだろうか……
「…酉川トレーナー?」
「あぁ、独り言だ。それより、何か変なことをされたか?」
赤信号のため、トレーナーが運転する車が停止する。
そして私をチラ見するトレーナーさん。おそらく本当に心からの心配なのだろう。なら、私も隠す必要は無い。
「いえ、特に何も。」
「そうか、メグルが無事で何よりだ。だが、辛かったら直ぐに言えよ?」
そう言われて、すこしだけ顔が熱くなるのを感じる。
「……(あーもう、調子が狂う。)はい、頼りにしてますよ?」
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「離しなさいローズ〇ップ!わたくしはわたくしの務めを果たすだけですわ!!」
「誰がお嬢様学校のスピード狂だよ!?てか落ち着けマックイーン!ただの任意同行だし、トレーナーがもう迎えに行っただろうがっ!それにそっちは出入口のドアじゃなくて窓だかんな!?」
「男は狼なのですわー!たとえ酉川トレーナーであろうとわたくしの大切なメグルさんには手を出させませんわ!あの天然人たらしの毒牙にかかる前に助け出すんですわー!!」
うわぁ………………。
私がチームシリウスのトレーナー室のドアを開ければスグそこは大惨事。マックイーンさんがグルグル目で大暴れしていて、それをなんとか抑えているゴルシ。三人娘はトレーナー室の私の机に隠れておりその影からマックイーンさんをみている。
……そっと扉を閉めて見なかったことにしたい光景だが、残念なことにこれが現実なのだろう。マックイーンさんがグリンと(シャフ度で)首を回して私を見た。ちょっとした恐怖映像なのは黙っておこう……。
「メグルさーーーーん!無事でした!?何もされませんでした!?」
「は、はい……ただの任意同行でしたし丁寧な対応でしたよ?」
「ほらだから言ったろぉ!?だからマックイーンその怒気を押さえてくれよぉ〜……」
「黙りなさいシルバー〇ャリオッツ!!」
「誰が髪型が柱のような男のスタンドだよ!!せめてゴールド・〇クスペリエンスだろうが!!」
随分とマックイーンさんが大荒れしている。
あのゴルシが、ツッコミ役になるぐらいには大荒れしている。
「マックイーン……降着になったもんは仕方ないだろうが、それにメグルの容疑は晴れたし、何をそんなに慌ててんだよ。」
「っ……なにも、慌ててなどいません。失礼します。」
暴れていたマックイーンさんが、酉川トレーナーの一言で落ち着きを取り戻すけれど、暗い表情を浮かべて足早にトレーナー室から出ていってしまう。
(ゴルシ?)
(アタシにも分かんねぇよ。どうなってんだぁ?)
マックイーンさんに詳しいゴルシに聞いてみるけれど、ゴルシは首を横に振って首を傾げる。
やけに静かなトレセン学園が、すこしだけ恐ろしく感じた。