とあるモブウマ娘が、ループするお話。   作:ライドウ

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前回のあらすじ

マックイーンの期待とIFルート



展開に悩んでいたら投稿が遅れてしまった()


Re:メジロマックイーン 4R

 

「それは、”ダメ”です。」

 

…メグルさんが、諭すような優しい声で私を叱る。

ダメ?どうして、どうしてなのですか?

もうわたくしは、十分に頑張った。もうわたくしは頑張れない。

走る気にもなれない、誰かを信じられない…そんな中、アナタだけは信じられるのに…どうして?

 

「…もう、わたくしが逃げても誰も怒らないのでしょう?もう、わたくしに…誰も()()()()()のでしょう?」

「マックイーンさん、それは違います。」

「逃げていいとおっしゃったのはアナタでしょうッ!なら、なぜ全部から逃げることを許してくれないのです!?」

「私はッ!……私は、苦しみや怖さから逃げていいといった。全部を…メジロマックイーン(自分)を捨てて逃げていいなんて言ってません。」

 

少しだけ、メグルさんのわたくしを抱きしめる力が強まる。

どうして、どうしてわたくしを否定するのですか!?

アナタは、アナタだけはわたくしの味方であると信じていたのに!!

 

「う…()()()()!……ぁ」

 

あ…ち、ちがう…わたくしは、そんなことを言いたいんじゃない。

どうしてそんな言葉が出た?どうしてそんなことを言ってしまった?どうしてそれを言葉にしてしまった?どうしてそんなことを思ってしまった?ちがうメグルさんはわたくしの為に頑張ってくれて……メグルさんは、メグルさんはわたくしの友達で、大切な人で…それで、それで…

 

「私は、アナタを裏切ったつもりはありません。」

「あ…ぁぁ……」

 

涙が…ポロポロとこぼれだす。

メグルさんの輪郭が涙でぼやけて見えなくなる、拭いても…拭いても……止まらない。

 

「私は…マックイーンさんに何と言われてもいい、マックイーンさんに嫌われたっていい、けれど…それ以上につらいのはマックイーンさんのはずです。」

「ごめん…ごめんなさっ…わたくし…わたくしはっ!!」

 

メグルさんは、わたくしをまたそっと抱きしめてくれる。

優しい抱擁に包まれてもなお、わたくしの涙は止まらない…

 

「…いいんですよ。マックイーンさん、今ここで…あなたの本音を聞くのは私だけですから。」

「……勝ちたかった、おばあさまとおじいさまの思い出の天皇賞を…わたくしは勝ちたかった!わたくしは、わたくしは誰も邪魔してないのに…どうしてわたくしが降着だったんですの!?わたくしは誰の邪魔をしていないのに!!どうして、どうしてなんですの?!」

 

メグルさんの言葉で、心の奥底にしまい込んでいた本音が次々にあふれ出す。

降着したことに納得したのは嘘だった…本当は納得していなかった。トレーナーさんが必死に抗議して、それでも覆らなかった結果が、とても悔しかった。

でも…でもっ……

 

「それ以上に…それ以上にメグルさんとの約束を2回も破ってしまったのが一番悔しかったっ!!」

「マックイーンさん…」

 

…宝塚記念でライアンに敗れ、二度と負けないとトレーナーさんと再確認したあの日…そして、今回のことでメグルさんとの約束を2回も破ってしまっている。

 

 

「トレーナーさんの思いも、メグルさんの思いも…みんなの思いを背負って精一杯走って…それで、それで負けたのがとても悔しいですわっ!!」

 

 

すべてを…すべてを吐き出した。押し込めていた悔しさや…押しとどめておきたかった本音を。

涙は大粒のままいまだにポロポロと零れ落ちている、けれど…けれどその心はどこか晴れやかなものだった。

メグルさんは、何も言わずにわたくしをそっと優しく抱きしめてくれる。どんなに泣いて制服が濡れてしまっても…何も言わずに頭をなでてくれる。それが、それがどうしても暖かくて…うれしくて……だから、涙はまだ止まらなかった。

 

~~~~~

 

しばらく…しばらく泣き続けて……わたくしはようやく泣き止むことができた。

 

「マックイーンさん、もう…いいんですか?」

「…えぇ、もうスッキリとしましたわ。」

 

嘘ではない、心も頭も…何もかもがすっきりとして冴えわたっている。

ふさぎ込んでいたものをすべて吐き出し、余計なことを考えなくなったからだろうか…窓から差し込む夕日に照らされたメグルさんが、美しく見える。

 

「情けないところをお見せしてしまいましたね。」

「全然いいんですよ?むしろ、マックイーンさんがすっきりしたならそれで充分ですから。」

 

えへへとかわいらしい笑みを浮かべるメグルさん。

あぁ、この笑顔だ。わたくしが一番見たいものは…メグルさんの……チームみんなの笑顔なのだ。

 

「わたくし…どんなことがあっても、もう前を向きたいと思います。」

「それは、本気なんですか?」

「ええ…でも、また折れてしまうかもしれません。だから、その時は…」

「…わかりました。その時はまた、慰めればいいんですね」

「はい、お願い…できますか?」

「任せてください、マックイーンさん。」

 

そう言って、メグルさんはわたくしを立ち上がらせてくれる。

そして手を引いて、わたくしが歩いてきた道をゆっくりと戻っていく。

 

「……いいですか?マックイーンさん、今から聞こえることは全部無視してください。」

「…はい?」

「約束です、こればっかりは破ったら許しません!二度と私のケーキは食べられないと思ってくださいね!!」

「そ、そんな~!よよよ~……」

 

メグルさんはわたくしの手を引いて歩くことをやめない。

外の夕日が、だんだんと明るくなっていく。

 

『ふざけんな!マックイーンのせいで俺が応援してたウマ娘が引退したじゃねぇかッ!!』

「…っ」

「マックイーンさん。」

「…はい。」

 

…………。

 

『マックイーンが走るレースはつまらない。だってマックイーンが必ず勝つんだもの』

 

………。

 

『私の…私の夢は、マックイーンのせいでつぶれたッ!アイツなんて、アイツなんていなくなればいいのに!!』

 

……。

 

『一番はマックイーンでしょう、誰も予想できる()()()()()です。二番手を当てる方が楽しいですよ。』

 

…。

 

『マックイーンが』『マックイーンが

マックイーンが』『マックイーンが

マックイーンが』『マックイーンが

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『『『『『マックイーンが』』』』』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「………ここは?」

 

いつの間にか、わたくしはチーム『シリウス』のトレーナー室の前にいた。

 

「…メグル、さん?」

 

いつの間にかつぶっていた瞳を開けば、わたくしは一人でそこに立っていたのだ。

私の手を握って、導いてくれたメグルさんは…いつの間にかいなくなっていた。

窓の外を見てみれば、いつの間にか外は星が見え…月が顔をのぞかせていた。

 

ま、マックイーンさんが行方不明ですって!?そ、そんな…本当なんですね!?

おいおい、嘘だろ!?クッソ…無事でいてくれ、マックイーン!!

 

トレーナー室の中から、酉川トレーナーと小鳥遊トレーナーの怒声が聞こえる。

 

俺が探してくる、小鳥遊はここで……ッ、マックイーン?!」

「ふぇっ!?」

 

大きな声で声を掛けられ、わたくしは驚いてしまう。

 

「お、お前どうしてこんなところに…そ、それより怪我とかないのか!?本当にマックイーンなんだよな!?」

「お、落ち着いてくださいまし酉川さん!わたくしは本人ですよっ!」

「はぁ~…よかったぁ………。」

「…マックイーンさんならこちらで発見しました。はい、先生方や探している皆さんにもそうお伝えください。はい、ありがとうございます。」

 

…わたくしは、今までどこにいたんだろうか。

確かにわたくしは、自分の荷物を取りにロッカールームに向かって…そのあとは?

…どうしても、思い出せない……けれど、わたくしの心は晴れ晴れとしている。

そう…まるで、澄んだ青空のような清々しさが……

 

(…もう少し、頑張ってみましょう。)

「トレーナーさん、その…相談したいことが。」

「……あぁ、ここじゃなんだ。入ってくれ、廊下は寒いだろう?」

「お邪魔しますわ。」

 

 





マックイーンって、ギャップ萌えもできるから一人でかなりお得な気がする
というか「おまけ2R」のアンケート受付を終了させるの忘れてた。


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