前回のあらすじ
マックイーンの期待とIFルート
展開に悩んでいたら投稿が遅れてしまった()
「それは、”ダメ”です。」
…メグルさんが、諭すような優しい声で私を叱る。
ダメ?どうして、どうしてなのですか?
もうわたくしは、十分に頑張った。もうわたくしは頑張れない。
走る気にもなれない、誰かを信じられない…そんな中、アナタだけは信じられるのに…どうして?
「…もう、わたくしが逃げても誰も怒らないのでしょう?もう、わたくしに…誰も
「マックイーンさん、それは違います。」
「逃げていいとおっしゃったのはアナタでしょうッ!なら、なぜ全部から逃げることを許してくれないのです!?」
「私はッ!……私は、苦しみや怖さから逃げていいといった。全部を…
少しだけ、メグルさんのわたくしを抱きしめる力が強まる。
どうして、どうしてわたくしを否定するのですか!?
アナタは、アナタだけはわたくしの味方であると信じていたのに!!
「う…
あ…ち、ちがう…わたくしは、そんなことを言いたいんじゃない。
どうしてそんな言葉が出た?どうしてそんなことを言ってしまった?どうしてそれを言葉にしてしまった?どうしてそんなことを思ってしまった?ちがうメグルさんはわたくしの為に頑張ってくれて……メグルさんは、メグルさんはわたくしの友達で、大切な人で…それで、それで…
「私は、アナタを裏切ったつもりはありません。」
「あ…ぁぁ……」
涙が…ポロポロとこぼれだす。
メグルさんの輪郭が涙でぼやけて見えなくなる、拭いても…拭いても……止まらない。
「私は…マックイーンさんに何と言われてもいい、マックイーンさんに嫌われたっていい、けれど…それ以上につらいのはマックイーンさんのはずです。」
「ごめん…ごめんなさっ…わたくし…わたくしはっ!!」
メグルさんは、わたくしをまたそっと抱きしめてくれる。
優しい抱擁に包まれてもなお、わたくしの涙は止まらない…
「…いいんですよ。マックイーンさん、今ここで…あなたの本音を聞くのは私だけですから。」
「……勝ちたかった、おばあさまとおじいさまの思い出の天皇賞を…わたくしは勝ちたかった!わたくしは、わたくしは誰も邪魔してないのに…どうしてわたくしが降着だったんですの!?わたくしは誰の邪魔をしていないのに!!どうして、どうしてなんですの?!」
メグルさんの言葉で、心の奥底にしまい込んでいた本音が次々にあふれ出す。
降着したことに納得したのは嘘だった…本当は納得していなかった。トレーナーさんが必死に抗議して、それでも覆らなかった結果が、とても悔しかった。
でも…でもっ……
「それ以上に…それ以上にメグルさんとの約束を2回も破ってしまったのが一番悔しかったっ!!」
「マックイーンさん…」
…宝塚記念でライアンに敗れ、二度と負けないとトレーナーさんと再確認したあの日…そして、今回のことでメグルさんとの約束を2回も破ってしまっている。
「トレーナーさんの思いも、メグルさんの思いも…みんなの思いを背負って精一杯走って…それで、それで負けたのがとても悔しいですわっ!!」
すべてを…すべてを吐き出した。押し込めていた悔しさや…押しとどめておきたかった本音を。
涙は大粒のままいまだにポロポロと零れ落ちている、けれど…けれどその心はどこか晴れやかなものだった。
メグルさんは、何も言わずにわたくしをそっと優しく抱きしめてくれる。どんなに泣いて制服が濡れてしまっても…何も言わずに頭をなでてくれる。それが、それがどうしても暖かくて…うれしくて……だから、涙はまだ止まらなかった。
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しばらく…しばらく泣き続けて……わたくしはようやく泣き止むことができた。
「マックイーンさん、もう…いいんですか?」
「…えぇ、もうスッキリとしましたわ。」
嘘ではない、心も頭も…何もかもがすっきりとして冴えわたっている。
ふさぎ込んでいたものをすべて吐き出し、余計なことを考えなくなったからだろうか…窓から差し込む夕日に照らされたメグルさんが、美しく見える。
「情けないところをお見せしてしまいましたね。」
「全然いいんですよ?むしろ、マックイーンさんがすっきりしたならそれで充分ですから。」
えへへとかわいらしい笑みを浮かべるメグルさん。
あぁ、この笑顔だ。わたくしが一番見たいものは…メグルさんの……チームみんなの笑顔なのだ。
「わたくし…どんなことがあっても、もう前を向きたいと思います。」
「それは、本気なんですか?」
「ええ…でも、また折れてしまうかもしれません。だから、その時は…」
「…わかりました。その時はまた、慰めればいいんですね」
「はい、お願い…できますか?」
「任せてください、マックイーンさん。」
そう言って、メグルさんはわたくしを立ち上がらせてくれる。
そして手を引いて、わたくしが歩いてきた道をゆっくりと戻っていく。
「……いいですか?マックイーンさん、今から聞こえることは全部無視してください。」
「…はい?」
「約束です、こればっかりは破ったら許しません!二度と私のケーキは食べられないと思ってくださいね!!」
「そ、そんな~!よよよ~……」
メグルさんはわたくしの手を引いて歩くことをやめない。
外の夕日が、だんだんと明るくなっていく。
『ふざけんな!マックイーンのせいで俺が応援してたウマ娘が引退したじゃねぇかッ!!』
「…っ」
「マックイーンさん。」
「…はい。」
…………。
『マックイーンが走るレースはつまらない。だってマックイーンが必ず勝つんだもの』
………。
『私の…私の夢は、マックイーンのせいでつぶれたッ!アイツなんて、アイツなんていなくなればいいのに!!』
……。
『一番はマックイーンでしょう、誰も予想できる
…。
『マックイーンが』『マックイーンが』
『マックイーンが』『マックイーンが』
『マックイーンが』『マックイーンが』
『『『『『マックイーンが』』』』』
「………ここは?」
いつの間にか、わたくしはチーム『シリウス』のトレーナー室の前にいた。
「…メグル、さん?」
いつの間にかつぶっていた瞳を開けば、わたくしは一人でそこに立っていたのだ。
私の手を握って、導いてくれたメグルさんは…いつの間にかいなくなっていた。
窓の外を見てみれば、いつの間にか外は星が見え…月が顔をのぞかせていた。
「ま、マックイーンさんが行方不明ですって!?そ、そんな…本当なんですね!?」
「おいおい、嘘だろ!?クッソ…無事でいてくれ、マックイーン!!」
トレーナー室の中から、酉川トレーナーと小鳥遊トレーナーの怒声が聞こえる。
「俺が探してくる、小鳥遊はここで……ッ、マックイーン?!」
「ふぇっ!?」
大きな声で声を掛けられ、わたくしは驚いてしまう。
「お、お前どうしてこんなところに…そ、それより怪我とかないのか!?本当にマックイーンなんだよな!?」
「お、落ち着いてくださいまし酉川さん!わたくしは本人ですよっ!」
「はぁ~…よかったぁ………。」
「…マックイーンさんならこちらで発見しました。はい、先生方や探している皆さんにもそうお伝えください。はい、ありがとうございます。」
…わたくしは、今までどこにいたんだろうか。
確かにわたくしは、自分の荷物を取りにロッカールームに向かって…そのあとは?
…どうしても、思い出せない……けれど、わたくしの心は晴れ晴れとしている。
そう…まるで、澄んだ青空のような清々しさが……
(…もう少し、頑張ってみましょう。)
「トレーナーさん、その…相談したいことが。」
「……あぁ、ここじゃなんだ。入ってくれ、廊下は寒いだろう?」
「お邪魔しますわ。」
マックイーンって、ギャップ萌えもできるから一人でかなりお得な気がする
というか「おまけ2R」のアンケート受付を終了させるの忘れてた。