とあるモブウマ娘が、ループするお話。   作:ライドウ

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前回のあらすじ

マックイーンの本音


Re:メジロマックイーン 5R

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side:メグル

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「…マックイーン、大丈夫?」

 

今日の分の練習を終えたチームシリウスのトレーナー室。

マックイーンさんが心配だからとついてきたライアンさんはソファーで俯くマックイーンさんにそう声をかける。

 

「えっ!?ええ、もちろんですわ。えぇっと…ろ、ロイヤルビタージュースのお話でしたっけ?」

 

唐突に話しかけられて、何が何だからわからず意味不明なことを言い出すマックイーンさん。(ロイヤルビタージュースはこの世界でも売り出され始めたのか…)と、それを見て暗い表情を浮かべるライアンさんとドーベルさん。

やっぱり酉川トレーナーが言っていた通り、かなり精神的に追い詰められているようだ…。正直、見ているだけでもその様子は見て取れるが分からない人には本当に分からない些細な違いだろう。

こうならないために、私とゴルシがマックイーンさんと一緒にこのトレーナー室に寝泊まりするようになったのだが……それでも少しでも良くなる傾向はみられない。思いつめている…というより、どうすればいいのか分からずに行動ができない。と言った方がいいのだろうか。

 

「あぁ、うん。結構味が苦くて不人気だよって話だよ、ね?ドーベル。」

「う、うん!」

「あ…あはは。」

 

きっと、マックイーンさんもそんな話をしてなかったことは察したのだろう。トレーナー室に微妙な空気が流れだす。

気を使ったライアンさんとドーベルさんもマックイーンさんから顔をそらして暗い表情を浮かべてしまう。

ライアンさんもドーベルさんもどうしたらいいのか分からないのだろう。なにせ、こんなマックイーンさんは彼女たちからしても初めてなのだから。

 

「ま、マックイーンは…秋の天皇賞の結果はどう思ってるの?」

 

ドーベルさんが恐る恐る切り出す。

そこは私たちも気になっていたが、マックイーンさんの様子を見てどうしても聞き出せなかったことだ。

 

「……正直、出走した方々を危険にさらしてしまったことは申し訳ないとは思っています。けれど……けれど、結果には納得はしていません。」

「そう、なんだ…。正直、私も…納得できてない。あのコース取り、私は間違ってないって思ってる。」

「…ありがとうございます。ドーベル。」

 

ドーベルさんからそういわれて、マックイーンさんは少しだけ明るい雰囲気を取り戻す。

 

「うぃ~、ただいま~。外にカメラ持った奴らがうろついてたからブラストたちと『変質者だ~ッ!』って騒いで警察に突き出しておいたぜ。」

「まったく、信じられないよ!よりにもよってロッカールームを覗こうとするなんて!!」

「しかもたづなさんに聞いたら立ち入りの許可はだしてなかったの~!」

「侵入するな……神経が苛立つッ!」

「……記者の方たちですわね。おそらく、わたくしをお探しなのでしょう。」

 

…本来の『シリウスシナリオ(メインストーリー)』であれば、トレセン学園の正門にに陣取り一般生徒に迷惑が行くだけだったのだろう。

しかし、今回は残念ながらURAが”正式に”マックイーンさんが全面的に悪いと公表し、しかも私に違法薬物の容疑がないとわかると否やマックイーンさんに違法薬物の容疑(冤罪)を吹っ掛けたのだ。

幸いと言っていいのか、私を逮捕した刑事さんが来てくれて事情を理解してくれているのか…警察官がトレセン学園を巡回警備しているぐらいなのだが、だからなのだろう…マスゴ(コホン)マスコミは不法侵入という罪をしてまでトレセン学園に入り込み何とかマックイーンさんをとらえようと躍起になっているのだろう。ゴルシたちが騒いで捕まえた記者でもう30人ぐらいは警察に逮捕されているはずだ。

 

「まあ、そうだろうな~。まあ、不法侵入だしすでに警察には突き出したからいいんじゃね?」

「戻ったぞ。無事か?」

「ふぅ~…記者を振り切るだけでも重労働ですね。」

 

と、ゴルシが言うと酉川トレーナーと小鳥遊トレーナーがトレーナー室に戻ってくる。

ところどころスーツが乱れており…って

 

「と、酉川トレーナー!そ、その頬!!」

「ん?あー……転んで切り傷作っちまった。唾つけときゃ治るから別に―――」

「アホなこと言ってないで早く座ってください!」

「…ぉぅ。」

 

棚から救急箱を取り出し、トレーナー用のキャスター付きオフィスチェアーに座らせて応急処置をする。

 

「沁みますから我慢してくださいね!ほんとにどうやったら転んで頬に切り傷をつけれるんです!?」

 

私がそう言うと、酉川トレーナーは懐からメモ帳を取り出して文字を書く。

…マックイーンさんの狂信的なファンに包丁を持って襲われた、と。

分かっていたことだが、実際に起きて目にしてしまうと信じきれない。

 

「あいだだだだだ!?ちょっ、ちょっとは痛くないようにやってくれても」

「こんな大事な時に転んで切り傷作る酉川トレーナーが悪いんです!反省してください!!」

 

と、酉川トレーナーが再びメモ帳に文字を書き始める。

…助かるこのことは内緒に。ですか……そんなことになる前に、どうにでもできたでしょうに。

小鳥遊トレーナーの疲労度から見てかなりのファンに問い詰められたのだろう、その中に酉川トレーナーを刺そうとしたファンもいた。そう考えると、今のマックイーンさんを表舞台に立たせるのは大変、危険だろう。彼女自身の心以前に、彼女の命自体が。

 

「マックイーン、そっちは大丈夫なのか?」

「…えぇ、メグルさんとゴールドシップさんのおかげで」

 

そう言ってまだぎこちないけれど笑顔を浮かべるマックイーンさん。

それを見て酉川トレーナーはそうかとだけ言うのでとびっきり痛いように消毒液を丁寧に塗り込む。

 

「あだだだだ!?」

「我慢してください、それでも大人ですか!?」

「た、助けてくれ小鳥遊!!」

「先輩にはいい薬だと思います。」

「う、裏切り者ー!!」

 

~~~~~

 

時間もすっかり過ぎて夕方時、私はいつものお茶の準備をしだす。

お菓子に紅茶に…『シリウス』のみんなとライアンさんドーベルさんを交えた恒例の時間。

けれど、誰もかれも重たい空気感を纏わせており…微妙な空気感が場を支配している。

 

(…私が、何とかしないとかな。)

 

そう心に秘めて、私はお盆をテーブルへと運ぶのであった。





いくらウマ娘の世界に対して理解度が100%な世界でも必ず闇の部分があると思う。
ゲームのウマ娘とか、悪口や悪徳記者は出るのにそれ以上がないのはどうしてか分からんけど多分裏で一番ヤバいことやってるのはURA(秋川理事長は除く)だと思う。
そういうリアルチックな描写でウマ娘が曇るのはお嫌いですか?
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