とあるモブウマ娘が、ループするお話。   作:ライドウ

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前回のあらすじ

覚醒したマックイーン


Re:メジロマックイーン 12R

 

「マックイーンの勝利と復活を祝って!」

 

「「「「「「かんぱーい!!」」」」」」

 

いつもの『シリウス』のトレーナー室。

シリウスのフルメンバーと、トレーナーさん二人…それに、ライアンさんとドーベルさんだけでなく、何とカサマツから(なぜか引退と退職せずに)戻ってきた真崎トレーナーとオグリ先輩とベルノ先輩までもが一緒にマックイーンさんの勝利と復活記念パーティに参加している。

 

「結構長い間走ってなかったのに勝っちゃうなんてさすがですマックイーンさん!」

「ふふっ、これもトレーナーさんたちのおかげですわよ?」

「私なんてぇ~感動しっぱなしでぇ~、涙が止まらないよぉ~!!」

「り、リリスさん…とりあえず涙を拭きましょう!いろいろ大変なことになってますわ!」

「やっぱり、マックイーンちゃんが一番だね!追いついた瞬間に私たちもびっくりだったもん!!よっ、我らがエース!!」

「はっ、恥ずかしいので茶化さないでくださいまし!」

 

ブラストさんたちは、マックイーンさんに称賛の言葉を言い…

(ブラストさんは興奮で目がシイタケになってたり、リリスさんは感動のし過ぎでもう顔じゅうが涙でビチャビチャになってたり、パンプキンさんはマックイーンさんを茶化したり…)

 

「ふむふむ…ほぉっ!これが、『極限の境地』なのだね!疑似的な領域(ゾーン)を展開し、そこからさらに本命の領域(ゾーン)で再加速するとは!!これはデータの取りがいと実験のし甲斐があることだよ!!そうは思わないかいカフェ~~?」

「…いつにもましてタキオンさんがキラキラしてうるさいですね。」

「妹の自慢をするときのカフェのよ…すみませんカフェさん。謝るんで除霊のお札と退魔のお札だけは勘弁してください。」

「うへへ~…あの大スターと出会えるなんて~……幸せぇ~。でも、メグルさんのスイーツを食べるので今日は尊死できませんね。」

 

タキオンさんは大画面のテレビで流されているレース映像に食い入るように見つめ、耳と尻尾を忙しそうに動かしており…その話題を真っ先に真っ先に向けられるカフェ姉さんは私の淹れたコーヒーを飲みつつ静かなる怒りを表してたり、デジタルさんはとてもうれしそうにオグリ先輩とベルノ先輩と握手とサインをもらった後特に何もなかったり…(おともだちは除霊されそうになっているが)

 

「というか、ライアン!アナタまでいつまで泣いてるんですの!?」

「だっでぇ~だっでぇ~!」

「ほ、ほらライアン。さすがに落ち着こう?マックイーンが無事に復帰できたのがうれしいのは分かったから…」

「う゛ん゛。」

 

一緒に走ったはずのライアンさんはマックイーンさんの走りを見て感動して泣きっぱなしのようでリリスちゃんより顔じゅうがひどいことになっている。対してドーベルさんはそんなライアンさんに掛かりっきりのようで制服も随分と濡れている。

(ところでどうしてドーベルさんは顔を赤くしながらトレーナーさんを見てるんですか?)

 

「もぐもぐ…(意訳:さすがだ、マックイーン。マックイーンの走りは私も見せてもらったが…あれは素晴らしいものだ。マックイーンならこのシリウスを託せるな。)」

「オグリ~、食べながらだと行儀悪いし何言ってるか全然伝わらないよ~?」

 

オグリ先輩とベルノ先輩も自分の事のように喜んでおり…

 

「聞いたぜ?オメェ(ライアンのトレーナー)、宝塚記念でオレが指導したこの青二才(酉川トレーナー)に冷や汗かかせた挙句に一泡吹かせたんだってな、やるじゃねぇか!」

「あの真崎トレーナーに褒められるなんて…俺、この話を自慢話にしてもいいですか!?」

「おうよ!ジジイの話で盛り上がるっていうなら、頑張った甲斐もあるもんだ!」

「くっそ、ライアントレーナーめ…あの時の借りはその内返してもらうからな……」

「まあまあ酉川先輩!今日はマックイーンさんの祝勝会ですよ!!」

 

トレーナーさんたちはトレーナーさんたちで盛り上がっている。

私はゴルシとナラクさんに手伝ってもらいながら、お菓子のおかわりや飲み物のおかわりを用意する。

 

「ゴルシは混ざらなくていいの?」

「あー、まあ…今はメグメグの手伝いがしたい気分なんだよ!」

「ゴールドシップさん、もしかしてマックイーンさんにメグルさんが取られるかもしれなくて焦ってます?」

「ばっ、おまっ、ちげーし!そんなんじゃねーし!!」

 

ナラクさんが言った言葉に顔を赤くしていて説得力がないよゴルシ…。

まあ、私はマックイーンさんよりもゴルシの方が長い付き合いだし…ゴルシから離れたくはないかなぁ。

 

「はっ…今なぜか、ゴールドシップからマウントをとられたような気がしましたわ。」

「そりゃないぜマックちゃん!アタシがマックイーンからマウントをとる時はメグメグの時か身長とスタイルの時だけだZE☆」

「むきぃー!今に見てなさい、わたくしはまだまだ成長期なのです。すぐさまアナタなんて(身長的にもメグメグについても)追い抜かしてやりますわ!!」

「いくら足払いされてそこから波〇拳で牽制して2対1に勝っただけのマックイーンが、猛者でスコープを使わないアタシに勝つって?ははっ、アタシは大砲だ。」

「メグルさ~ん!ゴールドシップがいじめるぅ~!!」

「なっ!?メグメグに助けを求めるのはレギュレーション違反のカードだろうが!教えはどうなってるんだ教えは!!」

 

マックイーンさんとゴルシのやり取りを見て、ふふっと笑ってしまう。

すると私につられたのか、マックイーンさんとゴルシ以外のみんなが次第に笑い出した。

うん、やっぱり…

 

(楽しいなぁ!みんなと一緒だと!!)

 

 

 

 

~~~~~

side:???

~~~~~

 

どこかわからない場所。

暗い部屋で椅子に座り、デブネコを撫でる1人のウマ娘が窓の外を見つめる一人のウマ娘に視線を向けていた。

 

「どうだったの?エヴィルクローは?」

「存外、使い物にはなった…しかし、毒を以て毒を制すとはいえ我々(わたしたち)には…やはり不要だ。あれはこちらにも被害を及ぼす猛毒、一度使えばまた使わざるを得ない劇薬……そういえばわかるであろう?。」

「そうじゃなくて…仕事の方を聞いたんだけれど。」

「完璧だ。さすがに、エヴィル家の令嬢なだけはある。トレセン学園とURAの職員の過去に犯した罪は暴かれ、その情報は今…(わたし)の元に届けられた。ビジネスライクでやる分には構わないだろう。」

「その分の対価は、持ってかれたけどね…良かったの?いくら()()()()()しアナタとはいえ、『山風(やまかぜ)組』がエヴィル家の支援をする。なんて約束をして。」

 

そう言われた窓際のウマ娘は、”光すら吸い込みそうな黒鹿毛”の髪をたなびかせて振り返る。

 

「ああ、良いとも。山風のウマ娘はメジロやシンボリと同じく良家とはいえ…第二次世界大戦で大きな傷を受け血を流し…戦後で唯一URAとトレセン学園の財界には介入できなかった。今回のエヴィル家への援助は、財界に侵入するための足掛かりと持ってもいい。これだけの影響(パラダイムシフト)があれば()()()()()にも引き継がれるであろう。だがそれだけではなく、我々(わたしたち)の先祖の悲願を達成したのだ…喜ぶべきは、まずそこではないのか?」

「…本当の目的は裏で行われている闇賭博への介入でしょうに。」

「ふふふ、さすがバレるか。さすがは(わたし)の血縁者…末妹よ。あぁ、確かに裏で行われている闇賭博の掛け金は国家予算に相当する莫大な金。そんな金に目をつけ、賭博場を牛耳ろうとする…表向きは複合会社なヤクザとしてはハイリスクではあるがハイリターンな考えの賭けだ。まあ山風組の幹部ならば逃げ時を知っていて…また『貴族気取りの金持ち』の心を揺さぶるような誘い文句も作れるだろう。だが問題は、その闇賭博の対象が表向きには完全に禁止されているウマ娘が出走するレースへの賭博。嗚呼、それは確かに国家予算並みの金が動くはずだ。『貴族気取りの金持ちの道楽』とはいつどこの時代、そしてどんな世界でも汚らしく、また平民が考えられない金が動くものだ。」

「アナタはどうなの。」

「そうだなぁ…”俺”としても反吐が出る。『貴族気取りの金持ちの道楽』のために我々は走るのではないのだからな。」

「……私は、あの人を救えればそれでいい…たとえどんな陰謀や欲望が渦巻いていたとしてもね。」

「な゛ぁ~?」

 

それだけ言い、葦毛のウマ娘はデブネコを抱えながらその部屋から出ようとドアへと向かう。

 

「嗚呼、そうだな…あの人さえ救えれば我々はそれでいいのだ。それが、出口の見えないイバラの道であってもな。」

 

葦毛のウマ娘は黒鹿毛のウマ娘の言葉を聞き、そのまま部屋から出ていく。

黒鹿毛のウマ娘は、再び窓の外を眺めだし。やがて、寂し気に自らの手を眺め始める。

 

「あぁ、そうだ。俺たちは…あの人を救わないといけない。」

 

その手をぎゅっと握りしめ…両目を閉じて昔の記憶を思い返す。

 

メグリメグル(お姉ちゃん)を、必ず……救わないと。」





これでメジロマックイーン編は、次に投稿されるおまけを除いて終わりとなります!
ちなみに次に投稿されるおまけではここまでの全員の状態また何をしていたか。をまとめるだけとなりますのでご了承ください!
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