とあるモブウマ娘が、ループするお話。   作:ライドウ

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前回のあらすじ

じょうほうせいり


幕間は大事。
なお今回は、トレセン学園の猫特集です。


幕間(1回目)
8R


 

*****

かがみもちの一日

*****

 

わっちの…名は”かがみもち”。

ご主人いわく、モチモチした頬っぺただったからこの名前になったそうな。

猫の生は二度目ではあるが、何とも小説より奇なる運命をたどっている。

しかし、猫が前世を語ることは猫同士の禁句として暗黙の了解なのだ。なのでわっちは前世を知らぬ存ぜぬで通すとしよう。壁に耳あり、障子にメアリー、なんちゃって。

 

さて、そんな先祖にも誇れるボス猫であるわっちではあるが。わっちにはとあるご主人がいる。だがそんなご主人は今日、友人のレースとやらでレース場へと行ってしまっている。これ幸いと猫小屋(わっちらの宿敵たる犬小屋を模したものらしいが)から出て、フジキセキとやらにちゅーるをせびってみよう。

 

「な”ぁ~。」

「ん?あぁ、キミかい?ダメだよ~?君のご主人から餌をあげちゃだめって怒られちゃったからね~。」

 

なんと、おのれご主人。食こそわっちの楽しみなのに…すでに手を打っていたとは…いずれ”布団をわっちの毛だらけの刑”に処すとしよう。そうしよう。

ついでに庭を借りている例だ、ほら撫でるといい。だが、尻尾の付け根を触ったらただじゃおかない。

 

「な”ぁ~。」

「ん、撫でていいのかい?魅力的な提案だけど、今はちょっと忙しいんだ?ごめんね?」

「な”ぁっ」

 

なんと!それは失礼した!

忙しいフジキセキを邪魔してしまうと庭に住めなくなってしまう。とりあえず礼儀作法として頭を下げて、そそくさと寮長室という場所から離れる。

 

「ちゃんと帰ってくるんだよ~」

 

(かがみもち移動中・・・)

 

ご主人の住みわっちの寝床がある栗東寮という場所から離れ、目指すはトレセン学園というわっちの縄張りへ、休日だというのに多くのウマ娘がトレーナーという人間と一緒に励んでいる。

 

「わぁ、猫ちゃんだ!かわいい!!」

「な”ぁ~。」

 

ふふふ、わっちは毛並みにも気を使っておるのだ。かわいいのは当然であろう。

ピンク髪で桜模様の瞳のウマ娘(ハルウララ)が優しく頭を撫でた後に、トレーナーとの約束を思い出し謝りつつ駆けていく。ふむ、やはり幼子が元気な姿はいいものじゃ。

 

「あっ、ボスじゃん。元気~?」

「な”ぁ~。」

「「「「「にゃーッ!!(翻訳:おはようございます、かがみもちの姐御!!)」」」」

 

今日も今日とて、部下の猫たちに囲まれているナイスネイチャに見つかり挨拶をすると、部下の猫たちも挨拶してくる。ふむ、やはり序列は大切とはいえこういうことはあまりなれない。ともかくナイスネイチャの膝に座っていた部下の猫から膝を譲り受けてナイスネイチャのナデナデをうける。

 

「あ~…ボスは他の猫とは違って癒しパワーが段違いだよ~。」

「な”ぁ~。」

 

どうやらお疲れの様子、思う存分わっちを撫でて癒されるとよい。

その日わっちは、夕方になるまでナイスネイチャに撫でられるのであった。

 

(かがみもち帰宅中・・・)

 

カラスもすっかり帰り支度を済ませ、夜が深まったころ。

ご主人が猫小屋の前に来る。外は寒い故、寒冷対策はばっちりな服装だ。

 

「ごめんね~かがみもち~。ほら、夜ご飯だよ~。」

「……な”ぁ~。」

 

……やはり今日もカリカリのみ、やはりこのご主人。いつかわからせる必要がありそうだ。

 

 

*****

ドトウさんの猫事情。

*****

 

「うぅぅ~、ね、ねこさんが~……」

 

休日のトレセン学園、そのいくつもある庭の中の一つで小さい子猫にいつの間にか背中に乗られて動けなくなっているメイショウドトウがいた。ちょっと動けば猫は退きそうなものだが、この子猫は残念ながらその場所の心地よさと太陽のあったかさでかわいく眠ってしまっている。

 

「ふぇ~~~ん、だれかぁ~たしゅけてください~~!」

 

助けを呼ぶドトウだが、残念なことにいま彼女がいる場所は人通りがほぼと言っていいほどない猫たちの秘密の通路だ。もちろん、そんなところで大声を出せば…

 

「にゃー!(翻訳:あんだぁ?こんなところで騒ぎ立てる奴ぁ?)」

「にゃー。(翻訳:気持ちよく寝てたのに起こしやがって軽くネコパンチしたろか!!)」

「にゃ~?(翻訳:ケジメや!モフモフの刑に処せ!!)」

「にゃ~ご。(翻訳:モフモフだと足りひん、猫まみれの刑にしよや。)」

「わん!(翻訳:わん!)」

「にゃー?(翻訳:誰だいまの。)」

 

―――大量の野良猫(耳カット済み)がゾロゾロと現れることは間違いない。

 

「ひ、ひぃ~~~っ!さ、さらにふえたぁ~!!」

 

ドトウがさらに悲鳴を上げると、猫たちはゆっくりと近づき、ドトウの隣で脚を隠して囲い始める。

訳も分からずオロオロしているドトウだが、威嚇をしてこないため余計に混乱し始めている。

 

「す、救いはないのですかぁ~?」

 

諦めかけるドトウだが・・・

 

「な”ぁ~。(翻訳:何してんだい?アンタたち。)」

「おっ、おっきいねこさん~!?」

 

今回のドトウには救いがあったよ。

 

「にゃ~!(翻訳:かがみもちの姉御!この同胞を歓迎してました!)」

「な”ぁ~。(翻訳:バカ、よく見てみろ。同胞じゃなくてウマ娘だろうが!!)

「「「「「にゃっ!?(翻訳:あ、ホントだ!?)」」」」」

 

おおきなねこさん・・・かがみもちが鳴いたとたんに周りの猫たちはすぐさま方々へ逃げ出す。

ウマ娘だから逃げ出したからではなく、ただ単純に間違えたのが恥ずかしいからである。

 

「な”ぁ~。(翻訳:ほら、アンタも。こんなところで寝てるんじゃないよ!)」

「みぃ~?(翻訳:おかあしゃん?ご、ごめんなしゃい~。)

「な”ぁ~。(翻訳:アタシャあんたのおかあしゃんじゃないッ!)」

 

・・・そしてかがみもちがドトウの背中を占領していた子猫の首を甘噛みして連れ去ると…

 

「ほ、ほぇ~…?」

 

やはり、訳も分からず首をかしげるドトウしかその場には残らなかったのであった。

 

 

*****

抗争!? ネコのファミリーVs猫の組合

*****

 

またまた休日のトレセン学園・・・の、女神像噴水の前。

そこで、普段は理事長の帽子にへばりついている猫(名前はジェイソン)と、かがみもちがにらみ合い・・・彼らの後ろをそれぞれの部下猫がにらみ合いどころか威嚇合戦が行われている。

また、それらを見守るように大勢のトレーナーやウマ娘が固唾をのんで見守っている。

 

「にゃーん。(翻訳:あらあら、相変わらずそちらは血気盛んですねぇ?)」

「な”ぁ~。(翻訳:そっちだって随分と血の気が多いじゃないか…えぇ?)」

 

後ろの猫たちは一触即発、何ならミケとかがみもちでさえ今にも喧嘩を始めそうだ。

固唾をのんで見守るギャラリー(トレーナーやウマ娘たち)も、これから血みどろの争いが起きそうだと予感する。

 

「にゃーん。(翻訳:では、そろそろ始めると致しましょう。)」

「な”ぁ~。(翻訳:毎年恒例だが…今年も負けへんで?)」

 

「にゃーん!/な”ぁ~!(翻訳:全員、相手を”モフモフ”しろ!)」

 

なお、真実はめちゃくちゃ平和な毎年恒例の行事だった。

先ほどまで威嚇していた猫たちは次から次へととびかかり、それぞれお互いをモフモフし始めた。

 

「にゃー!(翻訳:おらくらぇっ!)」

「にゃー…(翻訳:やられたぁ…)」

「にゃーん!?(翻訳:相棒ー!?)」

「にゃ~!(翻訳:よそ見厳禁だぜぇ!)」

 

そして、そんな平和な光景をトレーナーやウマ娘たちはほんわかとした雰囲気の中観戦するのであった。

 

(平和な抗争勃発中・・・)

 

「にゃーん……(翻訳:こ、今年も負けですって!?)

「な”ぁ~。(翻訳:帽子にしがみつくのに必死で毛づくろいをおろそかにしたな?)」

「にゃーん!(翻訳:ら、来年こそ勝って見せますわー!!)」

 

ジェイソンがそう叫ぶと、ジェイソンファミリーは足早に去っていく。

やがてかがみもち組の猫たちは噴水広場の近くに座り込んだり寝ころんだりしてくつろぎだした。

これ幸いとばかりに、多くのトレーナーやウマ娘が近寄り…かがみもち組の猫をなで始めた。

 

 

なお、オチはない。

 

 





かがみもち

メグリメグルが飼っているでぶねこ。
この後セイちゃんの枕に自分からなりに行って、セイちゃんをダメにした。
チュール寄こせ、えっ…セイウンスカイもご主人に怒られた?おのれご主人!許すまじ!!
なお、口調が安定しない理由はかがみもちのその日の気分である。

かがみもち組の猫

だいたい鳴き声と反して口が悪いが、人懐っこい猫ばっかり。
ドトウを猫と勘違いしていた黒歴史がある。
毛並みがモフモフとして整った猫が多いため、アドマイヤベガがよくモフモフしにくる。(テイエムオペラオー(やべー奴)を見るとすかさず逃げる)


ジェイソン

秋川理事長の帽子にへばりついている猫。(鯖虎毛の尻尾の根元が?模様)
この後、負けて不機嫌なところをナリタトップロードが触ろうとしてネコパンチした。そしてナリタトップロードは、ジェイソンを見るたびに全力で逃げるようになった。

ジェイソンファミリーの猫

ドトウさんの猫事情でかがみもちがくわえてった子猫はこっち側だったりする。この後ナリタトップロードにめちゃくちゃビビられるようになったが、時間が解決してくれた。(テイエムオペラオー(やべー奴)を見るととりあえず逃げる)


Q.トレセン学園はいつから猫の保護区になったんですか?
A.理事長が保健所から引き取り、避妊手術をして大切に飼っていて、最近だと生物部から餌をもらえている。(猫アレルギーな生徒には、猫の縄張りに入らないように注意するのが入学式の恒例話題だったりする)
おまけA.ちなみに今回は登場していないが犬たちも学園内のどこかにいて理事長に飼われている。(喧嘩するのかって?それぞれ血を流すのは嫌なので暗黙の了解が存在する)

Q.どうしてドトウは猫と勘違いされて歓迎されてたんですか?
A.猫たちがドトウを目撃するときは大体、寝転がっているときしかされていなかっため、珍しい模様で随分デカい猫だなと勘違いされた。(かがみもちは知らなかった)
あと、歓迎された理由はあの場所がかがみもち組の本拠地だから。

Q.どうしてモフモフ抗争が始まったんですか?
A.かがみもちとジェイソンいわく、血を見るよりかはいいだろう。とのこと。


Q.オペラオーを見ると両方とも逃げるのはどうしてですか?
A.普段の立ち振る舞いと猫たちを撫でる時のギャップのせいで猫たちの心臓に悪いから。
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