前回のあらすじ
三人娘+α
最近思うんだ…前回のあらすじ、要らないんじゃないかなって。
ライスシャワー 1R
むかーし、むかし…とある山奥に、ひっそりと小さな魔法使いが暮らしていました。しかし魔法の使い道がわからず、『わたしの力はなんのためにあるんだろう』と、悩んでいました。
そんなある夜、外の世界が描かれた絵本を月明りを頼りに読みました。絵本には、外の世界でゆかいに暮らす人たちのことが描かれていました。『楽しそう。わたしもいってみたいな』。ワクワクした魔法使いは、外の世界にとても憧れていきました。そして、自分の魔法を使えば外の世界をもっと幸せにできるかもしれないと思うようになりました。
夜が明け、朝になるとおひさまが外の世界を照らします。すると、いたずら好きな旅人とおせわ好きな旅人が偶然魔法使いを見つけて、魔法使いを外の世界に行けるよう案内するのでした。
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マックイーンさんが、『春の天皇賞』を2連覇を達成してから、ほんの数日後…マックイーンさんの『春の天皇賞2連覇』にあてられたのか、チーム『シリウス』のトレーニングは、ますます熱気を帯びています。
「やったー!今日も自己ベスト更新!」
「げ、げーとは怖くない…怖くない……やっぱり怖いの~!」
「やっぱり膨らんじゃったか…もう少し、曲がる側に体を倒せばいいのかな?。」
「うーむ、やはり…ここか?いや、ここか??」
「ふふっ、悩んでますね。タキオンさん。」
「うむむ、中々難しい局面になってきた。」
「はぁ///はぁ///きょ、今日も眼福…このチームには入れてよかった!よーし、トレーニング頑張っちゃいますよー!」
熱気は活力になって、みんなは順調に自分のペースで昨日までの自分を越えている。正直、チームの雰囲気は前と比べて最高潮って言っても過言ではありません。でも、”勝って兜の緒を締めよ”ということわざもある通り、みんなはどういうトレーニングなのかを理解し、自分で確認して少しずつ進歩している。
そんな中、ゴルシたちとの並走トレーニングでマックイーンさんが貫録の走りを酉川トレーナーと小鳥遊トレーナーに披露しています。
「…やはり、マックイーンさんはすごいです。この距離を走っていてもペースもフォームも崩れる様子が見当たらないですね。」
「むしろ、前より良いペース配分だ。『極限の境地』でなんかつかんだのかは俺には分からんが…ともかく、”どういうレースをすれば自分が勝てる”と言うイメージをはっきり持ってる。二回目の春の天皇賞でも圧巻の走りだったからな。」
トレーナーたちの会話を盗み聞きすればどうやらマックイーンさんが特に成長しているらしく、私も少しだけ誇らしい気分になる。そして、そんなトレーナーたちの会話が聞こえたのか―――
「そもそも長距離でマックイーンさんに勝てるウマ娘って、居るんですか?」
そんな風にブラストさんがトレーナーさんを見ながら言う。トレーナーさんはブラストに目を合わせると頷いた。
「あぁ、確かに今の長距離を走るウマ娘の中で勝負になるのは一握りと言ってもいい。だが、いつだって敵は足元に潜んでる。油断禁物だ…それに―――」
と、酉川トレーナーがマックイーンの隣に視線を移すと…マックイーンさんとは対極の髪色をしたウマ娘が並びこんだ。彼女の名前は”ライスシャワー”さん。最近、新しくチームに加わったウマ娘で思うような結果が出ずに、悩んでいたところを酉川トレーナーがスカウトした人だ。
「対して、ライスさんはもうスタミナ切れですね。完全に顎があがってます。」
「いや、よく考えろ。シニア級のマックイーンに対してクラシック級のライスだ…実力は離れてるだろう……だが、ライスシャワーはバテバテながらもマックイーンに並んでいる。それに―――」
と、酉川トレーナーがもう一度ライスさんに目線を移す。私もライスさんを見てみると…ライスさんはマックイーンさんの背中を鋭い眼差しで見続け、苦しくても決して消えない闘争心を燃やしている。さらに言えば、ライスさんは拙いながらも、マックイーンさんの隙を見つけて出し抜こうとしている。
「ふぅ…あれ、メグルさん?ライスさんのことを見てどうしたんですか?」
「うん?何て言うか…挑む壁があると燃えるっていうのは分かるなぁって。」
「メグルさんでもそう思うんですね…私も、もっと頑張らないと!」
と、並走トレーニングを見てみるとトレーニングは最終盤…前を走る二人に、黄金の不沈艦が待ったをかける。
「っ!」「ヒャッ?!」
いつもの”おちゃらけた”雰囲気ではなく、G1レースのような強いプレッシャーを放つゴールドシップ。そして、最内ギリギリのグリーンベルトを使ってワープしたかのようにマックイーンさんとライスさんに並んだ。
「ゴールドシップ…」
「勝負だぜ?マックちゃぁ~ん、そして新米!」
「あなた、転びますわよ?」
「へ?[ズルッ]ア”ッ――――――ホゲッ!!イィッタイメガー!」
「「「「ご、ゴールドシップさーん!?」」」」
「うわぁ…顔から行ったよ、アレは痛いねぇ。」
「いい薬ではないでしょうか。」
「カフェさーんさすがにシャレになってないです…」
「め、メグル!救護だ!!」
「行こうナラクさん!!」
「は、はい!救急でーす!!通してくださーい!!」
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「あいちち…まったく、災難な目にあったぜぇ」
「ほら、動かないで!まったく、酉川トレーナーと言いゴルシと言い顔に傷を作って…すこしは怪我しないようにしてください!」
「う”っ」「わ、わりぃ…」
私がそう注意すると、酉川トレーナーは顔を青くし…そして大人しく応急処置を受けているゴルシは耳を垂らしてしょんぼりとしている。とりあえず応急処置は終わったので、トレーニングが終わったら保健室に念のため行くことをゴルシに伝える。そしてナラクさんにもお願いして保健室の先生に夕方ゴルシが伺うことを伝えてもらった。
「はい、ゴールです!お二人ともまたまたタイム更新です。」
「すごいすごいすごーい!」
「さすがシリウスのエースのマックイーンさん!ね、トレーナーさん!」
「あ、ああ…マックイーンは俺たちシリウスの最高のエースだな。」
「も、もう!そのヨイショはやめてくださいませ。」
「だが、ライスの走りが良い。油断してるとエースの座は取られちまうかもな」
酉川トレーナーが言うと、今度はブラストさんとリリスさんがマックイーンさんをからかうようにライスさんをヨイショし始めそれを見たマックイーンさんは、頬を膨らませてブラストさんとリリスさんと追いかけっこを始めた。
「あんまり走りすぎるなよー?」
「えっと…ら、ライスが?」
「ああ、途中からスタミナが無くなっていたが…そこから気力で走りぬいたんだ。光るものはあるだろうな。」
「だけど、もしホントにライスの走りがいいなら、なんでレースで勝てないんだろう……。『皐月賞』、それにこの前のレースだって頑張ったけど…8着だったんだよ……?」
「んなこと言ったって、ラスト75mまでマックイーンに食らいついてたじゃんか。大したもんだぜ。」
応急処置を終えたゴルシが私と一緒に酉川トレーナーの元に移動する。ナラクさんには応急箱と、応急処置した後のゴミを持ってベンチに戻ってもらった。(あと、何か盗まれたりしたら大変そうだし…)そして、ゴルシが褒めるとライスさんはネガティブな方向に考えてしまいモジモジとしてしまっている。(同学年なのに妹のようにかわいがりたいぐらいだ。)
「うーむ、それなら自信からだな。『自分は走れるんだ』って、前向きな気持ちが必要だ。」
「もう…逃げられましたわ……アッ、コホン。それと、一緒に走って確信したものがありますわ。ライスさんにもう一つ足りていないもの。」
「隠しきれてないし、まさか『極限の境地』とか言わないよな?」
「…デリカシーの欠けたトレーナーめ、わたくしもそこまで鬼畜ではありませんわ。足りないものと言えばずばり、”距離”ですわね。」
マックイーンさんの答えをそのままオウム返ししてしまうライスさん。おそらく、マックイーンさんが言いたいのは―――
「マックイーンさんの言ったことを分かりやすく言えば…ライスさんは背が低くてムダのない細い体、そしてその脚…それらを加味するとライスさんの適性距離は長距離…つまり、マックイーンさんと同じ”ステイヤー”ですね。」
「ライスがステイヤー…マックイーンさんと同じ……。」
「…俺らの立場がないな。」
「ま、まあ…僕たちが言ったらセクハラですから。」
…それ以前に配慮してくれる小鳥遊トレーナーならまだしも、酉川トレーナーは絶対デリカシーと乙女心を分かっていない発言をするからだよ!
メグメグ
ライスを可愛がりたい症候群を発症中。
ゴルシ
一度本気で挑んだ結果、運悪くこけた。保健室で診断した結果、特に問題なかったという。
酉川
配慮が足りないトレーナー。しかし恋人はいる模様。
小鳥遊
配慮ができるトレーナー。年齢=恋人いない歴。
マックイーン
経験値ブースト中。何かの枷が外れている。
ライス
新米。ポテンシャルが発揮できてない状態。
???
今日も坂路トレーニング。ついでに長距離を走るコツを聞いている。
タキオン
さすがに今回はゴルシと一緒に保健室に行った付添人。痛そうなものを見ると自分も痛く感じてしまう。
カフェ
最近、妹とハグしてないので言動が過激。悪霊を見ると清めの塩…じゃなくて針とお札を投げ始める。
おともだち
最近、カフェが容赦なく除霊するのでちょっとだけ距離をとることが多い。
ブラスト
自己ベスト更新が早い。最近、脚に違和感を感じ始めた。
リリス
ゲートが怖いので出遅れがち、その為追い込みも自然とできる。しかし本人は先行専門。
(逃げ:F、先行:A、差し:C、追い込み:B)
パンプキン
ネットミームにもなったため例のおどりをやめさせるのをあきらめた。最近やけに中等部のミームモンスーンに”これも自然の摂理”と絡まれる。
ナラク
目の前に高い壁があるなら頑張って越えようとする。