とあるモブウマ娘が、ループするお話。   作:ライドウ

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前回のあらすじ

狩人 対 皇帝

夏だ!海だ!激おこメグメグだ!!(震え声)


ライスシャワー 9R

 

チーム『シリウス』として、メジロ家の無人島での夏合宿。みんながみんな、自分が強くなるトレーニングをしっかりとしたイメージと酉川トレーナーと小鳥遊トレーナーの二人が的確な指示を出しつつ行い、それを見習ってからなのか、ライアンさんがリーダーのチームも熱気を活力に変えて、トレーニング方法を改めて、ときどき、マックイーンさんたちの練習を見て盗むという方法も取っている。そのせいなのか、ライアンさんが領域(ゾーン)を発動したのは驚いた。その時の私は思わず、「領域(ゾーン)のバーゲンセールじゃない!」と叫びそうになったのをグッとこらえたのは(ゴルシにはバレたけど)内緒だ。

ちなみにだけれど、私たちサポートウマ娘は無人島での休日をただただ怠惰に過ごすわけではなく、8月になってからは元のサポートウマ娘としての活動も再開した。

その際、まだライアンさんのチームのサポートウマ娘はサポートに関しては、初心者・・・と言うこともあり、それぞれが得意なことをするように勧めて、時折その活動の様子を見せてもらい困ったときは手伝ったりもしていた。それを見て、マックイーンさんのおじいさまがうれしそうに頷いていたのはどうしてなのだろうか・・・?

 

―――――

 

浜辺に移動すると、マックイーンさんが極限の境地を使わない()()()()()()()()を行っており、それにライスさんとライアンさん、ライアンさんのチームのウマ娘さんが3人参加しており、私が見た時はライスさんが最後方の位置にいる。けれど、ライスさんの前を走るライアンさんのチームのウマ娘さんたちは、ライスさんが見当たらないためか少々かかりぎみの様だ。

 

あ、ライスさんが強く踏み込んだ(『魔法の招待状』)

その瞬間、ライスさんの前を走っていたライアンさんのチームのウマ娘さんたちが、ライスさんのプレッシャーにまけて大急ぎでスピードを上げて、次々とスタミナ切れで沈んでゆく。けれど、マックイーンさんとライアンさんは、ライスさんのプレッシャーをもろともせずに自分のレースを展開する。

 

「行くよ、マックイーン!」

「来なさい、ライアン。」

 

【レッツ・アナボリック! Lv.2】

 

ライアンさんが加速し、マックイーンさんに並ぶとライスさんもちょうどいい位置に移動する。

しかし、マックイーンさんとライアンさんはその気配には気付けていないようで追い比べをしている。

 

「こちらも、参りますわ。」

「いいよ、マックイーン!」

 

【貴顕の使命を果たすべく Lv.8】

 

そして、マックイーンさんが極限の境地を使わない領域(ゾーン)を発動すると、ライアンさんとクビ差の距離を作り上げ、どんどんと距離を離してゆく。

そのままマックイーンさんがゴール役を務めているであろう、タキオンさんの前を通過する。そのすぐ後に、ライスさんがタキオンさんの前を通過し、3番目にライアンさんがタキオンさんの前を通過した。

 

「って、ライスさん。いつの間にわたくしの後ろに!?」

「え、えへへ・・・い、いつの間にかだよ?」

「はぁ、はぁ・・・私もびっくりしたよ。いつの間にかライスちゃんが前を走ってるんだもの」

「すごいね、ライス先輩!!あのプレッシャーを感じるまでどこにいるか全く分からなかった!」

「は、走ってて怖いって感じたのは初めてだったわ!」

「なんだか、こう・・・すっごく怖かった!(小並感)」

 

トレーニングも終わり、それぞれがそれぞれの感想を言い合う。

マックイーンさんは、ライアンさんに勝負のかけどころを伝え、ライスさんにはもう少しプレッシャーの技術を磨くこと、ライアンさんのチームのウマ娘さんたちにはそれぞれのアドバイスを行い、ライアンさんはライスさんにもう少し重心をしたにしてもいいかもしれない。とアドバイスをしていた。そしてライアンさんのチームのウマ娘さんたちは、その話をしっかりと聞き、メモにも書いて自分の糧にしようと燃えていた。

 

そんな和気あいあいとした空気の中、ゴール役を務めていたタキオンさんが私に気付いて話しかけてくる。

 

「やあ、メグル君。キミも観戦かい?」

「”も”ですか?と言うことは、他に誰かって・・・ああ、なるほど。」

 

私が聞き返すとタキオンさんは目線でとある集団を見るように促す。

その集団は、並走トレーニングには参加してなかったライアンさんのチームのウマ娘さんたちで、先ほどの並走トレーニングについて話し合いを始めていた。

その中には、トレーナーさんたちも混ざっており・・・って、マックイーンのおじいさまも混ざってる!いつの間にこっちに!?

 

「まあ、彼女たちにとってマックイーン君とライス君はいい観察対象・・・もとい、自分の糧になる技術をいっぱい持っているからねぇ。」

「レースの技術は基本、”見て盗むものだ”って、真崎トレーナーさんが自信満々に言ってましたものね。」

「うむ、私も彼女たちに負けないようマックイーン君とライス君から、技術を観察して自分の糧にしよう。」

 

と、少しドヤ顔をしながらタキオンさんが胸を張る。ゴルシも中々に大きなものを持っているけど、タキオンさんもなかなか大きいな。・・・・・・この話はやめよう。なんだか自分で考えておいて虚しくなってきた。

 

「ところで、メグル君はライス君がゴールする瞬間、何かを見なかったかな?信じられないとは思うだろうが、私はライス君をみて幻覚のようなものが見えてしまってねぇ・・・」

「・・・熱中症ですか?」

「ふぅん、そういう反応は正しいが、今は聞いてくれ。杞憂だといいのだが、ライス君の前髪で隠れている右目・・・そこから”青い炎”がこぼれているのを見てしまった。」

「・・・”青い炎”、ですか。マックイーンさんが極限の境地というとんでもないものを習得したのもあって、可能性的には・・・もしやと言う話ですね。」

「メグル君もそう思うのかい?」

 

タキオンさんは嬉しそうにニヤニヤとしている。

実際、マックイーンさんは文字通り死ぬ気の努力で”極限の境地”と言う、領域(ゾーン)より存在しないはずの都市伝説を使いこなして見せた。そこから、マックイーンさんの調子と能力は、右肩上がりでは言い表せないほどに成長している。

だからこそ、現在のタキオンさんは寝不足で酉川トレーナーからも許可を取り練習には参加せず、マックイーンさんへ頼み込んで”極限の境地”のレポートを作成している最中だ。

 

「少なくとも私は、その”青い炎”は『よくない物』として考えている。極限の境地(アレ)でさえ、闘争心で自身の力のリミッターを外して走るものだ。ウマ娘の体とはいえ、30%以上の力で走っては体は壊れてしまう。生きる上で外してはいけないリミッターを極限の境地(アレ)は外す。では、ライス君の”青い炎”は・・・?もし、極限の境地(アレ)と同じだというのなら、私は速やかにライス君のレース科からの除名を酉川トレーナーや、それこそ秋川理事長に提案するよ。」

「ふふっ、タキオンさんは優しいですね。」

「・・・むぅ、これでも真剣なんだが。まあ、今は可能性の話でしかない・・・もし、あの青い炎が極限の境地(アレ)と同じだったというなら、掛け合うだけさ。」

 

そう言い、タキオンさんは真剣な眼差しでマックイーンさんに撫でられるライスさんを見つめる。

・・・けれど、私は知っている。ライスさんは絶対に怪我はしないということを。怪我をしない代わりに、メンタルがボロボロにされることを。今回のブルボンさんは他のループとは違って強化も入っている。マックイーンさんの一件もあったし、今回のライスさんへの批判がどうなるのか・・・私には分からない。

でも、それすら糧にしてライスさんはヒール(悪役)からヒーローになるだろう。彼女が、折れない限り・・・

 





領域(ゾーン)はリミッター有での全力稼働。極限の境地は、リミッターを振り切った全力稼働。
今更感は拭えない。


あと、本編がシリアス7割コメディ3割の為にコメディに振り切った番外編を書きました!
よろしければ、こちらもご覧ください!↓
https://syosetu.org/novel/311468/
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