とあるモブウマ娘が、ループするお話。   作:ライドウ

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前回のあらすじ

『青い炎』


ライスシャワー 10R

 

マックイーンさんのおばあさまのご招待で行った無人島での夏合宿は無事に終わりをつげ、迎えた9月・・・けれど、9月になった時、幸先はよくなかった。

 

「大丈夫ですか、マックイーンさん?」

「大丈夫ですわ、ただちょっと夜更かしをしただけですし。」

 

そう、9月になってしばらくしたとき、マックイーンさんが倒れてしまったのだ。倒れてしまった原因は、保健室の先生によれば寝不足から起きたものらしく、マックイーンさんは大切な時期に寝不足で倒れてしまったことを逆に謝っていた。酉川トレーナーも気づかなかったことをマックイーンさんに謝罪し、大事を取って5日ほどのトレーニング禁止を言い渡している。

 

「でも、マックイーンさんはどうして夜更かしをしたんですか?」

「そう、ですわね。どうして、と言われると・・・どうしてなのでしょう。」

「えっ、分からないんですか?」

「ええ、気付いたら夜更かしをしているので・・・特に目が覚めるようなことをした覚えもありません。」

 

不思議なこともあると思いつつ、今日は練習に(ウマ娘研究科の発表会のため)参加していないタキオンさんの言葉を思い出す。

 

生きる上で外してはいけないリミッターか・・・)

「・・・?メグルさん、どうかしましたか?」

「えっ・・・あぁ、いえ。ちょっと考え事を。」

 

私がそうマックイーンさんに対していったその時・・・

 

ぶ、ブラストちゃーん!!

「メグル、ナラク!ストレッチャーを頼む!!」

 

「っ!分かりました!!ナラクさん、行こう!!」

「はいっ!マックイーンさんちょっとベンチの上の片付けお願いします!」

「わ、分かりましたわ!!」

 

=====

 

場所は変わり、トレセン学園のシリウストレーナー室。

トレーニングを終え、発表会も終え、休日ながらも非常事態を聞きつけてフルメンバーでお茶会で使うローテーブルを囲い、右足にギプスをしている状態で一人用ソファーに座っている。

 

「ブラストの怪我は病院で検査した結果、疲労骨折、応急処置が適切だったことを含めて安静にしていれば2か月で完璧に治るだそうだ。その為、ブラストのトレーニングとレースを3ヶ月ほど休止する。本人も了承済みだ。」

 

淡々と説明が行われているが、誰よりも安堵した表情を浮かべている酉川トレーナー。そして、そんな酉川トレーナーの言葉で安心したのか、全員がホッとため息を着く。

 

「前々から、脚の違和感はあったから気を付けてたんだけどなぁ・・・。」

「ブラストさん・・・」

「もーライスちゃん・・・そんなに暗い顔しないで。今年の『スプリンターズステークス』は残念だけど、まだ来年があるからね!そのためにも、しばらくは怪我を直すことを専念するから!」

「そういうことだ、ライス。気にしなくていいぞ。」

「う、うん・・・。」

 

浮かない顔のライスさん・・・ゴルシが慰めてくれているので、構わず私は(顔には出さないが)思考に耽る。

本来なら、遊園地に行った翌日・・・マックイーンさんはトレーニング中の怪我で宝塚記念を断念するはずだったのだが、その日・・・マックイーンさんはトレーニング中にけがを起こさず、夏合宿も無事に過ごし、今も元気そうだ。(ちなみに宝塚記念もマックイーンさんの連覇で終わっている)

だけど、そのかわりに怪我をしたのがブラストさん。本来のシリウスシナリオ(メインストーリー)のマックイーンさんの同じ個所の怪我・・・ただ、その要因が疲労骨折に変わっているだけだ。ブラストさんの大怪我も遅かれ早かれ起きていたことだろう。ちょっとした、シリウスシナリオ(メインストーリー)のズレは気にならないのだが・・・これもまた、のどに刺さった魚の小骨のように妙に気になる。

 

(・・・まさか、ね。)

 

しばらくの長考の後、一つだけ怪しいが筋が通る仮説が組みあがったが、さすがにバカバカしいと思い頭の片隅に追いやっておく。

 

(『極限の境地』が、マックイーンさんのシリウスシナリオ(運命)を壊した。なんて考えて・・・疲れてるのかな、私。)

 

深く考えることをやめ、私は手をたたいてとりあえずお茶会をすることにした。トレーニングの後のリフレッシュも、みんなにとっての大切なことだ。私はナラクさんと一緒にそそくさと席を立ちキッチンに立つ。

どうやらゴルシも手伝ってくれるようで、簡単な指示だけ出して手伝わせる。

 

「・・・っ!」

 

飲み物を運び出そうとお盆に手を伸ばした瞬間、視線を感じて窓の外を見る。

しかし、そこには誰もいない。なにも、ない。

 

「ど、どうかしましたか、メグルさん?」

「どーしたんだよーメグメグ?」

 

心配してくれる二人、突然窓の外をにらんでいる私にびっくりしてしまったようだ。

幸い、この二人以外のみんなは気付いていないようで、楽しそうな会話が聞こえてくる。

 

「・・・・・・ううん、何でもない。ごめんね?」

 

私は二人にそう言い、飲み物を先出しするのであった。

 





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