とあるモブウマ娘が、ループするお話。   作:ライドウ

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前回のあらすじ

なんてことはない日常


『Re:小さながんばり屋 【ぜつぼうの淵】』編
Re:ライスシャワー 1R


 

 

ワアアアアアァァァァァァァーーーッ!!

 

 

「向こう正面に入り、レースは淡々としたペースで縦長の展開、各ウマ娘は虎視眈々と勝負のタイミングを狙っています!」

 

今日は、ライスさんの勝負の日、『菊花賞』。京都レース場では、ブルボンさんの3冠達成の瞬間を見届けに来たファンや、ライスさんの今度こその勝利を願って見に来たファンが大勢駆け寄せてきている。

 

「頑張ってください・・・ライスさんっ!」

「行けー!ライス―!!」

「頑張れっ!頑張れライスさん!!」

「がんばれなの~!」

「大丈夫、ライスさんなら勝てる・・・大丈夫!」

 

「三冠ウマ娘に向けてミホノブルボンは絶好の位置をキープ、それを追う形のライスシャワーは現在4番手の位置でレースを進めています。」

 

ライスさんは、まだ『魔法の招待状』も『音のないサプライズ』も発動させずに懸命にブルボンさんを追いかけ、徹底的にマークしている。他のウマ娘はライスさんに狙いを定めるものの、ライスさんはそんなことは気にせずに、ただブルボンさんに照準を合わせ続ける。ブルボンさんが勝負を仕掛けたら、ライスさんも勝負を仕掛ける・・・そのタイミングで、レースは動きだす。

 

「坂を上り、ウマ娘たちが第3コーナーへと差し掛かります!まもなく勝負所、菊花賞も佳境を迎えます!!」

 

G00 1st.F∞; mark.Ⅱ Lv.10】

 

「おっと、ここでミホノブルボンが仕掛けたッ!三冠ウマ娘に向かってミホノブルボンが一気に先頭へと躍り出る!!しかし仕掛けが早すぎないか!?」

 

ブルボンさんが仕掛け、第4コーナーを曲がって最終直線へと入る。

観客席から見ても2番手から3バ身もの距離、普通なら少し早すぎるぐらいだろう、けれどブルボンさんには、『G00 1st.F∞;(ほんめい)』がある。京都新聞杯でのライスさんを警戒して、速めに使うことにしたのだろう。

 

「しかし強いミホノブルボン!先頭のまま残り300メートル!!二番手との距離は4バ・・・ら、ライスシャワーが追ってきた!(『音のないサプライズ』)3番手との距離は5バ身になった!!

 

G00 1st.F∞; Lv.23

 

「ミホノブルボンが逃げる!しかし外からライスシャワー!!鬼気迫る勢いでライスシャワーが上がっていく!!(『魔法の招待状』)

 

ライスさんが迫る、けれどブルボンさんは迷いなく『G00 1st.F∞;(ほんめい)』を使ってきた。ライスさんが離されそうになるが、それでもライスさんは追い続ける。

 

「並んだ!ライスシャワーがミホノブルボンを捉えたッ!!そして、抜けた!先頭はライスシャワー!ライスシャワー先頭!!三冠目前のミホノブルボンをかわしてライスシャワーが先頭に立ちました!!」

 

 

ライスシャワーが今、ゴール!!

 

ワアアアアアァァァァァァァーーーーッ!!

 

「涙なしでは語れないライスシャワーの逆転劇!!無敗二冠のウマ娘ミホノブルボンを抜き去り、苦汁を飲まされ続けたライスシャワーが今、1着でゴールしましたっ!!」

 

実況の女性が、興奮気味に叫び続ける。ライスさんのファンの皆さんもライスさんが勝ったことを喜び、抱き合い、涙を流し、ライスシャワーさんの名前を連呼している。

 

「ほっ・・・まずは一安心、ですわね。」

「おいおいマックイーン!もっとテンション上げてこーぜ!!ライスがやっとブルボンに勝てたんだぜ!?」

 

「ライスちゃんが勝ったぞー!」

「俺、この瞬間を見れて、う”れ”じい”ッ!!

「キャー、ライスちゃーん!こっち向いてー!!」

 

レース場を見てみれば、悔しそうな・・・けれど、どこか燃えているブルボンさんがライスさんに向けて、ライバル宣言をしている。周りにいるウマ娘もどこか晴れ晴れとした表情で、その光景を見守っている。

・・・このまま、何事もなければ、良かったんだけれど―――

 

「はぁ?今なんて言ったんだ・・・おっさん。」

「こんなレースは()()()()()って言ったんだ!俺はミホノブルボンの三冠達成を見に来たんだ!!3連敗したライスシャワーとかいうガキがミホノブルボンに偶然勝つのを見に来たわけじゃねぇっ!!」

「言わせておけば、レースに偶然がある訳ない。あのシンボリルドルフが勝負に偶然なしって[バキィッ!]ぐぁ!?」

「貴様ぁもういっぺん言ってみろぉッ!!」

「いってぇ・・・殴りやがったなクソジジイ!!」

 

―――ループの経験上、分かりきっていたことだった。

やがて、小さな火だったその争いは、中央トレセン学園に混乱をもたらす大きな炎となった。

 

「ゴルシ、い―――」

「メグルさんあぶない~!」

「―――え?」

 

[ガシャーン!!]

 

=====

 

ついに、旅人の二人と一緒に外の世界へたどり着いた魔法使い。

周りは初めて見る事ばかりで、驚きに満ちあふれていました。こんな綺麗な世界で自分の魔法を使えたら、なんて幸せなんだろうと心がおどります。

魔法使いが、外の世界の人たちへ言います「魔法を使って、アナタたちの願いをかなえます」そして魔法使いが、魔法を使おうとしたとき・・・人々はその場から逃げていきました。

 

・・・外の世界の人々にとって、魔法は恐れられていた存在だったのです。世界の常識が魔法によって変わることを、人々はとても怖がっていました。

魔法使いは言います。「わたし、魔法でみんなを幸せにしたいんです」それを証明しようと、魔法で空を飛んで見せました。「ほら、これならどんなところにでもいけるよ」

しかし、人々はもっと怖がって、魔法使いを避けるようになりました。

二人の旅人が励まして誤解を解こうとしてくれますが、誰も耳を貸してくれません。

そして魔法使いはやがて「わたしの力は、なんのためにあるんだろう」と、もう1度、悩んでしまいました。

 

=====

 

[ピーポーピーポー!ウゥーーーー!!]

 

「暴れるなッ!暴れると公務執行妨害罪で罪が重くなるぞッ!!」

「離せ、俺ぁ納得してねぇんだよ!!ミホノブルボンの三冠を見に来たんだぁッ!!」

「大丈夫ですか!?聞こえますかー!?」

「ママぁー!ママぁーーっ!!」

「近場の病院すべてに連絡!この際、町医者にも連絡しろ!!」

 

ブルボンさんのファンとライスさんのファンによる大乱闘は、警察沙汰にもなり・・・重傷者が多数出るほどの大規模なものとなった。

幸いにも、私は頭を打っただけだ。誰かの手から投げられた酒瓶からリリスちゃんがかばってくれたおかげで、何ともない。けれど、その酒瓶のせいでリリスちゃんは頭から血を流し、割れた破片のせいでパンプキンさんの目から血が止まらなくなり、二人は緊急搬送されていった。

こんな状態では、ライブなんてできるわけがなく・・・予定していた菊花賞後のレースもすべて中止だ。

 

「はぁ・・・ここまで大事になるなんてね。」

「あぁ・・・、メグメグは大丈夫か?」

「なんとか、まだフラフラするけどね。」

 

ゴルシを見れば耳を絞り、目つきも心なしか鋭いものに変わっている。

マックイーンさんは酉川トレーナーの代わりにリリスちゃんとパンプキンさんの付き添いですでにこの場を離れており、酉川トレーナーも菊花賞に参加したウマ娘のトレーナーと協力して、足早に控室へと戻っていった。

結果的に言えば、私たちシリウスの全員・・・そして、菊花賞に参加したウマ娘たちは無事に中央トレセン学園へと戻れた。

 

 

ただ一人、ライスさんの心に深い傷を負わせたまま。

 

 





ブラストちゃんはギプスをするほどの大怪我、
リリスちゃんは包帯を巻くほどの大怪我、
パンプキンちゃんは眼帯をするほどの大怪我、
そして自分が勝ったことによる大暴動、

こんなものを見せられたライスちゃんが曇らないわけないじゃないか!
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