前回のあらすじ
お前本当に馬なのか?UMAじゃなくて?
追記
表現が紛らわしいため
「”東海ダービー”が引退レースだった」の部分を
「今年の”東海ダービー”が引退レースだった」に変更、
マックイーンの学年設定を削除しました。
メジロマックイーン 1R
前の世界からループしてほんの数日、私とゴールドシップが情報収集を怠ったからなのか、オグリキャップ先輩の引退レースが(私たちがこの世界に来る前の)去年の有馬記念ではなく、今年の”東海ダービー”が引退レースだったというハプニングがあったものの(前の世界ではオグリキャップ先輩は有馬記念だった)、あとの展開はいつも通りの展開であった。
オグリキャップ先輩の有馬記念の時にはすでにマックイーンさんは菊花賞を勝利、そしてそのマックイーンさんはメジロライアンさんとメジロパーマーさんを合わせメジロ軍団の”第3の刺客”という異名がついて回っている。彼女のトレーナーは、現”シリウス”チームトレーナーの酉川トレーナー。シリウス先代トレーナーさんは今はオグリキャップ先輩と一緒にカサマツトレセンに赴き、現地のトレーナーの指導を兼ねてオグリキャップ先輩を指導しているらしい。(私たちがループしてきた日には、すでにカサマツにいるらしいけど…この前はちみつスイーツを作ったときにオグリ先輩を見かけたような…)
ちなみに、私たちがループしていた時に一度いなくなっていたのはサブトレーナーを終えた酉川トレーナーがトレーナーカードの更新のついでに研修に行っていたかららしい。(あれ、じゃぁゴルシが言ってた4月21日って…?そう思いゴルシに調べなおしてもらうと、ループ前の3年前の4月21日だった。このおバカゴルシ!)
「んで、なぁんでこんな夜更けにトレーニングコースへ向かってんだ?」
「まあ、一応ね。確認も含めてるのと…単純にマックイーンさんが心配だからね。」
制服を着たまま誰もいない学園内を歩き、鈴虫の音を聞きながらトレーニングコースからは見えない雑木林を進んでいく。
雑木林の端にたどり着くと、随分ハイペースで一人自主練習に励んでいるマックイーンさん…そしてそのマックイーンさんを見守っている”酉川トレーナー”が悔しそうに握りこぶしを作って眺めていた。
「…まったく、無理しすぎなんじゃないのか?酉川の野郎のトレーニングはそのウマ娘にとって最適なトレーニングのはずだろ?」
「今のマックイーンさんは、メジロ家の中でも天皇賞春の盾に手が届くウマ娘だからね。メジロ家大黒柱からの期待、そして自分自身がその期待に答えたいためにあんな無茶をしてまで勝ちたいんだと思うよ?」
「マックちゃんも複雑ってわけか…アタシが走ってたのはそんな圧が一切ない、アタシの意志で走ったレースだからなぁ…ゴルシちゃんには分からねぇわ。」
「ゴルシはそのままでいいよ。そのままのゴルシのほうが私は好きだし。」
「…!ははぁん、さては惚れ直したな?」
「ほら、もう戻るよ?まだ大丈夫みたいだし、展開も問題はないみたい。」
「うぃー。ちぇーつめてぇの…」
~~~~~
「皆様~!チームシリウス、現在メンバー募集中ですわ~!」
あの夜から翌日、少し拗ねた様子のマックイーンさんがシリウスのメンバーを募集していた。
あぁ、どうやら今日はライアンさんが酉川トレーナーと話をしているらしい。
「あーあ、もう手遅れだったか。」
「手遅れも何も、もうシニア級だよ?意識してない方がおかしいって。バクシンオーさんでもないんだよ?」
「まぁー、アイツは顔と言動と行動はいいからな…ニブチンでちょっと頼りないけど。」
「いつか風穴を開けないと…(だからこそ意識しちゃうんじゃない?)」
「落ち着けメグメグ…本音と建前が逆で、別のキャラがインストールされかけてるぜ。」
余計なことを言うゴルシを尻尾で叩いておいて、マックイーンさんを遠目から観察する。
「デビュー前の方でも大歓迎!無理のないトレーニングでアットホームなチームですわよ~!どうです、そこの貴方!」
「あっ…えーっと、すでにトレーナーがいるので……」
「そうですの…」
マックイーンさんに話しかけられたウマ娘がやべー奴に話しかけられたような反応をし足早に立ち去っている。それを見た周りのウマ娘たちもマックイーンさんから目をそらして足早に立ち去っていく。それでもマックイーンさんはくじけていない。
「…なぁいつも思うんだが、あのマックイーンの勧誘の仕方が胡散臭いと感じるのは気のせいか?」
「言っちゃだめだよゴルシ…確かにホワイト企業を自称するブラック企業みたいな勧誘文句だけど。」
観察を続けていると、どこからティッシュが詰め込まれたバケットを取り出し、ウマ娘たちだけでなく教官にまで配りだした。
「今ならティッシュを無料でお渡しいたしますわー!そしてなんと、シリウスのチームメンバーになれる特典もついてますわよー!どうですかそこの貴方!!」
「ひっ…ご、ごめんなさーい!!」
「あっ、まっ待ってくださいましー!せめてティッシュだけでもー!!」
気の弱い教官ウマ娘が、年下どころか学生のマックイーンの気迫に負けて逃げ出してしまった。…もはやメインであるはずの勧誘が、某素晴らしい世界のやべー宗教のように特典扱いになってきている。多分、勧誘してきているうちに天然芸人の部分が顔を出してきたな…。
キーンコーンカーンコーン!
あ、鐘の音。
マックイーンさんの努力虚しく…朝の勧誘は失敗に終わる。
というかなんで途中からティッシュ配り始めたんだろう…それに、あのティッシュはいったいどこから出てきたの?
「と、とりあえず…行こうぜメグメグ。」
「…そうだね、またお昼にゴルシ。」
「おーう。」
そうして私はゴルシと別れ自分自身の教室へと向かうのであった。
~~~~~
「はぁ…酉川トレーナー……」
お昼。結局ゴルシは、お昼になっても秘密基地に来なかった(多分、素で忘れて市松模様のリボンのウマ娘と一緒にどこかをほっつき歩いてるのだろう)ので、女神像の噴水広場まで散歩に来ていた。
そこには、女神像の縁に座り込んでため息を吐いているマックイーンさんが耳を垂らしてしょんぼりとした様子である。
本当なら通り過ぎたいけど…ちょっとだけ不安になり声をかけてみることにした。
「マックイーンさん!」
「…あら、貴方は確かメグルメグリさんでしたでしょうか?」
「逆ですね、メグリメグルです。」
「も、申し訳ありません。」
「いえいえ大丈夫ですよ?自分でもややこしい名前だなって思いますし…」
しょっぱな名前を間違えられた。これはまずい、相当疲労がたまってるな。
まあ、酉川トレーナーが決めた体力の限界ぎりぎりで残るようにされているトレーニングに加えてハードな自主練習を何日も繰り返していれば誰だってそうなるよね。
「お疲れの様子ですけど…どうかしたんですか?」
「い、いえ…最近少しダイエット中でして、オホホホ…」
マックイーンさんはそうごまかすけど、全然ごまかしきれていない。
肌はあれているし、目の下のクマもうっすらと見えていて…よく見れば腕が小さく震えている。普通のトレーナーやサポート科のウマ娘からしてみれば、トレーナーの管理が行き届いていないと文句をつけられるような状態だが、私は彼女の事情を知っているので、とやかく言う必要はないだろう。
「ダイエット…ですか、あっ!それならちょうどいいですね!!」
「…?ちょうどいい、とは?」
私は、下げている冷凍バックから一つのタッパーを取り出す。
そのタッパーには、サポート科栄養科目の実習で作った低カロリースイーツが詰まっている。それを見たマックイーンさんの反応は、一瞬で元気になりそのスイーツから一瞬も目を離さないどころか瞬きすらしていない状態だ。
「これ、サポート科の実習で作ったんですけど…よかったら食べます?」
「す、スイーツ!(返事)あ、いえ…その……お、お気持ちはうれしいのですが私は…」
「大丈夫ですよ?このカップケーキのケーキ部分はおからで作ったものですし、このクリームもソイクリームですからカロリーは気にしないでください…ただその、味の感想だけを聞かせてもらえれば。」
「ほ、ほんとうですのよね?信じてよろしいのですのよね?」
「大丈夫です、信じてください。」
タッパーからそのカップケーキを取り出して、マックイーンさんに手渡す。
疑い深いマックイーンさんだったのだが、私の作った形のいいカップケーキの誘惑に負けたのか…一口、パクリと小さく食べる。
すぐさま、耳と尻尾がピーンと立ち上がり目を輝かせてそのカップケーキを食べつくしてしまう。
「す…」
「す…?も、もしかして酸っぱかったですか!?ドライフルーツちょっと干しすぎty―――」
「スイーツ!!(100点満点の笑顔)ナニコレ、すっげぇうめぇですわ!ふわふわなケーキに後味がすっきりながらも優しい甘さがあるクリーム!隠し味のこのドライフルーツ…これはリンゴですわね!!もう手が止まらねぇですわぁ~!これが低カロリーなスイーツとか信じられねぇですわぁ!パクパクですわぁ~!!」
「マックイーンさん落ち着いて!お嬢様がしちゃいけない言動と表情しちゃってるから!!あと、おかわりはいっぱいありますから、そんなに急いで食べないでください~!」
…私はしばらく、マックイーンさんのスイーツ暴食に付き合うのであった。
ちなみに食べきった後、太り気味には―――――――ならなかったので、カロリー調整もうまくいっていたみたいだ。
そういえばメグリメグルのサポカがないなーと思って。
ちなみにこのサポカもメグリメグルがモブウマ娘ではない場合のサポカです。
メグリメグル
絵:調理室でクリームを味見している、パティシエ姿のメグリメグル(調理室の出入り口でメジロマックイーン、スペシャルウィーク、オグリキャップが目をシイタケにしてのぞき見している。)
レア度:SSR
タイプ:友人
二つ名:スイート・サイエンス
入手方法:ガチャ
固有ボーナス:甘いものはご褒美!
Lv.30~ バッドコンディションが付きにくくなる(40%抑制)
サポート効果(Lv.50、完凸のみ)
初期絆ゲージ:30
イベント回復量:65%
体力消費ダウン:40%
失敗率ダウン:30%
トレーニング効果:30%
イベント効果:25%
おでかけ効果:20%
保健室効果(バッドコンディションが治る確率アップ):15%
お出かけイベント
なし。
初回限定イベント
甘いものは心の栄養
担当ウマ娘が不調な続きで休日トレーニングをしていたところにメグリメグルが登場。作りすぎたという口実にスイーツを(トレーナーにも)渡して、一日ゆっくりさせる。
体力を全回復
やる気を(二段階)アップ
スピード、パワー:+5~10
スキルPT:+15~20
メグリメグルの絆ゲージ:+5
二回目以降のイベント
また作りすぎてしまって…よかったらどうぞ!
担当ウマ娘とトレーニングをしている際に、偶然メグリメグルが通りかかり作りすぎたものを分けてくれる。
選択肢①:健康重視なお菓子
体力を全回復
バッドコンディションを解消
スキルpt:+10~15
メグリメグルの絆ゲージ:+5
選択肢②:贅沢重視なお菓子
やる気を(二段階)アップ
体力回復:+20~30
スキルpt:+10~15
10%の確率で「太り気味」を獲得する。(よく太り気味になるウマ娘の場合、30%にアップ)
メグリメグルの絆ゲージ:+5
選択肢③:ゴルシと作ったお菓子
30%の確率でグットコンディションかバットコンディションのどちらかをランダムで付与。
ランダムなスキルヒントを得る:Lv.1~Lv.3
体力回復:-10~20 or +10~20
スキルpt:+50~60
メグリメグルの絆ゲージ:+5
選択肢④:その気持ちだけで…
メグリメグルの絆ゲージ:-5
絆ゲージMAX時、一回限定
これが私の、
メグリメグルに呼び出され、彼女が手掛ける究極のパフェ(やる気アップのあのパフェ)を食べることになる。
あまりの美味しさに、普段笑顔を見せないウマ娘も万遍の笑みを浮かべる。
ちなみにフジキセキが担当の場合、フジキセキの好みの味になるように作られているらしい。
体力を全回復
やる気を絶好調にする。
自分以外の絆ゲージ:+10
全ステータス:+20~30
スキルPt:+50~60
すべてのバッドステータスを解消