とあると灼眼と魔法少女   作:K太

3 / 7
土御門の口調地味にきつい



幻想殺しと炎髪灼眼

対峙する炎髪の少女シャナとツンツン頭の少年上条。

シャナは起きた現象にとらわれることなく、敵と思われる少年を警戒し一瞬の隙も見せないように構えている。

一方、上条は今だ冷静な思考をすることができず混乱していた。

しかしそれは上条だけではない。シャナの後ろにいる吉田に佐藤、田中そして悠二までもが状況を理解できず困っていた。

そんな中唯一冷静な思考を保ち状況を分析していたのは土御門だった。土御門は現れた少女やその後ろにいる悠二達だけでなく、周りの様子から少女達が何物なのか考えていた。

「おい、この紅い結界みたいなやつ張ったの赤髪の嬢ちゃんか?」

声をかけられたシャナは目の前の上条から意識を離さずに視線だけで土御門に応える。

「封絶のこと?なら私が張った。できる限り目立つような戦闘は避けたい」

刺すような歴戦のフレイムヘイズの威圧になんら臆すことなく土御門は続ける。

「封絶か、知らない術式だな。聞いたこともない。まぁ戦闘の意思がないなら刀を納めてほしいんだが」

「どういうこと?」

「どういうもなにも、こっちにも戦う気はないってことだ」

「それを信じろって言うの?」

「無理だっていうならべつに構わない。それでもお互い情報は少しでも多く必要だろ?それだけでも剣を引く理由には十分だと思うぜい」

その言葉にシャナは考え込むように黙り自分の契約者に声をかける。

「アラストール」

「うむ。そやつの言うことも一理あろう。なにもわからぬまま無闇に動くのは得策ではない」

突然の声に驚く上条と土御門。

「ぺペンダントが喋った!?」

「通信霊装、ともなんか違う。まっそれも後でしっかり聞かせて貰うぜい」

シャナは敵意のない声と認識し警戒を解き炎髪を黒髪に戻した。それを確認し土御門が告げる。

「なら放課後にここの屋上でにゃ。カミやんも来た方がいい。事態を正確に知っていないとまずい」

今だ床に尻餅をつく上条に声をかけ、そして悠二達へ向かい

「そっちのも知りたいなら来てもいいぜい。何もわからないのはつらいだろうからにゃー」

そう告げると土御門はポケットから包帯を取り出し脇腹に巻き始めた。魔力を使い結界を張った影響だ。

超能力者に魔術は使えない。そのことについて何も知らないシャナや悠二達はいきなりの負傷に驚きを見せた。

「ん?ああ、そんなに驚くことない。これも後でちゃんと説明してやるにゃー。それよりこの封絶ってやつ早く解いとけ。いつまでもこのままってわけにはいかないだろ」

なんでもないように言う土御門に戸惑いを感じながらも封絶を解こうとするシャナ。そこで上条がこんなことを言った。

「おい土御門、放課後って俺達補習じゃなかったか?」

「うまく逃げるしかないにゃー」

「マジかよ。不幸だ・・・」

悲痛な声を上げる上条に合わせシャナは封絶を解く。紅色のドームは消え周りに動きが戻った。

「あれ?皆さんどうしたですか。まだ授業中ですよー」

教壇に立っていた教師、見た目小学生の小萌先生が席を立っている面々に声をかける。

「あ、えっとすいません。なんでもないです」

そう言って席に着く上条と土御門。小萌先生の姿にこれまでに無い驚きを見せた悠二達もそれに続き座った。

 

* * *

 

午後4時半

今だ校内に残る生徒で賑わう校内を補習から逃れた上条と土御門は屋上に向かっていた。

「なぁ土御門、今これ何が起きてるんだ?それにあいつら」

「俺にもわかんないにゃー。だから今からそれを聞きに行くんだ」

そう言って先を進む土御門は屋上への階段を上がっていった。上条もそれに続く。そして中段辺りまで上がったとき突如視界が紅色に染まる。

「これって」

「あいつが言ってた封絶ってやつだな。これについても聞いとかないとにゃー」

土御門は気にした様子もなく上がっていく。上条は土御門さえ知らないものに注意を向けながら後に続く。

そして土御門は屋上に続くドアの前に立ち上条に話し掛けた。

「カミやん、あいつらに何を聞かれてもカミやんは正直に話せ。後は俺がなんとかする」

「わかったけど、なんで?」

「カミやんがあの赤髪に嘘がつけるとは思えない。なら無駄に警戒されるようなことはしない方がいいんだぜい。でも"幻想殺し"のことは隠せ」

「正直に言わなくていいのか?」

「まだあいつらが敵じゃないって決まったわけじゃない。手の内は隠しとけ」

「・・・ああ」

自分と変わらないような少年達を疑うのに抵抗はあるがとりあえず従うことにする。

土御門は上条の返事を聞きドアを開けた。

「悪いな、遅くなったぜい」

外にいたシャナ達にそう言って軽く声をかける土御門。

「そんなに待ってないから大丈夫だよ」

「一応封絶は張っておいた。一般人に聞かれることはないはず」

そう言うのは悠二とシャナ。その後ろには他の3人もいる。

「じゃまず自己紹介と行こうぜい」

土御門は悠二達に向かいそう宣言した。

 

* * *

 

各自、自分の名前を名乗り終わったときまた土御門が口を開いた。

「そっちは今がどういう状況かわかってるかにゃー?」

「どういう状況って聞かれてもな」

いまいち理解できていない田中は困った返事をする。

「シャナちゃんが封絶張って地震が起きて、気付いたらこの状況だ」

「そうそんな感じ」

佐藤の簡単な説明に田中は便乗した。

「だいたい俺達と同じか」

「その地震の前に何か力を感じなかったかにゃ?上から来たと思うんだが」

「あった。直前に大きな存在の力と他の力が混ざったような力」

応えるシャナに上条が聞く。

「存在の力?」

「全てのものにあるその存在を支える力のこと。うまく操ればこんなこともできる」

そう言うとシャナは手に炎を作り出した。

理解できないという顔をする上条に土御門が補足説明する。

「俺らの言う魔力と似たようなもんだにゃー。」

今度は悠二が土御門に聞く。

「魔力って魔法が使えるってこと?」

「正しくは魔術だけどにゃー。まっそんなもんだ。そっちのシャナちゃんみたいに見せられるといいんだが、あいにく俺は魔術は使えない」

「えっ?」

「超能力者に魔術は使えない。強引にやれば使えるんだが体中ズタボロになるにゃー」

腹をめくり包帯の巻かれた脇腹を見せた。

「あの時の?」

「ああ、影響受けないように結界を張ったんでこの様だ」

ため息をつくように服を戻す。

すると吉田が声をかけた。

「その『能力』って何ですか?ここに来る前に何回か教室で聞いたんですけど」

「それか。カミやん説明できるかにゃー?」

「いいけどなんで俺なんだ?お前が説明した方がいいだろ」

「裏の事情まで知ってる俺より、普通に過ごしてるカミやんの説明のほうがわかりやすいと思うぜい」

そういうもんか、と上条は納得し吉田達に説明を始めた。

 

ここ学園都市では能力開発が行われ、学生は全員それを受けていること。能力の強さでレベルに分けられ、学生の6割はあまり能力がないのと変わらない『|無能力者<LEVEL0>』だということ。『|超能力者<LEVEL5>』は7人しかいないこと。|風紀委員<ジャッジメント>や|警備員<アンチスキル>、|武装集団<スキルアウト>など学園都市の常識と言えることを説明していった。

 

「へー、面白いな学園都市って」

「能力か、俺でも使えるようになるのか?」

「多分できんだろ。普通のやつなら、紙コップ動かせるくらいの力は持てるはずだし」

「紙コップって・・・。何に使えんだよ」

悠二がそう呆れたとき、今まで何か調べていた土御門が声をあげた。

「やっぱりな。嫌で面白い仮説が当たったもんだぜい」

「どうしたんだ、土御門」

「全員これを見てみろ。面白いことになってるぞ」

そう言って土御門が見せるのは携帯に出した何処かの地図。

「学園都市のマップ?」

学園都市全体を表した地図のようだが、上条は疑いの眼で土御門を見る。

「おい土御門、これホントに学園都市のマップか?」

「すごいだろうカミやん。これもさっきの揺れの影響だ」

「すごいなんてもんじゃないだろ。なんで学園都市に"海"があんだよ」

上条の言葉に吉田が尋ねる。

「何かおかしいんですか?海があると」

「学園都市は東京の西部内陸にできた街だ。海なんて学園都市の学生が1番縁の無い場所だにゃー」

土御門の補足に悠二は目を見開き、佐藤と田中は呑気に話し出した。

「御崎市にも海ないよな」

「結構遠出しないと見れないからな」

その話を聞いて土御門は唐突に笑い出した。

「ハッハッハ、こいつは本当にすごいことになってきたぜい」

「なんだよ土御門。何回わかったのか?」

笑う土御門に対し、悠二は少し戸惑うように呟いていた。

「そういうことなのか?でも・・・」

「おっ、坂井は気付いたか。お前意外と鋭いんだにゃ」

何のことかわからず首を傾げる4人に土御門はこう告げる。

「本当にすごいんだぜい。なぜならさっきの揺れで

 

 

異世界同士が1つになったんだにゃー。それも最低3つ」

 

 

・・・・・・。

「は?どういうことだよ、わけわかんねぇよ。異世界ってなんだよ」

「じゃあまず異世界の説明からにゃ」

突然のカミングアウトで軽くパニックになっている上条を無視して土御門は続ける。

「異世界っていうのは、自分のいる世界と違う世界のことだにゃ。ここまでわかるか?」

「この世界に対する"紅世"とかそういうやつか」

「その"紅世"っていうのがどんなのか知らないけど、多分それは違うぜい」

「えっじゃあ・・・」

「簡単に言うと俺達がもともといたところに対する、坂井達がもともといたところって感じかにゃー」

「はっ?どういうこと?」

予想と全く違った言葉に驚く悠二だが、土御門は続ける。

「昔の奴らも面白い言葉を残したもんだぜい」

「面白い、言葉・・・?」

不思議そうに聞く吉田の声に土御門はその言葉を告げる。

 

「物語の数だけ世界がある」

 

意味のわからない言葉に全員首を傾げる。

「ただの例え話だぜい。俺も世界の裏まで知ってるが"紅世"なんて聞いたことがない。坂井達もある程度"紅世"については知ってるみたいだが、能力や魔術なんかは知らなかった」

確認をとる土御門に頷く悠二。

「基盤が違えば物語も変わる。そういう話だにゃ。まぁ大きな騒ぎがないってことは、こりゃ自然現象っぽいぜい」

「自然現象?」

「誰かが何か狙ったにしてはそのあとの動きがない。隠してるなら大したもんだが、それはなさそうだ」

そう説明を締め括った土御門は改めて悠二達を見た。

「さてと」

その声は口調こそ変わらないものの、鋭く冷たい魔術師のものだった。

「こうなった以上話してやる。この世界の裏側、魔術サイドについて。だからそっちも話せ、その"紅世"とか封絶とか全部」

シャナに向かいそう話す土御門。

「アラストール」

「うむ、そやつの提案にのるとしよう。ある程度知っておかねば、この先対処できぬからな」

「うん」

契約者の了解を受け、シャナは土御門を見据え言う。

「わかった。話してあげる。"紅世の従"とフレイムヘイズのこと。この世界の本当の事」

 

 

 

まず1つ

幻想殺しと炎髪灼眼、ミステス

この出会いが物語の歯車を少しずつ動かす




説明会でした
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。