転生したらリコリスでした、長生きしたいです。   作:花餅ふわり

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■内容はもしかしたら変わるかも、宜しくお願いします。


02:夕焼け小焼けと

『そんなに心配なら、今夜は一緒に過ごして判断すれば良いだろう。』

 

ずっと『一緒に暮らす!』『静かに見守る!』とお互い譲らない様子に埒が明かないと思ったのか、クルミちゃんからの提案により、急遽お泊まり会が開かれる事になった。ーー何でだよ!!違うだろ!そこは『私に聞け』とか言ってよ!クルミちゃんの馬鹿!!私を見てちょっとニヤッて笑ったの可愛かった!好き!

 

千束ちゃんとたきなちゃんの後ろを歩きながら、ぼんやりと二人を見る。

何やら千束ちゃんが楽しそうに盛り上がっているのに対し、たきなちゃんは少し呆れた様な表情で見遣る。でも私は見逃さなかったゾ、たきなちゃんの口元には淡い笑みが浮かんでいたのを。

うんうん、やっぱりこの二人は全百合好きの希望の星だね!

 

それなのに、どうしてこうなったんだ…。

まあ全てはクルミちゃんの所為なんだけど。あ、でも元々は二人の話を適当に笑いながら躱していた私の所為でもあるのか…?いや、そんな本気だと思ってなかったし…そんなただのモブにまであんなに優しくしてくれるとか思わなかったし…。そもそも乗り移る前の記憶が無いから本当にただのモブかも分からないんだけど…。でもアニメには『八桑菊理』と言うキャラクターは出てなかった様な気がするんだよなあ…。前世の記憶(主にアニメ関係)を引っ張り出し、該当する子が居なかったかを考える。でも私ってアニメしか見ていないから何とも言えない。もしかしたら小説とかに出てたキャラクターなのか。でもこんな美少女だったら絶対に忘れないと思うんだけど……んー、分からん。

 

相変わらず楽しそうに話している二人の声を聞きながら、そっと小さく溜め息を洩らす。

 

少しだけ、ほんの少しだけこのお泊まり会が憂鬱だった。

別に誰かと泊まるのが嫌とか、そういう訳ではない。

友達とするお泊まりは好きだし、そのまま飲み明かすのも楽しい。

でもそれは前世の話。ーーこの世界に来たのなら、私はただひたすらに『ちさたき』を眺めるだけのモブで在りたい。この二人は私の中の『ベスト オブ 百合ップル』。ただ傍らで静かに空気と化してそれを浴び続けるだけの一般モブAになりたい。『ちさたき』を拝み、崇め、いつか来るであろう死亡フラグ任務でそっと退場したい。百合の間に挟まるモブ男絶対殺すウーマンを自称して生きて来ただけに、今のこの状況は精神的に宜しくない。

そして仮にも『ちさたき』に挟まるならば、それは『私』じゃなくて私が憑依する前の『八桑菊理』であるべきでは?ーー嗚呼、でもその存在が本当にあるのかが分からないんだった…。

 

「くーくーりー?何してるのー?置いてくよー?」

 

無限ループでぐるぐる回る思考を中断させたのは、千束ちゃんの声。

立ち止まっている二人を慌てて追いかけて、家の近くのスーパーがまだ開いているのが見える。ああ!!半額セールの卵!!ううむ、まだやってるかな…。

 

「菊理さん、どうしました?」

「………あの、卵が欲しくて…。」

「おっ!今日の夕飯で使う感じ~?」

「えっと…二人は、オムライスとか好き、かな…?」

「オムライス?…え?菊理って料理出来るのっ!?」

「うん、一応…。料理は一通り出来るつもり…。」

「マジか。」

「簡単な物だけだよ…?そう言えば、朝御飯は和食で良い?」

「朝御飯まで出してくれるの?!」

「当たり前だよ、だって二人はお客さんだもん。」

 

千束ちゃんのちょっとオーバー気味な反応に思わずクスッと笑えば、二人は揃ってキョトンとした後、一緒になって微笑んでくれる。……少しだけ、ほんとーに少しだけ、この世界に来て良かったと思った。ほんのちょっとだけね!!だって私はモブだもん!!!




■皆は菊理のセーフハウスに向かってます。
■まだコナン要素が出ない…、近いうちに出したいなぁ。

■誤字・脱字等有りましたら申し訳ありません。お手数ですが教えて頂けたら嬉しく思います。
■感想等有り難う御座います、取り敢えずは失踪しない様に頑張ります。
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