コバヤシさん家のカツだって一生懸命生きてるんだよ!!   作:社畜だったきなこ餅

8 / 12
大変長らくお待たせして申し訳ありません。
ツインターボが実装されたりミスターシービーが実装されたりしたので更新します。


コバヤシさん家のカツ、アクシズから遁走後ボコられる

 

 

 なんかとんでもなく長い時間簀巻きになってたような気がするが、体感時間だとそんなに長くなかった気がする宇宙世紀0087年。

 クワトロ大尉が先走って撃たれかけたのを庇ったレコアさんが負傷したりと、軽くないダメージを負った我々アーガマ隊は今何がどうなっているかと言うと。

 

 

「カミーユ! そっちの状況は?!」

 

『まだまだいける!そっちは?!』

 

「こっちも余裕さ!」

 

 

 アクシズと手を組んだっぽいティターンズのMS軍団相手に、カミーユと背中合わせで戦いながらの四苦八苦でござる。

 ちなみに負傷しているのにふらふらと夢遊病状態で出撃しそうになっていたレコアさんは、無理やりクワトロ大尉に押し付けてきた。戦況がその分地獄になったが後悔はしていない。

 

 

『カミーユ、カツ!新たな敵部隊が迫ってきている、対応できるか?!』

 

『やるしかないんでしょう!?』

 

「そう言う事だよねー! ブライトさん、帰ったら砂糖多めのコーヒー淹れてよね!」

 

 

 コクピット内に設置されているモニタに新たな敵部隊の接近を示す光点、そしてスピーカーからアーガマ艦長のブライトさんからの指示が俺とカミーユに伝達され。

 カミーユは癇癪交じりに叫びながらも乱射したビームライフルを的確に数機のMSに当てて撃墜、俺も負けてられないとばかりにZガンダムの戦闘機動に浮足立っているMS達を撃ち落としていく。

 

 俺とカミーユで前線を支え、エマさんとアポリーさん率いる部隊がアーガマを守っているから何とか持ち堪えられている、が……。

 ほどなくして、その均衡を打ち崩す3機の可変MSが俺とカミーユに迫る。

 

 

『気を付けろカツ!こいつらは危険だ!』

 

「こいつらがカミーユの言ってた可変機MS部隊?! 了解!」

 

 

 ガノタの皆なら誰でも知ってる面白可変MSハンブラビの出現、ガノタなら喜んで然るべきかもしれんがそれどころではないのが本音である!

 なんせ機動力が高い上に、師匠達レベルで連携が完成されてやがる……!

 

 

「なんだこのクソみたいな機動!性格が悪すぎるだろ!?」

 

『愚痴ってる場合じゃないだろカツ!やるぞ!』

 

 

 こちらもカミーユとの連携で対抗するものの、2対3という数の差がある上にカミーユならともかく俺の技量では対抗が難しいにもほどがあるわ!

 少しでも隙を見せたら容赦なく殺しに来るしその上、こっちが攻撃を仕掛ければ狙った対象以外の2機が絶妙なカバーをした上で必殺の殺し間を即席で構築してきやがる……!

 

 そしてそんな餓狼じみた機動に翻弄された俺は、機体のリミッター解除と言う切り札を切ってまでカミーユと今までで最高と言える連携をしてまで必死に食い下がり続ける。

 だがしかし、パイロットとして俺とカミーユの経験では悪辣とまで言える三位一体の連携に少しずつ追い詰められ。

 とうとう、1機のハンブラビのウィング部分に何とかビームライフルを当てたのと引き換えに背後から、俺のMSのバックパックにビームを撃ち込まれる。

 

 

「うわぁっ!?」

 

『カツ、大丈夫か?! カツ!!』

 

 

 直撃一発即爆散になるような幸い致命的な命中でこそなかったが、その一撃でネモハイマニューバの機動力を担保しているバックパックのスラスターの半数以上が沈黙し。

 その瞬間俺のMSは、ヤザン達が駆るハンブラビ達の挙動に追いつくことはほぼ不可能となった。

 

 

「な、何とか生きてる。けどこりゃ時間の問題かもな……」

 

『俺がMA形態でけん引する!クワトロ大尉も出撃したようだし一度下がるぞ!』

 

「そうしたいのはやまやまだけど、そうも言ってられなさそうだわこりゃ」

 

 

 機体ダメージの影響でコクピット内のモニタにノイズが走る事に舌打ちしながらダメージチェックをするも、中々にえぐいダメージ状況に乾いた笑いも出ない俺。

 そんな俺を心配し、下がる事を提案してくれるカミーユであるが……ハンブラビ達ことヤザン隊はそんな事を見逃すほどお優しい連中であるわけもなく。

 

 いつでも殺せる状態となった俺より先に、俺の心配をして動きを止めてしまったカミーユのZガンダムにビームガンと殺意を向けているのが『見えた』俺は……。

 

 

「危ないカミーユ!」

 

 

 まともに動かなくなったネモハイマニューバを何とか動かし、とっさにカミーユのZガンダムを突き飛ばした。

 しかしその代償と言わんばかりに、先ほどまでZガンダムが居た場所に飛び込む形となった俺のMSにハンブラビ達の放ったビームが殺到し。

 そのビームの雨とも言える弾幕は、俺のネモハイマニューバを情け容赦なく撃ち貫いた。

 

 って冷静に分析してる場合じゃねえわコレ!とっとと脱出しないと死ぬゥ!?

 

 

『カツ!脱出してくれカツ! カツゥゥゥゥゥゥゥ!!』

 

 

 俺が意識を失う寸前、最後に聞いたのは。

 泣きそうな声で懇願するように叫び訴えてくる、カミーユの思念だった。

 

 

 

 

 

 

 カツ・コバヤシが駆るMS、ネモハイマニューバがヤザン隊に撃墜され慟哭するカミーユに入った通信はアーガマからの撤退命令。

 その命令にカミーユは行き場のない怒りをぶつけるように抵抗するが、感情を押し殺して強く指示を出すブライトとクワトロの言葉に折れて宙域より撤退する。

 無論ヤザン隊もまた逃がすまいと追撃に移ろうとするが、全力で逃げを打ったZガンダムのMA形態ことウェイブライダーに追いつくことは叶わずそのままアーガマごとZガンダムを取り逃がす事となった。

 

 その後の宙域に残されたのは、撃墜されたネモハイマニューバの残骸と複数のティターンズMSの残骸。

 それと、運よく脱出に成功していたが爆発の衝撃で体のあちこちをぶつけ気を失ったカツ・コバヤシであった。

 幸いにも着用していたノーマルスーツやヘルメットが破損してこそいないものの、この宇宙世紀においてカツと同じ状態に追い込まれたMSパイロットの生存率は絶望的なまでに低く。

 

 このままではカツの命の灯火が消えるのも時間の問題であった。

 宇宙を漂っていたノーマルスーツ姿のカツを、MSのマニピュレータで優しく受け止めるMSが現れるまでは。

 

 

「シロッコ様の指示で探しに来たのだけども、本当に居たわね。カツ……」

 

 

 敬愛する上官である男、パプティマス・シロッコの指示を疑っていたわけではないが……それでもその指示通りの場所にカツが危険な状態で漂っていた事に戦慄しながらも。

 カツを受け止めたMSのパイロットであるサラ・ザビアロフは、どこか安堵した表情と声音で呟くと。

 

 戦闘が終了しており宙域が安全である事、そして無意識に少しでもカツの生存率を高めるためにMSのコクピットハッチを開いて意識を失ったカツをコクピットの中へと受け入れる。

 

 

「死ぬんじゃないわよカツ、シロッコ様があなたの事気にしてるのだから。それに、私もあなたが死ぬのは嫌よ」

 

 

 呟きながらサラはコクピット内にある予備シートにカツを座らせてシートベルトでその体を固定すると、コクピットハッチを閉めて母艦であるジュピトリスへと帰投する。

 この宙域に来た時に比べ、MSの加速が緩やかだったのはシロッコの命令を順守するためかそれとも無意識の内に意識を失っているカツを気遣ったものなのか。

 

 それはサラ自身にも、わかってはいなかった。




生き残る為に敵を撃墜されるのだから。
自分も撃墜されることはあるよね!
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。