機動戦士ガンダム 水星の魔女  ターンA(エース)をねらえ!   作:ノザ鬼

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その10

16

 

** 天空 **

 

 経験とは、こんな場面では兎角(とかく)物を言うものである。

 

 

 開始宣言に、

『グッ…。』

 慌てて、

『イ…。』

 スロットルペダルを、

『ィィィィィ!』

 踏み込むスレッタ。

 

 

 メインモニターに流れる風景…。

 

 その中のデータを、

「デブリ…。」

 無意識に、

「デブリ…。」

 口にしていた。

 

 今だ発見できず、

「デブリ多いな…。」

 口から出る言葉は、

「何処だろう…。」

 焦りとなる。

 

 

 一方…。

 

 初期位置の近くのデブリの陰…。

 

 最小限の機能以外を全てカットし、身を潜めるイフレの機体。

 

 メインモニターを、

「さてさて…。」

 凝視しながら、

「何処かしら?」

 品定めしていた。

 

 意気揚々と出て来たが、至って冷静であった。

 

 迷わず、勝つ戦い方を選択している。

 

 

 メインモニターに集中する意識が、時間を伸ばす。

 

 だが、焦らず待ち続ける。

 

 

 ついに!

「見…。」

 宇宙の光の中に、

「付け…。」

 異なる輝きを、

「た。」

 捉えた。

 

 その光の軌道から、

「もう少し…。」

 予測させる進行方向が、

「引き付けてから…。」

 勝利を確信させる。

 

 そして…。

 

 目を閉じ、

「す…。」

 鼻から息を、

「ーーっ。」

 ゆっくりと吸うと、

「んっ。」

 腹に溜める。

 

 一呼吸、その状態を維持。

 

 次は…。

 

 溜めた空気を、

「ふ…。」

 更に、

「ぅー…。」

 ゆっくりと、

「ーーっ。」

 口から細く吐き続ける。

 

 俗に言う【腹式呼吸】を行い、その時を待つ。

 

 

 小さな電子音が、

『ピピッ…。』

 イフレの目を開けさせた。

 

 

 スレッタの機体が…。

 

 位置。

 

 距離。

 

 角度。

 

 等、イフレの望む全ての条件を満たす。

 

 

 満を持して、

『すーっ。』

 イフレの手が、

『カチッ…。』

 押すスイッチで、

『カチッッ!』

 機体を微睡みから、

『ブォォォォォ!』

 覚醒させる。

 

 

 ビームライフルの銃口が、

「おバカさん…。」

 モビルスーツのカメラを通し、

「私の勝ちよ…。」

 イフレの狙いとなる。

 

 トリガーに掛かる力が、

『グッ…。』

 勝利の時まで、

『ィ…。』

 後僅か…。

 

 

 脳裏に、

「!?」

 浮かぶビジョンが、

「あ!」

 声となり、

「危ない!」

 スレッタの口から出る。

 

 

 馴染みのある音が、

『ビッ…。』

 真空の宇宙に、

『シューーーーーン!』

 響き渡る。

 

 

 突然、

『ジュ…。』

 天空から、

『ジワワワワ…。』

 降り注いだ光の柱が、

『ギュゴゴ…。』

 ビームライフルと腕を、

『ゴゴゴゴゴ。』

 貫いた。

 

 

注:天空とは?

 

 宇宙世紀に設定された宇宙空間の上下方向である。

 それは、上下の無い宇宙で活動する人間の宇宙酔いとでも呼べる症状を緩和するべく設けられた。

 北極星の方向を上側の【天空】、南十字星の方向を下側の【天地】とした、宇宙の上下である。

 これにより人類は宇宙酔いを克服したとされる。

 よく見られる宇宙の映像で、宇宙軍艦等が船の上下の向きを揃え進軍しているのは、この設定によるものである。

 

民明書房『宇宙正規妖話』より抜粋

 

 

*要注意*

 悪魔でも、私のオリジナルのネタですから…。他で使って、酷い事になっても責任は取れないのでご注意を…。

 

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