機動戦士ガンダム 水星の魔女  ターンA(エース)をねらえ!   作:ノザ鬼

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その15

24

 

** 安堵 **

 

 最大まで、広がった爆発は宇宙に溶ける様に消えていく…。

 

 まるで、何も無かったかの様に…。

 

 

 スレッタの全身に、

「ぐぬっ。」

 伸し掛かる疲労は、

「はぁっ…、」

 緊張の糸が切れた証であった。

 

 モニターに、

「まさか…。」

 映した武装の、

「シールドに…。」

 データを、

「こんな仕掛けが…。」

 再確認しながら、

「あるなんて…。」

 口を付く独り言。

 

 

 こちらは、緊張の糸を絡め女学生達は緊張の綱を作っていた…。

 

 それが、

『ブ…。』

 音を上げて、

『ブッツリ!』

 切れた。

 

 声を、

「終った…。」

 出す者に、

『へなへなっ…。』

 座り込む者も、

「え~ん。」

 泣き出す者がまでいた。

 

 だが、皆は勝利を確信していた。

 

 

 

 

 椅子から、

「ひょぉぉぉぉぉ!」

 立ち上がり、

「勝ったぁぁぁぁぁ!」

 目一杯に喜ぶあの男性。

 

 

 普段は無口なオペレーターの女性も、

「勝ちましたね。」

 男性に賛同した。

 

 

 今だ、

「見たかね!」

 戦いの興奮から、

「今のを!」

 冷めない。

 

 

 一方、

「はい…。」

 事務的な口調に戻るオペレーターの女性。

 

 

 それが、

『オホンッ!』

 あの男性の熱を、

「直ぐに、ラボへ。」

 少し冷まし、

「データを送ってやれ…。」

 冷静にさせた。

 

 

 作業の手を止めないままで、

「終わり次第に送ります。」

 返したオペレーターの女性。

 

 その笑い方には、

『ニヤニヤ。』

 名前があった。

 

 それは、思い出し笑い…。

 

 目を、

「まさか…。」

 瞑り、

「武器のデータまで取れるとは…。」

 脳内で、

「思わぬ収穫だ…。」

 再生する。

 

 

 データを送られたラボは、〔基本設計から、全てやり直しになった!〕

 そんな悲鳴が上がったとか上がらなかったとか…。

 

 この後に完成したモビルスーツが、

【呪われたモビルスーツ】

 と呼ばれるようになるのは、まだ先の事である。

 

 

 

25

 

** 結末 **

 

 今だ、

「はっ…。」

 肩で息をする、

「はっ…。」

 スレッタ。

 

 

 それは、

『キラ…。』

 小さく、

『ーン!』

 弱く。

 

 

 モニターに、

「ん?」

 映った新たな光。

 

 スレッタの操作に合わせ、

『ズ…。』

 モビルスーツの目(カメラ)が、

『ィィィィィ。』

 ズームアップされる。

 

 そして…。

 

 今度は、

「あ…。」

 スレッタの目に、

「あれは…。」

 正体を、

「ぁぁぁぁぁ!」

 映す。

 

 

 

 ほんの少し前…。

 

 時間なら、スレッタの放ったビームが交点を結ぶ直前。

 

 

 戦場で培われた勘が、

『ガ…。』

 突如に、

『キン!』

 操縦桿を操作させた。

 

 反応したモビルスーツが、

『ギュィ!』

 僅かに体を捻る。

 

 その僅かが分けたのは生死。

 

 ビームの直撃を、致命的命中からずらせたのであった。

 

 戦闘不能…。

 

 と言うよりは…。

 

 辛うじて形を保っている…。

 

 その表現の方が正しい。

 

 

 素早く動かす指がモニターに、機体のステイタスを映す。

 

 負けじと、目がチェックしていく。

 

 そして、出された結果は…。

 

 何とか、動くであった…。

 

 

 よしと、

『ズ…。』

 押し込む操縦桿に、

『ィィィィィ。』

 踏み込むペダルが、

『ペタン!』

 機体に喝を入れる。

 

 現在、使用可能な、

『シュ…。』

 全てのノズルが、

『ォォォォォ…。』

 火を吹き、

『ン!』

 機体を前に推し出せた。

 

 

 思わず、

『ズィ!』

 乗り出した身体は、

「あっ!」

 ベルトで、

「待てぇ!」

 シートへと戻される。

 

 その勢いのままに、

『グイッ!』

 操縦桿とペダルで、

『ギュイ!』

 機体を追わせる。

 

 が…。

 

 操縦桿から伝わるのは、

「ん?」

 違和感であった。

 

 

 最初は、

『ピ…。』

 小さくモニターに、

『コン!』

 開く情報の小窓。

 

 意識が、

「ん?」

 そこへ向く…。

 

 瞬間!

 

 モニターに、

『ピ!』

 次々と、

『ピ!』

 連続で、

『ピ!』

 重なりあいながら、

『ピ!』

 開き、

『ピ!』

 モニターを、

『ピ!ピ!ピ!ピ!ピ!ピ!ピ!』

 埋め尽くしていく、

『ピピピピピピピピピピピピピピピピピピピピピピピピピピピピピピピピピピピピピピピピピピピピピピピピピピピピピピピピピピピピピピピピピピピピピピピピピピピピピピピピピピピピピピピピピピピピピピピピピピピピピピピピピピピピピピピピピピピピピピピピピピピピピピピピピピピピピピピピピピピピピピピピ…!』

 情報の小窓。

 

 そして…。

 

 その小窓の警報色の放つ赤い光が、

『ビィィィィィィ…。』

 アラート音と共に、

『ィィィィィ!』

 コックピット内を満たす。

 

 

 埋め尽くされた警報色が、

「あっ…。」

 パイロットスーツまで、

「わわわわわわ…。」

 赤に染めあげる。

 

 

 全ての小窓が表示している情報は、モビルスーツの各部が限界を超え稼働の拒否だった。

 

 そして…。

 

 宇宙を漂うだけのモビルスーツとなった。

 

 

 

 とりあえず、

『カチ…。』

 現状からの、

『ポチ…。』

 回復を、

『カツ…。』

 試みる、

『ポツ…。』

 悪あがきが、

『カチン…。』

 色々な、

『ポチン…。』

 操作を試させる。

 

 

 

 幾重にも重なる情報の小窓の向こうで、

『キッ…。』

 光の尾が、

『ラ…。』

 十字の煌めきに、

『ーーーーーー…。』

 変わると、

『ン!』

 宇宙の闇に溶けた。

 

 そして…。

 

 【LOST】と小窓が表示された。

 

 が…。

 

 果たして、スレッタに伝わったかは不明である。

 

 

 

 スレッタのモビルスーツを、

「いかん!」

 モニターしていたコーチ。

 

 振り返りざまに、

「回収艇を出せ!」

 言い放つ…。

 

 が…。

 

 この場所を、

「回収艇を出すぞ…。」

 思い出し、

「付いて来い…。」

 言い直した。

 

 

 返す女学生達が、

『は?い。』

 何故かハモり、

『解りました?。』

 声が音楽に変わった。

 

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