最強少女は幸せを探している   作:但野ミラクル

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聖樹の国の禁呪使いの二次創作があまりにも少ないと思い書きました。後悔はしてない。
最初は若干説明が多いですがご了承ください。


第1話

  目を覚ましたら、見知らぬ男性と女性に見下されていた。

 ……え、何で?

 え? 本当に誰? この人たち? 家も私の家ではない。もしかして誘拐でもされたのだろうか

 とりあえず、話してみようか。目を覚ましたのはバレているだろうから、話さないという選択肢はない。

「おぎゃーおぎゃー」

 しかし、私の口から出たのは、まるで赤ん坊の泣き声だけだった。

 ……どういうこと?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ……どうやら転生をしたらしい。見知らぬ男女は私の親であるらしい。始めは混乱したものの一ヶ月もすれば慣れてくるし、現実だと認識できるものである。

 ……ちなみに現在の性別は女である。さよなら、息子よ。君のことは忘れないよ……なんて冗談はさておき、とりあえず女の子として転生したらしい。

 これは推測でしかないが前世の私はおそらく死んだのだろう。前世の両親には親不孝者になってしまったことを謝りたいがもう会えないから何もできない。ごめんね。ありがとうとごめんをもっと言っておけばよかった。これからはこっちの親にありがとうとごめんを言うようにするよ。両親からしたら何の慰めにもならないだろうが。

 ……話を戻そう。

 どうやら転生した世界は科学文明が発達した世界ではないらしい。蛇口とか電化製品がない。その代わり、何か鉱石のような物が光っていたり、何もないところから水を出したりしている。魔法とかあるんだ、この世界、と見たときは興奮した。

 後、この世界結構治安が悪いらしい。何日かに一回襲撃されるし、両親もどこかから資源を奪っただの言っていたので大分荒れた世界であることが推測できる。……私はこの世界で生き残れるのだろうか? まあ、今は考えてもしょうがないことだ。とりあえず、親を頼ろう。両親ともに会話を聞いた限りでは結構強いらしいからとりあえずは多分大丈夫だろう。

 

 

 

 

 

 ……そんな甘い考えは私が五歳の頃に砕け散った。

 ……両親が殺されたのだ。魔導何とか団とかいう集団に。

 深夜に襲撃があった。両親も一応対策はしていたが、集団相手には通用しなかったらしい。

 両親は無残に殺された。私も殺されるはずだったのだが、相手は子供だからと侮ったらしい。不意打ちで全員殺した。運もそうだが、両親に小さいころから鍛えられたのが功を奏した。ごめんね。流石に三歳から訓練は虐待じゃないのかなんて思って。役にたったよ。人を殺す訓練もしてなかったら、殺すことに躊躇動揺していただろう。ありがとう。両親。

 とはいえ、無傷ではない。生き残りはしたものの怪我は何ヵ所かしてしまっている。早く治療しないと直に動けなくなるかもしれない。更に両親がいないので略奪は無理だろうし、貯蓄も何年も持つ程ではないのでご飯が食べられない。これは詰んだかもしれない。

 ああ、前世と今世の両親よ。また死ぬかもしれない。本当に親不孝者だが許して欲しい。状況が厳しいのでやることはやるけど失敗しても怒らないでください。

 私は両手を合わせて合掌をした。

 ……さてまず、何をしようか。とりあえず、怪我の応急処置でもして――

「おや、君大丈夫かい?」

 私は思わず身構え、声のした方を向いた。気配がしなかった。考えごとをしていたにしても気配を探ることは疎かにしていなかったはず。何者だろうか。普通に考えたらこの集団の仲間なのだが、それなら声をかける必要はない。となると別の目的があるはずだ。それは何だ?

「そんなに警戒しないでほしい、私は凡人なんだ」

 妙に平坦な声で答えるどう言ったらいいか分からない特徴のない顔の女性を睨みながら私は口を開いた。

「あなたは誰ですか、そして何のようですか」

「私はタソガレ、物音がしたので気になって来てみたらこうなっていたから驚いたよ、君の名前は?」

「……イム・アルカディア」

「そうか、いい名前だ」

 タソガレと名乗った女性は睨みつけても動揺一つせず、淡々と答えた。

「それはともかく君、怪我をしているね、うちの孤児院に来なさい」

「はい? 孤児院?」

 こんなところに孤児院? 無理ではないだろうか?

「そう私の作った孤児院だよ。とりあえず、君の怪我を治すから来てくれないかい? そしてできれば保護させてほしい」

 ……どう考えても怪しい話だ。だが今はどちらにしろ選択肢がない。どっちにしろリスクしかないのならばリターンが大きい方を取った方がいいだろう。

「分かりました。あなたの孤児院に行かせてもらいます」

 

 

 

「さて、これで終わりだ。処置は終わったけど痛みが引くのには数日かかるだろう、安静にしていなさい」

「……ありがとうございます」

 あの後タソガレの孤児院、第六院に連れていかれた私は学校の保健室のような部屋で応急処置をしてもらっていた。第六院に来るまではタソガレの怪我を治すという言葉をあまり信じていなかった。何せこの地域はかなり荒れているからろくな物はないと思っていた。しかし、意外にもベッドや薬品などは揃っていたし、包帯などもちゃんと用意してある。応急処置ぐらいならできる程度には施設が整っている。

 正直タソガレは奴隷商人か何かだと思っていた。人身売買はどこでもあることだし、こんな場所で孤児院の運営なんて現実的ではなかったから。

 ただ、第六院に来てみれば意外と孤児院として成り立っているようだ。施設、物資ともに余裕があるようでタソガレや施設の見かけた孤児もそんなに痩せこけていなかった。そして何よりも孤児の異質さだ。全員が全員ではないがこの孤児院の子供からオーラのような物を感じた。一般人では絶対出せないであろう、謎のオーラを。おそらく私を連れて来たのは同じオーラのような物を私も持っているからであろう。そうじゃなければこんなにもオーラのある子が一ヶ所に偶然(・・)集められる訳がない。絶対わざと集めたはずだ。それなら私にもタソガレは異質さを感じたということになるはずだ。しかし、そうなると、大きな疑問が一つ生まれる。

 なぜタソガレは異質な者を集めているのか?(・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・)

 ただこれでばっかりはタソガレとともにいないと分からないだろう。聞けば意外と答えてもらえるかもしれないが、慎重にいくことにこしたことはない。

 そんなことよりも今はこの孤児院でどう生き残るかが先決だ。こんな土地で何もせず生きられる訳はないはず。ならやることを理解して動くことが必要だ。両親の分まで生きて幸せになるために。

 

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