最強少女は幸せを探している   作:但野ミラクル

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第12話

「どうですか? シャナさん」

「うむ、やっぱり攻撃も問題なくできておるの。これはイムの問題というよりも……相手か悪いのう」

 ルーヴェンアルガンの闘技場。そこで私とシャナさんは椅子に座って話していた。

「カウンターの方が上手いが攻撃も一般の兵士よりも鋭い。やっぱり攻撃を鍛えるのはあまり得策ではないの。弱点を及第点レベルにするのは効果はあるが問題ないものを上げるのは効果が薄いわい。長所を伸ばした方が強くなるわい」

「やっぱりそうですか」

 私の実力を図るためにシャナさんが紹介してくれた相手と戦ってみたのだが、攻撃も打てたし勝つこともできた。

「やっぱり聖魔剣の能力を使いこなすしかないですね」

「そうじゃの、剣術は既に鍛えておるしこれまで通り続けるしかないわい。それ以外となるとやはり聖魔剣を使いこなす方がいいのう」

「そうですよね。でも使うにしても相手が問題ですよね。人相手だと大怪我させてしまうかもしれませんし」

「それに関しては問題ない」

「え?」

 シャナさんはニヤリと笑った。

「イム、戦獄塔のことは知っておるか?」

 

 

 

 

戦獄塔、それはルーヴェンアルガンにある高い塔の名前だ。戦獄塔がいつ建てられたかは不明らしいが貴重な鉱物が取れるため重要視されている施設である。ただ戦獄塔の中には魔物と呼ばれる異形の生物が存在しているらしい。上に行けば行くほど魔物の強さと鉱物の質の良さも上がって行く、というものが私の聞いた話である。

 後最近聞いた話だが亜人王というめちゃくちゃ強い人が戦獄塔で封印されていたのも戦獄塔らしい。ちなみにその亜人王はシャナさんが交渉して協力関係を築いているとも聞いた。

 私がそう話すと、シャナさんは頷いた。

「うむ、その通りじゃ、それでのこの中の魔物なら実験台に丁度よいのではないかと思ったのじゃ」

「……なるほど、確かに」

「イムが入ることは王には許可を既に取ってあるし日程を決めたら行くぞ」

「はい、分かりました」

 ……シャナさんがいるとポンポン話が進むなあ、流石過ぎる。

 

 

 

 

 

 

 

「うわあ、これはヤバいヤバい、ヤバ過ぎるのう」

「確かにこれはちょっと強すぎですね。まさかここまでとは、やっぱり人に使えないですね」

 私とシャナさんは戦獄塔に来ていたのだが、カテドラルの力、絶対聖域を試したところ応用力が高すぎて若干引いていた。

「試せる相手がおったらもっと使いこなせておっただろうのう、本当にっ、お主がこの才能の持ち主で良かったと改めて思う。お主の性格次第では国が滅んでおったかもしれん」

「……恐縮です」

 絶対聖域は簡単に言うとバリアを作り出す能力なのだが、注ぐ魔素の量によって硬度、頑丈さ、大きさ、薄さが変わる。移動させることも可能だが私から距離が離れれば離れる程硬度と強度が落ちる、のだが……逆に言うとバリアを纏って近接戦に持ち込めばそのデメリットは関係ない訳だ。

 要するに――

「突進だけでここまでヤバい攻撃手段になるとはのう」

 私の前には大きく全身が圧縮されたかのように押し潰された魔物の姿があった。

「しかも小さいバリアを魔物の前に配置すれば、魔物がこちらに攻撃しようとしたタイミングで自分からバリアにぶつかるから隙ができる。そしたらバリアを纏って突進、これだけで大抵の敵は粉砕できるわい」

「そうですね。ただ、今使っていてもう一つ考えが、いやもしかしたら二つかもしれませんが思いつきました」

「何? どんなのじゃ?」

「魔物を見つけたら試してみます」

 もし、これができたのなら――スコルバンカーですら倒すことが可能になるかもしれない。

 

 

 

 

「イム」

「……はい」

「これは人に使うのを禁止する」

「……はい」

「使わずに済むなら敵にも極力使うな」

「……はい」

 成功してしまった。だがやはりえげつない手段過ぎた。シャナさんもとても引いていた。だがこの言葉はシャナさんなりの優しさだろう。

こんな方法で(・・・・・・)敵を倒していたら人でなくなってしまうかもしれないからそれを防ぐために言ったのだろう。この方法はあまりにも生物を殺せてしまうから。

 

 

 

 

 

 

 

「まあ、とりあえずこんなものかの」

「そうですね」

 戦獄塔から帰って来た私たちは城の応接室でお茶を飲んでいた。……このお茶おそらくだけど高いのだろうな。すごく美味しい。

「ふむ、イム、お主今すぐにでも神罰隊に入る気はないかの」

「……冗談ですよね? 来月から行くっていうのに」

「半分冗談じゃ」

「……半分は本気なんですか」

「まあのう、お主を学園に入れてもあまり意味がないのではないかと思っての。主に強さの面で」

「学校って意味だけで行くものではない気はしますが」

「まあ、そうじゃがお主色々成熟しておるから、意見を聞いて置こうかと思っての」

「行きます」

「そうか、まあ、気をつけて行くんじゃぞ?」

「え?」

 私はシャナさんの言葉に首を傾げる。そんな私を見てシャナさんは笑った。

「この国の訓練生は好戦的だからのう」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「「「「「「イム・アルカディア、俺と決闘してくれないか!?」」」」」」

「「「「「イム・アルカディアさん私と決闘してくれない!?」」」」」

 ……シャナさんが言っていたのはこういうことかー!?

 

 

 

 

 

 なぜこうなったのか、それは大体四時間程前の出来事が原因であった。

 

 

 

「イム・アルカディアです。よろしくお願いいたします」

 学校に来て挨拶をする。そこまではよかった。いやじろじろ見られてはいたのだが、問題はなかったのだ。

 問題が起こったのは授業が終わった直後だった。

 簡単に言うとめちゃくちゃ話しかけられた。まあ転校とか編入して来た人がいたらこんな感じだよね。

 ただ、ある一人がこんなことを言った。「俺と一回戦って欲しい」と。

 私は放課後ならやってもいいと了承。そして戦って勝ったら大勢から決闘を申し込まれたという訳である。

 いや、普通に戦って勝っただけのはずだ。なぜそこまで決闘を申し込まれることになるのだろうか。

 普通に避けてカウンターを決めただけなのにこんなことになってしまったのか、全く分からない。

 シャナさん、助けて!?

 

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