最強少女は幸せを探している   作:但野ミラクル

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第13話

「それで学園生活はどうじゃ、学園に入って一週間経ったが少しは慣れたかのう」

「……慣れはしてきました」

 学園の応接室。そこで私はシャナさんと向かい合っていた。

「慣れは、ということは他に問題があったようじゃの、例えば決闘を申し込まれ続けておるとかかの?」

 私は思わず苦笑する。 

「ええ、……シャナさんはこうなることを予測していたんですね?」

「そうじゃの、イムの強さとうちの校風を考えたら想像は付くわい」

「……普通に戦っただけなのですが」

「そりゃイムの基準が壊れておるだけじゃ。普通は四凶災ぐらいの強さの敵とは戦えんからの?」

「……確かに」

 忘れていたが四凶災を倒したクロヒコさんとキュリエが苦戦する相手、スコルバンカーと一応は戦えていたのだから普通とは言えないかもしれない。……認識を改めないと。

「そういえばじゃが」

 シャナさんはイタズラっ子のようにニヤリと笑う。

「キュリエとクロヒコが王都に二週間後くらいに来るぞ。学園にも留学生として来るぞ、一日だけじゃが」

「ええ!?」

 いつも思いますが急過ぎませんか!?

 

 

 

 

 

「なるほど、ルーヴェンアルガンにある禁呪を発動するためには必要な禁呪文書の入手とクロヒコさんの義眼作成、この国にいるタソガレの捜索のために来るんですね」

「うむ」

「シャナさん、タソガレ、今はラグナって名乗っているんでしたか。タソガレがいることを知っていたのならもっと先に言ってくださいよ」

「なんじゃ、用事でもあったのか?」

「情報は欲しかったです」

「すまん、言うべきかちょっと迷っての、言うのが遅れた」

 別に会う気はなかった、だがタソガレがラグナと名乗っていることを聞いて気が変わった。なぜなら、タソガレとラグナという単語にはある言葉を連想させるものだからだ。

「タソガレと会うときは私も同伴させてください」

「分かった。キュリエたちが了承したらの」

「はい」

 私は頷いた。

 

 

 

 

 

 

「なあなあ聞いたか? あの禁呪使いと無敗の転校生が戦うってよ」「まじで!?」「絶対見に行かないと」「イム様が戦うところって美しいわよね」「お前は一旦落ちつけ、鼻血を止めろ」

 何でこうなったのか、訳が分からないよ。

「すいません、イムさん。そういえば戦ってなかったですね、なんて俺が言わなければ」

「……別にいいですよ、私もここが好戦的であることいい忘れていましたから」

「まあ、お互いいい経験にはなるだろうな、何せ私が知る限りお前たち程に成長性があるものは見たことがない」

「……いい勝負にしましょうね。クロヒコさん」

「ええ、よろしくお願いします」

 

 

 

 

 

 ルーヴェンアルガンの学園にある修練場。そこは普段そこまで人は入らない。入る必要がないためである。だが今日は違った。埋め尽くさんばかりの人が観戦に来ていた。確かに観戦を制限はしていなかったが、来すぎだと思う。

「審判は私が行う、ルールは先に五本攻撃を当てた者の勝利とする。お互いに術式は禁止。時間が長引けば終了強制的に終了とする。異論は?」

「「ありません」」

「よろしい。では始め!」

 キュリエの声が修練場に響くと同時にクロヒコさんが動いた。

中段の姿勢からの袈裟斬り。私は右手で持っていた剣で弾く。そして左手の剣で突こうとするとクロヒコさんは後ろに下がった。私も一旦下がり間合いを取った。

「しっ」

 クロヒコさんは息を吸うと短い掛け声とともに突きを放ってきた。こちらは避ける。横薙ぎ、これも避ける。また突きを放って来ようと――む、これは

「「……」」

 ……なんだ?これ。まるで同時に二ヶ所が攻撃されたようだった。予測できなければ有効打になっていただろう。

「なんですか? これ」

「後でお教えします」

「ですよね」

 私とクロヒコさんはお互いに苦笑する。ああ、楽しいな。

 今度は私から攻撃してみることにした。突き、横薙ぎ、足払い、振り下ろしなど色々試してみたが、全部避けるか防がれてしまった。フェイントも混ぜてみたがすぐ反応されてしまう。これは中々骨が折れそうだ。

 

 

 

 

 

 

 

「そこまで!」

「「え」」

「これ以上やってもただの消耗戦だからな。二十分以上やってお互い有効打ゼロならもう意味はあまりない、訓練じゃないんだぞ」

「あー確かに」

「すいません」

 キュリエは呆れた顔でため息を吐いた。

「分かればよろしい。まあ、お互いに実りはあったようだしな」

「「ええ」」

「さて帰るか、観客に捕まる前にな」

 キュリエさんはこちらに向かおうとしている生徒を見てそう言った。

 そういえばまだいたの?二十分も有効打ゼロの試合を?ルーヴェンアルガンの戦闘への熱意は凄まじいなあ。

 

 

 

 

 

 

「人気物だなイム」

「キュリエとクロヒコさんもそうでしたけどね、ねえキュリエ?」

「うっ」

「別に悪いことじゃないと思いますがね」

「苦手なんだよなあ、悪意がない視線とかが」

 まあ、キュリエは結構悪意に晒されていたし、仕方ないか。拒絶するよりはましか。

「俺も戸惑いましたよ」

「でしょうね」

「イム、そういえば話は変わるが」

「なんでしょう」

 キュリエが私の目を見つめて来た。

「戦獄塔に一緒に来てもらえるというのは本当か?」

「もちろん。だって禁呪文書が戦獄塔にある(・・・・・・・・・・・)んでしょう? 一緒に行くに決まっているでしょう?」

「ありがとうな、イム」

 キュリエはニッコリ笑った。

 

 

 

 

 

 

 

 

「倒しました。後禁呪文書も手に入れました」

「本当にお主らヤバいのう」

 

 

 

 

 

 

 戦獄塔に入ったはいいもののキュリエとクロヒコがほぼ倒してしまって一日未満で終わってしまった。キュリエもこんなに早く終わるとは思ってなかったらしい。いや準備はしていた。テントとか諸々を。それが必要ないぐらいに早く終わってしまったのだ。最上階に到達した途端クロヒコがどこかに転送されてしまったが、そうなるかもしれないとキュリエから知らされていたので即座に最上階から撤退、その後クロヒコさんと合流し敵を殲滅して終わった。ちなみにクロヒコさんが転送された場所に禁呪文書があったらしい。

 そう話すとシャナさんは言った。

「……お主ら早過ぎじゃない?」

 シャナさんはちょっと引いていた。

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